●第3回定例会 三小田議員の一般質問  2003.10
【目次】
1、安心できる医療について
2、小児医療について
3、北総料金と新柴又駅前広場について

【答弁】

【再質問】

【再質問に対する答弁】
 私は、質問通告にもとづき区政一般質問をおこないます。
 まず安心できる医療についてであります。
 最初は、国民健康保険の問題です。
 区民の42.2%が加入する国保は、4世帯に1世帯が保険料が払えず滞納しているという深刻な事態に直面しています。
 原因は明確です。1984年の国保法改悪を皮切りに、国庫負担金を医療費の45%から38.5%に大幅削減したことが最大の要因です。この影響額は、葛飾では20年間で約700億円にものぼっています。まず、国庫負担の計画的復元を求めるべきです。
 国庫負担切り捨てが国保財政を益々悪化させ、保険料の異常な値上げ、そして、それが保険料滞納者の増大となっているのです。
 均等割額は、9,000円が29,400円に3.2倍、所得割も、100分の107から100分の194と約2倍もの大幅な負担です。まさに保険料を「払いたくても払えない」事態になっています。
  さらに政府は、国の責任を棚上げして、2000年4月、1年以上の滞納者には保険証の取り上げとなる資格証明証の発行を義務付けました。
 しかし、資格証明証による受診は、病院の窓口で全額支払となる訳ですから、結局、医者にかかれず、病気が重症化し、手遅れで死亡する事態となっているのです。
 本区での資格証明証の発行数は、今年3月末現在、130件です。これは、江戸川区の発行ゼロ、足立区の62件と比べて、突出しております。確かに納付相談などに一切応じないと言う不誠実な者もあるでしょう。
 しかし、「負担が大きくて払えない」という困難を抱えている方もおり、こうしたケースなどは、保険証の取上げはすべきではありません。如何ですか。
 さて、滞納者の発生を防止するためには、国保料減免の拡充が重要です。
 一般減免は、本区の場合、2001年14世帯で、隣の足立は325世帯、江戸川は156世帯に比べても非常に少ないのであります。
 どこに問題があるのでしょうか。
 一つは、申請手続が3ヶ月ごとに多数の書類を出さなければならない煩雑さがあることです。これを簡素化するとともに、3ヶ月間の減免期間を、当面、半年間に延長すべきです。
 二つには、「災害その他特別の事情により生活が著しく困難になった者」と言う減免適用の基準や「生活困難」という具体的事例が区民にわからず、しかも、対象が限定されていることです。
 「減免の取り扱いに関する基準」では、災害で死亡し、心身に障害を受け、資産に損害を受けた時や、事業や業務の休止、失業等により、収入が著しく減った時で、また、「生活が著しく困難」と言う解釈も生活保護基準の1.15倍とされています。
 保険料の滞納者の発生を防ぐためにも、保険料免除の対象を独自に広げるとともに、減額についても、リストラや倒産などの事例も独自に盛り込んで救済すべきです。そして、生保基準の1.15倍という収入基準を引き上げるべきですが、如何ですか。
 第3は、何と言っても、高すぎる国保料の値下げを決断することです。
 「新たな滞納者をつくらない」「国民皆保険を維持」という観点から、区長会等で保険料値下げの具体的な協議を提案していくべきですが、伺います。

 次に、小児医療についてです。
 いま、一般病院から小児科が姿を消し、小児救急医療の不足は大きな社会問題となっています。区内でも、この10年間に、小児科のある病院は45%も減少し、小児科のある診療所も小児科の医師も激減しております。
 この背景には、「出生数の減少」「小児科に対する診療報酬が低い」などが指摘されています。こうしたもとで、二次救急医療機関に患者が集中してしまい、二次救急の本来業務に支障が生まれています。このようななかで、本区が区医師会と連携して行なっている「平日夜間こどもクリニック」は、時宜にかなったもので評価します。
 そこで質問いたします。「平日夜間こどもクリニック事業」を開始して3か年になりますが、その取り組みの総括をどのようにしているのか、まず伺います。 そこで、私は小児救急の充実として3つの提案をいたします。
 第1に、医師会との協議・連携のもとで、金町休日応急診療所でも「平日夜間こどもクリニック」を開設してはどうでしょうか。
 第2に、区としても小児科の医師の養成への支援や小児科の区内誘致のための支援策を検討すべきです。
 第3に、自治体が取組む小児救急医療への国の財政援助を、区としても強力に働きかけるべきですが如何ですか、誠意ある答弁を求めます。
