●第3回定例会 渡辺キヨ子区議の一般質問 2002.9 |
【目次】 1、今後の福祉施策について 2、区立保育園や区立障害者施設の民営化について 3、介護施設整備について 4、障害者の支援費問題について 5、教育問題について 6、いじめ・不登校問題について 〔答弁〕 日本共産党の渡辺キヨ子でございます。通告にもとづき質問します。 はじめに今後の福祉施策についてです。 東京都は、福祉切り捨て第2弾として、福祉施設運営からの全面撤退と、民間福祉施設への人件費補助の全面廃止を打ち出しました。 即ち、6月に「福祉サービス供給主体の改革への取り組み」として、特別養護老人ホームや障害者施設、児童養護施設などの運営からの完全撤退を打ち出し、7月には、「福祉サービス提供主体経営改革に関する提言委員会」の中間提言でありますが、民間福祉施設への人件費補助の全廃などを発表しました。 不足する特別養護老人ホームや児童虐待が深刻化する中で、ますますの児童養護施設の増設が求められている時に、都立施設の全面撤退は、都の責任放棄そのであります。 また、民間福祉施設への人件費補助廃止は、社会福祉法人の存亡にかかわる大問題です。区内のある児童養護施設の園長は、「都の人件費補助は25%の人件費に当たり年間2,000万円になる」と語り、「これが無くなったら、施設の運営ができなくなる」「福祉施設は、パートや非常勤でできるものではない」と訴え、そして、「都のやり方は、よりよい東京の福祉を逆戻しさせるものだ」と怒りの声をあげています。 都のねらいは、明確です。都の独自補助をなし、社会福祉法人を民間営利企業と同じ足場にたたせて、市場競争に投げ込む、すなわち、イコールフッティングという考え方で、国の社会福祉基礎構造改革の先取りであります。 今、福祉改革で大事なことは、競争原理による切り捨てなく、憲法理念の「基本的人権の尊重と保障」による、公的施策の拡充であります。 区長、東京都の福祉施設からの全面撤退や、民間福祉施設への人件費補助の廃止及び、都独自補助の全面見直しは、明確に反対すべきではありませんか。そして、区長会でも、都のやり方に反対する合意形成に力を尽くすべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、区立保育園や区立障害者施設の民営化についてです。 自治体には、すべての子どもたちや障害者の成長を保障するための施策の推進が求められています。その点で、アクションプランで打ち出した、区立保育園や障害者施設の民営化は問題であります。 区立保育園では、区内を7ブロックに分けて、子育て支援センターなどを設置した基幹型保育園は区立で残すが、それ以外は、「同じサービスなら、より少ないコストで」と、民営化するというのです。 ここで言うコストは何でしょうか。私立保育園の保育士の人件費の差であります。しかし、東京の場合は、先程も指摘しましたが公私間を格差なくすための人件費があり、そんなに大差はありません。むしろ私立保育園のコスト差が出ているのは、保育士の平均年齢の差による人件費差であります。多くの私立保育園はの場合、女性が働きつづけにくく、そのために保育士の平均年齢が区立より低く、その結果がコスト差となって出てきているのです。 しかし、保育園というのは、子育てに詳しいベテランの保育士から、元気な若い保育士まで、様々な年齢と経験の大人たちに囲まれて育つことが必要であります。 私の娘は、丁度子育て真っ最中ですが、「保育園は私と同じ20代前後の先生たちで相談できない」と言っていましたが、子育てに悩んでいる世代には、保育園に行けば、いろいろな年齢構成で、人生経験を持つ保育士がいて、様々な相談ができるという条件が必要であります。 まさに、公立保育園のコストというのは、子育てをするうえで社会的に必要なコストであり、この削減は、福祉の充実の要を削る取ることに等しいものです。 しかも、このコストについて、私立保育園よりも営利企業の保育園の方がコストが低いとして、保育分野への営利企業の参入が進められています。 営利企業の目的は、収益を上げることであり、そのためには保育士は非正職員で、それも雇用期間は1年以下として人件費を削減する、収益が上がらなければ撤退をするわけです。