●第1回定例会 渡辺好枝区議の一般質問  2004
【目次】
1、次世代育成対策推進法に基づく「行動計画」について
2、学校図書館問題について

【答弁】

【再質問】

 私は、先に通告した順序にしたがい区政一般質問を行ないます。
 まず初めに、次世代育成対策推進法に基づく「行動計画」について質問します。
 昨年7月施行の次世代育成対策推進法は、自治体や企業に子育て支援の「行動計画」策定を義務付けました。
 国が示す「策定指針」や「策定にあたっての留意事項」では、現状分析や住民参加と情報公開を重視し、「多種多様な地域協議会の設置を促し、必要な連携を図ること」を求めています。
 今月21日には、区主催の「区民フォーラム」が行われ、50件を超える質問が出されるなど関心の高さがうかがわれました。
 こうした公聴会をもっとたくさん開き、区民参加のもとでよりよい「行動計画」にしていく事が必要です。
 とりわけ10代後半から30代の若い世代が大いに参加できる仕組みづくりは欠かせません。また、子どもたちの視点も大事です。
 12月の子ども区議会では、盲学校の生徒が「バス停に盲人用信号をつけてほしい。」とか、「車の排気ガスを減らすために自転車を利用し、そのために駐輪場を増やしてほしい」など、区政に反映すべき質問が出ました。
 子どもの権利条約第12条には「子どもの意見表明権」が保障され、その意見は「年齢及び成熟に従い、正当に重視」するとなっています。
 ところが、この「行動計画」策定にあたり、区は、4000人の父母を対象にしたアンケート調査だけで、子どもに対するアンケート調査は行われていません。
 安全の問題や居場所の問題など、さまざまな角度から子どもたちの意見を集めて「行動計画」に生かすべきと思うがどうか。
 また、7つの基幹型児童館ごとに「行動計画」づくりの地域協議会を設置するなど、子どもたちや若い世代が参加できるようにすべきと思うがどうか。答弁を求めます。
 「行動計画」は、「葛飾区子育て支援推進プラン」の次期計画として位置付けられています。しかし、この「子育て支援推進プラン」は、いかに公的責任を狭め、コストを下げるかが前面となっております。その端的な例が中青戸保育園や学童保育の民営化です。
 中青戸保育園は、父母の反対で民営化を断念せざるを得ませんでしたが、今また蒸しかえされようとしています。
 子育て支援推進プランの「保育サービスの提供に新しい考え方を導入する」という視点では、公的責任を放棄することになり、この考え方を改めるべきです。答弁を求めます。
 いま、急ぐべきは、定員増となっている保育園の問題に機敏に対応することです。
 保育園によってはスペースがないため2クラスに分けられず「怪我や噛み付きが増えている」とか「泣き声がすごい」など近所の方からも心配の声がでています。
 狭いスペースに園児を詰め込むのではなく、保育需要に見合った認可保育所の増設を数値目標とした計画にすべきです。答弁を求めます。
 学童保育クラブも問題です。
 詰め込み保育のため、集団の遊びができず、個人の遊びが中心となっているなど、保護者から「3年たっても友だちができない」と不満が出ています。しかも、児童館併設のクラブでは、職員がローテーションとなっており職員と児童、保護者の関係も希薄になっているといいます。
 いまだに学童保育クラブのない小学校区域が9カ所あります。その中には金町から水戸街道を渡って通っている子どもたちもいます。
 子どもの安全を確保する視点が必要です。
 指針では、「必要な児童のすべてを受け入れる体制を目標とした計画的な整備が必要である」としています。
 全小学校区域に学童保育クラブを設置することを明確に打ち出し、国基準を上回って入所させている地域には新規開設するため数値目標を明確にすべきと思うがどうか。
 児童館併設の学童保育クラブには、専任の指導員を配置すべきです。答弁を求めます。
 次に児童館についてであります。
 児童館は、子ども同士や親同士がふれあう大切な場であるとともに中・高校生の居場所としても重要な役割をもっています。
 今年度から地域児童館、基幹型児童館、中・高校生対応児童館の3つに分類されました。基幹型児童館では、企画・立案をはじめ相談活動や関係機関との連携などを任務とするコーディネーターが配置されています。
