●2006年 第1回定例会一般質問 質問者 三小田准一 |
【目次】 1、「障害者自立支援法」による利用者負担の軽減を 2、精神障害者地域活動支援センターの早期設置を 3、高砂駅踏切拡幅と南口エレベーター設置、成田新高速鉄道の高砂駅停車を 4、柴又街道小岩駅〜金町駅間の京成バスの減便は許されない 通告にしたがい区政一般質問をおこないます。 (1、「障害者自立支援法」による利用者負担の軽減を) 最初に、来月いよいよ施行される障害者自立支援法についてであります。 福祉サービスの利用料が定率一割負担となり、これまでほとんどの人が無料または低額だったのが大幅負担増になるため、障害者と家族に不安が広がっています。 区長は所信表明の中で、負担をできるだけ少なくするために、軽減制度を設け、「障害者の社会参加と自立を支援する」と言われました。国だけでなく、都も区も独自の軽減制度を設けなければならない程、「応益負担」というのは、障害者とその家族にもたらす影響がいかに大きいかを示していると思います。 障害者が人間として当たり前の生活をするための支援を「益」とみなして負担を課すという「応益負担」は憲法や福祉の理念にも反するものです。 いったい、どれだけの負担増になるのか。厚生労働省が発行しているこのパンフレットには「あなたの利用者負担はこうなります」と題して具体例が示されています。 紹介しますと、通所施設とホームヘルプを利用している場合、障害基礎年金2級66,208円の受給者で利用料と食費で、減免を受けて負担は、12,600円となっています。それでも収入の2割近くが利用料で、3年後に減免がなくなれば倍以上の約3万円が利用料となります。 66,208円で生活していた障害者が、3年後に利用料を引いて36,000円で生活できると思いますか。障害基礎年金2級の額に区の福祉手当をプラスしても、その収入は、生活保護の水準です。したがって生活保護の方と同様に食費だけの負担にすべきではないでしょうか。 グループホームの利用者の例もあります。障害基礎年金1級82,758円の方で利用料は減免を受けて1,963円です。82,758円という額もまた生活保護と同水準です。しかもグループホームの居住費・食費は施設によって若干の違いはありますが、7万円前後となっています。3年後、減免制度がなくなれば1,963円の利用料は16,000円となり、居住費と利用料をあわせれば、手元には1円のお金も残らないどころか、マイナスとなってしまいます。 今でも所得保障が十分でなく、生活保護以下の生活を余儀なくされている障害者から、さらに利用料としてお金を取り立てる、しかも手元に残らないような取り方をする。これが自立支援と言えるでしょうか。 自立支援は名ばかりで、その実態は、自立させない、社会参加させない、非常に矛盾に満ちた制度だと言わなければなりません。 荒川区は、収入の認定範囲が本人から同一世帯に拡大されても家計の実態は何ら変わらないこと、現在ほとんど利用者負担が無料であり、国や都の軽減策のみでは家計に与える影響が大きいこと、などの理由から在宅サービス利用料を3%に減額するなどの独自の軽減策を打ち出しましたが、これは注目すべきことです。 区長、「障害者の社会参加と自立を支援する」と言うなら、区としても、もっと大胆な軽減制度を創設することが必要ではありませんか。 自立支援法の問題は、この応益負担だけではありません。多々ありますが、障害程度区分の認定についても指摘をしておきたいと思います。 障害程度区分の一次判定では、介護保険と同様に調査項目をチェックし、コンピューターで判定をします。自立支援法は、知的、身体、精神の3障害を一元化したものですが、それぞれの障害には当然違いがあります。にも関わらず同じ項目で3障害を判定しようというのはあまりにも乱暴なやり方であります。 介護保険の要介護認定の時にも認知症が正しく反映されない問題がありましたが、知的や精神がそういうケースになることも十分予想されます。障害者1人ひとりの実態が正しく反映されることが必要です。 たとえば支給決定の前に、地域生活、就労、日中活動、介護者、居住などの状況について事前に調査がされるわけですが、障害程度区分の認定の前にこうした調査事項を独自に設けるなど、工夫をすべきです。 また障害程度区分の認定には、医師の意見書も提出することができますが、すべての障害者にかかりつけの医師がいるとは思えません。障害者の実情に詳しい医師を指定するなどの制度も検討することが必要であります。 そこで質問します。