 乳幼児医療費無料化の年齢拡大についてです。
 6月議会でわが党は、乳幼児医療費の負担解消の見地から無料化の年齢拡大を提案しました。ところが、子育て支援部長は、「実施の考えはございません」と木で鼻を括った冷たい答弁でした。
 北区では、来年度以降、小学校低学年から段階的に入院医療費を無料にし、将来的には小学6年生まで拡大しようとしています。また、全国的には、小学校・中学校・高校卒業までの助成は、今年4月末現在、101自治体に広がっており、年齢引き上げは時代の流れになっています。
 当面、小学校1年生まで医療費無料化を行なうべきです。答弁を求めます。教育問題について質問します。
 まず「葛飾区教育振興ビジョン(素案)」についてです。
 長崎での幼稚園児誘拐殺害事件は衝撃とともに悲しみをもたらしました。
 この事件で学校は、記者会見で少年の成績のことを詳細に語りましたが、大人の視点がこどもの成績だけに向いていて良いのかという疑問を与えたのではないでしょうか。
 長崎県の教育に詳しい広木神戸大学教授は、「長崎県の高校入試はこれまで総合選抜制で比較的競争が緩やかで、不登校も全国一少ない地域だった」と語っています。ところが「今年から単独選抜制になり、競争が強まり、特に少年の住む地域は激しい地域」であると指摘し、「競争が激しくなると、親も教師も成績のほうに目が奪われ、子どもの内面や表情の変化などに目を向けることが弱くなって、シグナルを見落としやすくなる」と述べています。
 国連子どもの権利委員会の勧告でも、日本の学校教育は、きわめて競争的な教育制度のもと、子どもたちが発達上の障害にさらされていると、指摘される異常な事態です。
 「葛飾区教育振興ビジョン」の(素案)と、それに続く(案)は、この点どのような方向を出しているのでしょうか。
 残念ながらこの競争激化に益々拍車をかけるものと成っていることを指摘せざるを得ません。
 その一が「小中一貫校教育の推進」というものです。
 都の中高一貫校もそうですが、小中一貫校の導入も結局は、学校の序列化と学校間格差をますます広げ、それがこれまで以上の競争を激化させ、学校教育に新たな困難を持ち込む、大変危険なものとなるものです。
 ところが、「素案」では、「他区の動きが出ている」からとか、清和小と立石中のように小学校と中学校が隣り合わせになっている所が5カ所あるから、改築の時には小中一貫校にするというのであります。しかし、そんな打算的なものではないはずで、なぜ小中一貫校なのか、区民にも議会にもその真意を語らずに導入するというアンフェアなやり方は慎むべきであります。教育長如何ですか。
 数学や英語などの検定導入も問題です。そもそも検定受験は、個々人の判断で行うもので、公教育に義務化するのは問題です。しかも、検定の合格者を卒業時に半数にするとしています。そうなれば、学校間は比較され、検定合格のための学習に拍車がかかり、公教育そのものが変質し、ますます競争は激しくなっていきます。片や検定業者は葛飾区内の小中学校での検定導入で大儲けとなるものです。
 検定について区民からは、「学校外の民間の検定に対して学校が受験を強要したり、目標を立てさせたりすることは公立の学校で行なっていいことなのか大いに問題がある」とか、「新たな競争的要素を学校生活に持ち込むことになる」などの声がでています。
 教育長、検定導入は撤回すべきです。いかがですか。
 「素案」では「必読書30册」を卒業までに読ませるとしています。しかし、これも上から何冊を読ませると、数の競争です。数値目標で示すと言うのも如何なものでしょうか。
 いま学校教育で大事なことは、単に何冊読んだかだけではなくて、本を読むことの喜びや楽しさをどう培って行くか。そのために、必要な図書室の充実や子ども達の読書意欲を援助し・相談に答えられる専任司書の配置をしてこそ、本に親しむことができ、読書数も自ずと増えてくるのではないか。見解を伺います。
 「心の教育の充実」と称して「素案」では、文部科学省が作成した「心のノート」を押しつけようとしていることは問題です。
 この「心のノート」というのは、教科書でもなければ、副読本でもない、単なる補助教材で、あくまでも補う場合のための教材ということです。
 「心のノート」では、さまざまな問題を、「何時も自分の心に問題がある」、ただひたすら「自分の心の持ちようであること」を強調しています。現実を分析的に、また、批判的に見ると言う考え方を後退させるものとなっています。
