20140407

2014年葛飾区議会第一回定例会を終えて(声明)

2014年葛飾区議会第回定例会を終えて

 

一、昨年実施された区議会議員・区長選挙後、初の予算議会となる今定例会は、公約実現、切実な区民要求を実現するためにも重要な議会でした。これまでの区民運動や議会論戦で二つの特別養護老人ホームの増設や子育て世代に係る幼稚園・保育所の保護者助成の拡充、学校給食費の無料化を拡大したことなどは歓迎するものです。

予算編成では、四月からの消費税増税、続けて復興住民税という二つの大増税から区民のくらしと営業をどう守るのかが問われました。ところが、区長の姿勢は所信表明でも、経済の現況、将来の予測もきわめて楽観視していることから、来年度予算は、増税から区民のくらし営業を守るための対策が全く不十分であり、それどころか、国保、後期高齢者医療保険料の値上げを押し付けています。

 区民のくらしや営業を守るため日本共産党区議団が提案した、公契約条例の制定や新たな産業対策としての耐震助成拡充、原発に代わる新エネルギー供給対策や商店街振興策などに後ろ向きであることも区民の置かれている現状を正面から理解しようとしないあらわれです。

 

一、教育施設整備基金への積み立てルールをまげて事実上庁舎建替え基金に15億円を積み増ししました。そして、今定例会では、総合庁舎建替え基本構想案が提案されました。この基本構想では、これまで庁舎の必要面積は33,000㎡としてきましたが、26,000から29,000㎡に縮小したものの「一部転用を前提とした供用スペース」を確保する必要があるとしています。これは立石駅北口再開発ビルの保留床を余分に買うことを前提としたものです。さらに、概ね十年後の整備までに庁舎建て替え基金を200億円積み立てることも明記されましたが、これも認められるものではありません。

 

一、区役所建替えは特別扱いしつつ、区民にとって必要な施設の大リストラ計画が明らかになりました。選挙前には与党からさえ異論が噴出し明確にしていなかった計画を、選挙後に次々と具体化し打ち出すというやり方は、区民無視、議会軽視であり認められません。

 保健センターについては、中間まとめ案で、小菅、高砂の両センターの廃止を明確にしました。しかも、質疑の中ですべての保健センターを廃止し区内に一か所の保健所があれはよしとする答弁があったことは重大です。区民の健康にとってかけがえのない保健所つぶしの大問題は特定地域の課題ではなく、区民全体の大問題となりました。

 子育て支援施設については、3ケ所の公立保育所廃止(2つの公立園を民設民営・1つの公設民営園を民設民営に)、1つの児童館を廃止、5つの公立学童保育クラブ廃止を打ち出し、南新宿学童保育クラブは、今年3月で廃止する条例案が提出されました。さらに、新小岩憩い交流館(旧敬老館)の廃止が提案されました。一方、西新小岩の旧心身障害者福祉会館は暫定活用を予定していましたが、一転し解体することになりました。まだ使える施設を壊してしまうのはムダ使いです。しかもその結果、障害者自転車リサイクル工房事業が中止に追い込まれる事態となりました。区民と共同し、たたかいを広げていかなければなりません。

 

一、今定例会では、東新小岩二丁目を区画整理すべき区域から解除し、地区計画によって新たな建築制限を設けることを計画する報告が行われました。高砂南地区も同様に隣地境界から50センチセットバック義務付け、四つ木一・二丁目地区でも新たに防災施設という名の道路が指定され、地区計画を進めようとしています。

しかし、どの事業も共通している問題は、住民に十分な説明が行われないまま、行政主導でスケジュールにだけこだわってすすめようとしていることです。

こうしたやり方は、立石駅北口・金町駅南口の再開発を一部の地権者の意向に沿って強引に進めようとすることに通じるものです。区は、立石駅北口再開発と連続立体交差化事業を一体ですすめるという方針から、連続立体交差化事業は再開発エリアに係る用地買収を先行するという方針に転換しました。今定例会では、そのために都・区・京成との三者協議が行われていることが明らかになりました。再開発と連続立体交差化は元々別の事業であり、切り離すべきというわが党の主張どおりとなりました。住民無視の強引なまちづくりの矛盾が噴出しています。

 

一、今定例会では、議案提案権を活用して四つの条例案を提案しました。はじめて提案した「空き家等の適正管理に関する条例」は、近隣各区市ですでに制定運用されていることから区政に一石を投じることになりました。ほかの3つの条例案(議員の費用弁償廃止、18歳までの医療費無料化、重度要介護者への手当創設)はその執行を裏付ける予算組み替え動議も提案しました。道理のある提案だけに無所属議員の賛同が広がりました。空き家対策と重度要介護者への手当創設条例には一人の無所属議員が、医療費無料化拡大条例には二人の無所属議員が、そして費用弁償廃止条例には三人の無所属議員が賛成しました。これらは可決決定には至りませんでしたが、今後、区議会内外での一点共闘を広げる努力を尽くします。これらの提案は区民要求に根差したものであり、日本共産党区議団は、みなさんと力をあわせて引き続き実現のためにがんばります。

 

2014327

日本共産党葛飾区議会議員団