 そこで、7つの基幹型児童館だけでなく、地域児童館にもコーディネーターを配置し、地域のすみずみに子育て支援のネットワークを作っていくべきと思うがどうか。
 中・高校生対応児童館も問題があります。
 一つは、近隣の中学生の七割近くが、中高生対応館の存在について「知らない」と答えています。 
 区のホームページに児童館や社会教育会館などでおこなっている中・高校生向けの企画や施設の紹介を映像つきに改善するなど「中・高校生のページ」をつくってはどうか。
 また、児童会館の運営委員会の活性化のために、中・高校生も含めた運営委員を公募し、専門職員と協同で企画・立案・運営をまかせてはどうか。答弁を求めます。
 次に、「子ども等の安全の確保」についてです。
 この問題では、亀有地域で「子どもが犯罪の被害者にならない街をどうつくるか」をめざし、「マップづくり」などに取り組みがはじまり、そして、上平井中学校PTAでも、昨年、「子どもを犯罪から守る活動」に取り組んできましたが、ここに重要な視点があります。「子ども等の安全の確保」のために、子どもたちへのアンケートや地域総点検などの調査、あくまでも地域住民の自主的な取り組みを推進するために、専門家による講演の開催、区職員の派遣による協力支援など、行うべきであります。答弁を求めます。
 青少年の健全育成にとって欠かせないものが学校施設です。
 教育長は12月3日の文教委員会で、「学校開放」につい青少年団体の利用料については「免除を検討する」と答弁しました。ところが実際には有料にしようしています。
 2月20日の文教委員会では、この事が大問題になりました。「激変緩和措置として、段階的に取る」などということは通用しません。青少年の健全育成を目的にした青少年団体の利用については免除すべきです。答弁を求めます。
 次に、区立幼稚園の統廃合についてですが、これは「行動計画」の策定の精神に全く反するものです。
 区教育委員会は、昨年11月に「公立幼稚園のあり方(報告)」で、西小菅幼稚園など5ケ所の廃止・統合を打ち出しました。その理由として、「補完的役割が終わった」としています。
 しかし、現状はどうでしょうか。私立幼稚園の多くは定員を超えて受け入れをしている状態であり、公立幼稚園の補完的役割が終わったというのは事実と違うのであります。
 区立幼稚園ではいま、どのような改革が必要なのでしょうか。
 第1に、区立幼稚園での3年保育の導入であります。
 ほとんどの私立幼稚園が3歳からの保育をやっているのに、区立幼稚園は4歳からの入園で2年保育 であります。
 西小菅幼稚園では、就園前の子どもたちを対象に、3歳児「たまごクラブ」をお母さん達がボランティアで、自主的に行なっています。
 東柴又幼稚園でも、同様の事業を実施し、父母の要求に応えています。
 この問題では、文部科学省ですら、H13年3月に幼児教育振興プログラムのなかで、満3歳児の就園の推進を求めているではありませんか。
 すでに23区では、9区が3歳児保育を導入しております。
 直ちに、区立幼稚園での3年保育の導入をすべきと思うがどうか。答弁を求めます。
 第2に、「預かり保育」の導入もすすめるべきです。
 いま働く女性が増大しているなかで、文科省も「預かり保育」の推進を求めています。 私立幼稚園の大多数が、午後4時とか5時までの「預かり保育」を実施しているのに、何で区立では実施しないのですか。
 江戸川区では、すでに「預かり保育」を「サポート保育」という事業名でを朝7時半から9時、午後は2時から6時半まで実施しています。
 区としても子育て支援推進プランで重点施策「預かり保育」を掲げていますが、実施を求めているのは私立に対してだけとなっており、まさに片手落ちではありませんか。
 今こそ、父母の要求に応えて「預かり保育」の実施を行なうべきであります。答弁を伺います。
 第3に、幼稚園と小学校の連携の強化についてです。
 幼稚園教育においては生活体験的なカリキュラムに重点を置き、幼稚園教育を小学校教育への準備教育と考えるべきであります。
 東柴又幼稚園では、小学生と給食を食べたり、学校のプールで遊んだり、行事への招待など幼稚園と小学校との連携を行なっています。
 公立幼稚園の統廃合は、幼児教育に逆行するもので撤回すべきであり、幼稚園と小学校の連携強化を図り、小学校教育への自然な準備となるように支援すべきと思いますがいかがですか。
 
 次に、学校図書館問題について質問いたします。