 しかも、平和・人権・平等・対話、討論・環境問題・社会変革などの、社会に目を開くテーマは軽視されています。たとえば「平和」という言葉がでてくるのは中学生用の「心のノート」で一回だけでてくるだけで、小学生用のノートには平和についてまったくふれられておりません。
 教育の目的は、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値を尊ぶ人間をつくっていくことであります。まさに、この「心のノート」は、この教育基本法の方向に逆行したものであります。
 「心のノート」の押しつけはやめ、また、保護者や地域の人たちにまで「心の教育座談会」を開催して進めて行くという記述は削除すべきです。答弁を求めます。
 さて、「素案」策定の手順も重大な問題があると思います。
 教育委員会の2003年度方針は、「教育は家庭、学校及び地域の協働」をのべ、「すべての区民が教育に参加することを目指していく」としています。しかし、どうしてか「素案」策定に至る段階での区民参加は皆無であります。
 埼玉県鶴ヶ島市では、昨年、子ども達も含めて約4500人を対象に実態調査と現状分析を行ない、住民との懇談会を重ねながら策定しています。
 7月の文教委員会で視察に行った旭川市では、保護者や学校関係者だけでなく、労働組合にも参加も保障し、約2年がかりでビジョンを策定しています。
 区でもアンケート調査をやったと言うかも知れませんが、それは、素案発表後のことで、まさに後追いです。
 しかも、私が驚いたのは、今年の6月3日の教育委員会であります。議事録を見ますと、指導室長が「素案」の説明の後、「質問、意見なし」と、その間、僅か数秒で、誰も何も言わず、全く議論なしという事態です。これが教育委員会なのかと、唖然としましました。こんな事で本当に良いのでしょうか。
 「ビジョン」を策定する上で、まずやるべきことは、葛飾の教育についての実態調査をやり、現状分析をすることから始めるべきではないでしょうか。そのために、子どもたちや保護者から本格的に意見聴取を行ない、区民参加で検討し直すべきです。如何ですか。
 さて、障害児教育についても素案で記述があります。
 率直に言って国や都の動向待ちの姿勢で良いのかということです。東京都は、通常学級に約6%位在籍しているLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、高機能自閉症などの子ども達への十分な対応が求められているのに、障害児の固定学級や通級学級をなくし、特別支援教室に週何時間か通わせるという安上がりの方向を打ち出しています。
 元来、障害児学級の制度は、東京都が国に先駆けて、少人数学級で、障害の程度に応じてきめ細かな教育を実施してきたものです。そして全員就学など画期的な境地を切り開いて来たのであります。それをやめることは障害児教育の大きな後退です。
 東京都などの動向待ちではなく、都に対して障害児の固定学級と通級学級は残すよう要請すべきです。また、通常学級に在籍するLD、ADHD、高機能自閉症等の特別な配慮を必要とする子どもについては、それぞれの子どもに応じた新しい支援システムが必要です。区は、関係者の意見もよく聞き充実させるべきと思うがどうか、答弁を求めます。 
 「素案」の最後に、教育条件の整備の問題です。素案では「財政的に苦しい時代であっても教育は未来への投資である」と述べています。
 長野県など全国各地で、30人規模学級が進められ、どこでも、「落ち着いて学習に取り組んでいる」「学習内容や学習習慣、基本的生活習慣ともに定着が良好」と言う成果が述べられています。
 区教育委員会は、教科ごとの少人数授業の効果を認めながら、生活集団としては30人学級を拒んでいますが、この言い分は、もう全国の実践例で成り立たなくなっています。
 また、普通教室へのエアコン整備も緊急課題です。今年の二学期は連日の異常なまでの猛暑で、熱中症にかかったり、突然気分が悪くなって早退する子がどこの学校でも増えています。汗だく駄句で、勉強をする環境ではありませんし、健康管理の面でも問題です。
 今や私たちの日常で、エアコンのない生活など考えられません。素案は、「国庫補助の活用を図りながら…取組んで行く」という消極的な姿勢であります。
 「教育は未来への投資である」と言うなら、思いきった財政措置のもとで30人学級も普通教室へのエアコン整備も、独自に踏み出すべきです。答弁を求めます。
 最後は、教員の異動についてです。
 都教育委員会は、9月1日に教員の定期異動実施要綱を改正し、3年を基本としたものに改悪しました。
