●第4回定例会 中江秀夫区議の一般質問 2005 |
【目次】 三菱製紙跡地開発問題について 私は、三菱製紙跡地開発にしぼって、区政一般質問を行います。 この「新宿六丁目地区」の開発は、区民はもとより地域住民にも計画が知らされないまま、手続きだけがどんどんすすめられてきました。計画を知った住民からは、「大型商業施設ができたら金町の商店街は全滅する」「交通渋滞や排気ガスによる大気汚染も心配」「学校も保育園も足りなくなる」という不安の声がくり返し寄せられているのに、住民無視で、葛飾区は都市計画審議会に「新宿六丁目地区地区計画」を諮問し、決定しました。 その開発内容も、あまりにもひどいものです。 たとえば、この開発によって4000台を超える駐車場が設置されることが、9月におこなわれた都議会都市整備委員会の審議で明らかにされました。こんな大規模な駐車場ができたらどうなるのでしょうか。亀有3丁目の日本板紙跡地のヨーカドーショッピングセンターには2000台の駐車場が設置されますが、この環境影響評価書では休日で一日当たり1万1千374台の交通量があらたに発生すると示されています。今度の三菱製紙跡地の開発では、この二倍以上の駐車場が設置されるというのですから、一日当たり二万台から三万台の新たな交通量が発生することになるわけです。亀有でも車の排気ガスによる大気汚染をめぐって大きな問題となったぐらいですから、三菱製紙跡地の近隣住民にとっての影響ははかりしれません。人が住めるような環境ではなくなってしまうのではないでしょうか。環境破壊による影響は、はかりしれないものがあると思いますが、区長どうですか。 「アミューズメントを含む大規模商業」という点でも問題です。来年二月に亀有のヨーカド−ショッピングセンターがオープンする予定ですが、川を挟んでいるとは言え1キロも離れていない三菱の跡地、三万坪の広大な敷地に大規模商業施設ができたら、金町駅周辺はもとより、区内の商店街が壊滅的な打撃を受けるのは必至です。 11月19日付けの毎日新聞では、国土交通省が大規模商業施設の出店を商業地域に限定するように法律を提案しようとしていることが報道されました。それは、全国各地で中心市街地を壊滅させてきた郊外での大型店の出店によるものであり、これ以上の被害を食い止めることを目的とするものです。 本区では、金町地域の活性化のために「中心市街地活性化法」の適用を受け、その取り組みの真っ最中です。三菱製紙跡地に大規模商業施設をつくることは「中心市街地」の取り組みもダメにする、金町駅周辺を衰退させることになると思いませんか。お答えください。 さて、いま葛飾区がやらなければならないことは一体なんでしょうか。 いまでも、金町駅から三菱製紙跡地へ向かう道路は狭隘で渋滞状態、路線バスの運行にも支障があります。自転車や歩行者も大変危険な中で通行しています。また、水戸街道に抜ける都市計画道路276号線もラッシュ時には渋滞、足立区へ向かう飯塚橋も同様の状況です。このような中で、三菱製紙跡地の開発だけがすすんだら、交通量の激増で大混乱になるのは誰の目にも明らかではないでしょうか。 10月5日の葛飾区都市計画審議会で、中林一樹委員長は「周辺地域開発と一体にすすめていくべきだ」と指摘し「138号等の周辺インフラ整備は、先行して行うべきもの」と主張し、他の委員からも同じ指摘がされていました。これは周辺住民の声と全く同じなのであります。 責任を負う自治体として138号線の整備や金町駅までのアクセスなど先行して行うことは当然の事ではないでしょうか。もちろん、都市再生機構が来年1月から行おうとしている複合A地区の公募を凍結するように強く求めるべきです。答弁を求めます。 そもそも、葛飾区の街づくりの考え方を大本から変える必要があるのではないでしょうか。亀有も金町も、大規模工場跡地開発というと巨大マンションと大規模商業施設ということをくりかえしています。しかも、その手法は、いずれも地区計画によるものです。地区計画は、区と関係地権者が合意することが前提ですが、巨大工場跡地の地権者は少数の土地所有者にすぎません。結局取り残されていくのは周辺住民です。この際、こうした区民不在の街づくりのやり方は抜本的に改めるべきです。区長、いかがでしょうか。 以上で、私の質問を終わります。 |