1、今定例会前の5月から高齢者向けの新型コロナワクチンの接種が始まりました。葛飾区では、集団接種会場よりもかかりつけ医での医療機関での接種が中心となり進められました。コールセンターにつながらない、予約できないなどの大変な混乱となりました。区議団は、区民からの意見を集約し、定例会に先立ち5月18日に和泉なおみ都議とともに区長に12回目の申し入れを行いました。申し入れ内容により、ワクチン接種者を日々記録し、公開すること、集団接種の拡大、パソコンやスマホを使いこなせない高齢者へ区役所や地区センターでの援助などが実現しました。当初よりも接種回数も増大していますが、総理が公約した7月末に高齢者の接種完了には、ほど遠く65才以下への接種は、事実上これからであり、医療機関へのさらなる支援も求められています。
1、新型コロナ感染者が下げ止まる前に緊急事態宣言を解除したために、短期間に感染拡大が広がり、東京では三度目の緊急事態宣言が4月20日から発令され、2回の延長の末、6月20日に解除されました。党区議団は、和泉なおみ都議や葛飾民商のみなさんと立石商店街を訪問調査しました。酒類の提供自粛は、従来とは異なり、チェーン店の店主とも対話ができ、厳しい現状が訴えられました。国民、業者にはガマンを押し付け、是が非でも夏の五輪を開催するために、世論にも専門家の意見にも政府や東京都、組織委員会は耳を傾けず、「五輪だけは特別扱い」しており、許されません。感染防止のための大規模な「検査・追跡・保護」をすすめ、疲弊する飲食店をはじめ、あらゆる業種に補償が求められています。
1、コロナ禍は、女性の貧困、生理の貧困という問題をあぶりだしました。女性の賃金差別は著しく、その反面、生涯、女性は生理用品に100万~200万円かかります。フードバンクでも生理用品が歓迎され、区の備蓄品を必要な方に提供されました。世界では、確実に変化が進行しています。スコットランドでは、生理用品が無料で提供される法律が施行され、ニュージーランド、フランス、韓国では、生徒に無償提供、ソウルでは、公衆トイレに常備されています。トイレにトイレットペーパーと同じように常備されなくてはなりません。ジェンダー平等への取り組みが各自治体で急速に広まっています。今定例会では、「新葛飾区基本計画」が報告されましたが、人権・多様化の項目は、従来型で進展がありません。党区議団は、パートナーシップ条例の制定などの提案を行いました。
1、今定例会で「五輪の中止」を国、都に求めるべきという質問をおこないましたが、「中止を求めるつもりはない」と区長が断定する答弁を行ったことは重大です。都は、パブリックビューイングの全面中止に追い込まれました。学校連携観戦は、目黒区、文京区が全面中止を決めました。和泉なおみ都議と区議団は、6月23日、区長に13回目の申し入れを行いました。学校連携観戦について、区長は、議会で「都の動向による」と答弁しましたが、市民団体が中止の申し入れには「実施する」と回答しました。パブリックビューイングや聖火リレーの中止を葛飾区は、いまだに中止を決断することができていません。その根底には、国や都と同じく、区長自身も五輪実施という大前提に立っていることが原因であるといわなければなりません。
1、保育所の入所について、新基準(あらゆる保育資源を活用した結果)としては、今年度はじめて待機児が「ゼロ」になりました。8年まえの都議団の躍進後、認可保育所の設置が前進し、全都で認可保育所は1.7倍化、葛飾区でも84園が新たに設置されました。通年、保育が必要な家庭に保育を提供できるようにするためには、保育事業の更なる拡充が求められています。
1、学校プール廃止反対の運動が各地で取り組まれています。区議団は、独自に「ステッカー」を作成し、プール廃止反対の声を広げるために努力するとともに議会論戦も進めてきました。区教委は、プールを廃止した場合のデメリットとして、移動時間により授業時数が確保できないことを認めました。また。教育長の「子どもの権利条約の子どもの意見表明権は子どもの意見を聞かなければならないと解釈はできない」という暴論に、本会議でも委員会でも追及しましたが、この誤りを認められないことは、葛飾の教育と子どもたちにとって悲劇と言わなくてはなりません。
1、児童相談所の開設を令和5年として準備が進められています。わが党は、区が児童相談所を設置して、子どもの保護、育成、いのちを守る取り組みは必要なことだと考えます。今定例会では、35年間の定期借地権付きの物件に8億円以上の経費をかけて建設する補正予算が計上されました。毎月約220万円の地代を払い続けることは、買収以上の経費を要するとともに、定期借地権が解除される際には、解体して更地にして返さなければならず、無駄遣いになりかねないと批判が続出しています。今定例会の前には、監査委員会に住民監査請求も提出されており、ここに児童相談所の建設することは認められず、補正予算には反対しました。
1、区は、「庁舎整備の今後の進め方について」日程を修正しました。今定例会では、「方針素案」の提出を三定に先送りし、「方針骨子」なるものが提案されました。しかし、4月の総務委員会で提案した「進め方について」と内容はほとんど変わらないものでした。一方、質疑の中で、現庁舎の新館は、改修すれば、あと37年使用に耐えられることが明らかになりました。新館がそれだけ利用可能であるならば、「庁舎の移転そのものが必要ないのではないか」と言わざるを得ません。立石駅北口再開発組合設立認可が4月28日に公告されましたが、必要のない庁舎移転を前提にしたことの矛盾をますます広げることになりました。区政の無駄遣いと道理のない計画は撤回をとの声をさらに広げていかなくてはなりません。
現区議会議員の任期は、あと4カ月、第3回定例会が最後となります。区民要求を掲げ、引き続き全力をあげてまいります。
2021年6月23日
日本共産党葛飾区議会議員団