 僅か3年で先生がクルクル変わる。こんなやり方で、子どもと父母、そして地域に根ざした学校教育ができる訳がありません。教職員の意欲を喪失させ、教育の継続性は途絶え、地域との結びつきは希薄化し、子ども達にも地域にも責任が果たせなくなるでしょう。ましてや、特色ある学校などできる訳がありません。
 私立学校が「特色があり」「地域に根を張った取り組み」をしているのは、教員が生涯同じ学校で働き、良き伝統を受け継いでいるからではないでしょうか。
 教員の異動の基本が3年という新たな規定は、撤回するよう都教育委員会に求めるべきと思いますが、答弁を求めます。

 最後に、北総料金と新柴又駅前広場について質問します。
 まず、北総料金についてです。
 新柴又駅の乗降客は、北総開業当時、4,000人近くいましたが、現在は、1日平均3,600人前後に減少しています。なぜ、新柴又駅の利用が減っているのでしょうか。
 その最大の理由は、北総料金の異常な高さにあります。
 たとえば学割定期6ヶ月では高砂、上野間は19,710円、ところが新柴又、上野間となると45,900円と2.3倍にもなります。
 また、青戸から高砂までは130円ですが、青戸から新柴又まででは310円にもなります。
 区は、北総鉄道に料金値下げを要請すべきと思うがどうか。答弁を求めます。
 また、新柴又駅の利用を増やすためにも、ハード面でもある新柴又駅前広場も魅力あるものにしなければなりません。
 新柴又駅前広場は、交通広場として計画され、今年度1億3,400万円の予算がつけられています。 
 交通広場の図面を見ますと、バスとタクシー乗り場の整備となっています。
 そこで、京成本社に聞きましたら「バスを広場に入れる考えはない」という返事であります。また、区からは「広場ができたら陸橋下のバス停は撤去する」と言われているようです。なぜ、こんなに話が食い違っているのでしょうか。
 京成側の理由は、バスを広場に入れるには、2つの信号を右折しなければならず、時間がかかり、利用者に不便をかけるというデメリットが大きいからとしています。
 いま、新柴又駅前広場に、何が何でもバスを入れなければならないという状況なのでしょうか。京成電鉄との協議や、もっと住民の声を聞き、計画は根本から見直しすべきと思うがどうか。答弁を求めます。
 また、新柴又駅の活性化は、柴又帝釈天、山本邸、江戸川河川敷など、「観光レクリェーションの拠点」と結ぶことが大事です。新柴又駅にレンタサイクルの取次所を設置するとともに、帝釈天周辺に適地を確保し、伝統工芸館を建設したり、柴又、鎌倉地域の散策コースを整備したりなど、魅力あるまちづくりをすすめるべきと思うがどうか。
 答弁を求めます。 
 以上で私の質問を終わりますが、答弁いかんによっては再質問をおこなうことを表明しおておきます。
三小田議員の一般質問に対する答弁
(区長答弁)
 三小田議員の小児医療に関するご質問にお答えします。夜間における小児救急医療の需要の高まりに応えるべく、平成12年から区との連携のもと、医師会が実施いたしました「平日夜間こどもクリニック」を平成14年4月から区の事業として位置づけ、小児救急医療の提供体制の整備を図ったところであります。 平成14年度の診療実績は、3171名でございまして、他区にない先進的な取り組みとして高い評価を得ております。
 開設時間の延長及び金町休日応急診療所での開設のお話でございましたが、現在の運営の状況、あるいは又従事する小児科医・医療関係者に対する負担の増、等々から現在は考えておりません。
 また、小児初期救急医療に従事する医師の確保については東京都において平成14年度から開業医小児医療研修事業が開始され、また、葛飾区医師会においても内科医の小児救急医療研修が実施されるなど、小児初期救急医療に係る人材の継続的な育成・支援策が図ちれております。
 国への財政援助ですが、都や他の自治体などの動向を視野におきながら、機会をとらえて働きかけをしてまいりたいと考えております。
  今後とも、葛飾区医師会の理解と協力を得ながら、事業の充実に取り組んでまいりたいと存じます。
 なお、その他のご質問につきましては、教育長及び所管部長より答弁いたさせます。

(教育長)
 はじめに、小中一貫校導入についてお答えいたします。小中一貫校を導入するメリットといたしましては、小学校、中学校という校種の違いから生じる子どもたちの心理的負担を軽減しゆとりある安定した生活を送ることができる事、9年間を見通して子どもの多様な資質や能力を伸ばす系統的、継続的な学習指導や生活指導を展開することができる事。異なる学年、異なる年令集団による活動を通して豊かな社会性や人間性を育てることなどができることなどが考えられます。
