●第1回定例会 日本共産党代表質問    2001.2.22. 質問者  小笠原光雄
 第1回定例会は、2月22日から3月24日までおこなわれています。冒頭の本会議1日目に小笠原光雄さん、2日目に中村しんごさんが日本共産党を代表して、区政一般について質問しました。
【目次】
1、はじめに
2、基本点について
3、介護保険・福祉対策
4、中小企業対策
5、教育問題
6、公園・児童遊園
7、防災対策 予算について
8、答弁

1、はじめに

 私は日本共産党を代表して、区長に葛飾区2001年度予算(案)について質問を致します。
 質問に入る前に、先日発生しました愛媛県立宇和島水産高校の米原子力潜水艦による沈没事故で、災害にみまわれた関係者およびその家族に心よりお見舞い申し上げます。
 9人の行方不明者が依然として発見されないことに、こころが痛むものです。1日も早い救出と事故の徹底解明を表明するとともに、万全の救援を求めるものです。この点でわが党としての政府あての意見書を提出しておりますので、全会派のご賛同をお願いします。
 今、葛飾区民はもとより国民の中で、将来に対する不安が急速に高まっております。それは、国および自治体の連続する社会保障の改悪と、企業のリストラによる失業の増大によるものであります。
 日銀の「貯蓄と消費に関する世論調査」によりますと、老後の生活について、心配であると答えた人は、1990年に35・1%であったものが、2000年には、倍以上の84・7%にふくれあがったと報告されております。
 このことが国民を自己防衛に駆り立て、今日の消費不況を長引かせる原因ともなっています。2月17日放送の番組で日本テレビが発表した調査でも、国民がものを買わない理由の第1位が、「老後の不安」で41・89%であったと報道しています。
 したがって、本区の予算を編成するにあたっての最大の留意点は、この区民の不安を解消するというものでなければなりません。それは、福祉や中小企業対策、雇用を中心に区民が切実に求めているものに応えることであります。
 そうした立場にたってわが党は、昨年暮、19項目の緊急項目と221項目の重点項目を区長に提出し、実施方を要求したところであります。
 その上で、今回発表されました予算案を見ますと、ヒロシマ・カツシカ特別平和展の開催や乳幼児医療無料化の就学前までの引き上げ、奨学資金貸付の拡充、スクールカウンセラーの全中学校配置など、わが党が要求してきたものが反映されるなど、評価すべきものもあります。
 特に、乳幼児医療無料化の就学前児童までの拡大は、95年6月にわが党が条例提案をして以来6年ぶりの問題であり、感慨深いものがあります。今回のこの到達点にたって、就学児への拡大などさらなる充実を期待するものであります。
 しかし、全体的にみるとわが党と区民にとって、到底容認できない内容ともなっているのも事実であります。そこで以下、重点的にしぼって改善の提案と質問をするものであります。

2、01年度予算の基本的考え方 (歳入について、老人福祉手当、積立金、民間委託、無駄をはぶく)

