●第3回定例会 日本共産党一般質問    2001.9.   質問者  清水やすひろ
【目次】
1、質問
2、答弁
3、再質問
4、再答弁


1、質問

 私は、日本共産党葛飾区議団として、北総開発鉄道及び京成電鉄のダイヤ改正について、地元に関わる問題でもありますので質問をさせていただきます。
 一昨日の9月15日から、北総鉄道のダイヤ改正が強行されました。その内容は、87年の北総、京成、鉄建公団と、区が締結した協定書の定めに基づいて、これまで新柴又駅に全列車を停車させてきましたが、それを朝、上りのラッシュ時間帯に新柴又駅を止まらず、通過する特急を5本走らせるというものです。
 まさに先の「協定」に抵触するものでありますが、批判をかわすための便法として、下りは新柴又駅に停車する電車を夕方5本、朝7時、8時台に2本を増発するとしています。
 これは都心へ向かいたい地域住民の願いに逆行する下りの増発でしかなく、その上、上りでは朝のラッシュ時間帯に無停車の特急を5本走らせ、差引きでは停車電車を3本も減らすというものであります。これで免罪されるものではありません。
 この一方的な「協定」やぶりのダイヤ改正によって、どのような影響が地域に生まれるのかです。先日の建設委員会でも、我が党議員がその一部を指摘しましたが、第一に、新柴又や、立石、四つ木の各駅には電車がとまらず、不便さが生じるということであります。
 第2に、特急通過による騒音等の被害の心配です。
 今度の特急は、新鎌ヶ谷から押上までの間で、京成高砂、青戸を除く11駅を通過させ、現行の急行より4分25秒早く走るとなっています。これにより、新柴又駅近辺のスペードは、現在の急行の時速57キロから、約87キロと、ほぼ1.5倍になります。
 この結果、新柴又駅の周辺住民と、東柴又小学校、東柴又幼稚園にさらなる騒音は当然心配となってきます。
 第3に、今回の鉄道事業者による「協定」やぶりは、第2、第3の「協定」やぶりにつながるという問題です。
 協定書というのは、双方が遵守義務を負わなければならないものであります。それが事前の協議も全くなく、一方的に無視するという行為は、法治国家である我が国で許されるものでしょうか。それが、相手の理不尽な行為がまかりとおるなら、今後の対行政のさまざまな協定などの有効性が問われてくるものです。
 さる5月30日の日本経済新聞等は、成田新高速鉄道の建設を報じています。
 報道によれば、この成田新高速鉄道には、鉄道事業に前例のない国庫補助をつぎ込み、来年度に事業着手するという超目玉政策というものであり、成田空港から日暮里までを36分で走るという計画です。
 この計画を実施するということになれば、再び87年の「協定」をやぶって、新柴又駅など無停車になることは必至です。
 しかも、このスピードを試算しますと、なんと新柴又駅の東側では平均時速128キロないしは、125キロ程度で突っ走ることになり、騒音、振動被害の影響がどのように現れるか憂慮しないわけにはいきません。
 そこで質問します。
 第1に、1987年の北総、京成、鉄建公団と区が締結した協定書の定めを無視した今回のダイヤ改正について、区はどのように対処するのか。法的手段も行使して、「協定」の遵守と履行をもとめること。
 第2に、特急の導入によて発生するであろう、騒音・振動の「環境アセス」を北総などに行わせるとともに、周辺住民や、東柴又小学校及び幼稚園など、教育施設への万全な対策を講じさせること。
 第3に、日本経済新聞等の報道にあるように、成田新高速鉄道の導入がとりざたされていますが、騒音・振動に関する現状の測定、成田新高速鉄道通過時の予測計算等を行う考えはないか。
 また、87年に締結した「協定」を今から徹底した協定遵守と履行を迫っていくこと。
 第4に、新柴又駅から高砂駅までの一区間の日本一高い運賃の引き下げを、北総開発鉄道及び京成電鉄に強く求めること。
 以上ですが、答弁いかんよっては再質問をさせていただくことを申し上げて、私の質問をおわります。御静聴ありがとうございます。


2、答弁

(鉄道立体町づくり担当部長)