保育に責任もって安定的に運営されるという保障ないのです。 こんな方向に、保育園を持って行って良いはずがありません。 この問題で、先日、青木区長が、来年度の東京都への区長会要望の中に、営利企業が参入しやすくなるようにと、新たな補助の導入を求めたとのこの事ですが、これが事実ですか。これが事実なら、営利企業などに「公金その他の公の財産」を支出してはならないという法律の原則を突き崩す、先取り的提案であります。 事実関係とともに、このような要望は、直ちに撤回すべきです。答弁を求めます。 さて、この福祉分野では通用させてはならないコスト論を、基幹型保育園として位置付ける区立保育園にも持ち込もうとしていることも問題です。 行革特別委員会の資料では、正規保育士ではなく「非常勤職員を活用することやボランティアの受け入れなどを検討すべき」としています。規制緩和で、「常勤」が1人いれば、後は「短時間勤務の保育士」でよい、区長、頭数だけいれば良いとお考えですか。 今日、核家族化が進み、一方では地域での子育て能力が低下する。そして、母子世帯、父子世帯が増え続け、離婚率、再婚率とともに児童虐待が深刻化するなど、保育士は、これまで以上にその専門性が要求されてくる状況に今あると思います。 私は、このような時だからこそ、安易なコスト論に落ち入るのではなく、区立保育園は子育てに関するノウハウを発信する「地域の宝物」の施設になるようにすべきだと思います。 それには、区立保育園が地域に開かれたものにする。保育の運営や保育内容も行政や保育士だけで決めるのではなく、保護者も参加して決める、市民参加を進める。また、そのために保育園の園長には、ある程度の予算に関する権限や、様々な行事等の独自の権限や判断を積極的に与えるなどの改革こそ進めるべきであります。 区長、財界や厚生労働省言いなりで、唯々諾々と保育の市場化に突き進むのは止めて頂きたいのです。公立保育園の民営化は、撤回すべきです。答弁を求めます。 いま保育行政で最大の問題は、待機児の解消であります。 今回、新たに認可保育園が開園したことは歓迎されるものです。 ご承知のように、政府の待機児ゼロ作戦は、「民間を極力活用し、最小のコストで実現を図る」として、待機児解消の中心は民間であり、営利企業の参入であります。この方向の危険さは、先程指摘したとおりであります。 一方、東京都は、認証保育というものを打ち出しました。しかし、どうでしょうか。 区が進めてきた青戸の認証保育所はダメになり、今年の4月にオープンした金町駅南口の認証保育所は、定員30名に対して僅か◯名の入所であります。 認証保育園は、保育に欠けようが欠けまいが契約にもとづき子どもをあずける施設であって、児童福祉法にさだめられた児童福祉施設ではないのであります。 待機児解消のためには、認証保育所では解決しません。区立保育園などの増設計画こそ進めるべきではないですか。 次に、介護施設整備についてです。 区長は、挨拶のなかで介護施設について「多様な選択肢を提供して参りたい」とのべました。しかし、入所施設は、どこも満杯で、選択の余地など、どこにもありません。 区介護保険事業審議会で5年間の推計と目標値として、特別養護老人ホームは、3施設290名分の増設をかかげましたが、待機者は640名で増え続けています。 また、老人保健施設は、2ケ所増設を掲げて参酌標準、つまり机上の必要量とサービス供給量をほぼ一致させましたが、これも実態と懸け離れています。 特別養護老人ホームや老人保健施設の待機者の解消を図るために、必要な増設計画に引き上げるべきと思いますがいかがでしょうか。 次に、障害者の支援費問題です。 区長は「円滑な実施にむけて、万全な準備を」と述べられました。 そこで、いくつかの提案をしておきたいと思います。 まず1点目は、障害者の所得にもとづく支援費の徴収とするとともに、国に対しては、重度の障害者に特別加算をもうけるべきと思いますがどうでしょうか。 2点目は、障害者の生活実態や要求に見合ったサービスの提供が行えるように、独自の上乗せ措置も検討すべきです。また、利用料の自己負担も現行水準を上回ることがないようにすべきと思いますが、いかがでしょうか。 