 第1に、予算編成にあたっての基本的考え方について、5点にわたって質問します。
 はじめは、歳入の問題です。
 今回の一般会計総額は1397億6千万円、昨年比0・2%の伸びであります。これは東京都の3・6%にくらべて大変低く見積もった予算となっております。言ってみれば昨年度と変わらぬ消極予算と言えることができると思います。
 一番大きな減が、繰入金、その次が、使用料および手数料、そして特別区税、利子割交付金の順になっております。これらの減はそれなりの根拠をもつものと推測できるのですが、特別区交付金の伸びを前年比3%に押さえたことは納得がいきません。
 御存じのとおり、都区財調フレームの普通交付金の伸びは、5・9%であります。
 最大の原因は、市町村民税法人分の伸びが著しく、29・2%も伸びたことに原因しています。これは、労働者や下請け業者を犠牲にしたリストラによる企業収益の増を反映したものでありますが、想像を超えるものでありました。東京都は、今年、来年の一過性のものと説明しておりますが、それにしても歳入できちんと反映させておく必要があることであります。
 5・9と3・0では、あまりにも差がありすぎると感じるのですがいかがでしょうか。
 先ほど区長は所信表明で、従来どおり財政危機を強調されましたが、そのために低く押さえたと言うことでしょうか、説明を求めます。
 2つめは、「既定の事務事業について、聖域を設けることなく、その必要性や緊急性の観点から徹底的に見直す」として、老人福祉手当の支給が見直しの対象にされていることです。
 介護保険がはじまりましたが、高額の利用料負担は低所得者家庭を中心に利用抑制をおこしております。それは、昨年の本会議でわが党の調査にもとづいて指摘したとおり、利用限度額の4割〜5割という現状であります。
 そうした中で、老人福祉手当は低所得世帯にとって生命線ともいうべき役割をもっております。必要性・緊急性を言うのであれば、支給金額を元通りにすることであり、東京都の切り捨て路線にそって、削減すべきものではないと思うものです。
 老人福祉手当は何を根拠に緊急でなく必要性に欠けると判断されているのでしょうか。
 その一方で、今回、「家族介護慰労金の支給」として、1年以上介護サービスを利用しない重度の高齢者を介護した家族に対し、年額10万円を支給することになりました。
  これは、政府があまりにもひどい低所得世帯の負担強化に対する国民の批判をかわすために持ち出した制度でありますが、前回の本会議でわが党が指摘したとおり、利用料が高いゆえにサービスを受けることを拒否している低所得世帯が存在をしている現在、この制度が、こうした方々へのささやかな援助となることはまちがいありません。
 またこれは、老人福祉手当と性格を同じくするものであると考えるものです。
 したがって、典型的な「現金給付事業」であり、昨年議論となった「経済給付的事業は廃止する」とした「福祉サービスの再構築」の原則を崩すものと思いますが、いかがでしょうか。それとも別の根拠をもつものでしょうか。
 高齢者施策は、すべて保険でやることは無理であり、現金給付事業の一律否定は、福祉施策を後退するものにならざるをえないことの証明ともなったと思います。
 3つめは、積立金に対する考え方であります。
 予算概要の「基本的な考え方」の中では、財調基金について、基金残高が減少したため、「財政調整基金には頼れない状況にある」と「厳しい財政状況下」にあることを強調しながら、同じ概要の「予算の特徴」では、「9年ぶりに財源不足状態を解消したことにより、財政調整基金の取り崩しは行なわない」と言っています。一方で、厳しい財政状況を言い、一方で財源不足状態を解消したという、明らかに矛盾であります。いったい、どちらが本当なのか答弁を願いたい。
 私は、後半で財政不足状況の解消を強調したのは、「将来の必然的な財政需要に備える」「基金積立てのルール化を図る」としていることから見られるとおり、今後の財政運営で相当の金額を基金として積み立てるための「基金積み立て宣言」ともいうべきものであると想像するのですが、そうではありませんか。
 今回は、3月補正で、36億1千万円、本予算で16億6千万円、合わせて52億7千万円の基金積み立てをしようとしています。これは予算全体の3・7%に相当します。決して少額なものではありません。
 これまでも、財政当局は、立石再開発、都市計画道路274などのために「積めるだけ積みたい」と公言してきました。したがって私は近い将来、さらに多くの積み立てをおこなうであろうことを予測しています。
 わが党は、これまでもしばしば立石再開発は、鉄道連続立体化事業と切り離して、住民の自発的意思を尊重し十分に時間をかけておこなうことを主張してきました。
 連続立体にあわせたやり方では、キーテナントを呼び込むために、必要以上に公共施設フロアを買うといった従来型の再開発を抜け出ることはできず、それでは財政負担も大きく、それでいて地元商業の活性化にもつながらないと言ったものになりかねないものであります。
 基金の積み立ては、否応なく一般財源の使い途を制約します。今、区民は深刻な不況の中で、切実に施策を求めているときですから、基金積み立ては最小限に押さえるべきであります。
 そのためには、立石再開発はもちろん、金町の再開発や水元西南部の区画整理事業などのプロジェクトも、十分な時間と検討の上、区民の目線から見直すべきと思いますがどうでしょうか。
 4つめは、民間委託、民営化の問題です。
 今度の予算案では、 特別養護老人ホームと在宅サービスセンターの民営化、区立学童保育クラブの民営、知的障害者通所施設の民間委託などが計画化されております。このことに私は、わが区の福祉の将来に危惧をもつものであります。
 介護保険がはじまっても、いぜんとして特養老人ホームの待機者が減りません。選択の自由どころか、保険料をとられているだけに、不公平感がひろがるばかりであります。  学童保育クラブも毎年待機児対策と、定員増によるすし詰め状況が問題にされているところであります。
 区に対する期待は大きいものがあります。そうした時にどうして、民営化、民間委託なのでしょうか。
 たしかに社会福祉基礎構造改革にもとづく社会福祉法は、福祉事業の実施主体から国や自治体を欠落させ、NPOを含む「無制限」のものに広げました。しかし、その「福祉法」も特別養護老人ホームは、第1種事業として自治体の役割を低めているわけではないのであります。
 介護保険がはじまったからといって、安易に区の管理運営権を放棄していいものではありません。それは、自治体が事業主体として住民に責任を負っていた役割を、福祉市場の需要調整役に変質させるものになりかねないからであります。
 今後区は、公立の特養老人ホームや在宅サービスセンターをはじめ福祉施設の建設をしないつもりですか。また、介護保険事業者としての役割は負わないつもりですか。
 さらに今回地方自治法244条の2第4項にかかわって自転車駐輪場および文化振興財団の運営に対し、利用料金制度を導入するとしています。
 自転車駐輪場について言えば、運営を市場原理にゆだねることであり、高齢者の就労機会の低下や利用料金の値上げなど区民にサービスの低下を押し付けるものとなると思います。
 文化振興財団の管理運営の見直しもまた、民間市場に対応するものとなり、結果として区の文化政策の後退につながる懸念があります。慎重な検討を求めたいがどうでしょうか。
 5つ目は、無駄をはぶく問題です。
 昨年の第4回定例会で、わが党は、お花茶屋駅前の地下駐輪場について、地下というのは建設費用が莫大にかかる一方、余り利用されないものであることから、費用の点でも利用の点でも地上部分に設置することの方が優れていることを指摘しました。
 しかし、今回の予算案をみますと、今年度で3億円、総額で8億円もの整備費をかけて建設をしようとしております。
 亀有の地下駐輪場も同じ8億円をかけましたが、今でもガラガラの状況です。対費用効果の点では最悪のものでしょう。そのニの舞を演ずるつもりでしょうか。
 住民基本台帳ネットワークシステムの整備が予算化されております。これは、国の法改正に伴うものでありますが、わが区の個人情報保護条例に抵触するものでもあります。しかも今回は、国の特定財源もつかないということであります。それほど急いでやるべき仕事でもないと思います。
 同和行政も無駄な事業であります。
 1969年以来「被差別部落」にたいする特別対策としておこなわれてきた法による同和事業は、すでに国の段階では1997年3月末に基本的に終結され、残務処理として継続されてきた一部の施策も来年2002年3月末をもっておわります。
 すでに多くの自治体では、同和の垣根を取り除き分け隔てのない社会に向けて、部落問題を特別扱いする同和行政・同和教育を終結しております。
 わが区も、今年度に入院助産費・出産手当をなくし、今度の予算で生業資金融資をなくしました。これによって、わが区の不公正事業の典型である属人事業はなくなるわけですが、遅きに失したとは言え、いいことであります。
 しかし、「解同」葛飾支部への助成をはじめ、いぜんとして一部団体への特権的事業を残しております。
 この事業だけは聖域として残すことをやめ、一般施策に移行するよう求めます。

3、介護保険、福祉事業

 第2は、介護保険の保険料・利用料を減免し、削減した福祉施策を復元することについてであります。
 わが党は、この予算案を区民に説明するため、2月17日に「予算説明・懇談会」というものをもちました。その際、新小岩の高齢の方から、「これまで在宅サービスセンターでさまざまの刺激をうけていたのに、介護保険がはじまり有料とされたため行けなってしまった。いったい介護保険というのは、何のためのものか」と存在意義にかかわる発言があり、高齢者福祉電話についても、「江戸川では、補助がつづけられているのに、何故葛飾は打ち切ったのか」と言う苦情の質問がありました。
 福祉電話だけみても、葛飾の高齢者は、江戸川、足立、墨田の向こう3軒両隣りの区からみて、月に2〜3千円の負担増になっております。
 区長のもとには、こうした苦情は届いていないのでしょうか。
 福祉電話、出張調髪、ふとん乾燥などはせめて近隣区なみに復活すべきでありますがどうでしょうか。
 同時に介護保険の保険料、利用料の減免が焦眉の課題であります。直ちに実施することをもとめますが、答弁を求めます。
 とくに利用料の減免は、実施する自治体が急速に増えております。
 わが党の調査では、千代田、中央、港、品川、世田谷、渋谷、豊島、目黒、練馬、江戸川につづいて、杉並、墨田でも実施するとのことであり、23区中12区の過半数におよびます。過半数を超えるということは、早晩、財調算入も問題になってくることが予測されますが、区長はその事態になっても、「制度の趣旨」を楯に反対するおつもりでしょうか。
 今回の予算案で国民健康保険の均等割の引き上げようとしていることも重大です。
 現在の均等割額を26,100円から27,300円に、1,200円引き上げると云うものです。その理由として「中間所得層への負担偏在の解消を図るため」としていますが、低所得者に負担をかぶせる理由になりません。
 だいいち今でも滞納の42%が均等割世帯に占められています。介護保険料の負担も加わって滞納を増やす悪循環になりかねません。撤回をもとめます。