 教育委員会といたしましては、小中一貫教育に向けての法改正の動きもあるなかで小中一貫校を設置しようとする他区の事例を研究すると共に小学校と中学校が隣接して設置されている5校については連携がしやすいという利点もふまえて小中一貫教育関する取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。
 つぎに、必読書三〇冊についての御質問にお答えいたします。
 読書の果たす役割は、思考力、表現力、国語力がみにつくなどの教育効果が期待でき教養を高める基盤となるもので、極めて重要であると考えております。各学校の特色や子どもの発達段階に応じて必読書を選定し読書を奨励することは子どもの読書にたいする興味、関心を一層高め読書習慣の定着をはかることに繋がると考えております。また、司書教諭については、小学校45校、中学校17校に配置し学校図書館の充実につとめるとともに、保護者や地域のかたがたに読み聞かせなどの、ボランティアの協力を得て、読者活動の充実に努めております。教育委員会といたしましては、今後、司書教諭等が中心となって、校内研修を行なう等教員の読書に関する指導力の向上をはかるとともに学校支援ボランティアの拡充をはかり、校内における読書指導の充実にとりくんでまいりたいと考えております。
 つぎに、公教育で、検定受験を半ば義務化することは撤回すべきであるという御質問にお答えいたします。
 子どもたちに学習意欲を高め基礎的、基本的な学習内容を確実に定着させるためには、具体的な目標をもった学習に取り組ませることが、大切であります。その目標の一つとして検定試験への挑戦があり、これに合格する事は子どもたちの励みになり学習意欲を高め学力向上につながるものと考えております。すでに中学校では活発に取り組んでいる学校もあり、教育委員会といたしましては、今後すべての学校において検定試験の受験に向けての取り組みが積極的におこなわれるよう奨励してまいりたいと、考えております。   つぎに、「心のノート」及び「心の教育座談会」の開催の記述を、削除すべきとの御質問にお答えいたします。
 心のノートは児童、生徒が身につける道徳の内容をわかりやすくまとめたものであり児童生徒が自己の生き方について考え、自ら道徳性を育むために作成されたものであります。合わせて、自己の生活や体験を振り返り生活ノートや家庭との架け橋としての性格があります。したがって、児童生徒が自分について見つめ考えるために有意義な教材であると考えております。
 次に心の教育座談会につきましては現在、道徳授業地区公開講座等で、保護者や地域のかたがたに参加していただいておりますが、学校、家庭、地域社会が話し合い、連携して児童生徒の豊かな心の育成を図る事は大切な事であると考えております。教育委員会といたしましては心のノートの活用を図ると共により集まりいやすい場所や時間を工夫した、心の教育座談会を実施し、保護者や地域のかたがたと連携して、心の教育の充実をはかってまいりたいと考えております。
 次に、教員の異動年限に関する御質問にお答えいたします。
 今回の異動要綱の改正は人事交流を促進し多様な経験をつむことによって教員の資質・能力の向上と、人材育成をはかることを目指したものでございます。また、3年という年限はあくまでも異動の対象となる年限であり全員が3年で異動するということではごいざいません。地域に根ざした教育を推進するということは、本区としても重要な課題でございます。今回の異動要綱の改正により総体的には教員の在職年数が短縮されることと予想されますが、そのこと自体が地域に根ざした教育に逆行するものとは認識しておりません。したがって、東京都教育委員会にたいし、新異動要綱の撤回を求める考えはございません。
 以上でございます。

(福祉部長答弁)
 国保への国庫負担についてのご質問についてお答えします。
 国保に対する国庫負担につきましては、昭和59年(1984年)に退職者医療制度の発足により、この制度を通じて被用者保険から国保の退職被保険者等に係る医療給付費の全額が負担されることとなり、これにあわせて従来の医療費ベースから医療給付費ベースに算定方法が改正され、現在に至っているところでございます。
 国保制度は、国民皆保険を支える制度として、高齢化や経済状況の影響を強く受けるという構造的な問題があり、依然として厳しい財政運営を強いられております。
