2014年06月25日2014年葛飾区議会第二回定例会を終えて(声明)
1、今定例会は、6月25日に閉会しました。消費税増税後の初の定例会であり、国民生活の深刻さを直視し、国保料、後期高齢者医療保険料の軽減、復興住民税の徴収中止など区民のくらし応援こそ必要と主張しました。しかし、この声に応えないばかりか、原動機付自転車や軽自動車税などの大幅値上げの条例案を提案しわが党の反対を押し切り、さらなる増税を強行しました。 1、この定例会にさきがけ、区議団は、保健センターに関するアンケートにとりくみました。これまで約600通の返送があり、保健センター存続を願う切実な声が多数よせられました。この区民の願いを示し、「保健センターを守れ」と論戦を行いました。前定例会では、中間まとめの答弁で「論理的には全廃は可能」と明言しました。今定例会の報告書には、今後の保健センターのサービス提供の拠点とはしないという方向性に踏み込んでいます。施設を減らしてサービスを向上するといいますが、与党議員からさえ「もっとわかりやすく説明を」と意見が出るほど、矛盾した説明に終始しています。わが党の追及で保健所機能の強化という点では、すでに健診を廃止した高砂地域で健診を実施すること、保健師を増員するという答弁があったことも新たな展開となりました。「中間まとめ」では具体的に示していたスケジュールが、今定例会でしめされた報告には記載されていません。しかし、区は小菅、高砂の両保健センター廃止の姿勢を崩したわけではありません。今後のたたかいがますます重要になっています。 1、定例会の直前に、今年度4月1日の保育所の待機児が前年38名から111名に激増しました。認可保育所に申し込んだが、入所できなかった旧基準の待機児は、436名であることも明らかにされました。保育所整備計画が実態とかけ離れ、こうした事態を生じさせている区の責任は重大です。補正予算では、無認可の小規模保育所を設置する経費を計上しましたが、いずれも開設は、来年4月であり、事業者も決まっていないので開設の保証がありません。 毎日、新生児が誕生しているなか、年度途中の待機児対策は無策というほかなく認められません。この問題を解決するには、迅速に区が主体となった保育所開設、分室の設置などしかなく、強く求めていきます。 1、駐車場管理会社「タイムズ24」が港区の指定管理者として管理していた駐車場の従業員が業務上横領していた事件が明るみになり、会計管理の杜撰さが指摘されました。葛飾区でも金町駅南口駐車場の指定管理者として指定されているほか数多くの施設を委託しています。この事件を機に本区でも調査を開始していますが、その結果は、いまだに明らかにされていません。本区では別の大問題があることを指摘しなければなりません。金町駅南口駐車場を「パーク24」という会社に指定管理者として議決していたのに、わが党の反対を押し切って、子会社だからという理由でこの「タイムズ24」社に無審査で事業を継続させました。この事業者に、指定管理者を変更するのに議会の議決を行わず、事故が生じたことは大問題です。そもそも、公の施設を指定管理者として事業を行わせることは、「ブラックボックス化」するとの批判があります。ただちにこの件の全容解明と同社が公金を扱う自治体の事業に参入する資格なしとして指名停止を求めるものです。 1、学校選択制を廃止し、2016年度から学区域の小中学校に通学することを基本とし、新たな指定校変更手続きをできるようにするという報告が行われました。わが党は、学力テストの結果を各学校に公表させ、これとセットで学校選択制を実施することは、学校間格差を拡大し、子どもと教職員に耐えがたい競争と差別選別の管理体制におくものとして厳しく批判し、廃止を要求してきました。しかし、これまでの反省が不十分なために「改正」内容もまた不十分です。学区域の学校に進学することを基本にするといいながら、指定校の変更の条件を必要以上に広げています。 教育委員会が、学力テストの各学校別の結果を今定例会の報告で初めて公表したことは、新たに学校間競争を激化させる要因となります。 「学校建替え指針」を改定し、12学級以下の学校の統廃合計画を進めようという意図も露骨に示していることも重大です。 1、今定例会は、安倍政権の暴走「集団的自衛権の閣議決定」が大問題になっている中で、通常国会の会期末を迎えました。わが党は、葛飾区議会として、「解釈改憲による集団的自衛権に反対する意見書案」を提案しました。わが党の提案に、わが党5名含め計13名が賛成するという合意を得ましたが、自民、公明の反対で本会議に上程すら拒まれました。このたたかいは、今後、長く続くものとして、議会内外で一点共闘を広げる必要があります。 「区役所建て替えよりも区民の生活を守れ、公共施設を守れ」の運動とともに今後もみなさんと力をあわせて全力で頑張る決意です。 2014年6月25日 |