3点目は、障害者の生活実態を反映した、必要なサービス量を認定すること、そして、申請待ちではなく、必要ならば積極的に障害者を訪問すべきと思いますがいかがでしょうか。 4点目は、自分で契約が困難な障害者が、「成年後見制度」「福祉サービス利用援助事業」などが容易に利用できるように、利用者負担の軽減・免除を検討すべきですが、いかがでしょうか。 5点目は、現行の措置制度を柔軟に活用することで、支援制度からもれることのないように適用すべきと思います。 自治体の本来の使命は、「住民の福祉を守る」ことにあります。その財源は、大型開発中心の政治を改めることで可能となります。先の長野県知事選でも明確に示されました。 ところが、アクションプランは、大型事業を聖域化し、区民のための福祉の後退をねらうという逆立ちしたものになっています。 今こそ再開発計画、都市計画道路など大型事業を点検し、見直すべきと思いますが区長いかがでしょうか。 次に教育問題について質問します。 まず、学力の低下問題です。 7月23日付け朝日新聞の世論調査によると「学習内容3割減は学力にどう影響すると思うか」との問いに、全体では「これまでより学力が低下する」との回答が6割を占め、小中学生の子どもを持つ30代では9割を超えています。 新学習指導要領が抜本的な解決策を示さず、学習量や教科時数の削減をおこなってきたからです。 文部科学省は、異例の大臣アピール「学びのすすめ」を発表し、「放課後の時間などを活用した補充的な学習」などを求めました。 本区でも、この夏休み期間を使って各小中学校で補充学習を実施しました。しかし問題は、普段から基礎・基本が身につくような少人数学級など行き届いた教育こそ必要です。 新学習指導要領の原案を作った三浦朱門氏は「できん者はできんままで結構。できるものを限り無く伸ばすこと。限り無くできない非才、無才にはせめて実直な精神だけを養ってもらえばいい」と、新学習指導要領の狙いが少数のエリートを育てるためであることを、あからさまに述べています。 この考え方は、教育基本法が示す教育の平等に反するものであります。 ある小学校では「新学習指導要領の通りでは子どもに基礎学力がつかない」という認識で全教師が合意し、各教科で何をどこまで教えるか、そして、子どもの自主活動も大切にするた無理のない教育計画をつくりをすすめ、父母から歓迎されている経験も生まれています。 そこで質問します。 第1に、新学習指導要領の押し付けに反対し、十分な授業時間の保障で、どの子もわかる授業、そのために各教科で何をどこまで教えるか、子どもの発達段階にそくした系統的なカリキュラム、子どもの自主活動を大切にし、無理のない教育計画づくりなど、各学校で教職員の合意ですすめるべきと思うがどうか。 第2に、30人学級など少人数学級や少人数授業は、緊急課題だと思うがどうか。当面、小学校1、2年生、中学校1年生での少人数学級を行なうべきと思うがどうか。 また、区独自にティームティーチングなどを積極的に拡大すべきと思うがどうか。 次に、いじめ・不登校問題についてです。 今日のいじめ問題は、「いじめ」が陰湿化し、その実態が見えにくくな、どの学校でも起きる問題となっていると言われています。 本区でのいじめの発生件数は、昨年一年間で小学校で18件、中学校で66件でした。 不登校については、小学校で55名、中学校では274名にのぼっています。 いじめ・不登校問題の根本的な原因は、様々な要因がありますが、1998年に国連の子ども権利条約委員会から「極度に競争的な教育制度が子ども達に発達障害をおこしている」と勧告がされているように、小学校低学年からのつめこみと競争教育によるストレス、不安、抑圧感などの蓄積が考えられています。 文教委員会では、中学校の先生方の意見も聞く「いじめ・不登校問題懇談会」が行なわれたと聞いています。そこで先生方から出されて意見は、第1に、問題解決のために教職員が日常的にアンテナを張り1人1人の生徒に目配りすること、第2に、目配りするにはもっと教職員の増配置が必要であること、第3に、スクールカウンセラーの重要性が強調されたと言います。 そこで質問します。 