2018年10月15日

2018年葛飾区議会第三回定例会を終えて(声明)

1、今定例会直前も、また、開会中にも自然災害が相次ぎ、西日本豪雨災害、北海道胆振東部地震、台風21号により関西空港が高潮で水没しました。葛飾区でも台風24号による塩害で京成電鉄が全面ストップするという事態となりました。大阪北部地震でブロック塀の下敷きになって小学生が犠牲となったことを教訓とし、わが党は、本区でも新たにブロック塀撤去・再築助成を求めました。それが実施されたことは、一歩前進ですが、先進自治体の施策から学び改善する必要があります。

1、災害ともいうべき酷暑のなか、柴又児童館内柴又学童保育クラブの冷房が8月16日に故障したのに、修理もせず扇風機で対応していたことが発覚しました。区立学童保育クラブと児童館を廃止する方針をかかげていることが根底にあると批判されても仕方ありません。今定例会では、白鳥、渋江保育所の建替えのため、合築されている両区立学童保育クラブ、児童館・憩い交流館(旧敬老館)の廃止を進めようとしていますが、住民合意のない計画は許せません。

1、国民健康保険・介護保険の自己負担にかかる還付金算出のシステムに誤りがあり、過去5年間の還付金を区民に請求するというあってはならない問題が発覚しました。881件4649万円にものぼり、最大で1人140万円の請求し、4割の方がすでに亡くなっているとのことです。しかも、このシステムの完了検査まで外部委託しており、区の責任で検査されていないことまで判明しました。はからずも果てしない外注・民営化の弊害が最悪の形で露呈しました。今後進めようとしている外注・民営化への判断を再考すべきです。

1、学校施設を長寿命化させるという案が示されました。施設を点数化し、7つの小中学校を建替え・改修をするという案を提案しましたが、科学的な根拠があいまいです。平成25年の「学校改築に向けた指針」では、古い学校15校のコンクリートの強度をランク付けして、それを根拠に6校の建替え・改修を進めました。しかし、今回の7校の建替え計画は、区の恣意的な判断を根拠にしたもので小規模校をあからさまに除外しました。施設が痛んでいるのに、児童生徒とクラス数が少ない学校は、「統廃合」をちらつかせるものであり容認できません。何よりも科学的な根拠にもとづき必要性のある学校の建替え・改修計画に改めるべきです。

1、金町駅前南口再開発組合が商業用保留床を公募しましたが、三階の全部と二階のかなりの部分が売れ残りそうになっています。そこで区は突如、使用目的も明らかになっていないのにその部分を保留床として購入、または、その部分を使用する営利企業に支援し、後期実施計画に計画を反映させたいと言い出しました。保留床が残るのは再開発組合の問題であって、組合を救済する目的で公金投入は容認できません。

1、国の省庁が法定障害者雇用率を達成していると水増しが行われていたことが大問題になりました。民間企業は、この法定雇用率を達成していない場合には、ペナルティを支払わなければなりません。率先して達成すべき国や自治体が、達成していないのは大問題です。あらためて東京労働局が葛飾区に調査を求めた結果、葛飾区も法定雇用率を達成していないことが判明しました。障害者の社会進出促進するために、猛省したうえで計画的に1日も早く達成しなければなりません。

1、東京理科大学誘致の基本協定で53億円余りの支援を行う根拠が揺らいでいます。この協定の根拠になったのは、理科大の学生の半数が区内にアパートなどの物件を借りて生活すると見積もり、その積み上げで年間27億円の経済効果があるというものでした。しかし、選挙管理委員会の調査では、区内に単独で居住する学生は、200名程度であり桁違いであることがわかりました。しかも、区内で単独で生活する学生の支出は、96万円と見積もっていましたが、ある調査では、67万円であり、ここにも大きなかい離があります。すでに開学してから5年経過しているのに検証が行われていないことが大問題です。検証結果にかい離があるなら、基本協定を見直し、変更や中止を検討すべきです。

1、9月26日の鎌倉公園プールの説明会は異常な運営が行われました。廃止反対の発言には、一分間と制限しながら、区の立場を代弁する廃止に賛成発言は、制限なく10分以上延々と発言させたうえ、質疑を打ち切りました。公務員が区に都合のよい区民を優遇し、分断をもちこみ、公平性と中立性を侵すものであり決して許されるものではありません。

 また、一般質問前の議会運営委員会理事会で、かがやけ維新の議員の質問について、区管理職が質問を制限しようとしていた事実が明らかになりました。公務員の公平性、中立性を侵し、民主主義にかかる重大な問題であることをわが党が指摘したにも関わらず、一般質問の当日、区管理職員も区長もこうした自覚もなく、議員の誤解に基づくものだという無反省な答弁を行いました。その後、わが党が、ことの重大性から強く抗議し、反省と謝罪を求め、議会運営委員会理事会に副区長2名を出席させ、謝罪しました。

 今定例会は、決算議会であり、2017年度の予算が119億円も使い残されました。基金等の「貯め込み」は史上空前の規模で1200億円を超し、23区で6位にもなりました。その一部を活用すれば、区民の願いの実現は可能です。
 国政でも大問題になっていますが、葛飾区政でも公務員が与党に対して、忖度をしていることがくしくも明らかになりました。日本共産党区議団は、民主主義を守る、区民の生活応援の姿勢実現のために引き続き頑張ります。

2018年10月15日

日本共産党葛飾区議会議員団