4、中小企業対策

 第3は、区内産業の振興策と雇用対策についてであります。
 KSDの資金が特定の政党と政治家に流れているいわゆるKSD疑惑については無関心ではいられません。葛飾区は、KSD会員が一番多い区と言われているからです。中小企業の血と汗の結晶である掛け金を食い物にしているもので、国会での徹底解明と掛け金の返還を求めるものです。
 この点でも、意見書について全会派の賛同を求めます。
 いま葛飾区にとって必要なことは、中小企業の町にふさわしく区内中小企業が、この不況にたちむかい営業できるよう、全力をあげて応援することであります。
 そのために、一つ目は深刻な不況を打開し、本格的な中小企業振興をすすめるために、区に不況対策本部をつくること。
 二つ目は中小企業の受注確保のために、区幹部職員が企業訪問に取りくむこと。また、区内の建設業者の受注拡大策と、区民の住環境の整備の観点から、リフォーム工事への助 成制度をつくること。
 三つ目は、融資制度の拡充です。
 さきほど区長は、「不況対策融資を引き続き実施するとともに、緊急融資の2口め以降の申し込みを可能にする」と発言されましたが、これはいいことです。さらに融資制度の返済期間の延長および据え置き期間の延長、他区で実施している借り換え融資の実施などすすめるべきであります。
 四つ目は、中小企業都市サミットの参加の問題です。
 この『サミット』は、1997年に東大阪市で開かれたものです。中小企業の集積した都市が集まり、他の都市のとりくみの経験から学びあい参考する機会にしているものです。
 東京23区では大田、墨田の2区が参加していると聞きおよんでいます。今後、東京で第三位の工業集積をもつ自治体として、本区も積極的に参加すべきと思います。
 五つ目は、商業振興プランの推進についてです。
 予算案では、共通買い物券、装飾灯電気料助成、ポイントカードなど、わが党も提唱したものであり、増額されたことは歓迎すべきことと思います。
 しかし、厳しい商店街の状況を打開するにはまだ不十分です。相当思い切った対策を強化することをもとめます。
 その点で江戸川区の総額2000万円の「パワーアップ事業」という新たな施策としてうちだしたことに学ぶ必要があると思います。
 「区商連」が、「今の時代に商店街が消費者にどう思われているかを知ることが大事だ」という結論からおこなったアンケート調査を切っ掛けにはじめた事業ですが、一つの商店街に対し、200万円を限度に補助をおこなうものです。
 「区商連」は、各商店街の特色を生かした「パワーアップ事業」をどうすすめるかのプロジェクトチームをつくり、インターネットを活用しての宅配サービスや、ファックス、共通商品券、ポイントカードの事業などを全区にひろげ、エコパック機能をもった紙袋を統一してつくるなどが取りくまれています。
 また、江戸川区では、商店街の装飾灯の電気代には全額補助のほか修理代として115%の補助を実施しています。
 そこで、4つの質問をいたします。
 商店街への区民ニーズを的確に把握するために、区民公募によるモニターアンケート調査を実施すべきと思うがどうか。
 イベント事業は、年一回20万円という限度額を拡大するとともに、各種多彩なイベント計画が実施できるよう対象枠を拡充すべきと思うがどうか。
 商店街装飾灯の電気代助成も全額助成し、あわせて装飾灯修理代も補助すべきと思うがどうか。
 商店街の法人化によって、小規模な商店街振興組合は、税等の負担も問題となっているといわれ、何らかの援助策を検討すべきと思うが、どうですか。
 六つ目は、区内の雇用拡大・創出を一層拡充する問題です。
 失業対策として政府が実施した「緊急地域雇用特別交付金」は、予算規模を2千億円とし、雇用創出の目標を30万人と立てて、2002年3月まで実施するものです。この「特別交付金」に対し、各地で街路樹剪定事業や公園整備事業、学校施設整備、駅前広場美化事業など、地域の実情と要求にあった事業をおこし、2000年末で全国15万余の失業者が仕 事のできる見込みとなっています。
 葛飾区では、介護保険のパンフレット配布、「ごみ白書」の作成、博物館の田んぼづくり等10事業であり、おおよそ雇用創出と言えるものとなっていません。
 「特別交付金」制度が残されているあと2年間、制度の趣旨を生かし、区民の要求にそって、いっそう雇用・就業効果があがる事業に改めること、また、政府に対し、「特別交付金」の予算規模の増額を要求し、最長6カ月という雇用期間をはずすことなど、失業者の実情に見合ったものとして、制度の改善や見直しを求めるべきと思います。区長の見解を求めます。

5、教育問題

 第4に「学力」問題などゆきとどいた教育をすすめる問題についてであります。
 昨年11月23日、首相の諮問機関である「教育国民会議」が最終報告を行いました。 「奉仕活動の充実」など問題ある答申を掲げましたが、大学学長の88%が懸念を抱く教育危機のもうひとつの本質である「学力低下」については議論を素通りしてしまいました。
 いま子供たちのなかに「学力の危機」というべき深刻な実態がひろがっています。
 文部省の1998年「学校教育にかんする意識調査」でも、授業が「よく分かっている」とこたえた子供は、小学校で4人に一人、中学校で21人に一人、高校で30人に一人となっています。
 本来子供たちにとって、学習によって新しい事柄がわかるというのは大きな喜びのはず であります。ところが、学校教育が多くの子供たちにとって、「わからない」「おもしろ くない」という場になっていることは深刻であります。この「学力の危機」というべき 実態が、子供たちに苦しみを押しつけ、さまざまな発達のゆがみや少年犯罪などの社会的 逸脱をもたらす一つの根源になっているのであります。
 これは自民党政府・文部省の長年の競争主義・管理強化という教育政策がつくりだした危機であります。
 1968年学習指導要領と1998年制定(2002年実施予定)の新学習指導要領を比較すると小学校6年間での4教科“国語、社会、算数、理科の援業時間数は3941時間から2941時間にちょうど1千時間減っています。
 この基礎的な科目に必要な授業時間を保障していないことが、学習内容が系統性を欠いた断片的知識を棒暗記させるというゆがみとなる原因のひとつになっています。  この学力とは、学習してどこまで到達したかという、学んだ成果を示す「学力」だけではありません。学ぶ力と言う意味での「学力」があります。
 どうして学んでよいか分からない、マニュアル通りしかできない、という学ぶ力としての「学力」の大幅な低下も問題なのであります。
 子供のときから「どうして」と聞くように、人間だれでも知的な欲求をもっています。 そして、自然や社会の基礎的な事実や法則を知ることは、批判的に物事を考え、主体的に 生きていくうえで不可欠のことです。逆にそれが保障されないとすれば、人間らしく生きることが否定されることにほかなりません。子供たちが「授業がわからない」「つまら ない」まま放置されることは、人間としての誇りを奪われていることです。
 基礎的な学力の保障は、子供たちにとって心の叫びであり、ひとみに自信を宿らせる力です。学力の保障は、人間として成長するうえでの基本の問題です。
 さて本区の教育委員会当局者は「学力低下」ということをどんなふうに受け止めている でしょうか。
 昨年12月の文教委員会で「学力低下は補習授業をやればいい」旨の発言があったように聞いておりますが、私は耳を疑いました。
 そこで教育長に伺いますが、「学力低下」という問題について、本当にこのような認識でおられるのでしょうか。見解をお尋ねします。
 また2002年実施の新学習指導要領は、学校五日制の完全実施に加え、各教科の授業時間数が大幅に減らされようとしています。これでは、「学ぶ力」としての学力の更なる低下をもたらしかねないものです。この新学習指導要領の見直しこそ必要と思いますが見解を伺います。
 「学力低下」を克服し、ゆきとどいた教育のためには、もうひとつの問題として30人学級をはじめ少人数学級への移行が必要です。
 30人学級に消極的な文部科学省も、2001年度予算において一定の改善をはかりました。
 学級定員は40人のままですが、小中学校ともに英語、算数(数学)、国語、理科の主要教科のなかから、各都道府県が三教科を選び、二学級の児童・生徒を三グループにわけて二十人程度の編成で援業を行うとしています。
 そのための教職員の給与費について、国は都道府県負担の2分の1を負担するというものです。東京都も国の「教職員配置改善計画」にあわせ、小中学校における基礎学力の向上ときめ細かな指導を実現するため、教職員定数の改善をおこなうとしています。
 秋田県でも義務教育の三十人学級の順次実施がきまり、2001年度から小学校低学年(一、二年生)で、はじまることになっています。
 東京23区では、荒川区が、2001年度から国制度での教員の増配置を区費による講 師の派遣で、複数学科での習熟度学習を推進することになっています。
 習熟度については児童生徒の振り分けが行われ、意見のわかれるところですが、少人数授業の実施は先進的といえます。
 そこで伺いますが、国の教員の増配置制度を活用して主要教科での少人数授業を実施すべきと思うがどうか。
 また区費による教員の増員で、ティームティーチング等事実上の少人数学級編成にすべきと思うがどうか。