 この数年、子どもの「読書離れ、活字離れ」が指摘されて久しくなりますが、いま改めて、子どもの読書の振興や学校図書館のあり方が問われています。
 区長は所信表明で、子どもの読書活動を推進するため、「ハード・ソフトの両面から学校図書館を充実させる」と述べられました。 
 葛飾区教育委員会も、第4期葛飾区社会教育委員の会議に「青少年が読書に親しむ環境を整備のために」を諮問し、昨年10月「中間まとめ」が提言されました。 
 「中間まとめ」では、「本に親しみ、本の楽しさを体験した子どもたちは、想像力と考える力、そして豊かな会話能力が育まれていく」とし、「その力は本来、まず身近な学校図書館から培われることが望ましいのではないか」と、積極的提言であります。
 私はこの間、区内小・中学校図書館の利用状況や取組みなど、伺ってきましたが、学校図書館は、いま、解決すべき多くの課題を抱えています。
 まず第一に、司書教諭の専任化についてです。
 学校図書館は、長いこと「人」のいないまま放置されてきましたが、学校図書館法の改正により、2003年の4月1日より司書教諭が12学級以上の学校に配置されるようになりました。ところが、司書教諭と言っても学級担任を持っていて、その忙しい仕事で図書館の仕事には手がまわらないのが現状であります。これでは、学校図書館はよくなりません。
 司書教諭が図書館運営をきちんと出来るように、持ち時数の軽減を図るべきであります。今度の予算案では、モデル事業として、小・中学校6校に、図書館司書の資格をもつ「学校図書館支援指導員」の配置が行なわれました。
 当面の対策として一歩前進ですが、しかし、学校図書館運営には、貸出等の事務処理はもちろん、学校の教育活動全体からその企画立案等に携わる司書教諭が必要です。
 「学校図書館法」の目的にそって、司書教諭を専任できちんと置くことを求めます。
 第二に、図書購入予算の増額についてです。
 どこの学校も図書購入費は学校全体の配当予算に組み込まれているため、図書資料購入費が他の消耗品を補うため後回しにされるということが少なくありません。そのため、国語辞書、英語辞書等を購入すると、調べ学習に必要な本や他の本を購入する余裕がないというのが実情です。
 この三年間の小・中学校図書購入実績(決算額)を見ると、中学校は年々予算が減っており、小学校はふえているというもののわずか87万円余です。
 学校図書館の充実を図るため、学校図書購入予算を大幅に増額すべきと思うがどうか。 また、学校図書館のデーターベース化が急がれます。
 すでに、学校独自でデーターベース化している幸田小学校では、自分の読みたい本や調べ学習がより探究的にとりくめるようになったなど成果をあげています。
 学校図書館のデーターベース化、公共図書館などとのネットワーク化を早急にすすめるために必要な予算を組み、人の配置をして実行すべきと思うがどうか。
 第三に、学校図書館の環境整備についてです。
 予算案では、学校図書館に冷房化が実現します。しかし、どこの学校図書館も採光や照明の問題があります。また、図書準備室を設置してない学校があったりで不十分です。
 空き教室の活用など図り、図書館のスペースを確保して、学習環境を早急に整備すべきです。答弁を伺います。
 最後に、青年の雇用の問題について質問いたします。
 経済アナリスト森永卓郎氏の著書「年収300万円時代を生き抜く経済学」の中で、「小泉政権の構造改革とは、アメリカのようにほんの一握りの金持ち階級と圧倒的多数の低所得層とに日本をわけるもの」「1%の金持ちが牛耳る社会、所得格差が100倍の時代となり、賃金の低下はさらに厳しくなる 」と指摘しています。こんな著書がベストセラーとなり、その続編も出版されています。
 現在、若者の10人に1人、日本の完全失業者の二人に一人が若者の失業者といわれています。大学卒業者の就職率は55%、高校卒業者の就職率は16.8%で過去最低です。
 フリーターはこの10年間で183万人から417万人に急増し、若者の5人に1人がフリーターです。そして、パート・アルバイトで働いている青年の約6割が年収100万円未満です。「第7回 世界青少年意識調査」では、「自国社会の問題点」という設問に、日本の青年がトップにあげたのが「就職が難しく、失業も多い」64.6%です。