次に精神障害者の地域活動支援センターについて質問します。 23区の中でも遅れていた精神障害者の支援センターがいよいよ来年度工事着工となる予定でありますが、なぜか予算案の計上がありません。一昨年1年先送りし、また遅れるのではないかと大変心配であります。 支援センターの事業は、地域への移行をめざす精神障害者に対する地域活動を支援することや地域との交流事業、余暇活動の支援などが示されています。障害者本人にとっても家族にとっても待たれているセンターです。 しかし、設置の義務付けがある支援センターが自立支援法によって義務付けがなくなりました。ここには自立支援法が当事者や家族の願いに背を向ける法律であることが伺えますが、そのことを理由に予算計上をしなかったのであれば重大です。 元々、区が1年先送りしたために、自立支援法との関係がでてきたのであり、その責任は重いものがあります。すでに23区では20区まで支援センターが設置され、残っているのは本区と2区だけになりました。これ以上遅らせるわけにはいきません。 区が責任をもって、一刻も早く実施すべきであります。答弁を求めます。 (3、高砂駅前踏切拡幅と南口エレベーター設置、成田新高速鉄道の高砂駅停車を) 次に高砂駅についてであります。 区長があいさつで示されたように、2010年(平成22年)には成田新高速鉄道が開通する予定であります。そうなるとますます踏切のあかない時間が長くなってしまうことは明らかです。一日も早く高架の実現という住民の願いは、いっそう切実さを増し、私自身もその実現に奮闘したいと思います。 しかし、それは1年、2年でできる仕事ではありません。そこで当面の対策が必要となるのでありますが、私は以前もその対策として3つの提案をしました。1つは、南側にエレベーターの設置、2つは、踏切道の拡幅、3つは新型踏切の導入です。 区長は、昨年10月にシンフォニーヒルズで開催された立体交差化を求める決起大会の中で、緊急対策としてペデストリアンデッキ、踏切道の拡幅、踏切の自動化について来年度方向を示すとあいさつをされました。 10月と言えば、区長選挙の直前であり、まさに選挙公約でもあると思います。しかし、予算案概要に示されたものは、踏切道の拡幅のみであり、しかも2号と8号の踏切です。2号踏切の拡幅は、歓迎されるものですが、8号踏切は冊止めがあり、車は通ることができないようになっています。整備をすることを否定するものではありませんが、やはり車、自転車、人が交差し、事故の危険性が高い1号踏切が優先されるべきではないでしょうか。 都にも働きかけ、歩行者の安全確保のためにも優先して拡幅を行うことが必要ではありませんか。 また、南側のエレベーター設置は住民の切実な願いです。区長も選挙公約を実現する立場から京成電鉄にも働きかけ、来年度設置の方向を示すべきです。答弁を求めます。 高砂駅は始発もあり、特急も止まり、大変便利な駅であります。しかし、成田新高速鉄道が開通すれば、ノンストップで上野まで行くわけですから、その分、特急をはじめ電車の本数が減ることは間違いありません。成田新高速鉄道は高砂駅に止まらず、しかも今まで止まっていた電車が減ってしまう。利用者にとっては大変不便になってしまいます。 この際、成田新高速鉄道を高砂駅に止めていただこうではありませんか。ちょうど新柴又駅から高砂駅までの間、鎌倉公園の上当たりになりますが、ここは急カーブとなっており、速度を落とさなければ通過できません。技術的にも止められないことはありません。 区長自身が区民の願い実現の先頭に立ち、成田新高速鉄道を高砂駅に止めるよう鉄道事業者に働きかけるべきと思いますが、いかがですか。 (4、柴又街道小岩駅〜金町駅間の京成バスの減便は許されない) 最後に柴又街道の小岩駅・金町駅間の京成バスについて質問します。 新柴又駅前の交通広場が完成して今月末で丸2年が経ちますが、やっと先月16日からバスがはいりました。 バスターミナルを作ったものの、1年と11ヶ月もバスが入ってこないという状況は、異常だと思います。なぜ工事を急がなければならなかったのか、小岩から来たバスを信号を右折して広場に入れ、出る時は信号を右折して金町へ向かう、なぜ2回の右折が必要なバスを入れたのか、逆に金町から小岩へ向かうバスは広場にいれないのはなぜなのか、未だに疑問であります。 疑問だらけではありますが、とにかくバスは入りました。しかし、バスが入った途端にバスの便数を減らすとは何ごとでしょうか。金町駅行きと小岩駅行きとあわせて62本の減便です。朝7時?8時台のラッシュ時には、合わせて16本の減、夕方5時?8時までの間は、合わせて17本の減です。 戸ケ崎行きは平日はほぼ半分になっています。金町駅で降りて、210円をまた払ってバスを乗り換えなければならなくなりました。 区は、新柴又駅前の交通広場を整備する意義について、「観光レクリエーションの拠点」」とか「賑わいと活性化を目指す」などといってすすめてきました。私が一昨年の本会議で計画の見直しを求めた時、区は「柴又地区のバス利用者の安全と利便性をはかるため」に計画の見直しはしないと答弁しました。 ところがターミナルを作ったことが、バスを減らす口実を作り出し、利用者の利便性どころか不便さが増し、観光レクリエーションの拠点とか賑わいと活性化から逆に遠ざける結果になってしまったではありませんか。その責任をどう感じますか。 区長、バスの便数が減ることを事前に知らされてはいなかったのですか。62本も減らすことを区の意見も聞かずに一方的に京成バスが実施したとなれば、事業者の姿勢には大変な問題があります。ただちに京成バスに抗議し、本数を元に戻させなければなりません。 そこで質問します。
|