6、公園・児童遊園                

 第5は、区民にとって急ぐべき町づくりについてです。
 一つ目は区内の公園・児童遊園についてです。
 昨日、わが党は、木村ようじ事務所と一緒に、区内114カ所におよぶ区内公園・児童遊園の実地調査にもとづいて、改善方を要望したところであります。
 調査した結果は、想像以上に葛飾の公園・児童遊園が荒れているということでした。
 気付いた順に箇条書き風にしますと、
 1、砂場の管理ができていないことです。
 半分以上の公園の砂場が動物の糞だらけで、なかには、5センチほど掘り出しただけ で、昆虫の幼虫がぞくぞく出てきたり、ガラス片なども散らばっており、子どもが怪我 をしかねない状態のところも数多くありました。
 よく利用する父母や保育士たちに聞いてみますと、公園で遊ぶとき絶対に、砂場の砂に手でふれないように指導しているというのであります。
 2、危険な遊具を放置されたままの児童遊園も多く見受けられたことです。
  ある公園では、住民の指摘で改善を約束しているにもかかわらず、修理の予算がない のか、何ケ月も使用禁止の札をさげたままになっているところもありました。
 3、目にあまる落書きの多さです。
  子どもたちには見せたくないような卑猥(ひわい)なものも多くありました。
 4、トイレの汚れやゴミの放置がひどかったことです。
  中には水元のある公園のように、ゴミを持ち帰ることをルールにしているのでしょ  うか、ゴミ箱のないところもありました。しかし趣旨が徹底されずゴミだらけになって いるのもありました。
 かつて、わが党は、「足立の公園は、ユニークなものがあるがよごれがひどい、それに比べてわが区の公園・児童遊園は清掃が行き届いて使いやすい」と評価をしたことがありますが、今、それはまさに逆転をしたと言わなければなりません。
 もちろん、動物が入れないように工夫した柵をとりつけている児童遊園の砂場もありました。しかし、それは少数であります。
 なぜ、このような事態になったのでしょうか。
 清掃回数を大幅に減らしたことによるものであります。毎年、大幅に予算が削減されてきました。1996年度と比べて、予算ベースで、実に公園では22・5%の減、児童遊園では28・6%の減であります。
 区内の公園・児童遊園は、言うまでもなく、区民の憩いの場として、また、子どもたちの遊び場として重要な役割を果たす場です。このままでは、区民に見向きされなくなりかねません。
 緊急に公園・児童遊園の全区的実態調査をするとともに、削減した補修、清掃等の予算を復元し、定期的な破損遊具の修理や清掃回数の増など対策を講じるべきです。
 砂場に関しては、一斉に砂の取り替え、クリーニング、大腸菌検査を実施し、また動物が出入りできないように工夫した柵の取り付けなどを緊急に実施すべきと思いますが、どうでしょうか。
 そして公園、児童遊園をよりよいものにするために、区民の声を聞く機会をもうけるべきと思います。

7、防災対策

 2つめは、防災問題です。2点、お聞きします。
 1点は、わが区にとって、細街路問題の解決は重大課題です。2月5日付「広報かつしか」では、「区内には道幅が4Mに満たない細街路が多く、消防車や救急車の通行を妨げたり、災害時に人が安全に避難できないなど、さまざまな問題をかかえてい」るとしています。
 区民の命に関わる問題であるにもかかわらず、なかなか解決しないでいます。建物の建て替えのときにやる「個別方式」の細街路拡幅整備は、2000年度で8・1%、建て替えなどのすすんでいる地区でおこなう「路線方式」では、2・9%、合わせて7%の整備率であります。
 本当に安全な町をつくるのは、いつになるか気の遠くなるテンポであります。
 ですから、もっと積極的な取り組みが必要でありますが、今回発表された概要をみますと、予算額が前年比で減額となっております。これは納得がいきません。
 細街路の拡幅整備事業を促進するためのカギは、「後退、角きり用地の取り扱い」を寄付から買い取りにかえることであると思います。
 寄付であるから、積極的な指導もできず、申請待ちになってしまうのだと思います。ぜひ、改善していただきたい。
 もう1点は、学校施設の整備であります。
 95年7月に当時の文部省が、「大規模改造補強事業の事務処理上の留意点について」の通知が出て以来、耐震診断と補強工事、大規模改修が計画化されてまいりました。
 それ以降、計画どおりの耐震診断と工事がすすめられてきていますが、細街路拡幅整備事業と同じくこれも、完成がいつになるか大変長い話になっております。
 学校の場合は、児童、生徒の命の問題であり、緊急を要する課題であります。  それにもかかわらず、予算は昨年比で減となっております。このような事態にすべきでありません。減の原因の説明をもとめるとともに、計画そのものをもっと積極的なものに、つくりかえるよう求めるものであります。
 以上で、私の質問を終わります。

