2020515

2020年度葛飾区議会臨時会を終えて

1、新型コロナウィルス感染症の広がりで、医療現場は逼迫し、休業自粛を要請された事業所もされていない事業所、また、縮小を要請されている飲食店なども経営破たんしかねない状況に追い込まれ、すでに破たんし始めています。感染防止の観点からテレワークが奨励され、学校休業、保育の中止などでも混乱が生じ、働き方だけではなく生活スタイルも変貌しています。政府は、布マスクを全世帯に2枚配布するとしていますが、多くの国民を失望させ、PCR検査の遅れなど対策が後手後手にまわっており、また、野党が国民へ一律に給付金支給するべきとの主張に反し、特別給付金もさまざまな制限を設け、政府に対して怒りが広がっていました。緊急事態宣言が発令された後、東京都が休業を要請する事業者や営業自粛に協力する飲食店などに「感染対策協力金」を50万~100万円を支給することを公表しました。こうした事態に直面した政府は、ついに、異例の補正予算の組み替えを行い、国民一人当たり10万円を支給する案とし、4月30日に100兆円を超える国の補正予算が成立、「声をあげれば、政治は変わる」ことを多くの国民が実感しました。翌5月1日、区議会は、第一回臨時会を開き、この特別給付金支給と事務経費、国民健康保険の傷病手当金支給経費の合計473億円の補正予算を議決しました。

1、5月15日に葛飾区議会第二回臨時会が開催され、新型コロナウィルス感染症対策の2020年度第二次補正予算(約31億円)を全会一致で議決しました。この補正予算は、区議団がこの間3回行ってきた区長への要望書で取り上げてきた区民の意見も反映されました。その要求は、区民アンケート、商店街聞き取り調査、医療・介護・障害者・保育事業所、労働組合や各団体との懇談で寄せられたものです。こうして、○PCR検査を区独自で行うために医師会と協力し、5月17日から週2回実施。○児童手当に区が独自で一万円上乗せ。○区の緊急融資も改善され、利率ゼロ、返済猶予は、半年から1年間に延長。○住宅確保の家賃助成も制度の緩和により対象枠拡大。○プレミアム商品券のプレミアム率を10%から20%、発行枚数も倍増などです。まだ、取り組むべき課題は、山積しています。国や都の給付金・協力金の対象となっていない事業者への支援も急務です。不要不急の大型公共事業、再開発も温存されています。この補正予算は、決算剰余金を新たな施策の財源としましたが、災害時に充てるべきは、財政調整基金であり、現在136億円余あります。こうした財源を活用すれば、さらなる課題に対応することは可能です。

1、首相官邸の独断で始まった3月2日からの学校の一律休校は、緊急事態宣言へと続き、5月31日まで3ケ月に及び、子どもたちへの学びや生活に深刻な影響を与えています。学習したくても自宅にパソコンやネット環境のない子どもたちが置き去りにされたままになっています。緊急事態宣言までの残された期間の学習への支援をはじめ、休校後の学校生活が円滑に行われるよう最大限の支援が必要です。

 新型感染症のパンデミックは、これまで当たり前とされてきたことに大きな落とし穴があることが明らかになりました。新自由主義という名のもとで効率第一に、公が行うべき事業が民営化され、保健所の体制も弱められました。医療も介護も感染症の流行で経営だけではなくその従事者の命さえ危ぶまれることも明らかになりました。今後も、アンケートや各団体との懇談などを通して区民の意見・要望を実現するために全力をあげてまいります。

2020年5月15日
日本共産党葛飾区議会議員団