2022年葛飾区議会第一回定例会を終えて(団声明)
1、今年に入り新型コロナウイルス感染症の感染力が強いオミクロン株が急速に広まり、まん延防止期間が発せられました。今定例会に先立ち、1月21日、区議団は17回目の新型コロナに関する区長への申し入れを行い、保健所の体制強化や検査とワクチン接種などの対策強化などを申し入れました。陽性患者が都内で1日2万人を超え、過去最高となりました。3月下旬には、まん延防止期間は解除されたものの第五波のピークを越える陽性者が連日出現し、医療機関のひっ迫は収まっていません。本会議で都立・公社病院の独立行政法人化について区長の姿勢を質しましたが、都の政策だと追認しました。自治体の長として区民の命を守る立場にかけているといわなければなりません。
1、1月25日付の区広報で2ページにわたり「庁舎移転計画」は247億円だとわが党の主張が間違っているといわんばかりの記事を掲載しました。日本共産党区議団は、この間の宣伝が効いているからこその反論であり、また、公費を使ったわが党への攻撃であるとして、この広報に反論する全戸配布ビラを作成しました。国と都の補助金を意図的に隠し、660億円だけではなく、新館の改修、公社の土地の買い戻しなど、さらに80億円以上の経費が必要なことが明らかになりました。とりわけ、権限のない借家人への説明が事実上行われていないことへの批判が高まり、自民党からも区役所の位置を変える条例(地方自治法で2/3以上の賛成が必要)に「このままでは賛成できない」という発言がありました。道理のない再開発の矛盾が広がっています。
1、森永乳業東京工場跡地を「公有地の拡大に関する法律」(以下、公拡法)によって取得することをわが党がいち早く提案し、区はこの跡地買収に動き始めました。公拡法では、自治体に公示価格で先買い権を定めていますが、それを阻止するために森永乳業は、三菱UFJ信託銀行に土地資産を信託し、信託受益権を特定目的会社に売却しようとしていることがわかりました。そのため、葛飾区には公示価格では、250億円余の跡地を700億円という高値でなければ、譲渡しないという態度に出ました。しかも信託受益権をえるのが「物流関係」と報道されており、そうなればこの付近の交通事故、大気汚染、渋滞など生活環境が一変することが懸念されます。区が買収に動いた背景には、根強い世論があるからです。南葛FCがJリーグに昇格するにはスタジアムが必要です。それだけに森永乳業跡地は、数少ない大規模な土地です。公拡法では、双方が交渉を断念した時に決裂するとされています。公拡法による交渉を断念せず、再開する必要があります。
1、前定例会で継続審査となった「水元温水プール利用者の請願」と「水元小学校関係者の請願」が再度、提出され審議を行いました。このように繰り返し請願が提案されていること自体、「住民に丁寧な説明がされていない」結果です。水泳授業が2時間では足りないため3時間にわたるシュミレーションが提案されましたが、給食の時間がずらされたり、朝の健康観察にも問題があり子どもたちと教職員に多大な負担を与えることは明らかです。区営温水プールを学校教育に優先することは、社会教育法や社会体育施設条例からも逸脱するものであり容認できません。この2つの請願は、不採択とされましたが、全区民的な問題であり引き続き運動を広げていかなければなりません。
1、今定例会は予算議会であり、区役所の電力は再生エネルギーによりつくられた電力会社と契約すること、乳がん検診の無料化、小中学校の女子トイレに生理用品を設置するなどの成果を上げることができましたが、一般会計の問題点、国民健康保険、後期高齢者保険料特別会計のそれぞれ大幅な値上げが提案され党区議団は、区民生活を守る立場から反対しました。今定例会は、5本の条例提案を提出しました。「費用弁償廃止」「18才までの子どもの医療費無料化」「子どもの均等割無料化」「後期高齢者医療窓口負担を1割に」「子どもの権利条例制定」で、今回の特徴は、それぞれの条例案に無所属議員が発案者となり賛成してくれたことで共闘が前進したことでした。これらの条例案に予算上の根拠を持てるように他の要求も含めて来年度予算の組替動議も提案しました。多数の賛成を得られませんでしたが、掲げた要求の実現のために引き続き全力を尽くします。
ロシア・プーチン政権によるウクライナへの侵攻に抗議し、核兵器による脅しを批判する区議会決議を全会一致で採択しました。日本共産党は、日本軍国主義の時代、ちょうど100年前に結党した反戦平和の党です。ロシアによる侵略行為を直ちに止め戦争を終わらせるために全力をあげてまいります。
2022年3月30日
日本共産党葛飾区議会議員団