 こうした背景のなかで、本区議会では、昨年第三回定例会で「若者の雇用確保に政府として全力をあげることを求める意見書」を全会一致で採択しましたが、区政でも真剣にとりくんでいくときです。
 予算案では、新規事業として「かつしか就職面接会」4万5千円の計上となっています。しかし、これは、東京商工会議所葛飾支部などが主催していたものに、区が加わっておこなうと言うもので、その際の会場借上げ料を負担するだけのもので、今までの延長線上の取り組みです。これでは雇用問題に真剣にとりくもうという姿勢がみうけられません。青年の雇用対策推進のために、区として思いきった予算も組み、新規事業も実施すべきです。そこで伺います。就職面接会を年二回ではなく、回数も、地域もひろげていくべきではないでしょうか。
 第2に、職業訓練の改善についてです。
 雇用保険には、上限20万円、経費の40%の給付をうけられる教育訓練給付制度がありまが、この制度は、再就職に限られています。このため、就職したことのないフリータ?は全く対象にならず、具体的な対策が必要になっているのが現状です。
 区として、独自の施策を行うべきと思いますがいかがでしょうか。
 第3に、トライアル雇用事業の活用についてです。
 中高年齢者や若年者等の特定の求職者を短期間の試行雇用として雇い入れる事業主に対する助成制度として、トライアル雇用事業があります。この事業の啓発促進、さらには、この制度を普及していくためにも区独自の上乗せ事業を考えるべきと思うがどうか。
 第4に、伝統工芸などへの新たな雇用拡大についてです。
 いま、若者のあいだで伝統工芸への関心がひろがっていると言われています。
 区内伝統産業を守り、発展させる、そして、後継者問題も解決するという点から、若者の後継者が一定の期間、定着するまでの所得保障など、区として支援を行うべきと思いますが、いかがでしょうか。
 第5に、雇用拡大、確保にかかわる施設の充実についてです。
 足立区には「ヤングジョブ北千住」があり、若者を対象に、仕事についてみんなで話し合ったり、仕事を体験できたりいろいろな取り組みがおこなわれています。こうした施設を多くの若者に知らせていくべきと思うがどうか。
 渋谷区には、若年者(概ね30才未満の方)を対象に職業相談・職業紹介や、仕事に関する様々な情報を提供する公共の機関として、ヤングハローワークがあります。
 青戸ワークプラザに、こうした機能をもたせるよう改善を図るべきと思うがどうか。
 労政事務所では、労働条件の改善向上、勤労福祉の充実を目的にした調査、相談、法律の普及、勤労福祉の事業をおこなっています。
 ところが、都は、今年度末で新宿労政事務所を廃止し、四月から中央労政事務所を中央センターにして、亀戸をはじめ五つの労政事務所を支所にするとしています。
 区として、都に、労政事務所の廃止・縮小の中止を求めるとともに、労働相談窓口の充実、本区への労政事務所の設置を求めるべきと思うがどうか。答弁を求めます。
 以上で質問を終わりますが、答弁いかんによっては再質問をさせていただきます。
渡辺議員の一般質問に対する答弁
(区長答弁)
 渡辺好枝議員のご質問にお答えをいたします。
 次世代育成支援対策推進法に基づく「行動計画」の策定についてでございます。
 本区では、「区民とともに創り、区民とともに行動する」という姿勢で、仮称の葛飾区子育て支援行動計画の策定に取り組んでおります。
 子どもの意見を集め、若い世代が参加できるようにすべきとのご質問についてでありますが、行動計画では、アンケート調査、グループヒアリング、区民フォーラムなど様々な機会を捉えて、子どもたちが何を望み、何を必要としているのかについて、日頃、子どもたちと接している方々から、幅広くご意見を伺い、計画に反映していきたいと考えております。
 また、計画策定委員会においては、子育てや青少年の育成に関する活動を行う団体の代表者に参加をいただくことにしておりまして、子育て中の若い世代の参加についても配慮していきたいと考えております。
 行動計画の策定・推進にあたりましては、行政のみならず、地域が一体となって、子どもや子育て家庭を支援するという視点が重要であり、「子どもの安全確保」につきましても、現在、子どもを守るまちづくりの一環として、亀有地区で成果を上げている防犯安全活動のような先駆的な事例を参考にしながら、住民主体の活動への支援について検討してまいりたと考えております。