8、答弁

(区長答弁) はじめに歳入予算についてお答えいたします。
 歳入予算の計上につきましては、特別区税や利子割交付金などの一般財源は、区民所得の動向や地方財政計画などの国や都の情報、12年度の収納状況等の分析を行って見込みをたて、また、国や都の支出金等の特定財源は、最大限の確保に努めることを念頭に、歳出の計上額に補助率等を加未して算定したものであり、その歳入の性格に応じて、十分に精査をしたうえで計上したものでございます。
 その結果として、13年度の歳入予算額は、1,397億6千万円、前年度対比で0.2%の増となったものであります。人件費を含めれば40億円を超える節減を行う中で、それにより生み出された財源を計画事業を始めとする真に必要とされる事業へ配分し、その結果、前年度を上回る額や予算案を組むことができたことを考えれば、みかけは0.2%増、あるいは微増といえるかもしれませんが、内容的には、苦しい歳入状況の中ではありますが、より積極的な予算編成ができたと考えております。他区の当初予算案発表を見ましても、約2/3の区が、厳しい財政状況を反映して、マイナス予算となっており、その点からしても、極めて消極的な予算であるというご指摘は当を得たものとは考えてございません。
 また、特別区交付金すなわち財調でございますが財調制度のしくみを御理解していただければお分かりいただけると思います。この積算につきましては、12年度当初算定額576億円を基本として、基準財政収入額にあっては、フレームに対する本区のシェアを基準とし、基準財政需要額にあっては、財調協議の新規・見直し項目や態容補正の影響額などを一つづつ積み上げたものでございます。
 基準財政収入額にあっては、地方特例交付金が増となる一方で、景気の低迷等により特別区民税や利子割交付金などが滅となり、12年度当初算定比で5億2千万円の減を見込み ました。
 一方、基準財政需要額にあっては、12年度に態容補正により措置された老人保健施設整備費及び前倒しで措置された地区計画等の旧大規模臨時特例分が皆減つまり0となり28億円程の減要素があるものの、中小企業関連資金融資あっせん事業、小・中学校の校舎改築費等の新規・改善項目や退職手当等で20億8千万円程の増額算定が見込まれるので、12年度当初算定比で7億2千万円の減を見込みました。
 このように、13年度の特別区交付金には、態容補正など実額算定的な項目による減額要素が多く、本区の伸びが普通交付金フレームの伸びである5.9%を下回るのは避けられないことであり、過去のシェアなどを勘案し、増要素も減要素も現時点で見込めるものは全て見込み、積算したものでございます。23区トータルでのクレームとは、おのずから異なるものであると御承知置き願いたいと思います。
 次に、基金の積立についての質問にお答えします。まず、13年度予算案概要に記載してある「財政調整基金には頼れない状況にある。」という表記と「9年ぶりに財源不足状態を解消したことにより、財政調整基金の取り崩しは行わない」との表記が明らかに矛盾するとのことですが、「財政調整基金に頼れない」とは、今まで、当初予算を編成する際に、財源不足を補ってきた財政調整基金の12年度残高見込が過去20年間の中で最低額の11億7千万円ほどまでに減少し、1年度で概ね20億円を超えていた平成5年度から12年度までの財源不足状態には耐えられない状況にあるという事実を述べたものであります。また、「9年ぶりに財源不足状態を解消したことにより財政調整基金の取り崩しは行わない」とは、13年度当初予算において、「経営改革宣言」の目標である財源不足状態を解消したことにより、必然的に財政調整基金の取り崩しはあり得ないのであり、よく読んでいただければ、両者の表記には何ら矛盾はございません。
 次に、「将来の必然的な財政需要に備える」「基金積立のルール化を図る」とは、事実上の「基金積立宣言」ではないかとのことですが、今までも将来の必然的な財政需要に対する備えとして、赤字債の償還に対する減債基金の元金積立や特別区交付金の算定に対応した形で、都市計画事業の起債償還のための減債基金の元金積立及び将来の学校改築のための教育施設整備積立基金の元金積立をできうる限り実施してまいりました。13年度からは、責任ある基礎的自治体として、中長期的な財政運営を見据え、従前の減債基金等の元金積立方法に加え、亀有の再開発の例に学ぶ意味も含めて、特別区交付金の算定に見合う形でまちづくり基金の元金積立のルール化を図ったものであります。このルール化が軌道にのれば、住民が実現を望んでいるまちづくりを円滑に、また、持続的に進めていくことが可能になります。
 立石・金町の再開発や水元西南部の区画整理事業につきましては、ご案内のとおり、事業化に向けた検討を進めているところであります。葛飾の将来を考えますと、住民の意向を踏まえて事業化にむけて、たゆまぬ努力が必要であると思いますが、そのひとつ一つが大規模事業であって、事業の円滑な推進のためには回転資金とも言える街づくり資金がこれまで以上に必要になります。
 先程の街づくり基金積立てのルール化が軌道に載るまで、時間を要すると思いますが、これらの事業の進捗状況を考慮に入れて##預金等の活用をふくめ資金をつみたてて、十分なそなえをしていく必要があると考えております。
 なお、その他のご質問につきましては、教育長ならびに所管部長より答弁をいたさせます。

(教育長答弁) 新学習指導要領と学力低下に関する質問にお答えいたします。  平成14年度から実施される新学習指導要領は、「ゆとり」の中で自ら学び考えるなどの「生きる力」をはぐくむことをねらいとしています。そのために、教育内容の厳選により、共通に学ぶ知識の量は従来と比べて30%減少することになりますが、このことがただちに「学力低下」につながるとは考えておりません。ゆとりをもたせ、学習指導要領に示された基礎・基本を全ての子どもにしっかり習得させ、学ぶ意欲や学び方、知的好奇心・探求心を身に付け、それを伸ばすことによって、主体的な学習が行われるようになり、これが総体的に学力の向上につながるものと考えております。
 さらに、新しく設けられた「総合的な学習の時間」では、児童生徒の体験活動や探求活動、人とのかかわりを通して、自ら学び、考え、判断する力や他人を思いやる豊かな人間性を培うことをねらいとしており、各教科・領域の教育と相まつて、物ごとに対する見方や考え方、学び方を学ぶ能力の向上が期待できるものであります。
 教育委員会といたしましては、新学習指導要領の趣旨に基づいた、基礎基本の定着と各学校の特色ある教育活動を一層推進し、子どもたちに「生きる力」を身に付けさせていきたいと考えております。
 次に、少人数学級に関する質問にお答えいたします。
 国の第7次義務教育諸学校教職員定数改善計画においては、個に応じた多様な教育を推進するため、複数の教員が協力して、学習集団を弾力的に編成するなどの新しい指導方法、いわゆる小人数指導を進める学校に対し、教員の加配措置が行われることとなりました。本区への配置につきましては、来年度、小学校4校、中学校2校に小人数指導のための教員の加配措置が予定されております。実施教科は、主要教科である国語、数学(算数)、英語でございます。
 なお、複数の教員で一つのクラスの指導に当たるティームティーチングの加配措置は、小学校17校、中学校18校で実施される予定であります。
  また、区費による事実上の少人数学級編成をとのご質問でございますが、ご案内のとおり、教員の給与等につきましては、市町村立学校職員給与負担法により、都道府県が負担するものとされており、区費を使用しての実施は考えておりません。

