葛飾区議会第4回定例会を終えて(団声明)

1、新型コロナウイルス感染症の第三波のただなかにあるなか、徹底した「検査、保護、追跡」を進めなければなりません。しかし、政府はGo To事業を継続し、医療機関が逼迫しているのに有効な手立ては後手どころか、感染拡大の原因をつくり、あらゆる対策が、自治体任せになっています。
 党区議団は、これまで、コロナ感染対策として、8回の区長申し入れを行い、今定例会では、65才以上(基礎疾患のある方は65才未満でも)のPCR検査を3000円で実施、高齢者・障害者の通所施設で勤務する方の検査、私立子育て施設などでは陽性者が出た場合、職員全員の検査を実施することになりました。また、母子世帯の低所得者には、再度、1人5万円(2人目以降は3万円)を支給、都の感染防止協力金の上乗せ、小口・特例貸付と住宅確保助成の延長など党区議団として要求してきたものも実現しました。さらに、年末年始の休日診療について区独自の協力金を支給、区内20病院に500万円、335ケ所の診療所に30万円の緊急支援事業を決めました。しかし、感染防止のためには、検査とくらし・営業を支える事業がさらに必要です。党区議団として引き続き事業の拡大を求めてまいります。

1、第8期介護保険事業計画策定作業が、続けられていますが、保険料の大幅な値上げは重大です。すでに、保険料基準を1万円前後の引き上げの必要を審議会で報告しているからです。区が独自の保険料補助や事業の上乗せをしなければ、制度の維持さえ危ぶまれています。党議員団独自のアンケートでもコロナ禍のなか介護事業者も経営が圧迫し、支援策が必要です。また、特別養護老人ホームの増設がないことも問題です。補足給付が大幅に絞り込まれたために使用料の大幅な値上げになっていることが問題です。安心して利用できる使用料に抑える取り組みも求められています。

1、区長は突如、学校プール全廃の方針を打ち出しました。今後、学校建て替えの際には、プールを設置せず、2つの区営温水プールと民間のプールを活用して水泳指導を行うというものです。①水泳指導は戦後、海難事故の度、命を守る教育として実施されてきた経過から見ても「子どもの命の軽視」であること②子どもの意見表明権を補償せずに決定しようとしていること③施設開放も夏季の水泳指導もできなくなるなど重大なデメリットしかありません。プールをつくる費用よりも借り他方が安上がりだからという安直な計算をメリットとしてあげるという効率主義の方針は間違っています。このプール全廃方針は撤回するべきです。

1、昨年の台風19号では、京成本線荒川橋梁の橋台下1.2mまで荒川の水面が上昇し、甚大な水害の危険個所として問題になっていました。架替計画が進捗していないことを都議会では和泉都議が文書質問を行い、党区議団は、国土交通省へヒアリング、区議会でも指摘してきました。11月17日に国土交通省、東京都、京成電鉄、葛飾区、足立区等が参加し「第一回京成荒川本線荒川橋梁架替に係る事業調整協議会(仮称)」を開催し、新しい荒川橋梁の架替と現在の土嚢をパラペットというコンクリート製の防壁設置と水害を防ぐ新たな機具を設置するという方針としました。新橋梁の完成までは10年から16年としていますが、期限を明確にした方針がまとめられたことは大きな前進と言えるものです。

1、立石駅北口再開発準備組合が、10月28日に理事長が区長に本組合の設立を要請し、11月11日に区は、必要書類を整え都に提出しました。この時点での、地権者の同意率は土地所有者で58%にすぎません。区と公社の土地所有率が11%あるから、合計して2/3を超え、法的要件をクリアしているというのは間違いです。中立的な立場に立つべき区長をはじめとする公務員が、今、やるべきは、賛成住民の側に立って手続きを進めることではありません。ましてや、27000㎡の保留床を総合庁舎する計画を撤回した今、事業の公共性が成り立たず、事業の採算性も取れていないことになります。本組合の設立申請は、直ちに白紙撤回する以外にありません。

1、今定例会では、「都環状七号線の青砥橋におけるエレベーター設置を求める意見書」が全会一致で採択されました。地域で「会」を結成し、署名を集め都議会に同趣旨の請願を提出しましたが、都民ファースト、自民、公明の反対で不採択になりましたが、その後、和泉都議が文書質問を行い、その後、青砥橋を含め区内のその他三つの橋のバリアフリー化が検討されていることがわかりました。この意見書の全会一致はで採択は、歓迎すべきものです。しかし、党区議団が提案した「核兵器禁止条約を政府が批准することを求める意見書」は自公などの反対で上程すらされませんでした。

 今定例会に先立ち、党区議団は、新型コロナ対策の緊急要望を含め、426項目の2021年度予算要望書をまとめ区長に提出しました。各団体との懇談、区民アンケートなどによって区民から貴重かつ切実な要望をまとめたものです。この要求実現のために、引き続き全力を尽くしてまいります。

2020年12月14日

日本共産党葛飾区議会議員団