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■三菱製紙跡地開発の経過について
 2008年9月6日にひらかれた「三菱製紙跡地のまちづくりを考える会」と「葛飾まち研センター」共催のシンポジウムで、「考える会」事務局長で日本共産党の中江秀夫区議会議員がおこなった経過報告を紹介します。

●当初案・・・マンションと巨大商業施設に批判が殺到
 それでは、私の方からこの間の経過について報告をさせていただきます。
お手元に資料があると思いますが、表面が、この開発地にかかわる図面です。裏面が、経過について簡単に記載したものです。資料をみながらお聞きいただければと思います。
 なお、皆様のお手元には募金袋がいっていると思いますが、のちほど、よろしくお願いします。

 さて、三菱製紙株式会社は、1999年5月に新宿六丁目にありました中川工場を北上へ移転することを発表しました。
 その後、2001年3月に、三菱製紙株式会社と当時の都市基盤整備公団、現在の都市再生機構=URが土地の売買についての契約を締結しました。このときの土地の購入価格は、1平米当たり13万円でした。
 その後、工場解体工事開始、工場操業停止となりました。
 またその間、東京都と葛飾区、そして土地所有者でありますURと協議を重ねて、2004年10月に葛飾区として、「新宿六丁目地区まちづくり方針」というものを決定しました。
 その翌年、2005年7月にURが、地元の町会長さんや、商店会長さんなどを対象にして、この「まちづくり方針」の説明会をおこないました。内容は、1500戸のマンションと3万坪=約9ヘクタールの土地にアミューズメントを含む大規模商業をつくるというものでした。はじめてそのことを耳にいたしました出席された方々からは、質問や批判の声が殺到する、こういうものでした。
 なお、並行して、跡地の一部、表面の地図にも描いてございますけれども、B街区の3000平米の土地に、特別養護老人ホームの設置のための公募がおこなわれていましたが、この時は茨城の社会福祉法人が1平米当たり60万円という、とてつもなく高値で落札をしました。このことがのちに大きな問題となってくるのですけれども、この社会福祉法人、実は、このように地価を釣り上げておいて、その後撤退する。こういう状況になったところでございます。
 私たちは、このような中で、いまから3年前の9月12日、この「三菱製紙跡地のまちづくりを考える会」を結成いたしました。「会」は、このまま計画がすすめば、街が大変なことになる。当時、亀有三丁目の日本板紙跡地にショッピングセンター計画がすすんでいました。川をはさんで1キロも離れていないところにショッピングセンターができたら、まちの商業がこわされる。道路も渋滞し、大気汚染をはじめとした環境への負荷など、こうした問題を投げかけ、地域住民の意見をよく聞くべきだと、くり返し私たちは主張してきたところでございます。
 
●大学誘致・公園案が浮上・・・区は方針転換
 葛飾区も東京都もこうした声にいっさい耳をかさず、計画内容はそのままで、都市計画決定をいたしました。
 ところが、葛飾区は、半年もたたないうちに、「大学誘致を検討している」ということを表明しました。その後、この大学誘致をめぐっては様々な経過をたどるわけです。
 またその間、東金町一丁目の三菱製紙の体育館があったところを野村不動産が1平米当たり約60万円で買いました。同じくボーリング場跡地も同様に野村不動産が購入いたしまして、それぞれ19階建て421戸、15階建て304戸のマンションを計画。現在建設をすすめているところです。
 また、URは、あらためて特別養護老人ホームを公募して、藤寿会という高知にある社会福祉法人に決定し、現在建設がすすめられているところです。
 さて、昨年11月葛飾区は、この三菱製紙跡地、新宿六丁目地区の開発計画を大きく転換して、大学と公園にするということを発表しました。そのために区がURから10ヘクタールの土地を購入することも表明したのです。1平米当たり45万円、総額にして450億円というものでした。その基準は、URから「売買取引事例にもとづく時価」、つまり、特別養護老人ホームの購入価格、一平米60万円、これがその基準にされました。そして、交渉の末、45万円になったというのが、区が説明したところです。
 このことについて、私たち「会」は、高いといえば高いが、ショッピングセンターができて様々な問題が生じるよりも、区民の財産となる大きな広い公園ができることはよいことだと考えたところでした。
 葛飾区は、土地所有者であるURと契約を結び、お金を払い、そして約10ヘクタールの土地を取得しました。大学についても、すでに六月に公募をはじめました。11月中旬ごろには締め切って、来年には発表するという予定ですすめています。あわせて公園の整備ですけれど、どこの大学が誘致できるかによって公園整備の内容がかわるので、具体化はそのあとだと区はいっています。
 ここでひとつ問題なのが、区が内緒で大学をきめるのではなくて、公募を閉め切った段階で区民に公表して、区民の意見を聞くべきなのに、区は、そうすると大学が手をあげにくくなるといって、「応募大学を公表し、区民の意見を聞くことはしない」、こういう態度をとっているということです。これでよいのだろうかと、今日、この場であわせてみなさんに問題提起をしておきたいと思います。

●大問題・・超高層マンション計画!
 さて、前段が長くなりましたが、この大学と公園を整備していくという方針転換と並行して、もうひとつ、大きな問題が浮上しました。
 それは、いままでC街区とよばれていた住宅A地区、ここの開発についてです。この土地は、住友不動産が購入した土地ですけれども、約2万2千平米あります。資料の表面の左下に書いてありますが、ここには低層店舗Aとして350平米の一階建てのお店、それと5000平米の店舗面積を持つ低層店舗Bというのが計画されています。この店舗Bというのは金町駅北口の駅前にあります東急のひとまわり大きいぐらいのスーパーが予定されているそうです。
 それから、3340平米という建築面積で、地上39階建て、高さ138メートル、戸数にして800戸という巨大なマンションが建設される計画です。イメージでいいますと、水元にある清掃工場の煙突の高さが130メートルで直径13メートルですので、この清掃工場の煙突を20本まとめた大きさで、さらに8メートル高い。こういうものができあがるという計画です。
 きょうのシンポジウムのご案内のチラシにも書きましたけれども、大学と公園をつくる土地の真南に、こんな巨大なマンションができたら、区民の税金、450億円が台なしになるのではないだろうか。いま金町南口再開発がすすんでいますが、ここにも四一階建て、高さ138メートルのマンションができます。金町駅をはさんで二つも超高層マンションができたら、金町の地域をはじめ、新宿、水元地域に、15階、20階と高層マンションがどんどん乱立するようなまちになってしまうのではないだろうか。私たちはこう問題を投げかけさせていただいたわけです。
 この計画は、先日、8月1日の区の都市計画審議会で、葛飾区はこのままの計画でよいと東京都へ意見表明をしました。反対したのはパネラーとして本日参加しております三小田さんだけでした。そして、9月10日、4日後ですけれども、東京都の都市計画審議会が開かれ、そこで事実上決定されるというスケジュールになっているところです。
 きょうは、ぜひこのシンポジウムでできる限りみなさんからもたくさんのご意見をいただいて、この三菱製紙跡地の開発、この地域のまちづくりについてごいっしょに考える場となればと思います。以上を持ちまして私からの経過報告とさせていただきます。

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