 次に、「保育サービスの提供に新しい考え方を導入する」という視点を改めるべきというご質問でございますが、今回の行動計画は、すでに実施中であります、子育て支援推進プランの方針を継承し発展をさせていくものでございます。推進プランに基づいて、昨年3月に策定をいたしました「保育サービスの再構築」「子どもの居場所づくり」に示された取組方針を踏まえて、民間活力の導入など、効果的・効率的な方法を選択していくことによって、安定したサービス提供基盤を確立してまいりたいと考えております。
 次に、認可保育園や学童保育クラブの設置について、数値目標を明確にすべきとのご質問でありますが、先ごろ実施をいたしましたアンケート調査の結果や、待機児の状況、まちづくり計画等の地域特性などを分析して、必要なものについては目標事業量を定めてまいりたいと考えております。
 なお、その他のご質問につきまして、所管部長より答弁をいたさせます。

(子育て支援部長答弁)
 児童館の運営に関するご質問にお答えいたします。
 最初に、児童館併設の学童保育クラブの運営につきましては、改めて専任の職員を配置することなく、担当職員による児童館との一体的運営により学童保育事業を実施してまいります。
 次に、コーディネーターの役割につきましては、基幹型児童館を中心とする地域ブロック内の事業の調整や職員の研修など地域の子育て支援力の向上を図るとともに、地域における相談業務の中核を担う人材として配置しているものであり、地域児童館にまで広げる考えは、持っておりません。
 次に、中・高校生対応の児童館における中高校生の参加については、公募による中高校生による運営委員会を立ち上げたところであり、この運営委員会での企画、立案による事業を順次実施しているところであります。
 今後とも、運営委員会において、中高校生の意見や要望を取り入れるとともに、事業実施に当たっては、中高校生が自主的に企画・運営ができるように支援をしてまいります。
 また、ご質問にありました区のホームページを活用した「中・高校生のページ」についてもこうした場を活用して、検討してまいりたいと考えております。以上です。

(学校教育部長答弁)
 青少年の健全育成にかかわる学校施設の利用についてのご質問にお答えいたします。
 ご案内のとおり、15年9月に出された「使用料等見直し検討委員会報告」に基づき、学校施設を使用する場合に免除としていた登録団体等の使用料について見直しを行い、15年の第4回の定例会で議決を戴いた所でございます。そして、登録団体については、地域の青少年の健全育成等に寄与していることから、一般料金を適用するのではなく、新たに、光熱水費相当の「登録団体料金」を設定いたしました。その結果、「登録団体料金」は、一般料金の約1/4?1/2と実質的に減額された料金となっております。
 また、子ども会や青少年地区委員会などの公益的な団体による青少年健全育成活動については、引き続き免除にすることとし、体育団体などの任意団体の利用については、一定の条件により、激変緩和の減額措置を行うことといたしました。このことについては、1月30日に開催された、学校施設を利用している体育団体や文化団体などの代表者を構成員とする学校開放中央運営委員会において、16年度からの実施について了解されておりますので、ご理解をお願い申し上げます。
 次に、区立幼稚園の廃止を撤回すべきとのご質問にお答えします。区立幼稚園については、少子化が大きく進むなかで対象児童が半分以下までに減少したこと、園によっては入園者の少ない所があること、私立幼稚園での対応の可能性が拡大したことなどから、区立幼稚園を現行どおり維持する必要性が低下し、統廃合など縮小することが可能であるとの報告書をまとめたものです。統廃合を行っても、私立幼稚園と統廃合後め区立幼稚園で幼児教育は充分行えるものであり、撤回は考えておりません。
 次に、区立幼稚園での「3年保育」、「預かり保育」の実施についてのご質問にお答えいたします。現在、区内全ての私立幼稚園で3年保育を実施し、預かり保育についても多くの私立幼稚園で実施されております。区民の幼児教育のニーズに対しては、私立幼稚園も含めて応えていくことが大切であり、私立幼稚園で「3年保育」、「預かり保育」が充分に行われているなか、区立幼稚園で実施することは考えておりません。
 次に、幼小連携のご質問ですが、幼児期から小学校への円滑な接続は、重要なことであります。
