●2007年第1回定例会一般質問  発言者 中江秀夫
大学誘致は区民的議論を
がん治療、健診、介護保険について

【目次】
1、順天堂大学誘致は、全区民的議論をすべき
2、慈恵医大青戸病院の放射線治療機器への支援を
3、介護保険について


 日本共産党を代表して、区政一般質問をおこないます。

(順天堂大学誘致は、全区民的議論をすべき)
 まず、順天堂大学誘致についてであります。
 05年11月、新宿六丁目地区地区計画について、都市計画決定がされました。わが党は、再三にわたって、住民参加のもとに時間をかけて計画をたてるべきと、指摘をしてきました。にもかかわらず、巨大ショッピングセンターを中心とする都市計画決定をおこなったのであります。
 私たちは、巨大ショッピングセンターには、絶対反対であり、大学誘致については、検討すべき課題があると思っています。そこで以下4点について質問い たします。 第一に、これまでの経過について、あらためて問いたいと思います。都市計画決定をして半年もたたないうちに大学誘致を言いはじめ、昨年第三回定例会では順天堂大学の名をあげ、進出についての意向があったことを明らかにしました。
 大学誘致は、昨年からはじまった基本計画の「明日の元気なかつしか」の柱のひとつではあります。しかし、新宿六丁目地区地区計画の都市計画決定を変更する大問題であるにもかかわらず、その経過について、説明をしてきたのでしょうか。
 区民参加による街づくり推進条例では、「区は、街づくりを推進するに当たっては区民等の意見を尊重する」としめされています。なぜ方針転換をしたのか、区民が納得のいく説明をきちんとおこなうべきではないでしょうか。答弁を求めます。
 二点目は、どうやって、大学誘致を実現するかということです。
 そもそもこの土地は、当時、都市基盤整備公団が公的資金を投入し、つまり、国民の税金を使って購入したわけです。ところがいまはどうでしょうか。都市再生機構は、まるで悪徳不動産業者のごとく、どんどん地価を上げ、1円でも高い値 段で土地を売り払うおうといています。
 この機構の所有する土地に、区がショッピングセンターの都市計画計画をした後、その意志に反して大学を誘致しようとしているのですから、いろいろな問題がおこるのも当然です。
 1月29日の総務委員会では、葛飾区と機構との大学誘致についての協議をおこなうことが報告されました。現在、その協議がはじまったとのことです。この土地の購入価格をめぐって、機構は、時価で売るといっているようです。順天堂大学が必要とする11haでいえば、およそ660億円となります。
 昨日の区長答弁では、機構の土地を一旦区が購入するとのことですが、どういう法的根拠によるものなのか、具体的にお聞かせください。
 私たちは、大学を誘致するためには、何をしてもよいとは思っていません。街の活性化、生涯学習拠点づくりのためだからといって、本来順天堂大学が購入すべき土地を区が莫大な公的資金を投入して一旦購入することに、区民の納得を得ることができるのか疑問を持っています。多様な区民要求があり、解決すべき緊急課題が山積みする中で、大学誘致のために莫大な税金を投入してよいのでしょうか。
 いま問われていることは、水面下で順天堂や機構とのやり取りを小出しに議会に報告するのではなく、全容を明らかにし、この大学誘致について区議会で、そして全区民的に議論をおこなうことではないでしょうか。区長、いかがですか。
 また、来年度予算にかかわって、伺います。
 いままでにも、新宿六丁目地区のまちづくりに関する委託調査がおこなわれ、数千万円の税金が使われてきました。この委託コンサル会社は、04年度には受注実績がなく、05年度には本区の委託事業だけ、06年度にも本区が委託をしました。この経過は非常に疑問です。来年度予算概要では、4100万円の調査費として、「誘致候補大学と誘致条件や協力内容の調整をすすめる」などとなっていますが、よく内容がわかりません。区の説明では、大学誘致の合意ができたら予算を執行するとのことですが、それならば、補正予算で計上すべきものではないでしょうか。いったい、どんな調査をおこなおうというのでしょうか。具体的にお聞かせください。
 三点目は、もしこの順天堂大学の誘致をめぐって、機構と話が決裂した場合、区長はどういう態度を取るか、ということです。すでに決定している都市計画決定の内容は、1500戸のマンションとアミューズメントを含む大規模商業です。すでに亀有3丁目の日本板紙あとへのアリオ=イトーヨーカ堂ショッピングセンターが出店し、まちの商店は大きな打撃を受けました。周辺の道路は渋滞し、大気汚染も危惧されているところです。様々な影を落とした大規模商業施設がこの三菱跡地に進出するようなことがあってはなりません。
 たとえ、順天堂大学の誘致について機構と決裂しても、都市計画決定をやり直し、巨大ショッピングセンターを中心とした計画には後戻りをしないことを、この場で区長に表明していただくよう求めるものであります。
 四点目は、2月5日の基盤整備の説明会等で出された地域住民の意見・要望に正面から応えることです。もちろん、区だけで解決できない問題もあろうかと思いますが、関係機関に積極的に働きかけることも必要です。
 第一に、JR金町駅の許容量とアクセスの問題です。いまでも乗降客が増え、混雑をしているもとで、開発がすすめばさらに悪化します。また、開発地域から駅への道路は大変狭隘で、路線バスの運行にも支障が出ているという状況です。区としてどのような対策を講じようと考えているのでしょうか。
 第二に、都市計画道路138号線西側の橋梁新設です。現在の進捗状況をお聞かせいただくとともに、より一層促進するよう要望するものです。
 第三に、通称花の木通りの拡幅と安全対策です。バス通りでもあるこの一方通行の道路の南側に公園を整備する予定になっていますが、早期に着手し、解決をはかるべきですがいかがでしょうか。
 第四に、中川堤防道路のクランク解消にあたり、旧水路敷で緑道となっているところとのすり合わせをおこなうべきです。
 第五に、基盤整備にあたり、工事車両、粉じん対策等、地元要望にこたえ、機構や近隣の野村不動産取得地の開発等との調整をおこなうこと。そのために、必要に応じて、地元説明会を随時開催すべきと思いますがいかがでしょうか。