第1に、教育委員会自らが「いじめ・不登校問題」で区民との懇談会を開催していくべきと思いますがいかがでしょうか。 第2に、全ての小学校にスクールカウンセラーを配置すべきと考えます。 そして、スクールカウンセラーと教職員の密接な連携のために、教職員会議や学校行事への参加の保障などすすめるべきです。いかがですか。 第3に、小泉内閣が進めようとしている「義務教育国庫負担金制度の見直し」は、現在、学校が抱えている様々な困難さに拍車をかけるもので反対すべきであります。教育条件の整備のために、むしろ、教職員をもっと増やすべきと思いますがどうでしょうか。 第4に、区独自で行なっている学校支援制度を、もっと幅広く活用できるように、制度を柔軟に拡充すべきです。答弁を求めます。 次に、学校選択制の問題です。 わが党は、先の第2回定例議会で学校選択制の拙速な導入はやめるべきだと主張してきました。それは、父母や教職員からまったく意見も聞かず、また区民的合意も得ていないからであります。 わが党は、7月に「学校選択制を考える教育問題懇談会」を独自に開催しました。 この懇談会には、100名を超える父母や教育関係者が参加しました。そこに参加した元PTA会長からは、「学校のPRに力をいれるよりも、子どもが一人前の人間に育つよう、そういう教育に力を入れてほしい」との意見が出されました。 そもそも学校というのは、子どもたちの真の個性を伸ばすために、基礎・基本をしっかり身につける場でなければなりません。ある学校でなければ自分の個性が育たないのではなく、どの学校でも個性が育つ、どの学校でもそれぞれの地域の中で特色がある、そのための教育条件の整備こそ行政に求められているのではないでしょうか。 教育長、学校選択制については、各地域ごとに説明会を開催して、区民の様々な意見を聞くべきではないですか。 2点目には、選択制により、心配となっている学校の序列化・学校間格差や風評による弊害をどのように解決するのか、答弁を求めます。 最後に、保田養護学校についてです。 区は、保田養護学校について「入学を希望する児童数が減少」している、「都立の病弱養護学校に入学することも可能」であるとして、施設の廃止を打ち出しています。 しかし、児童数は、区教育委員会や学校、PTAや様々な関係者などの、この間の努力によって、増加に転じており、そして、保田養護学校への理解と認識が区民の中にも広がってきているではありませんか。 また、「都立養護学校への入学が可能」としていますが、しかし、久留米養護学校は、重度の病弱児対象で、保田の子どもたちとは異なるものです。そのことは教育委員会自身がよく承知しているものであります。以上のように、保田養護学校廃止の二つの理由は、どれも全く不当なものであります。 十分な検討もせず“廃止先にありき”の保田養護学校廃校計画は全く不当であります。 関係者の合意づくりや広範な区民との討論など、慎重な検討を行なって方向を出すべきですが、いかがでしょうか。 |
渡辺議員の一般質問に対する答弁 |
区長 渡辺キヨ子議員のご質問にお答えをいたします。 はじめに、都立の福祉施設の廃止等に関する質問にお答えいたします。 このことについては東京都において外部委員会からの提言を踏まえて、社会経済状況等時代の変化に対応した社会福祉基礎構造改革の一環として、地域福祉サービスの再構築・事業の見直しを図っていくものであると認識しています。 現在、特別区長会におきまして、福祉改革の具体化にあたっては特別区の実情に配慮をし、関係者と十分な協議・調整を行うように東京都知事あて申し入れを行っておるところでございます。 次に、「住民の福祉を守る」ために、大型事業を見直すべきであるというご質問にお答えいたします。 再度申し上げておりますけれども、例えば、京成線の立体化やあるいは金町駅南口再開発等々の大規模なまちづくり事業や、都市計画道路の整備は、不測の災害から区民の貴重な生命や財産を守って、活力ある地域産業環境の形成を図るといった、これも、住民福祉の向上のために、欠くことのできない事業であると認識を持っております。 従って、厳しい財政状況にあっても、国や東京都からの財源を確保するなど、様々な工夫をしつつ、未来の多くの区民の社会的な財産をつくるため、最大限の努力を続けて行くべきであると考えておりまして見直す考えはございません。 