 現在でも小学校行事に幼稚園児が参加することや、幼小の教員の情報交換会を行っておりますが、相互の理解を深め小学校と円滑な接続ができるよう、今後はさらに私立幼稚園や保育園を含めた連携に取り組んでまいります。
 つぎに、学校に司書教諭を専任に置くべきとのご質問にお答えいたします。
 葛飾区においては、現在、12学級以上の学校に司書教諭が置かれておりますが、司書教諭を専任で配置することについては、東京都の定数基準の見直しが必要であり、困難でございます。
 教育委員会といたしましては、今後、図書館司書の資格を有する学校図書館支援指導員の配置や学校支援ボランティアの活用などにより、学校図書館の充実に努力していきたいと考えております。
 次に、学校図書購入費の増額についてのご質問にお答えいたします。
 学校図書の購入費は学校管理運営費から必要な図書を購入して行くものでありますが、学校図書の充実を図るため、14年度・15年度には図書購入費として別途予算措置し、また、16年度においては、各学校が選定した必読書等を購入する予算を措置したところでございます。
 また学校図書館のデーターベース化についてのご質問でございますが、各学校間や、公立図書館とのネットワークを進め、容易に図書検索ができるようにして行くためには、学校図書のデー夕?ベース化は必要と考えております。
 このため16年度には、試行的ではありますが、小中学校6校に学校図書館支援指導員を配置し、また、図書ボランテイアも活用し、バーコードによる図書のデーターベース化を図って行くこととしたものでございます。以上でございます。
 次に、学校図書館の環境整備についてのご質問にお答えいたします。
 児童生徒が図書に親しむことのできる環境を整えることは、学校図書館において重要なことと認識しております。しかし、学校によっては、採光や照明などの施設面での課題を抱えたところがあることも事実でございます。
 このような中で、来年度は、小中学校すべての図書館を冷房化することにより、図書館を放課後や夏季休業日に開放し、児童生徒の読書や宿題、自習などの活動に利用できるようにいたします。
 また、採光や照明等の問題につきましても、今後、順次必要な改善を検討して参りたいと考えております。以上でございます。

(地域振興部長答弁)
 「かつしか就職面接会」に関するご質問にお答えいたします。
 「就職面接会」は、近年の厳しい雇用情勢を踏まえ、緊急に対応する必要性があるとの判断から、15年度は既定予算を活用してハローワーク墨田との共催で実施し、71名の方々の就職に結びついております。また、今月実施した面接会におきましては、新卒者を対象とした相談コーナーを特設するなどの取り組みを行っております。
 「就職面接会」の回数と開催場所につきましては、ハローワーク墨田の管轄区域が、葛飾区と墨田区の2区ございますので、今後、ハローワーク等の意向を踏まえ、事業の調整をしてまいりたいと考えております。
 次に、教育訓練給付及びトライアル雇用に関するご質問にお答えします。
 区では、従来から区民の資格取得の支援や職業能力の向上に資するため、たとえば、テクノプラザかつしかにおけるパソコン教室、勤労福祉会館における各種講座の実施などを行ってきたところであり、今後もこのような区独自の施策の推進に努めてまいりたいと考えています。
 また、国のハローワーク事業につきましては、従前からパンフレットの配布やテクノプラザホームページの活用などにより、区民への情報提供に協力してまいりました。今後とも区内の求職中の方へ必要な情報の提供や資格取得の支援などに努めてまいりたいと考えておりますので、区独自の教育訓練給付事業及びトライアル雇用の上乗せ事業を実施する考えはございません。
 次に、区内伝統産業について、所得保障などの支援策を行うべきとの質問にお答えいたします。伝統産業は、技術を継承するために時間がかかることや、何より継承する本人の資質に影響されることから、後継者の問題が課題となっております。また、商品として販路が確保できるものについては、生業としての見込みがあることから、家族による継承が進んでいますが、いくつかの職種では弟子の育成を断念している状況にあります。
 こうした伝統産業の特殊性を考慮した場合、青年の雇用と単純に結びつきにくく、その効果性からも所得保障のような支援策は、困難と考えております。
