2018年6月28日

2018年葛飾区議会第二回定例会を終えて

1、定例会中の6月18日に大阪北部地震が発生しました。学校のブロック塀の倒壊で小学生が犠牲になりるという痛ましい事故がありました。本区でも各学校のブロック塀の調査が緊急に行われ、倒壊する危険のある6校が判明しました。ただちに撤去、修復をするのは当然ですが、党区議団は、通学路のブロック塀の点検や公共施設の防災性向上、災害への備えの提案を行いました。

1、今定例会は、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の各保険料の値上げ直後の議会でした。国保制度については、都道府県化の方針によって9億円の一般会計から繰り入れを5年かけて解消し、区民に負担を押し付けようとしています。国保料の通知が6月13日から発送され、値上げに驚いた区民から、わずか5日間で2300名もの苦情・問い合わせが相次ぎ、引き続き怒りの声が広まっています。日本共産党区議団は、一般会計の繰り入れ、子どもの均等割解消、1世帯あたり一万円の補助などの対策を実行するよう求めました。

1、「子育て支援施設の整備方針」に従い、児童館の廃止が進められています。今定例会では、基幹型児童館と位置付けられている細田児童館の廃止の具体化が進められました。全児童館廃止へとカジを切ったことの証左といえるものです。一方、学童保育クラブの大規模化が深刻です。公立23クラブ、私立65クラブのうち、国基準の40名以下は、19クラブしかなく、80名、90名超え、最大113名になっています。それでも、214名も待機児がいます。学校敷地内にこだわらず、大量増設以外に解決策はありません。

1、6月15日から、民泊新法が施行されました。旅館業法が改定され、その結果、宿泊サービスを提供するためにことごとく規制がなくなり、宿泊者と近隣住民の安全・安心が脅かされています。しかも、施行をいそぐあまり、本区でも新たに「届け出」を受理した事業者は、22件(6月27日現在)にとどまっており、多くの宿泊施設がヤミ民泊になっています。取り締まるとは言うものの実態が伴っていません。本区でも独自の自主規制で区民を守る取り組みを行うべきです。

1、立石駅北口再開発を強引に進めるために、準備組合を年度内に本組合にして事業をすすめるという報告が行われました。準備組合の計画は総事業費が高騰し、ついに、860億円になりました。保留床の金額を個別に明示せず、したがって、区役所庁舎の保留床の価格は公表されていません。新庁舎の事業費がわからないという異常な計画は絶対に認められません。

1、中川左岸の新小岩地域の高規格堤防化を東京都が実施することになりました。区は、この堤防と新小岩公園の高台化を一体的に進めるといってきましたが、事実上暗礁に乗り上げています。新小岩地域では、新小岩公園の高台化に反対する声が多く、現在、反対署名が取り組まれています。そうしたなか、今定例会で新小岩公園の高台化に先行する形で着手すると区長が表明しましたが、当然であり、かさねて高台化の断念を求めるものです。

1、区内の自転車盗難が犯罪発生件数で最も多いことから、「安全利用及び駐車秩序に関する条例」の改定案が提案されました。鍵をかけるようにキャンペーンを行うのは当然ですが、条例で決めることによって犯罪件数を減らせるものではありません。質疑の中で、鍵をかけない自転車利用者を処罰の対象とすることに言及する答弁もあり、本末転倒です。日本共産党区議団は、条例案に反対しました。

1、LGBTをふくむ差別の禁止を求める運動が広がっています。党区議団は、こうした動きに連帯し、今定例会では、公営住宅に対する差別的取り扱いや性別の記載を不要とすること、また、同性カップルの「パートナーシップの公的承認」制度の創設などを区に求める一般質問を行いました。今定例会では、区民から同趣旨の請願が提出されましたが、賛同する意見が多数であるのに、自民党区議団から、時代遅れの偏見に満ちた質疑が行われたことは重大です。請願は、わが党と公明、区民連、かが維、無所属2名の賛成多数で採択されました。

1、平成26年4月に区内中学生が自殺した事件では、生徒のご冥福と遺族に心からお悔やみ申し上げます。教育委員会は2年かけて調査した後、いじめはなかったと結論付けました。両親の訴えで、区長が第三者委員会を設置、今年3月28日に答申を公表しました。それは「社会通念上のいじめはなかった。自死との関係はない」という驚くべきものでした。そして、さる6月7日、区長はこの答申に対する「区の見解」を記者会見で発表し、一転して「いじめはあった。自死への衝動に影響をあたえた可能性は否定できない」と説明しました。教職員が長時間労働で部活の指導までできていなかったことの抜本的な改善策が求められていますが、解決の具体策はまだ、十分な検討がされていません。教職員の労働時間の短縮が最大のカギであり、指導上の民主的ルールを構築する必要があります。党区議団は、教育委員会内部の再検証が求められており、その検証内容によっては、トップの処分も必要だと考えます。

 本会議初日には、史上初の米朝首脳会談が行われ、朝鮮半島の安定と非核化が合意されました。その実現にはわが国を含め、関係各国の努力が必要です。すでに国連で核兵器禁止条約が採択され、核のない世界への扉が開かれつつあります。核兵器の廃絶とともに引き続き、区民要求の実現のために頑張ります。

2018年6月28日

日本共産党葛飾区議会議員団