20141107

2014年葛飾区議会第三回定例会を終えて(声明)

1、10月6日、台風18号が、深夜から早朝にかけて葛飾区も暴風域に入りました。区教育委員会は、休校にするかどうかは、校長判断とし、家庭に自己責任を押し付ける態度をとりました。その結果、休校となった学校、暴風雨の中、通常授業を行う学校があり区民から疑問や怒りの声も寄せられました。決算委員会では、議員団は、この問題をとりあげて教育委員会が責任をもって判断するべきだとせまりました。その結果、今後は、区が一律判断することに改定されました。災害は、いつ起こるかわかりません。東日本大震災後、液状化の危険があることから中川堤防護岸耐震工事が進められています。今定例会では、この工事が計画通り進めることを求めるわが党提案の意見書も採択されました。

1、今定例会では、保健センターの廃止条例が提案される可能性が高いことから、7月11日には、「保健センターを守る葛飾連絡会」の結成総会が開催され、真夏の酷暑のなか、各保健センター前や駅頭宣伝・署名活動に地域の皆さんとともに取り組んできました。連絡会の呼びかけで9月6日には、100名以上で区民集会も成功させ運動を続けてきました。ところが議会が始まる前に、区広報紙で既に決まったことであるかのように掲載したことについて、連絡会、議員団も強く抗議し、訂正を求めました。短期日に議会への請願署名は3141筆、区長に対する陳情署名も4580筆を提出しました。区議団は、本会議でも、委員会でも区の「サービス向上」という説明に根拠がないと質しましたが、数の力で請願は不採択、廃止条例を採択しました。区議団は、緊急に「区議団だより」を発行し、全区に新聞折り込み、保健センターが廃止される当該区域用の全戸配布を作成しました。これまでこの問題の地域に対する説明責任が果たされていません。今後、住民に対する説明会等開催することを求めていきます。施策の具体化を検証すれば、保健センターの必要性がますます高まらざるを得ません。新たに整備される公共施設とともに新たな施設整備を求めていかなければなりません。

1、パブリックコメントが実施され、一部修正された総合庁舎整備基本構想(案)の報告が行われました。そのなかで、新館について「取り壊すことを前提にしていない」と述べています。立石駅北口再開発ビルの保留床を購入して移転することを最優先にする根拠は、現庁舎の敷地を売却することを前提として決定しており、旧館と新館を一括して整備すべきとした根拠が完全に崩れたことになります。総合庁舎整備基本構想の撤回を求めます。

1、来年度から施行される「子ども・子育て新法」による保育所、幼稚園、認定こども園や学童保育クラブ運営の根拠条例が提案されました。各地では国の基準に上乗せをしてこれら事業の実施を行う例がありますが、葛飾区の条例の最大の問題点は、おおむね国基準であり、現状より後退してしまいます。さらに、国基準が改定されると連動して基準が後退するという問題点があるので、わが党は関連三条例案に反対しました。

1、金町南駐車場はタイムズ24社が指定管理者として指定されていましたが、1300万円を超える不正計上していました。さらに、2012年度まで、第三者への委託は区の許可が必要であるのにもかかわらず無断で業務委託をしていたことが明らかになりました。指定管理者制度とは、公共施設の管理を民間に開放し、営利企業に利益をあげさせるだけです。指定管理者制度から直営に事業を切り替え、分割発注するなど、区内事業者の育成、区内経済の活性化を図るべきです。

1、2015年2月から四ツ木斎場の全面建て替えの期間中、火葬が混雑することが予想されます。火葬待ちが長くなると、保管のための費用負担が必要になります。生活保護世帯に対する対応と低所得者への対策を求めました。しかし、区は、問題ないといいきり、低所得者への負担軽減検討する予定もないと答弁しました。また、街の中に増加している遺体保管所について法的になんら定めがなく住民とのトラブルも起きていることから、住民の不安によりそった対応を求めました。

1、今定例会は2013年度の決算審査が行われました。新基本計画10年の初年度にあたり、11プロジェクトのひとつに挙げられた「公共施設の効果的・効率的な活用」を旗印に冒頭の保健センターの他、5つの学童保育クラブの廃止、3つの保育所の民設民営化の具体化、新小岩児童館と憩い交流館の廃止などをすすめ区民サービスを後退させようとしています。学校建替えについては特に古い14校を建替えが必要としたのに改築するのは3校のみに絞ってしまいました。教育施設整備積立基金を15億円削り、庁舎建て替え基金にほぼ同額を積み立てるということは学校改築は後回しという態度を如実に表しています。決算剰余金は74億円にものぼり、これを区民のくらしと営業のために最優先するなら区民要求にこたえることは可能です。

 日本共産党葛飾区議会議員団は、こうした区民要求実現のために引き続き全力をあげてまいります。

2014年10月17日
日本共産党葛飾区議会議員団