2020年葛飾区議会第三回定例会を終えて(声明)

1、今定例会は、コロナ禍のなかの決算議会でした。前定例会後、新型コロナ対策の区長要請を2回実施し、計6回となりました。定例会が始まる前から、介護事業者へコロナの影響がどのようになっているか、また、隔年で実施している区議団区民アンケートに取り組みましたが、消費税増税が区民のくらしや営業に悪影響およぼしていることは明らかです。ところが、一般会計決算では110億円余が基金として積立され、必要なところに使われていません。党区議団は、区民のくらし守れと論戦に挑み、いくつかの重要な前進もありました。
 都が特養ホーム、老健施設及び障害者施設の入所者と職員にPCR検査を実施することになりましたが、区は、第6次補正予算で都が対象外としていたショートステイと新規入所者、また、感染者が発生した施設で濃厚接触者以外の方への検査を実施することになりました。新型コロナとインフルエンザが同時に感染拡大すれば、医療崩壊の可能性があります。その対策として、65才以上の方と60才以上の重症慢性疾患者へのインフルエンザワクチンの接種の無料化も実現しました。12月末までの新生児へ特別給付金10万円を支給することになったことも前進です。世田谷区では新型コロナの検査を「いつでも、だれでも、何度でも」と保育現場にも拡充しましたが、教職員やエッセンシャルワーカーなどにもさらに広げていかなくてはなりません。

1、「子育て支援施設の整備方針」は子育て施設の大合理化計画ですが、コロナ禍で破たんしているにもかかわらず、区が、これにしがみついていることは大問題です。計画されている西新小岩、小菅、東四つ木、いずれもコロナ前の設計であり、感染症対策にも問題があります。併設される保育園と子ども未来プラザが多目的広場を供用する構造で、保育園児と一般利用者が交わることになり危険性があります。東四つ木の施設については設計の変更を表明せざるを得ませんでしたが、すでに開設した子ども未来プラザ鎌倉も含めて抜本的な見直しが求められており、与党からもこうした意見が相次いでいます。また、子どもの遊び場を守るために、児童厚生施設として法的に位置付ける条例改定と児童館を守る運動が必要です。
 新型コロナにより、今年3月からの学校休校により「わくわくチャレンジ広場事業」が休止されました。現在、49校中、委託による5校とボランティア運営4校以外は中止したままで、再開の目処が立っていません。だからこそ、児童館と学童保育クラブの役割がますます重要になっています。定員拡大で大規模化している学童保育クラブの解消は、新型コロナ感染防止策でもあり、急務な課題です。

1、コロナ禍で、3か月という長い休校措置が取られました。この間、国会論戦でも、総理が教室内のソーシャルディスタンスを確保するために、少人数学級の必要性について答弁しました。これを受けて文部科学大臣も教育再生会議で「40人は無理」と表明、「少人数学級を明記」するよう中央教育審議会部会でも答申案をまとめました。こうした好機をとらえ党区議団は、促進するための意見書を提案しましたが、自公などの反対で採決に至りませんでした。

1、区立飯塚幼稚園の存続を求める請願が、住民の署名1759筆とともに区議会に提出されました。教育委員会は、区立幼稚園の存廃を関係者と話しあわず、機械的に実行することは容認できません。日本共産党区議団は、請願の採択を主張しましたが、賛成少数で否決されました。

1、和泉なおみ都議は、都議会で青砥橋のバリアフリー化を求める文書質問を行い、住民が署名運動に取り組み都議会に請願を提出しましたが、否決されてしまいました。しかし、その後、都から都内50橋、それには、区内の青砥橋の他、飯塚橋、堀切橋、新水戸橋が含まれ、調査済みだという回答がありました。青砥橋のバリアフリー化を求める住民は、区長に申し入れ懇談しました。区内の各橋梁のバリアフリー化の実現に力を尽くします。

1、区長は、今定例会の冒頭で、区役所の全面移転から一部移転へと方針転換しましたが、区民運動と議会論戦の成果です。移転先としていた立石駅北口再開発では、区は、2/3の地権者が合意したと説明しましたが、虚構です。合意を得たのは、58%だけで、多くの地権者が同意していないからです。
 全面移転しないなら、再開発ビルとして取得すべき保留床が変わり、都市計画決定そのものを変える必要があります。それなのに計画を決定しないまま、組合設立申請、設立認可を求めるなど無謀としか言いようがありません。今定例会の総務委員会では、今後の立石駅前ビル計画について、税務署や年金機構、社会福祉協議会と協議して来年6月に案を示し、12月に決定する日程を報告しました。この計画は、再開発事業費の補助金、保留床の売買、区営駐車場や交通広場、道路などに巨額の税金が投入される事業であり、区民に説明しないで進めることは区民への背信行為です。来年の11月には、区長・区議選があります。この問題は、この選挙戦で問われる大問題であり、区民の一人一人の一票によって審判を下すべき重要問題となります。

 菅政権は、「自助・共助・公助」を打ち出しましたが、中身は、前政権の継承です。区は策定中の区基本構想に突如、「自助・共助・公助」を書き込みましたが、これでは、区民にいっそう自己責任を押し付けるものになりかねません。日本共産党区議会議員団は、来年度予算編成にあたり、新型コロナ対策、区民のくらし応援実現のために、引き続き全力をあげてまいります。

2020年10月14日

日本共産党葛飾区議会議員団