(保健福祉部長答弁) 事務事業の見直しについこてお答えいたします。
 はじめに、福祉の再構築につきましては、地域での自立支援のための各種サービスの充実を図る一方で、負担の公平にも配慮しながら、これまでの事業の達成状況や効果を基に施策を見直し、経済的給付事業から在宅サービスの充実へと資源の重点的配分を行うことによって、施策全体の充実を図るために実施したものでございます。
 この老人福祉手当は、施設サービスが受けられない在宅の寝たきり高齢者に対して支給されていたものでありますが、老人福祉手当制度創設時と比較して、在宅の高齢者福祉施策は大幅に充実されており、さらに、介護保険制度の導入により、寝たきりの高齢者など介護を必要とする高齢者はその必要に応じて介護サービスを利用することとなっております。
 従いまして、在宅サービスの充実を図るために、介護保険制度と目的を同じくする老人福祉手当の見直しを実施したものであり、福祉の後退を意味するものではなく着実に基盤整備はすすんでおり、本区の福祉は前進しているものと認識しております。
 次に、家族介護慰労金について、お答えいたします。
 この事業は、介護保険制度を円滑に実施するための一連の国の事業の一つとして実施するものであり、また「家族介護教室」や「おむっの支給事業」と同様、高齢者を介護する家族を支援するために実施するものであります。介護保険制度が区民に十分浸透し、介護を必要とする誰もが介護保険によるサービスを受けるようになるまでの当面の措置として実施するものであり、経済的給付事業は廃止するとした「福祉サービスの再構築」の原則をくずすものとは考えておりません。
 次に、特別養護老人ホームと在宅サービスセンターの事業主体を社会福祉法人に移管することについてのご質問にお答えします。
 介護保険制度においては、多様な事業者が介護サービスの提供主体となり、各事業者間の競争による介護サービスの質の向上が期待されており、また、サービス提供の対価として支払われる介護報酬により運営することとなり、より効率的な施設経営に向けた努力が求められております。
 そこで、今回、区立特別養護老人ホーム等について、施設を運営する社会福祉法人がその経営カを最大限発揮し、利用者に選択される施設づくりに主体的に取り組んでもらうよう事業主体を区から法人に移管するものです。
 区は、対象法人に対し、経過措置として一定期間助成を行うとともに、事業移管後も適宜サービス内容を調査し、必要に応じて指導を行うほか、適切な保険給付を担う保険者として、その責務を果たして参ります。
 また、高齢者福祉施設の整備につきましては、現在、民間事業者の適切な整備計画に対し区が助成を行う方法により、順調に整備が進んでいるところであり、区が直接建設する考えはありません。

(保健福祉部長答弁)  次に、福祉電話の基本料や出張調髪などの実費相当分の負担等の高齢者一般施策の自己負担の導入についてお答えいたします。
 一般施策の自己負担の導入につきましても、先にお話しをいたしました老人福祉手当の見直しと同様に、今後の本格的な高齢社会に対応するため、平成11年度において福祉の再構築として、高齢者保健福祉計画を策定する中で、今後の福祉施策について体系的に見直し、慎重に検討した上で、議会においてもご承認をいただき、実施することとしたものであります。
 こうした福祉の再構築により、介護サービスの中心的基盤である特別養護老人ホーム等介護基盤の整備が計画に基づき順調に進んでいるところであります。
 今後とも、資源の重点的配分により介護基盤の整備を進めるべきであると考えておりますので、これらの事業の自己負担の軽減を実施する考えはございません。
 次に、介護保険の保険料と利用料の減免についてお答えいたします。
 介護保険料につきましては応能負担の考え方も取り入れ、所得に応じて5段階に設定されており、低所得者の負担の軽減が図られておりますことは、ご案内のとおりであります。また、第1号被保険者やその属する世帯の生計維持者が火災等の災害により著しい損害を受けた場合や失職等により収入が著しく減少した場合には、区長は保険料を減額又は免除することができることとなっております。
 しかしながら、これらの事由に依ることなく、低所得であるという理由により一律に保険料の減免を行うことは、介護の負担を広く社会で分かち合って支えるという介護保険制度の趣旨から考えても行うべきではないと考えております。
 また、介護保険サービスの利用料につきましては、負担額が高額にならないよう、世帯の所得に応じて負担上限額が設定され、これを超えた部分は、高額介護サービス費として給付されることにより、所得に応じた利用者負担の軽減が実施されております。これ以外に低所得高齢者の利用料の負担の軽減の必要があれば、国の施策として実施されるべきものであると考えており、現状においては、区独自に、利用料の軽減策を行う考えはございません。

(建設部長答弁)  自転車駐輪場の利用料金制度のご質問にお答えいたします。
 利用料金制の導入においては、一つの理由として、管理受託者の自主的な経営努力を促すという趣旨がございます。
 このことは、管理受託者は自己の判断で必要な時間帯に必要な人数を配置することが可能となり、利用者の少ない時間や曜日においては、人数を減らし、利用者の多い時には人数を増やすなど弾力的運用が可能となります。また、利用料金制度導入によって、会計事務の処理にあたる事務職種への就業機会が得れるものと考えております。
 したがって、経営努力することイコール、就業機会が減少するとは、考えておりません。
 また、利用料金の値上げなどサービス低下の懸念の指摘がありますが、利用料金の改訂については、区に承認権限があり、管理受託者の裁量により値上げされるということはございません。加えて駐輪場の開設時間を電車利用者に合わせ始発から終電まで対応できるよう大幅な拡大を図る予定であり、和用者へのサービス向上につながるものと考えております。
 次に、お花茶屋地下駐輪場の建設は凍結すべきであるとのご質問についてお答えいたします。
 ご案内のとおり、お花茶屋駅北口の地下式自転車駐車場につきましては、区民から早期実現が求められている曳舟川親水公園や都市計画道路補助273号線の整備に伴い、曳舟川の 上部に設置されている自転車置場が廃止されることや駅周辺の深刻な放置自転車対策の一環として、早期に整備するものであります。
 当該施設は、駅前の貴重な土地に建設するため、地域住民の要望から、将来の街づくりを考慮して、上部を有効に活用することを目的に地下式で計画したものであります。
 当該施設は、既に関連する地下通路等の工事に着手しており、平成13から14年度にかけて実施する本体工事につきましても、国庫補助要望の申請を完了しているところであります。
 従いまして、当該事業は都市計画自転車駐車場整備事業として国の補助金や都の都市計画交付金及び財政調整交付金等の財源を確保した上で実施する事業であり、曳舟川親水公園や都市計画道路補助273号線の整備事業を推進する上でも、早期に完成する必要があると考えております。
 次に、公園・児童遊園の維持管理についてお答えいたします。            公園・児童遊園の清掃回数につきましては、平成9年度より段階的に見直しを行い、平成11年度に現行の回数に至った経過がございます。
 清掃回数は週一回を原則とし、利用頻度の高い公園や落葉の時期などは、状況に、応じ柔軟に対応している所であります。
 これにより、各公園や児童遊園の実態に合うよう維持管理に努めております。公園等の実態につきましては、日常巡回の際に把握しているところでありますが、さらに巡回回数を増やすなど実態把握に努めてまいりたいと思います。
 また、遊具の補修や清掃の回数増などにつきましては、公園利用者のモラルの向上を図るなどの対策を講じると共に、地域町会の協力を得ながら良好な管理に努め、適正な補修や清掃回数について研究してまいりたいと考えております。
 次に、犬・猫の糞害による砂場の汚れに対しましては、フルイによる汚物の撤去をはじめ、汚れのひどい時には砂を入れ替えたり、砂をバーナーで焼いて消毒するなど必要に応じて対応しております。 また、犬・猫の進入禁止柵につきましては、既に区内の17カ所に設置しており、今後も、地元の要望を踏まえ設置して参ります。
 次に、公園・児童遊園をよりよいものにするために、区民の声を聞く機会を設けるべきとの質問に関しましては、新設の公園等は、今までも地元町会の要望や意見を聞くよう努めているところであり、また、管理面におきましても多くの区民の方々から意見をいただいておりますが、今後、一部の公園についてモデル的に利用者のアンケート調査などを実施し意見の聴取に努めてまいります。