 次に、ヤングジョブ北千住などの施設情報提供についてのご質問にお答えします。
 雇用能力開発機構が運営する「ヤングジョブスポット北千住」は、若年者に対する仕事に関する情報提供やセミナー、相談会の実施、職場体験などを行う施設であり、その区民への周知については検討してまいりたいと考えております。
 次に、青戸ワークプラザを渋谷区の「ヤングハローワーク」のようにすべきとのご質問にお答えいたします。
 渋谷の「ヤングハローワーク」につきましては、若年者のみを対象に職業相談・紹介や情報提供を行うハローワークの機関でございます。一方、青戸ワークプラザは、年齢層を制限せず、ヤングも含めて職業相談・紹介・情報提供を行っている施設であり、若年者のみに限定した施設にすることは適切でないと考えております。
 次に、労政事務所に関するご質問にお答えいたします。
 東京都では、新たに都内に「しごとセンター」を設置するとともに、労政事務所との役割分担と再編を行う考えで、都議会に関係条例を提案すると聞いております。
 本区を管轄する亀戸労政事務所は、東京都労働相談情報センター亀戸事務所として、現在の場所で、これまでの「労働相談」、「労働関係調査」、「普及啓発事業」の業務に加え、新たに労働相談の複雑化に対応し、労働相談の係を設置するなど、就労者の生活維持や安定に貢献するための見直しを行う予定と聞いておりますので、東京都への働きかけを行うことは特に考えておりません。以上です。
渡辺議員の再質問
【再質問】渡辺
 再質問をさせていただきます。ひとつは、公立幼稚園の廃止統合についてですけれども、先ほどのあづかり保育は、私立幼稚園にまかせればよいという論理はとても、今の答弁では納得いきません。こどもをいかに大切に育てるとか、子どもの幸せをいかに実現するかの視点が感じられません。わたしは、この間西小菅幼稚園にも行ってきましたけども、特に、小菅1丁目は下水処理場や、また高速道路、東京拘置所や川に囲まれて分断されている、まったく地理的にも非常に困難な地域です。足立に通えるのではないかという、こういう機械的に廃止するというのは、自治体の責務としてもまったく無責任ではないでしょうか。この点についても再質問を答弁を求めたいと思います。また、三年保育や保育時間の延長の問題ですけれども、西小菅も東柴又幼稚園でも幼稚園を希望する3歳児を対象に先ほども申し上げましたように、たまごクラブとか、ゆめクラブとかお母さん方が自主的に取り組んでおります。また、新柴又幼稚園でも3歳児を対象にした、つどいハッピータイムという、こういう企画を月2回実施しているわけです。さきほど、少子化が進んでこどもが半数程度に低下していると、廃止をしていくんだというご答弁でしたけれども、こどもが集まらないというのは、3年保育の実施とか、預かり保育などをやらないから、なかなか、園児も集まってこないという、こともあるんじゃないかと思うんですね、ですから、教育条件を改善する、努力がやはり必要だと思います。その点について再答弁を求めたいといます。

学校教育部長再答弁
 区立幼稚園の統廃合、撤廃したというお話ですけれども、私どもとしては、先程申した通り葛飾区の区立幼稚園というのは、私立幼稚園を保管する形で設立した経緯がございます。そういう中で、先程申したとうり、大きく当時と状況が変わっているわけであり、状況に対応して見直をしていくべきだと考えております。また、3歳児保育、預かり保育の件ですけども、私ども保護者のみなさんたちにわたしどもの考えかたの説明をしております。そういう中で、もちろん、3歳児保育をやってほしいという意見もあるわけですけども、その中で、やはり、公立を選んだんだと、2年保育をやっているから、公立を選んだんだと、そういうお母さん方も、けっこういらっしゃいます。いずれにしても、私どもとしては、私立幼稚園でおこなわれているなかで、敢えて、そこに手を出していくという考えは持っていないということです。以上です。

議長
 ただいま、渡辺好枝議員から、さきほど区政一般質問のなかで、一部発言を取り消し訂正したい旨の申し出がありました。
 渡辺好枝議員の発言を許します。 

渡辺好枝議員
 先ほどの私の質問中、幼稚園の項の発言におきまして一部不適切な表現がありました。おわびを申しあげますとともに、その部分の発言の訂正と取り消しを希望いたしますので、お取り計らいの方、よろしく申し上げます。