なおその他の御質問については、教育長および所管の部長より答弁いたさせます。 教育長 はじめに学習指導要領と各学校の教育活動に関するご質問にお答えいたします。 各学校が教育活動を進めるにあたりましては、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で、児童生徒に基礎・基本の確実な定着を図るとともに、自主性や問題解決能力などの生きる力をはぐくむことが求められております。 そのために、各学校におきましては、学習指導要領に基づき、児童生徒の実態や地域の声を把握し、校長の学校経営方針のもと全教職員が参加して教育計画を編成しております。 したがいまして、各学校の教育計画は、各学校の児童生徒の実情に合った最も適切な教育活動が行えるものであると考えております。 つぎに少人数学級についてお答えいたします。義務教育標準法の改正に伴いまして、昨年度から学級編制基準の弾力的運用は可能となりましたが教職員給与は都道府県の負担とされており、弾力的運用を行っても国などからの財源措置はございません。また、区独自の教員採用につきましても、財政上の問題に加え、任用上及び身分上の法的位置付けの問題等があり、現時点では学級定員の引き下げは難しいと考えております。 次に、ティームティーチングなどの指導の充実についてですが、ティームティーチングや少人数授業は、習熟度など個に応じた指導や、基礎的・基本的学習の確実な定着を図るために大きな成果をあげております。 現在、東京都からも教員の加配を受けて、ティームティーチングは、小学校17校、中学校18校、少人数授業は小学校11校、中学校8校で実施しております。 今後とも現在の制度を活用して教員の加配拡充を東京都に要望してまいりたいと考えております。 つぎに「いじめ・不登校問題」での区民懇談会の開催についてのご質問にお答えいたします。 本区の不登校児童生徒数は、年々減少の傾向にありますが、依然として高い出現率を示しております。また、いじめにつきましても一時期と比べて減少しておるとはいえ、多くの学校で発生しております。各学校ではいじめ・不登校のない学校を目指し、教育相談の充実や不登校児童生徒の保護者との連携を図っております。また、総合教育センターの適応指導教室では、保護者会等において、保護者の悩みを共有できるようにしております。 教育委員会といたしましては、不登校問題の解決に向け、対策委員会を設置するとともに現在、保護者や地域の方々を対象に実施している、健全育成講演会などを通して、区民の皆様に理解を深めていただくようにしてまいりたいと考えております。 つぎに、小学校のスクールカウンセラーの配置についてのご質問にお答えいたします。 本区では、全国に先駆けて中学校へのスクールカウンセラーの全校配置を平成13年度から実施してまいりました。 様々な問題行動の低年齢化への対応や悩みを抱えた児童・保護者の相談に応じるためには、小学校にスクールカウンセラーを配置することは有効であると考えております。 そこで、本年4月に発表いたしました「葛飾区子育て支援推進プラン」の中で、小学校へのスクールカウンセラーの配置を検討課題としており、現在検討を進めているところであります。 また、現在中学校に派遣しているスクールカウンセラーは教員との連携を図るため、必要に応じて職員会議や学校行事にも参加しております。今後とも、研修会の講師や教員との面談、ケースについての話し合いなどを密に行いまして、学校全体の教育相談体制が強化されるよう働きかけをしてまいりたいと考えております。 つぎに義務教育費国庫負担金制度の見直しについてお答えいたします。 去る8月30日に開催されました第25回経済財政諮問会議において、義務教育費国庫負担制度の見直しに関する資料が、文部科学大臣から提出されました。 その内容につきましては、ひとつには負担対象経費の見直しによる負担額の縮減、二つには都道府県への教員給与の自主的決定権限の付与、三つ目には教職員定数の在り方の弾力化、四つ目には負担金事務の簡素化の4点となっております。