(地域振興部長答弁)文化振興財団の管理運営の見直しについて、お答えいたします。
 文化振興財団の管理運営の見直しにつきましては、健全で強固な経営体質を備えることにより、文化振興事業を安定的かつ継続的に発展できるようにすることを目的に、平成11年度から取り組んでいるところでございます。
 これまで、派遣プロデューサー制から財団職員自らが公演を企画立案する体制に改めたことをはじめ、区民参加型のかつしか文化工房事業や財団ホームページの開設などの新規事業にも積極的に取り組んでまいりました。
 また、平成13年度からは、利用料金制と新たな施設管理委託方式を導入することにより、区民により良い施設サービスをよりお手軽な料金でご提供してまいりたいと考えております。次に、区内産業の振興策と雇用対策についてお答えします。 まず、区が不況打開のための対策本部を設置して対応に取り組むべき.とのご質問でございますが、区は、中小企業対策を区の最重要課題の一つと位置付け、これまで適宜、融資制度を設けるなど、その対応を図ってまいりました。
 平成13年度につきましても不況対策緊急融資事業を継続実施するとともに、インターネットを活用した受発注情報発信のための整備や受発注情報交換会の実施など、経済状況の変化に即時に対応した事業を展開し、不況打開に向け積極的 に取り組んでまいります。
 従いまして、当面、不況対策本部を設置する考えはございません。
 次に、幹部職員が企業回りをして受注確保すべきとのご質問ですが、平成12年第2回定例会でもお答えいたしましたように、受発注情報交換会やインターネットを活用したシス テムのはか、産業フェア、職人会まつりなど直接当事者同士が話し合うことで受発注につながるような施策を充実してまいりますので、ご提案の幹部聴員による企業訪問につきましては、考えておりません。
 次に、融資につきましてお答えします。
 まず、制度融資につきましては、平成10年4月より返済期間を各1年延長するなど融資条件の緩和に努めてまいりました。平成13年度につきましても、緊急資金融資の申込条件を緩和し、2口目以降も受け付けるなど、中小企業を取り巻く環境の変化を適切に捉え、対応してまいりたいと存じます。
 次に、特別不況対策融資の実施についてでございますが、現在、本区においては本人負担0.7%の「不況対策緊急資金融資」を実施しており、平成13年度につきましても引き続き実施してまいります。
 今後とも、景気の回復と今後の経済動向の維持を注意深く見極めっつ、時宜に応じた適切な融資制度の運用に努めてまいります。
 また、借り換え融資制度につきましては、直接事業活動に結びつかないものであることなど課題もあり、今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。
 次に中小企業都市サミットについてでございます。中小企業都市サミットは東大阪市の呼び掛けにより、中小企業の比率が高い10都市の参加を得て、平成9年度から今年度まで3回開催されていると聞いております。
 これへの本区の参加につきましては、どの様な効果があるかなどを慎重に検討して参りたいと考えております。
 次に、商店街に対する区民ニーズを把握するために、区民公募によるモニターアンケート調査を実施すべきとのご質問にお答えいたします。
 商店街は、依然消費が低迷しており、厳しい状況に置かれているものと認識しております。
 区では、商業振興会議を設け、各種経済団体の代表をはじめ、消費者代表からご意見をいただきながら商業施策を遂行しているところであります。
 また、適宜商店街振興策について世論調査を行ってきた他、かねてより、商店街の経営環境の分析と商店街の活性化を図るために、商店街診断を実施してまいりました。
 商店街診断事業では、経営者や消費者に対するアンケート調査を行い、商店街に対する消費者ニーズを把握するとともに、商店街活動の資料として提供してきたところでございます。
 今後とも必要に応じ様々な調査を実施し、商店街活動を支援してゆく考えであります。
 次に、イベント事業に対する助成限度額を拡大すべきとのご質問にお答えいたします。
 現在、イベント助成として、イベント事業に要する経費の うち20万円、大型店に近接する商店街に対しては、大型店の開店日から3年間に限って30万円に相当する物品の助成を行っております。
 また、東京都の「元気を出せ商店街」事業との重複利用が可能となっており、区・都の助成を活用することで、広くイベント経費の支援が受けられることとなっております。 さらに、平成12年度から新たに商店街イベントコンクールを実施し、参加商店街への消耗品の提供や「広報かっしか」、 「パワフルかっしか」、葛飾ェフエムを利用してPR面での支援を積極的に行ってまいりました。
  今後とも商店街活性化につながるソフト事業への支援に努めてまいりたいと考えております。
 次に、商店街装飾灯の電気料の助成について、お答えいたします。
 商店街の装飾灯電気料助成につきましては、商店街の環境整備のはか、防犯等の見地からも必要なものと認識しており、現在、1基あたり年額4,000円を助成しているところで ございます。
 平成13年度につきましては、商店街からの強い要望を踏まえまして、助成額を引き上げるよう新年度予定に計上しております。
 なお、装飾灯の修理については、塗装改修をはじめ、水銀ランプの交換工事等についても、従前より、助成を行ってきているとこであります。
 次に、商店街の法人化についてお答えいたします。
 商店街の法人化は、会員の結束力を高め、組織的な商店街活動の展開や自らの競争カを強化する上でも取り組まなければならない課題であると認識しております。
 現在区では、法人化する際の事務費を一部助成しており、引き続き法人化に向けて支援をして参りたいと考えております。
 なお、法人商店街の運営に対する支援については、今後の研究課題とさせていただきます。