(慈恵医大青戸病院の放射線治療機器への支援を)
 次に、慈恵医大青戸病院について質問します。
 区内にはガン治療のための放射線治療ができる慈恵医大青戸病院があります。
 ガン治療には、手術、抗がん剤や放射線治療、またはそれぞれの組み合わせによる方法など様々ありますが、放射線治療の急速な進歩によってガンを治せる可能性も高まってきています。
 この放射線治療には、治癒を目的とする根治治療と症状を和らげる緩和治療があります。
 慈恵医大青戸病院での放射線治療が始まったのは20数年前からですが、治療装置の設置は、1985年に葛飾区長からの要請で設置されたと聞いています。ただし資金援助はなかったそうです。
 すでに20年以上を経過し、治療装置の老朽化も進んでいます。したがって5〜8週間の継続的な治療を必要とする根治治療は、機器が故障して途中でやめることができないため、すでに昨年1月から治療を中止しています。残っている放射線治療は、症状を和らげる緩和治療だけになっています。
 しかし、機器メーカーからは、今後、部品の補充は行わないと通告され、故障があった場合は、この緩和治療さえできなくなり、放射線治療は事実上終了することになってしまいます。そうなれば、放射線治療を必要とする患者さんは、新橋の本院まで通わなければなりません。
 わが党が取組んでいる区民アンケートには、40代の女性から「現在、ガン治療をしています。慈恵医大青戸病院に通院していますが、放射線治療等機器が古いため、本院に行ってくださいと言われました。病人にとって、遠いところに行くには、体力的にも経済的にもきついです」という切実な声が寄せられました。
 まさに、高齢の患者、経済的困難な患者は、治療も受けられず苦しみながら死んでいく以外に残された道がないということです。
 慈恵医大青戸病院に放射線学会の専門医と治療装置があることは、区の財産と言えるのではありませんか。このまま放置することは、区の財産をみすみす失ってしまうことになってしまいます。区民の切実な声に耳を傾け、同時に機器の設置を要請してきた経緯からも責任ある対応が求められているのではないでしょうか。
 昨年の決算審査特別委員会では、「財政支援も含めて手立てを講じることが必要だ」とのわが党委員の質問に、建て替えの検討中であり、機器の体制も含め検討していること。第一回の会合を持ったこと。高額医療機器については病院内部で検討していること。そして区としても高額かもしれないが区民医療として要望していきたい。と答弁をしています。
 しかし、本院では、慈恵医大青戸病院での放射線治療は全面撤退としています。その理由は財政問題です。放射線治療を継続させるためにも、支援を行うべきと思いますが、いかがですか。また、建て替えの検討については具体的な財政支援も含めて積極的に関わっていくことが必要ではありませんか。答弁を求めます。
 さて、日本人のガンによる死亡者は、1940年から1970年までの30年間で30万人と3倍にも増え、2020年には45万人にも達すると推測されています。
 ガンは、全国的にも死因の第一位となっており、本区においてもガン死亡率は極めて高く、胃ガン、肺がん、大腸ガン、子宮ガン、どれをとっても全国平均を上回っています。早期発見、早期治療ができる環境整備は重要な課題であると言えます。
 この間、20才代健診や日曜健診など実施をはじめたものの、その一方で、ガン検診の有料化や健診会場を減らすなど、縮小がおこなわれました。
 胃ガン検診を有料化したために受診者が減少しています。これでは早期発見につながりません。本区のガン死亡率の高さからも、胃ガン検診は無料に戻し、受診しやすくすべきではありませんか。
 また、2008年から健診制度が変わります。住民の基本的な健診は、これまで地方自治体が実施してきました。なぜなら、住民の健康保持・増進は地方自治体の基本的な責務だからです。しかし、昨年成立した医療制度改革関連法では、この自治体による壮年者、高齢者健診は、保険者による特定健診に切り替わります。まさに健診制度の大転換であり、各病院は、その対応におわれているとのことです。
 本区も、一般会計から国保会計などに移されることになりますが、地方自治の本旨として住民の健康保持・増進をはかる責務があることに変わりはありません。これまでの区の健診から決して後退することのないよう、とりわけガン検診などは、独自施策としていっそう拡充することを検討する必要があると思います。答弁を求めます。