 区といたしましては、国保制度を堅持していくため、従来より国に対して.国庫補助負担率の引き上げ等、財政基盤強化策の一層の充実を図るよう機会を捉えて要望してきているところでございます。
 次に、資格証明書の発行についてのご質問にお答えします。 
 資格証明書の交付は、保険料の滞納期間が1年を経過する世帯で、督促、催告及び納付相談に応じない、また、特別な事情もなく保険料を払わない、あるいは、分割納付の約束を守らない等の世帯を対象に実施しております。
 国保財政を維持し、負担の公平性を確保するため、法に定められたこの制度を今後も適切に活用してまいりたいと考えております。
 次に、一般減免の申請と期間についてのご質問にお答えします。
 減免申請書などの申請書類は、審査に必要な最低限の資料にとどめるとともに、書類の配布時には記載方法の説明等に十分留意していろところでございます。
 また、減免の期間につきましては、納期が到来していない保険料の3か月分としており、生活困難が続く場合、申請により、さらに3か月の期間を延長しているところでございます。         
 次に、一般減免の制度内容についてのご質問にお答えします。
 一般減免の制度は、葛飾区国民健康保険条例第24条に基づき実施しており、同条に規定する「特別の事情」甲具体的な内容については、23区共通の基準もふまえ、保険料の納付義務者が、その利用しうる資産・能力の活用を図ったにもかかわらザ、災害、事業の休廃止、失業等により収入が著しく減少し、生活が困難と認められる場合としているところであります。
 また、対象としている収入基準は、23区共通の基準をふまえ、収入をあげるのに必要な経費等を控除した実収入額の合計額が、生保基準額の100分の115を下回る場合としております。
 こうした基準に基づき、減免相談に応じ、きめ細かな納付相談や生活救済に努めているところでございます。従いまして、区として、独自の基準を設ける考えはありません。
 次に、区長会等での保険料値下げの提案についてのご質問にお答えします。
 国民健康保険事業の財源につきましては,被保険者が納める保険料と国庫負担金等で賄うこととなっております。
 しかし、保険料の改訂にあたっては、賦課総額の割合は基準より低い場合が多く、これらの財源が不足するため、一般財源からの繰入れにより補っているところでございます。
 さらに、一保険料の算定につきましては、現在、区長会において統一保険料方式をとっているところでありますので、.医療保険制度の抜本的な改革が行われるまでの間は、引き続きこの方式により実施してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

(子育て支援部長答弁)
 乳幼児医療費助成の対象年齢の拡大についてお答えします。
 昨年10月から健康保険法等が改正され3歳未満児の医療費にかかる一部負担金の割合が3割から2割となりました。これにより区負担の減少額が約9000万円となります。
 一方、小学校1年まで対象児童を拡大しますと、区の単独事業となり、約1億5000万円の経費が必要となります。
 また、区の事務に移管された児童扶養手当が今年度から平年度実施により、新たに約3億6600万円が区の負担額となっております。
 このような財政状況の下で、対象年齢の引上げ等を実施する考えはございません。
 以上です。

(学校教育部長) 
 「教育振興ビジョン」策定するに当たっての区民参加についての御質問にお答えいたします。
 教育振興ビジョンは中期的とはいえ、教育の基本方針であり、教育委員が主体的に取り組むという、基本姿勢で検討をスタートいたしました。その後、教育委員会が作成した検討資料をもとに校長会に順次その資料を提供するとともに5月までに3度の意見交換を行ない、さまざまな意見等をいただき、反映してまいりました。
 また、本年6月には区立小学校11校、中学校6校に在籍する児童生徒合わせて約1600名、およびその保護者に対しまして家庭生活や学校教育に対する意識および要望等についてアンケート調査を実施し、その結果についても検討いたしました。
 さらに小中PTA連合会、青少年委員会協議会、青少年育成地区委員会、子供会育成連合会、民生、児童委員協議会 など12団体のかたがたに直接御説明申し上げ、じかに、その貴重なご意見をうかがいました。
