1、今定例会に先立つ9月8日、台風15号により千葉県は深刻な爪痕が遺されました。安倍政権は危機管理よりも組閣人事を最優先にし、対策が遅れました。千葉県では、停電が最大64万世帯にも及び、今日至るも深刻な事態が続き、生活再建が行われていません。鋸南町にある保田しおさい学校の児童17名を保護すべき教育委員会は、独断で「保護は困難」という無責任な対応をし、同校の保護者がやむにやまれず子どもたちを自力で区内に保護しました。こうした重大な問題を議会に報告していないことも厳しく指摘せざるを得ません。区と教育委員会に対し、関係者に対する謝罪と補償を求めるものです。
1、今定例会では、2018年度決算の審査が行われました。国保、後期高齢医療、介護保険料をすべて値上げし、制度改悪も進められています。区民にとって最も身近な自治体として区が区民生活を支えるために応援するどころか101億円も使い残して、身近な公共施設である新水元学童保育クラブを廃止するなど絶対に容認できるものではありません。亀有駅前のリノベーション事業として毎年約一億円も支出するなど再検討が求められる事業は山積しています。区民要求を実現する立場から決算審査に臨み、一般会計他、各特別会計もすべて同意しない態度表明を行いました。
1、今定例会では、許しがたい公共施設の廃止計画が実行され、区民の願いが踏みにじられたことは重大です。子ども未来プラザ条例が可決決定しました。区内に7カ所の区立保育園だけを残し、児童館と区立学童保育クラブ全廃を実行するためのものです。区内初の子ども未来プラザ鎌倉を来年1月から開所するために細田児童館の廃止を強行したことは容認できません。
鎌倉公園プールの存続を求める区民の運動も粘り強く続けられ、今日まで8879筆の署名とともに区長に陳情書が提出されていました。説明会でも存続の意見の発言を制限するなど非民主的な運営まで行ったうえ、今定例会でついに廃止条例を押し通したことも到底認められません。
また、「金町地域に学童保育クラブ増設を求める請願」は、短期間に17580筆の署名とともに第一回定例会に付託されました。わが党は当然採択を求めましたが、自民、公明など採択をせず継続審査とされ結論を先送りしてきました。葛飾区議会のルールとして、続けて3回継続審査とされた請願は、議長に継続審査として付託しないという制度を悪用して、今定例会でも自民、公明などが継続審査を求めました。わが党は、「審議未了・廃案」とするものであり認められないと主張しましたが、採決をしないという態度をとりました。多くの区民の願いを踏みにじるこのような決定は絶対に認められません。
1、都市基盤整備特別委員会で四ツ木・青砥駅間の連続立体交差化事業の進捗状態について問われ、事業者は都であり、工事期間については国の許可であるとしつつ、2022年度(令和4年度)完成予定が5年ほど延長されるのではないかという見通しを示しました。立石駅北口再開発についてはすでに完成を2025年(令和7年)と3年延長を目途と変更しました。再開発のゆきづまっている現状から立体交差化事業の延長を最大限利用しようという意図は容認できるものではありません。地権者の意思と共に区役所の再開発ビルへの移転を阻止するための区民運動と呼応して全力を挙げていきます。また、今定例会では、立石駅南口東地区再開発のための地区計画条例案が提案され、わが党の反対を押し切り可決しました。
1、葛飾区基本構想を新たに策定するために議会の議決を必要とする条例案が提案されました。議会が関与を高めるという立場から、賛成しました。わが党は、なぜ、今、基本構想の改定なのか、現基本構想に対する総括こそ必要ではないのかと追及してきました。新基本構想についての二回目の全協が10月9日に開催されました。区は議会に対して、すでに4月11日からコンサルタント会社へ業務委託の検討を開始し、しかも、今年度予算には「基本計画業務委託」という項目しかないのに、区政の最も重要な「基本構想」という上位計画の変更を議会へ何の情報提供することなく、「基本構想・基本計画業務委託」と変更したことは、大問題です。策定時期も3~4ケ月ずらしただけで新基本構想と新基本計画がほぼ同時に検討するという問題も改善されていません。ことの本質は、区長が、次期の選挙のために新基本構想と基本計画を前倒しして策定するという行政の私物化にあります。
1、10月1日、京成立石駅で視覚障害者がホームから落下し、電車と接触して亡くなるという痛ましい事故が起こりました。日本共産党区議団は、10月4日、視覚障害の方々6名と山添拓参院議員、和泉なおみ都議とともに京成立石駅の事故現場の現地調査を行いました。今後、京成電鉄沿線自治体の党議員団とも協力して、事故再発防止、ホームドア設置の働きかけを行います。葛飾区議会としても、「鉄道駅の安全対策とホームドアの設置を求める決議」を全会一致で採択し、今後、JR、京成、北総、東京メトロに決議を提出することが申し合わされました。
日本共産党区議団は、引き続き、区民運動に依拠し、区内各団体との懇談も行い、来年度予算要望書をまとめ、区長に提出します。要求実現のために全力を尽くします。
2019年10月11日
日本共産党葛飾区議会議員団