1、今定例会は、予算議会であり日本共産党葛飾区議団は、区民要求実現のために論戦に挑みました。去年の一定でわが党は重度精神障害者にも「障害者手当」を支給する条例案を提案しましたが、今定例会では区が提案し実現しました。繰り返し要求してきた介護保険で40才から64才までの特定疾病を有する方々へのサービスも拡充され、「公契約条例」も来年度実現することになりました。新金線旅客化のための基金条例が創設され、区は当初、新小岩・高砂間と説明していましたが、最大の問題は、国道6号の通過であることから、赤十字産院の移転先までと答弁させたことも一歩前進となりました。さらに、わが党も提案した「選択的夫婦別姓制度の審議を求める意見書」も採択されるなどの数々の成果を勝ち取ることができました。
1、今定例会の直前から新型コロナウィルスが中国をはじめ世界で流行が広がりました。未知の感染症とのたたかいは人命尊重の立場からも全力で取り組まなくてはなりません。その後、欧米での感染が広がりWHOは、3月11日、パンデミックを宣言しました。対策が後手後手になっていた安倍首相は、専門家委員会の助言もなく突如、2月27日に全国の学校に3月2日から休校の要請が行われました。翌28日に葛飾区新型コロナウイルス対策会議が開催され、3月25日までの一律の休校、しかし、一部登校することを認めることや学童保育、保育は続けると決定されました。一方、図書館や児童館などの公共施設が閉鎖されました。日本共産党区議団は、3月2日に、この決定をふまえ、区民から寄せられた意見を緊急要望書としてまとめ、区長に申し入れ、懇談を行いました。
党葛飾地区委員会としても3月2日に新型コロナウィルス対策委員会をつくり、医療、保育、教育、業者、労働組合、衛生関係者が集まり、アンケートに取り組み、訪問活動、懇談会等により、その声を議会の中でも紹介し、改善をせまりました。
区議会としても、急きょ区議会災害対策本部を設置し、いかなる事態になっても業務継続の体制を整えるための区議会規程を改定しました。
1、消費税増税による景気の落ち込みに加え、新型コロナウィルスにより中小企業、商店、あらゆる業種から悲鳴が上がっています。こうしたときに区は、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料などの値上げを強行したことは重大です。ひとり親家庭への福祉資金等返還支援業務は、区の責任で行うべき業務なのに民間委託しようとしています。しかも、個人情報保護委員会で区長の答申を諮る前に、業者の選定を開始しました。わが党の指摘で中止に追い込みましたが、いまだに個人情報委員会が開かれていません。それなのに、委託費の予算計上していることは二重の誤りを重ねています。
1、まちづくりの行き詰まりが深刻になっているのに、多額の税金投入が行われようとしています。立石駅南口東地区では、再開発準備組合から事業協力者の清水建設が、工事できないとの申し入れがありました。結果的にこうした事態をまねいたことにより、昨年行った都市計画決定は、地権者に重大な権利制限を行うことになっています。また、立石駅北口では、区長が、区役所移転の一部見直しを表明しました。そうであるなら、現都市計画決定の見直しが必要になることは明瞭です。ところが、この計画に、11億円の税金投入をしようとしていることは説明がつきません。
金町六丁目駅前地区再開発ビルの保留床の取得や新小岩駅南口ビルの6階フロアーの賃貸を先に決めて、後から公共サービスを検討することは税金の使い方が逆立ちしています。
東金町一丁目西地区再開発では、商業施設の屋上とスロープの供用部分を自動車教習所に独占使用を認めることは許しがたい不公正であり、是正が必要です。
さらに、新小岩東南自転車駐輪場整備は、マンション建設企業と4年間の協定を締結し6億円もかけて駐輪場を設置するものですが、基本協定ですでに税金投入を決めたために議会の関与も及ばないことが問題となっています。そのうえ、委員会質疑によって「基本協定」には、社会の諸事情によっては、支出額がさらに膨らむ可能性も認めています。
1、今定例会では、わが党は、三つの議員提出条例案、「国保への子どもの均等割免除」「18歳までの医療費無料化」「75歳以上の医療費窓口負担の半減」を提案しました。予算委員会では、予算組み替え動議も提案し三つの条例案を実施するための財源を確保し、区政のゆがみを正し、切実な区民要求を実現し、不要不急の事業、ムダな事業費の削減、基金の一部を活用し、57億4千万の財源を確保しました。その財源で、特養ホームにおける食事代助成、給食費の無料化、ひとり親家庭への家賃補助を創設、給付型奨学金の実施、介護士への住宅手当を創設、学童保育クラブ10個所増設、がん検診無料化、防災ラジオの全世帯への配布など区民のくらし・営業応援などを提案しましたが、可決されませんでした。葛飾区の基金総額は、2018年度末で1248億円と巨額になり、23区で4位となっています。それなのに、2019年度最終補正で、さらに92億円も積み増しました。区民要求を実現する保証は、これを財源とすれば十分可能です。
新型コロナウィルスの影響で、東京オリンピック・パラリンピックが1年延期となりましたが、今後の経済、区民生活への影響は、すでに計り知れないものになり、公共施設の閉鎖がつづいています。区民の苦難軽減、要求実現のために全力を尽くす決意です。
2020年3月27日
日本共産党葛飾区議会議員団