20150629

2015年葛飾区議会第二回定例会を終えて(声明)

1、区民のくらしは、国保料や介護保険の値上が直撃し、厳しさを増しています。労働法制の相次ぐ規制緩和による非正規雇用の拡大、円安誘導の経済政策で物価の値上げ、消費税増税に加え日々深刻さを増しています。初日の本会議で「格差と貧困」の象徴的事件となった川崎の簡易宿泊所火災事件を例にし、青木区長の「格差」に対する認識を問いました。区長は、平成20年代の数年のジニ係数と世論調査(内閣府)で相対的生活の程度が、”下”と答えた人が、6.3%から4.6%になったことで「格差は広がっていない」という珍論を披露しました。後の委員会質疑でこれを批判すると「格差が広かったかどうかという議論は建設的ではない」と全く反省がありません。間違った認識のもとでは正しい政策は実行できません。区長の基本認識のさらなる追及が必要です。

1、和泉なおみ都議事務所が今後、継続的に取り組む課題として「子どもの貧困」と「中小企業対策」を区議団や関係者と協力し、この2つのテーマごとに対策会議を定期的に行ってきました。そして、今定例会では、これまでの到達点に立って、区議会でも、また、都議会でも和泉都議が日本共産党都議団を代表して一般質問に立ちました。子どもの貧困については社会問題にさえなっており、区の調査をはじめ具体策の検討、また、中小企業対策では、城東地域のモノづくりの連携強化などの答弁を引き出したことは重要です。

1、保育所の待機児童が4月1日現在、昨年を大きく上回る252名となりました。保育需要に見合った増設が行われていません。今定例会の補正予算では、認可保育所が4ケ所増設されることになりましたが、いずれも来年度4月の開所であり、年度途中の対応も含めて待機児ゼロを実現しなければなりません。

1、小菅、高砂両保健センターが廃止され、各保健センターでは離乳食の調理指導の後、試食をしていましたが、高砂地区センターでは衛生上問題があるとして試食はできません。その結果、その他の保健センターの試食を廃止しました。また、健診についても子どもの保護者から「医師にとって聴診器が聞こえにくいのでは」という声が上がっています。サービスの後退は明白です。一方、今定例会の補正予算では、都の補助金を活用し、区内7ケ所の児童館に看護師や保健師を配置し、子育て支援策として新生児・乳幼児の健康指導を実施することになりました。こうした事業が大切だと考えるなら保健センターの復活こそが合理的対応だと言わなければなりません。

1、日本年金機構の杜撰な管理体制で125万人もの個人情報漏えい事件が発生しました。日本共産党区議団は、「個人情報の流出事故を繰り返さないことを求める意見書案」を提出し、全会一致で採択されました。マイナンバーは個人情報を政府・行政が都合いいように国民を監視し、さらに、重大な犯罪の温床となるものです。今定例会では「個人情報保護に関する条例の一部を改正する条例案」が提案されましたが、年金情報の流出という重大問題の検証を行わないまま、スケジュール通りに「マイナンバー」を全区民に送付することを前提としたものであり、同条例案には反対しました。

1、立石駅北口再開発は計画変更の繰り返し、2010年の計画が、またもや破綻し、今定例会では準備組合の新たな計画案が報告されました。これによれば、「庁舎基本構想」により区が購入しようという保留床が縮小したこと、工事費の高騰等で見直しが必要になったとし、マンション部分の面積を何と2倍にしたことが最大の特徴です。これにより518億円とした事業費は数百億円増えること見通しであり、極めて異常な再開発計画となりました。
四ツ木・青戸駅間の連続立体交差化事業は立石駅区間については、再開発によって事業用地を確保するという方針が破たんし、土地収用によって進めることになりました。今後、何よりも地権者の生活再建を第一にし、再開発に反対する地権者と再開発を憂慮する住民のさらなる団結が求められています。

1、国会では政府与党が戦争法案をゴリ押しするために戦後最長の延長を強行しました。しかし、これに反対する国民運動はかつてない規模で広がっています。区議会でも他党や無所属議員との一点共闘が広がりました。さらに、この一点共闘を広げつつ戦争法案の廃案目指し、区民要求実現のために引き続き頑張ります。

2015年6月29日
日本共産党葛飾区議会議員団