1、今定例会は予算議会であり、区民要求を的確にとらえるために、党区議団は、区民アンケートに取り組みました。3か月間に、1700通を超える返信がありました。区民生活の実情を伺うと、「良くなった」は、2%程度、6割が「苦しくなった」と回答しています。「苦しくなった」という理由の第一は、医療保険・介護保険の負担増、第二は医療費、第三は、税金の負担増が原因と回答しており、区民生活は、国や行政による負担増、制度改悪によって苦しめてられていると言って過言ではありません。
ところが、国民健康保険は大幅な値上げ、後期高齢者医療保険料も制度改悪による負担増、その他、経済・財政再生計画工程表により、今後、社会保障制度の改悪の連続を実施しようとしています。区長をはじめ、この負担増等に痛みを感じていないという驚くべき現状認識であり、区民にあまりに冷たいものと言わなければなりません。
1、区の基金積立は、ついに1100億円に達しました。不要不急のまちづくりや庁舎整備基金には計画的に多額の基金を積み立てている一方、学校建替えのための教育施設整備基金は、都区財調交付金算定額を確保するというルールから逸脱し、算定額の1/6程度の3億円に抑えてしまいました。こうしたルールの逸脱は、青木克徳区政の特徴と言えます。庁舎基金だけで、補正予算で15億円を積み増し、ほぼ同額の教育施設整備基金を減額しました。学校より庁舎が優先なのかとの批判は免れません。さらに、質疑の中で、庁舎基金の積み立ては、目標を持っているが、学校については計画がないことも明らかになりましたが、現区政の姿勢を象徴するものです。
1、公共施設等経営基本方針素案が発表されました。人口が減り、更新費用は莫大になると区民を脅して公共施設を削減しようとするものです。葛飾区の特徴は、「施設の機能は維持しサービスは低下させない」と区民をごまかしていることです。実際には、児童館全廃、不足しているのに区立学童保育をつぶし、公立保育所の民営化、鎌倉公園プールなど次々に計画を打ち出しています。公共施設の在り方を民主的に検討することや、排除されている公共施設の今後の活用を検討することも提起しました。
1、保育所不足は深刻です。2月下旬の時点の第一次募集で、「入所保留」とされた子どもは645名にも及びます。とりわけ1歳児は267名が「入所保留」とされましたが、二次募集での定員枠は48名しかなく、私立保育所で行う一時保育枠を利用する緊急対策は120名分しかありません。低年齢児を中心にした、区立保育所の建設が必要です。
1、立石駅北口再開発のための都市計画決定を来年度5月に都計審を開き決定する方針を報告しました。
地権者・住民からの意見書は、直ちに「公聴会を開催せよ」というものですが、これには、一切耳を傾けないという不当な態度は許されません。地権者の法的要件を満たす合意には、見通しがなく、計画が発表されるたびに減少しているのが実情です。今定例会で提案された交通広場の都市計画案の変更は、16年前に決定した都市計画決定であり、この間何の説明もなく、その変更を議会と住民に明らかにしたのは、わずか4ケ月前であり、説明不足は明白です。この都市計画決定中止にこそ道理があります。
1、就学援助支給の家賃の算定方式の改善と中学一年生の入学準備金支給の前倒しは、一歩前進となりました。小学一年生の入学金と修学旅行費の前倒し支給、準要保護世帯の小中一年生の入学準備金の増額も喫緊の課題になっています。さらに、支給基準を費目認定だけではなく生保基準の1.3倍にすることが必要です。
1、今定例会では、費用弁償廃止、子どもの医療費無料化を18才まで拡充、精神障害者にも福祉手当支給、児童育成手当支給を毎月に改定するという4つの条例提案を無所属議員とともに提案しました。これら条例案を実現する財政上も措置し、その他、介護手当支給、学校給食の無料化、住宅リフォーム助成実現等を提案し、その財源は、不要不急の事業を削除し、庁舎建設基金を取り崩す「予算組替動議」を提案しました。残念ながら多数の賛同を得られませんでした。
引き続き、区民要求実現のために区民の運動と共に、議会での積極的な論戦に臨んでいく決意です。
2017年3月27日
日本共産党葛飾区議会議員団