しかしながら、基本的な考えとして、義務教育の水準を確保するためには、優れた教員を一定数確保することが必須であり、それには、一定の財源が安定的に確保されることが必要であるとして、この制度の根幹は、今後とも堅持するとしております。 今後 同会議の場において本格論議が行われていくことと思われますが、学校教育の中核は教員であり、その人材の確保は最重要課題であるとの認識のもとに、論議の動向を見守って参りたいとこのように考えております。 つぎに学校支援指導員制度についてお答えいたします。 この制度は、平成10年度に、児童・生徒の問題行動の深刻化に対して、生活指導の充実を図り、正常な学校運営を確保するために導入した制度でございます。生活指導に困難さを抱えている学校において、支援指導員の果たす役割は、大変大きいものがあると考えております。 現在、中学校2校に支援指導員を週30時間配置するとともに、小学校2校においては、教育相談に重点を置いた支援指導員を週8時間配置しております。 この制度を他の面にも柔軟に拡充するということにつきましては、今後、各学校の生活指導などの実情をみながら、その必要性を検討してまいりたいと存じます。以上でございます。 子育て支援部長 認可保育園に関するご質問にお答えいたします。 まず、区立保育園の運営主体についてですが、区内の私立保育園につきましては、国、東京都及び区から支弁される経費の範囲内でどの園も運営を行っております。 一方、区立保育園につきましては、同じ認可保育園でありますが、この支弁経費を大きく超えて運営を行っている実態がございます。 現在、その原因分析を行っており、その結果を踏まえた上で、保育サービスの再構築と合わせて区立保育園の運営方法のあり方をお示ししたいと考えております。 次に、認可保育園の増設計画についてお答えいたします。 待機児の解消につきましては、まず、入所定員の見直しや弾力化の促進等、既存の保育施設を最大限に活用することより対応してまいりたいと考えております。 したがいまして、現時点において、区立を置く増設計画を策定する考えはございません。 つぎに、区長会が東京都に提出した要望書についてですがご指摘の要望は、社会福祉法人以外の法人による認可保育所の創設、増改築及び運営費等について、社会福祉法人と同様の補助を講じるよう求めたものでございます。 社会福祉法人もその他の法人も、児童福祉法に基づく認可保育所を設置・運営する主体である以上、同一の補助制度とすることを求める要望は必要な事であると認識しております。以上でございます。 保健福祉部長 障害者施設等の民営化方針についてのご質問にお答えいたします。 障害者福祉サービスにおいては、平成15年度から支援費制度が導入されることになっております。 支援費制度におきましては、社会福祉法人をはじめ多様な民間事業者の参入がサービスの質の向上を図る上でも不可欠でございます。 区では、これまでも障害者福祉館や重度知的障害者の更生施設の管理運営を社会福祉法人に委託して参りました。 今後とも民間事業者への助成等により、障害者施設の整備を推進するとともに、支援費制度の動向を見据えながら対応をして参りたいと考えております。 次に、特別養護老人ホーム等の待機者の解消を図るべきとのご質問にお答えいたします。 特別養護老人ホームをはじめ、介護保険のサービスの基盤整備につきましては、順調に整備が進んでおり、サービス利用者数及び供給量も大きく伸びております。しかしながら、特別養護老人ホームにおきましては、とりあえず申し込みをされた方も含めて入所を希望される方が待機している状況となっております。 このため、次期計画期間の施設サービスの必要者数につきまして、都の示した参酌標準を参考に、これまでの利用者数の推移や今後の事業者の参入状況等を勘案して見込んでおります。また、併せて、多様な住まい方を提供するためグループホームやケアハウスなどにつきましても、区として整備の支緩をしていく方向で検討いたしております。 また、国におきまして、必要度の高い方から優先的に入所できるようにするため、介護保険施設の運営基準の見直しがなされたところであり、区といたしましても、施設と協議しながら入所基準等の検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、支援費制度についての質問にお答えします。 