2022年葛飾区議会第二回定例会を終えて

1、物価高騰が区民のくらし、営業に深刻な影響を及ぼしています。コロナ禍、ウクライナ侵略という外的な要因だけではなく、アベノミクスによる日銀の異次元の金融緩和による異常な円安が最大の原因であり、ここにメスを入れなければなりません。党区議団は、新型コロナ対応地方創生臨時交付金を最大限活用して家庭や中小企業に現金給付、ガソリン代等の補てん措置、給食費無償化の提案を行いましたが、プレミアム商品券発行、給食費の一部補てんなどで、積極的な活用が図られませんでした。したがって、今定例会に提案された補正予算には反対しました。

1、学校外の温水プールによる水泳指導が5月から12校で始まりました。党区議団は、学校長等との懇談や実施校の水泳指導を視察するなどして、問題点を追及しました。温水プールでの着衣泳は全校で中止になったのに学校プールで水泳指導を行う学校でも3校で中止したから水泳指導の後退ではないと言い張るのはあまりにも無理があります。水泳指導の外部委託化の場合の説明の時には、一校当たり500万円ほどで実施できると説明していましたが、実際に入札の結果、約二倍の金額がかかっていることに議会に対して謝罪もしないのは不誠実だといわなくてはなりません。外部委託する学校の対策が中心となり、いまだ61校は学校プールで水泳指導が行われるのに熱中症対策に後ろ向きでは、重大な事故の発生を招く危険があります。引き続き、児童生徒の安全対策に尽くす必要があります。

1、今年度予算では、小中学校の女子トイレに生理用品を配備するはずでしたが、いまだに配備されていないが、どうなっているのかという問い合わせがありました。一般質問でそのことを質問しましたが、全校で配備済みとの答弁でした。このことについて委員会で問いただすと、「各校にメールを送り、未配備という返事がなかったから配備済みだと判断した」というものでした。実際に配備されていない学校が存在するのに、こうした判断は、極めて官僚的な態度であり、緊急に是正することを求めました。

1、立石駅北口再開発で本組合の結成以降、同意する地権者が減少していることがわかりました。借家人に対しては、同意したのではなく、金額も含めて説明したのが、200名中140名程度であり、そのうち同意した借家人のかずの把握もできていません。こうしたなかで、区役所の位置条例(地方自治法で2/3以上賛成で可決)を三定で提案する予定を四定(12月)と変更しました。先延ばししても、地権者と借家人の完全な同意は困難であり、こうした状況で位置条例を提出すること自体ありえないことだと批判しました。

1、今定例会では、私立保育園のパート保育士の補助金を前年度まで4年間誤支給し続け、総額、5億1千万円にも上ることが明らかになりました。今年、4月5日に第一報の報告があったのに、6月9日の保健福祉委員会でも、「精査中、誤支給分は返済を求める」と説明し、マスコミ各社で騒然となりました。ところが、6月17日の私立保育園の園長会で区長は、議会に報告することなく、「誤支給は5億1000万円、返済は求めない」と発言し、マスコミが一斉に報じました。誤支給は、税金であり返還を求めるのは当たり前です。区議会に説明もせず、区政の重大問題を軽々しく「決定」することは、非民主的、独裁的な態度であり、絶対に認められるものではありません。その後、6月23日に臨時の保健福祉委員会が開かれ、「決定ではなく、調査し、調整する」と修正、陳謝を繰り返しました。しかし、この委員会で、人件費以外にも補助金が支出されている可能性があることも判明しました。しかし、問題なのは、本会議終了後の区長記者会見で、保育士の人件費分の返還は求めないことを繰り返しましたが、午前中の委員会討論を否定するものです。
この間、就学援助の誤支給、認証保育所の補助金不正請求を監査委員会が指摘しているのに是正措置が取られず、都の監査で発覚し、今、返還の措置が取られています。相次ぐこうした不祥事は、なんでも民間任せの無責任な事務事業が横行しているところに最大の問題があります。しかし、区長は、こうした指摘に耳も傾けることなく反省がありません。この問題に対する徹底追及する決意です。誤支給をめぐる議会への説明責任が果たされないのは、議会軽視で首長の権限で決定する仕組みづくりの乱用があることも指摘しなくてはなりません。児童相談所の設置を購入するより高い定期借地権契約を交わしたことが不合理だとして東京地裁で争われている最中です。それなのに新小岩駅南口の駅ビルまで定期借地契約としてビル床を借りる契約をして建築工事、電気工事、空調工事をJR関連企業に任せる契約を行い、通常の契約の数倍にあたる支出を「議決なし」で行うことは、異常です。このように多額の税金を支出する協定やリース契約を乱用することはするべきではありません。リース契約は、法で議決の必要なしとされていても議会にしかるべき説明をして実行し、議会のチェック機能を果たせるようにすべきです。

 日本共産党区議団は、区民目線に立ち、区民のくらし、営業を守るため引き続き全力を尽くします。

2022年6月23日             
日本共産党葛飾区議会議員団