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■三菱製紙跡地への東京理科大誘致について・・・3つの疑問?
(2008年第4回定例会一般質問より 質問者 中江秀夫)
 
 次に、大学誘致について質問します。
 わが党は、三菱製紙跡地のショッピングセンター計画を断念したことは評価されるべきであり、ここに大学を誘致し、それが区民にとって有益ならば、これも歓迎さるべきことと考えています。今回、応募してきた東京理科大は、他自治体とも産業振興の実績もあり区との連携に成功すれば、大きな前進も望めると思います。
 区長は、大学誘致の目的・その効果について、@多くの若者が継続的に集まる。A活力とにぎわいの源泉になる。B地域社会における諸問題解決のシンクタンク機能をもつ。C団塊の世代が今後定年を迎える中、意欲と豊かな経験を有する人々が社会貢献を始めるための生涯活動の拠点にもなる多様な役割が期待できる存在であり「明日の元気な葛飾造りに欠かせない」としています。
 そういう位置づけを持つ施設であるならばなおさら、後世の区民にとって悔いのない決定を行い、悔いのないプロセスをふんで圧倒的な区民の理解を得られるようにすることが肝要であります。
 しかし、このたびの誘致計画について、いくつかの疑問があります。
 第1に、議会や区民への説明が十分はたされていないという問題です。
 第一回大学誘致選定委員会は、さる5月29日に開催され、第二回目は、10月31日に東京理科大の応募をうけ、これに対する「提案内容の確認」を行ったものでした。
 11月17日の総務委員会では、「わずか14行の提案内容の概略と2500分の1の略図」だけによって説明が行われたので、これでは、判断ができない、十分な資料をと求めましたが、区はこれを拒んでいます。すでに、11月19日の選定委員会で審査が終了、その結果を12月4日の総務委員会で報告したのち、大学誘致は、区が12月19日に決定するとしています。
 また、先ほどの区長挨拶でも、11月17日の庶務報告の域を出ないものです。これでは「議会の意見を聞く」といくら言っても、議会軽視ではありませんか。
 まず、現状の資料では誘致の提案が妥当なものなのかどうか全く判断がつきません。区の応募要項には応募大学に22の書類を提出させるとなっています。提案内容の詳細を示していただきたい。また、議会への説明日程や区の計画決定期日についても変更を求めたいと思いますがどうでしょうか。答弁を求めます。
 第2に施設整備費補助の根拠が明確になっていないという問題です。
 53億円という施設整備費補助がいきなり示されましたが、どういう建物が建ち、どのような設備によって、何が区民に還元されるのか全くわかりません。
 また、施設整備費の補助ではなく、大学が進出するにあたって借り入れる金額に対する利息分という説明もしていますが、利子補給という支援のあり方は成り立ちません。なぜなら公募要綱には「大学の固有の敷地、建築物には支援しない」と明確にうたっているからです。
 借り入れたお金というのは、大学固有のものに使われるのか、区民に還元される施設に使われるのか不明であります。線を引くこともできません。
 大学の提案ですと、3ヘクタールを購入し、2012年4月に開学予定となっています。その後、将来構想として2ヘクタール以上を購入し、合計5ヘクタール余になる提案をしています。当然そこにも建物を建てることになりますと、新たな借金をすることも予想されますので、その利息も要求されることになるでしょう。単純計算でも区の支援は100億円近くに達する可能性があります。
 先ほど申しあげました通り、どういう建物が建ち、どのような設備によって、何が区民に還元されるのか、その内容を明確にしなければ、支援内容も決まらないのではありませんか。施設整備費補助というなら、その根拠を明確に示すべきです。答弁を求めます。
 第3に、大学と公園の位置の問題です。 
 先の総務委員会では、理科大は3ヘクタールを購入するうち1ヘクタールは公園の一部として、区民が通行できるという説明がありました。
 しかし、同大学予定地の建ぺい率は60パーセントで、3ヘクタールの土地を購入しても、建物は1.8ヘクタールしか建てられないのであって、1ヘクタール以上の空地が生じることは自明のことで、それが公園の一部だと強弁するのは、詭弁と言わなければなりません。
 理科大の提案は、第一期として複合A地区の北側のうち東側と西側を購入し、第二期にその中間部分を購入するということですが、そうなれば、大学のキャンパスは北の近隣公園と南側の都市再生型公園にはさまれた格好になります。
 大学としては、公園の中にあるキャンパスとして都合がよいのかもしれませんが、区民からみれば本当に使い勝手がよい公園と言えるでしょうか。
 フェンスがないとはいっても、建ぺい率60パーセントで仕切られた建物の敷地は、一定の圧迫感のあるものと容易に想像できるからです。しかも、現行の容積率は200パーセントですが、300パーセントに緩和されますからなおさらです。
 「森の中に沈むような大学」というのであれば、もっと工夫が必要ではありませんか。だからこそ位置についての協議も必要だと思います、いかがですか。
 本区にとっても今後、このような広大な土地の取得することはできないのであって20年、50年、100年後に本区の本当の意味でのランドマークとなるような計画にするべきであり、そういう意味からも、わが党は、情報を共有し合って最善の選択がでるようにすべきと考えます。
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