障害福祉サービスは、平成15年4月から行政がサービスの内容や提供する事業者を決定する「措置制度」から障害者自らがサービスを選択し、事業者と対等な立場で契約を結びサービスを利用する「支援費制度」に移行いたします。 まず、支援費制度における利用者負担につきましては、現在と同様に応能負担とし、本人及び扶養義務者から負担を求めることとなっております。 また、サービスの水準や利用者負担につきましては、少なくとも現行を維持することとされているほか、支援費の支給決定については、障害者の障害の種類及び程度、生活の状況等を勘案して行うこととなっておりますので、障害の重度化の程度や生活実態に見合った支給決定が行われるものと考えております。 また、措置制度につきましては、単独で申請ができない障害者の介護者が急死し、障害者がひとりになった場合などやむを得ない事由に限られておりますが、こうした場合は、従来どおり適用してまいります。 したがいまして、お話しにありました重度障害者の加算や、サービス水準の維持、措置の適用などは、支援費制度の中で十分に対応できるものであると考えております。 さらに、本年10月から申請受付が始まりますが、本区におきましては、個別に案内書を送付するとともに、利用者に対して、訪問による調査を行うなどきめ細かく対応してまいります。 今後とも支援費制度への円滑な移行に向けて、権利擁護事業や成年後見制度による利用者の支援、民間事業者の育成、申請相談・あっせん業務の充実などの基盤の整備に努めてまいります。以上でございます。 学校教育部長 学校選択制についてお答えいたします。 学校選択制につきましては、昨年度、小学校、中学校のPTAの代表の方をはじめ、自治町会、青少年委員の方々からなる懇談会を設置し、広くご意見を伺って参りました。その報告や文教委員会のご審議などをふまえ、教育委員会として、選択制を導入する事といたしたものでございます。そのようなことから、改めで説明会を開催することは、考えておりません。 次に、学校の序列化・学校間格差をもたらすのではないかとのことですが、学校の序列や学校間格差という問題は、学校が学力という1つの基準によってのみ評価されることから生まれるものであると考えております。そのため今後は、スポーツや音楽などの部活動、道徳教育や生活指導、ボランティア活動など多様な分野での特色ある学校づくりを進めることにより、学力だけではなく、多様な評価で学校選択が行われるようにしていく必要があると考えております。 さらに、風評による弊害につきましては、学校公開等を通じ、保護者や地域の方々に積極的に学校からの情報提供を行い、学校への理解を深めてもらう努力を行うことによって、風評等のないようにしていく必要があると考えております。 つぎに保田養護学校についてのご質問についてお答えいたします。 保田養護学校の在簿児身数は、ここ数年、定員80名に対しまして、20名から30名台で推移してきております。 このような状況を受け、昨年教育委員会事務局内に「保田養護学校のあり方検討委員会」を設置し、その検討結果につきましては、文教委員会に報告したところであります。これらを踏まえ、先般、教育委員会で今後の方向について結論を得ましたので、本定例会の文教委員会で、ご報告する予定でございます。 なお、保田養護学校の入学対象となる病弱児童につきましては都立久留米養護学校に入学可能であると考えております。以上でございます。 発言取消(議長) この際、お諮りいたします。 山崎 喜久雄教育長から、先程の本会議における 渡辺キヨ子議員の区政一般質問に対する 学校教育部長の答弁中、一部発言取り消しの申し出がありました。 この発言取り消しの申し出を許可することに異議ありませんか。 「異議なし」 異議なしと認め、山崎 喜久雄教育長からの申し出のとおり、学校教育部長の一部発言取り消しを許可することに決定いたしました。 なお、取り消す部分については、議長に一任されたいと思いますが、異議ありませんか。 「異議なし」 異議なしと認め、さよう決定いたしました。 |