 そして、7月には、パブリックコメントを実施して広く区民のみなさんから意見公募を行ない、その意見を参考とさせていただきました。このように教育現場や地域の教育を推進していらしゃる方々を始め、大勢の区民のみなさまからご意見を聴取するととも、新たににアンケート調査をおこない、現状分析をするとともに、振興ビジョンの策定を進めてきたところであります。
 つぎに、「素案」の策定にあたり、子ども達の意見を聞く機会を何故つくらなかったのか。という質問にお答えいたします。
 教育振興ビジョンの策定に関して、子どもたちの意見を直接聞くというのは、発達段階を考慮しますとなじまないと、考えております。しかしながら、小学校5年生と中学校2年生を対象にした学校教育アンケートを実施するなかて、子どもたちの生活状況や意識について把握につとめたところでございます。教育委員会といたしましては、これらを踏まえ教育振興ビジョンの策定にいかすとともに今後の教育活動のなかで参考にしていきたいいと考えております。
 つぎに、普通教室の冷房化を推進すべきとの御質問にお答えいたします
 近年の都市部のヒートアイランド現象による高温化の影響や家庭へのエアコンの普及と相まって学校やPTAからも教室の冷房化を望む声は年々強くなっております。教育委員会では教育振興ビジョン素案のなかで夏季休業日の短縮や学習教室の拡充等を今後の方向性を考えて普通教室の冷房化にとりくんでいくとしたところでございますが、今後財政状況をふまえつつ、具体化ついて検討してまいりたいと存じます。
 つぎに、心身障害児学級等残すよう東京都へ要請すべきとの質問にお答えいたします。
 本年5月に東京都からだされたこれからの東京都の心身障害教育のありかたについての中間のまとめには、現在の心身障害学級のありかたを見直して特別支援教室の設置の検討をする必要があるとされております。しかしながら、このなかでは心身障害学級が今後どのようになるのかは、明確にされておりません。現在、最終まとめにむけて審議が行なわれておりますが、最終報告がなされた後に具体的な方策が示されるものと考えております。したがいまして現段階でお話のような要請をおこなうことは考えておりません。
 つぎに、LD児等、特別な配慮を必要とする子どへの支援についてお答えいたします。
 本区では小学校、中学校に情緒障害のある児童生徒のための通級指導学級を設置するとともに講演会や研修会等を実施して教員の資質向上に努めるほか、必要に応じて指導補助員を配置し特別の配慮を必要とする子どもを支援しております。教育委員会といたしましては、国の法改正のうごきや都のの動向をふまえ、こどもひとり1人の教育的ニーズに対応するために関係機関との連携をはかりながら支援計画の作成等検討してまいります。
 つぎに30人学級の実施についてお答えいたします。
 義務教育標準法の改正により学級編成の弾力的運用は可能となりましたが、三〇人学級の実施には、財政上の問題に加え任用上、身分上の問題があり現時点では三〇人学級の実施は考えておりません。しかしながら、児童生徒の基礎学力の向上のため国語、算数、英語等の基礎的教科については、これまでも東京都からも教員加配等をうけ、少人数の授業を行なってまいりましたが、今年度からは区独自の学習指導員を配置し、全小、中学校で少人数授業等展開していくところでございます。
 以上でございます。

(建設部長答弁)
 次に.、新柴又駅前広場整備事業についてのご質問について、お答えします。
 本事業は、平成10年7月に都市計画道路補助第143号線交通広場として事業認可の告示を行い、平成15年度末の完成に向け、事業を実施しているところでございます。
 京成電鉄からは、京成バスの駅前広場への乗入れについて一部時間帯を除いて乗り入れたいとの考えが示されております。            
 本区としては、全便乗入れの要請をしているところでありますので、本計画を見直す考えはございません。

(地域振興部長答弁)
 次に、新柴又駅と観光レクリエーション拠点についてのご質問に串答えいたします。
 柴又・鎌倉地域につきましては、柴又七福神めぐりの散策コースの設定や歴史と文化の散歩道の整備などにより、従来から魅力あるまちづくりに努めてまいり哀した。
 ご質問のレンタサイクルの取次所についてでございますが現在、河川景観,に優れた江戸川堤防のサイクリングロードの活用や柴又地域の観光のための事業として、観光文化センター内にレンタサイクルセンターを整備し、観光客の利用に供しております。この事業につきましては、水元公園のスーパー堤防の整備にあわせて、回遊性を向上させるようなサイクリングロードのコース設定などについて、検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、伝統工芸館についてでございますが、平成13年5月に旧立石出張所の建物を活用して、葛飾区伝統産業館を開設し、葛飾区職人会の努力により、ようやく自主運営が軌道に乗り始めております。