(区民部長答弁) 住民基本台帳ネットワークシステムは、平成11年8月18日法律施行となり、3年以内に導入することが義務づけられております。システムも既に詳細設計の段階に入り、平成14年8月の稼働に向けて全国の自治体が開発に着手したところです。
 個人情報の保護、データー保護対策につきましては、民間利用の中止、ネットワークからの利用防止装置等、OECD8原則をふまえ、法令上十分な処置がとられておりますが、さらに本区独自のセキュリティー開発期間は短期間であり様々の困難が予想されるため、早期に開発に着手することが必要となります。
 個人情報の保護、システムのセキュリティ対策についても今後一層の検討を加えていくとともに、財源についてもあらゆる機会を通じて、引き続き国に要望していきたいと考えております。
 法律もすでに執行され、導入までの期間も限られており、途中様々な困難も予想されるため、早期に開発に着手すべきであると考えております。
 次に、国民健康保険料についてのご質問にお答えします。
 特別区における平成13年度の統一保険料率の設定に当たりましては、医療費の伸びを見据えながら、平成12年度の事業水準を維持もしくは改善することを基本的な考えといたしました。
 具体的には、中間所得層への負担遍在の解消、介護保険導入に伴う負担増等を考慮し、一方で均等割額の引上げ幅など低所得者層の配慮が必要であることから、結果として所得 割率は194/100に据え置き、均等割額を1,200円(月額100円)アップの27,300円に設定したところであります。
 ご指摘の低所得世帯への負担の件につきましては、国保加入者の42%に当たる均等割のみの世帯のうち、その半数強が7割ないし5割減額の措置を講じておりますので、今回の改定には何分のご理解をいただきたいと存じます。

(総務部長答弁) 次に、同和行政についてのご質問にお答えいたします。
 本区では、これまで同和問題の一日も早い解決に向けて、鋭意努力してきたところでございます。
 しかしながら、平成8年の「地域改善対策協議会意見具申」におきましても、教育、就労、産業における格差の存在と差別意識の存在が指摘されており、部落差別が完全に解消したとはいい難い現状がございます。
 区では、この様な認識のもとに、区議会のご賛同を得ながら、同和行政を実施しているものでございます。

(都市計画部長答弁) 次に、区内建設業者の受注拡大、リフォーム工事等についてのご質問にお答えいたします。
 リフォーム工事への助成といたしましては、既存の住宅修築資金融資の利子補給制度があり、本年度から、より身近かな利用が可餞能となるよう取扱金融機関の拡大を図りました。
 また、リフォーム工事への助成ではございませんが、バリアフリー型住宅をローンにより取得する経費の一部を助成する二世代・三世代任宅取得費助成モデル事業を実施しております。
 なお、平成13年度事業といたしまて、区民の住環境の整備、住宅ストック利用の観点からファミリー世帯向け賃貸住宅改善助成モデル事業を今議会で提案しております。
 これらの事業を実施することにより、区民の住環境の整備、建設需要の拡大にも寄与するものと考えております
 つぎに、細街路拡幅整備事業の質問についてお答えいたします。
  「細街路拡幅整備事業」は個別拡幅と路線拡幅の二つの方式により、災害時の避難路の確保や救助活動の円滑化を図るため、道幅を4メートルに拡幅整備して行く事業でありす。
 個別拡幅の平成13年度予算は、昨年に比べ、施工単価の縮減を図り、若干、減額しておりますが、整備延長につきましては昨年と同様であります。
 また、路線拡幅につきましては、今般の厳しい財政事情により整備延長並びに施工単価の縮減を行った結果、昨年度より減額となったものであります。
 なお、ご指摘のありました建て替えに伴う個別拡幅整備の、補助基準の見直しにつきましては、現在のところ助成金の額等を見直さなくとも、順調に拡幅整備が推辞しておますので、見直しの考えはございません。

(政策経営部長答弁)  「緊急地域雇用特別補助事業」についてのご質問にお答えいたします
B   この事業は、厳しい雇用情勢を踏まえ、国が平成11年度から平成13年度までの措置として、「緊急地域雇用特別付金」を創設し、各地方公共団体が事業主体となって、臨時応急的に雇用・就業機会の創出を図ることを目的に実施されているものでございます
B  本区におきましても、この趣旨に基づき緊急に実施すべき事業を各所管部署において検討し、東京都との調整を重ね、平成11年度には10事業が「交付金事業」として承認されております
B  また、平成12年度中には、補助金の枠内でありますが、新たに「不法投棄対策夜間パトロール事業」を申請し、追加事業として認定されました
B  その後、平成13年2月に至り、東京都から交付金の追加交付をする旨の通知があり、追加の事業申請に向け調整を行つているところでございます。区としては、この「特別補助 金交付要綱」において要件としている、区が実施する新たな事業であり、雇用を拡大する効果の高い事業を選択し、この交付金を最大限に活用してまいりたいと考えております。
 なお、雇用期間については、本制度が、あくまでも緊急対策としての、臨時応急の措置であることを前提に成立していることから、期間の拡大については、難しいものと考えております。
B
(学校教育部長答弁)学校施設の耐震事業予算についてのご質問にお答えいたします。
 お話にありましたように来年度の小学校の耐震柿補強経費が今年度に比べて約7千6百万円の滅となっております。この要因ですが、耐震補強工事校数は昨年と比べて、2校から3校へと1校増えておりますが、耐震診断結果に基づく各校の補強箇所数が、トータルとして今年度実施校よりも少なくなったため、補強工事費が減額となったものであります。
 なお、来年度、耐震補強工事予定の上平井小学校につきましては、一部校舎をコンクリート強度不足のため、耐震補強ではなく改築をいたしますが、その改築経費を耐震補強経費に加えますと、昨年よりも、予算増となるところでございます。
 次に、学校施設の耐震事業をもっと急ぐべきとのご質問ですが、学校施設の耐震事業につきましては、学校施設の安全牲を確保するため、区基本計画で計画事業として位置付け、1年目に耐震診断調査、2年目に耐震診断設計、3年目に耐震補強工事というように3年間をかけて、国庫補助を活用しながら、計画的に実施しております
 耐震補強工事を実施する学校数につきましては、平成12年度3校、平成13年度4校、 平成14、15年度6校、平成16年度7校というように、順次、校数を拡大し、耐震補強の実施に努めているところでございます。
 質問についての答弁  学力の危機と教育委員会対応につい。

(教育長)  一点目の学力の問題ですが、学力と云うものは、今までは暗記型の詰め込み授業をたくさんなされていたことでこれらの反省にたった上で、まあ、学力と云うのは文字どうり学ぶ力でございますから、これを主体的に学力をどのように身につけさせるかと結う観点にたって今回の授業内容の厳選、2〜3割、授業内容を縮小する一方で総合的学習時間を創設して、子ども達にその主体的に学ぶそういったものをみにつけさせようということで学習指導要領が改正されたことで、私どもこの趣旨に沿った形で今後対応してまいりたいと思います。
 二点目の少人数指導の問題でございます。
 具体的にですね、東京都の方から先程申し上げた、小学校4校、中学校2校が一応内定しておる訳ですけど、具体的な校名等々につきましては今後、東京都と調整していかなければなりませんので、年度末にならないとはっきりしないということで現在申し上げられません。