 北総鉄道のダイヤ改正について北総鉄道株式会社から8月の中旬本区に対し新柴又駅を通過する特急電車の新設と新柴又駅停車本数の増加を内容とするダイヤ改正の申し入れがありました。新柴又駅については北総開発鉄道路線開通に関し全列車を停車させる取り決めがあり、本区としては、その申し入れに対し強く抗議し協定の遵守を主張してきたところでございます。成田市、事業者側では450億円にも及ぶ累積赤字、合理化等自助努力も限界に足しておりダイヤ改正について特段の配慮をお願いしたいとの重ねての要請があり本区としては改正の理由、改正内容等全体のじょうきょうを把握したうえで結論を出す必要があると判断をたしました。事業者の説明では、先の厳しい経営状況に加え、乗降客の伸び悩みがあり鉄道の魅力を打ち出すには特急電車の新設による都心への所要時間の短縮がぜひ必要なこと、一方、新柴又駅については2分間隔の近接ダイヤの3本廃止し平準化したうえ停車本数を152本から157本に5本増加し地元にも配慮したとのことでございます。本区といたしましては、こうした状況を総合的に判断し議会にもご報告した上で、今回のダイヤ改正はやむをえないとの判断に至ったものでございます。
 次に、特急の新設伴う騒音、振動とうの環境アセスについてお答えいたします。本区は御指摘の鉄道公害を事前に防止するため北総線の開業にたいし騒音については70デシベルを著しく超えないことなどを含んだ環境保全対策に関する協定書を北総鉄道と締結しているところでございます。これにより、これまで、騒音等の基準は達成されてきておりますが、特急の新設後も、こうした基準を遵守する北総鉄道が確約しております。区といたしましては、必要に応じて履行の確認をおこなってまいります。
 次に、成田新高速鉄道について開通時における騒音、振動等の予測等についての御質問にお答えいたします。新たな高速鉄道の建設を検討していることは新聞報道を通じて情報を得ているところでございます。しかしながら、鉄道整備の計画は現在構想段階であり鉄道計画が具体化した後、議会におはかりしながら適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に運賃の引き下げを求めることについてお答えいたします。北総開発鉄道は全線開発の遅れなどから乗客数が伸び悩み多くの累積債務を抱えていることなど経営状況が大変厳しく現時点で運賃の引き下げは困難であると聞いております。以上です。


3、再質問

 何点か再質問させていただきます。北総鉄道側が新柴又駅の停車、これをずーとおこなってきたわけですけども、今度は、通過をする協定を破る申し入れがあったと言われます。区は本区としてこれを抗議して遵守するよう申し入れたと言いますけれども、この抗議が文書だったのでしょうか、あるいは、口頭だったのでしょうか、口頭だったのであれば、それはかたち造りにすぎないのであって、しかも私きいておりますと経済的な状況からやむを得ないという、こういう判断であったと、あなたがたは、どのような立場にたって協定を見ていたかのか。私は、鉄道事業者の立場に立って区が判断を下したと言わざるを得ないですけども。その点改めて見解を求めたいと思います。どうしても、長い論争がありました。時間を求める多くの住民の声がありました。できると議会で結論が出たわけですけれども、北総線は高架乗り入れが強硬されました。そして、駅はつくらせてください。わたしたち区民が議会が要求したわけではないわけです。鉄道事業者が駅をつくらせてくださいと、こういったわけです。しかも造った駅には全列車を停車させる、これが87年の協定書の内容であります。なぜ、経済事情が北総の経済的事情が悪いからやむを得ないという判断になるんでしょうか。今でも協定書は生きているはずであります。これらの暴言ははまったく納得できないし鉄道事業者の側にたっている答弁だと言わざるを得ません。
 二つ目は環境アセスを求めたわけであります。で、これまで、70デシベル発生されているし、基準は遵守すると約束していると聞きました。で、北総が単に口頭でのべていることを許してはならないというように思います。あえていえば、70デシベルは、根拠があっての告白だと思います。であるならば、その根拠はなんなのか、その根拠をもとめるべきだと、このように思います。そして、成田新高速については新聞報道によりますと2015年が早まって2010年には乗り入れてくるということのようであります。今、答弁を聞きましたら、構想段階であるなどというような、ちょと、ピントがずれているのではないでしょうか。私は、成田新高速が乗り入れてくる状況をふまえて現状の測定、あるいは特急の測定、そして、新高速が通過するこのことを予測した測定を区としても、北総に、そのことを求めることは当然でありますが、区としても.現状の測定や調査を行うこと、そのことは、重要と思いますが、その点が触れられておりませんので再答弁をお願いしたいと思います。


4、再答弁

(鉄道立体町づくり担当部長)

 一番目の抗議について文書であるのか口頭であるのかと言う点についてお答えいたします。北総側から申し入れが13日にございまして、14日に文書でございました。2点目経済的な状況からやむをえないというのは納得がいかない。こういうふうなことでございます。先程述べましたとおり相手側だけでなく、あるいは新柴又駅の状況、すべて全体の状況を総合的に判断した結果であります。それから、3番目の点でございますが、訴願について口頭だけで聞いてはならん、根拠はあるということでございますが、騒音については区で現状を見まして何回かきちっと確認、いこう確認をしております。4点目の2010年いうことがございますが、これは、新聞でも御存じのとおり、又、わたくしども、それ以上に国の情報てのもなかなか入らないのですが、そういった乖離においては、これは、まだ構想段階、予算もまだついていないそういうことでございます。以上です。