 柴又地区において、さらに伝統工芸館を新設するとことは、財政状況等を勘案しますと、現状では困難な状況にあると考えております。
 次に、柴又、鎌倉地域の散策コースについてでございますが、先ほど申しましたように柴又七福神めぐりのコースの設定や歴史と文化の散歩道などの整備を行うとともに、柴又を中心とした案内板の設置や観光マップの配布などにより、多くの観光客にこの地域の散策を楽しんでいただいているところでございます。今後も、より魅力のある散策コースの設定につきまして、研究してまいりたいと考えております。
 以上です。

(鉄道立体・街づくり担当部長答弁)
 次に、北総鉄道に値下げを要請すべきとの質問にお答えします。
 北総線の運賃が高いことについては、鉄道事業者も認めているところでございます。
 北総開発鉄道の場合、建設費の高騰、沿線開発の遅れによる乗客数の伸びなやみなどで、結果として高い運賃設定となっていると聞いております。
 今後も、旅客収入の伸びに大きな期待がかけられない状態で、鉄道事業者の経営は、極めて厳しい環境に置かれているといわれております。
 鉄道運賃は、事業が成り立つことを前提に設定されるものであり、企業経営の根幹に係わることから、現時点では区として運賃の値下げについて要請をすることは考えておりません。
 以上です。
三小田議員の再質問
 2点について再質問をおこないます。
 一つは障害児教育の問題であります。答弁では具体的な方策が示されていない。こういう答弁でありましたが、国の最終報告を読んでみますと特種学級や通級による指導の制度通常の学級に在籍せたうえでの必要な時間分特別支援教室の場で特別指導をうけることを可能とする制度に一本化するための具体的な検討が必要だと、こういう方向をだして、さらに東京都は踏み込んで申請障害学級から特別支援教室へ1項をもうけて説明しています。
 特別支援教室というのは通常学級へ学籍をおきながら専門的な指導を受けることを基本とするというものであります。したがって固定学級を廃止するのは明白であります。実はこの、東京都の中間まとめがでる前の1月に中間まとめの素案の叩き台がだされました。この中には、現在も固定の心身障害学級、そして特別支援教室2つが両論の併記されておりました。2つとも重視するんだという都の考え方が中間まとめ素案の叩き台として出されていたんです。ところが中間まとめの段階でこの固定学級が削除され特別支援教室に移項するとこういう記述に変わったのであります。この経過を踏まえれば固定学級や通級学級を廃止し特別支援学級へ移行するということは明白であります。具体的な方策が示されないどころか、はっきりと示されているではありませんか。この問題は、とりわけ障害児教育のおおきな後退になる重大なもんだいです。責任ある答弁を求めます。
 さらにもう一点は柴又駅前広場の問題です。駅前広場を整備することは極めて重要であります。しかし、金町駅から小岩駅にむかうバスは広場にはいれない。小岩駅から金町駅に向かうバスだけ、広場にいれる。こういう中途半端な広場にすることはありません。片方だけしか広場にいれないというのであれば、はなぜなのか、という疑問がでてくるでしょう。今度、柴又、新柴又駅前の道路については、現在の11メートルから15メートルに拡幅されます。従来のバス停の配置も十分に検討可能ではないでしょうか。せっかく整備をするわけですから、充分活用される様抜本的な計画の見直しを求めるものです。再答弁を求めるものです。
三小田議員の再質問に対する答弁
学校教育部長
 特別支援教室についての再度の御質問にお答えいたします。
 われわれは、東京都からは固定学級が廃止されるということは聞いておりません。問題は特別支援教室がどのようになるか、ということでございますが、現在の固定学級にどのようになるのか、いずれにしましても、現在東京都の検討会のなかで東京都独自の教育環境や社会環境を十分留意して検討して行くとされているわけです。われわれは、今の段階では併設していくことは考えてございません。

建設部長
 新柴又駅前広場の整備事業の再質問にお答え致します。さきほども申し上げましたとうり、本柴又地区のバス利用者の安全と利便性をはかるため全便乗り入れを主張しているところであり計画をみなおす考えはございません。