(介護保険について)
 次に介護保険について質問いたします。
 わが党議員団のおこなった「区民アンケート」で、「区政で力をいれてもらいたいことは何ですか?」という問に、45%の人が「高齢者福祉」と答え、第一位になっています。高齢化社会をむかえ、多くの区民が不安を感じている結果であると思います。
 そうした中で、新制介護保険がはじまって一年がたとうとしています。介護をめぐる状況は、どうなっているでしょうか。
 2月7日付朝刊に、病気でねたきりの夫を病院につれていかず、十分な介護もせず死亡させたとして、大阪.淀川署に妻が逮捕されたという記事がありました。
 同日に、新潟県三条市で、ねたきりの義母を刺殺した女性が逮捕され、容疑者は、介護に疲れ、楽になるために刺した」と話しています。
 21日には、寝たきりの夫を殺害した妻と長男の裁判の報道など、介護殺人の記事が目につきます。
 区長も先の所信表明の中で、高齢者への虐待の防止にふれて発言されましたが、虐待の最悪の事態が介護殺人であります。
 「介護が必要な事態になっても社会全体でささえる仕組み」としてはじめられた介護保険ですが、こうした一連のできごとは、「介護が必要になっても」、必要な介護が受けられない事態になっているからではないでしょうか。むしろ社会全体の介護力が低下しているのではないでしょうか。
 そこで、緊急に改善が必要と思われる幾つかの点に限りますが、提案と質問をいたします。

 第一は、訪問介護事業についてです。
 昨年の介護保険の改定は、訪問介護のあり方に焦点をあてたことに大きな特徴がありました。
 生活援助型の訪問介護、通所介護、福祉用具貸与等のサービスは、予防効果が低いという考え方から出発しました。
 その結果が、新予防給付の創設です。
 「予防効果が低い」というのは、単なる口実であって、最大のねらいは、給付抑制でしかありません。
 その結果、ケアマネージャーは、軽度者に対し、利用者やその家族に合わない予防プランの作成、ヘルパーの利用回数を減らしたプランをつくることを余儀無くされました。
 介護現場では、どういうことが起こったでしょうか。
 「あれをやってはいけない、これをやってはいけない」の連続です。たとえば、お風呂の掃除は家族同居の場合、家族も入るのでしてはいけない。日中独居でも、家族がいる人は買物に同行してはいけない、といった具合です。
 現場に遭遇するヘルパーは、不自由な身体でお風呂場の掃除をする利用者を見たとき、「涙が出てしまった」とか、介護度を軽くするために引きこもりがちな人を、買物にいくことでつれだしていたが、それが出来なくなってしまった。利用者から「何のための介護保険か、といわれるのが一番つらい」とこぼしています。
 昨年六月に、制度改正の影響を調べるため、東京都社会福祉協議会が、都内事業所を通じてアンケートを行いましたが、八割をこす方が「何らかの不都合・不便がある」と答えています。
 今年、区の発行した「介護保険と高齢者保険福祉サービスのご案内」では、訪問介護の生活援助は、「同居の家族がいる場合は、ご利用できないことがあります」と書き、介護予防の訪問介護では、最初から「家族の支援や地域の支えあいなどが受けられない場合」に限定しています。
 「家族介護の開放」といった理念は、どこにいってしまったのでしょうか。
 介護保険は、選択の自由、介護の社会化、在宅重視をうたい文句ではじめた制度ですから、その実現に努力すべきであります。
 同居者がいることをもって、家事援助の打ち切りや制限をするのではなく、区独自の家事援助基準をつくり、一般施策の助成策として介護が受けられるようにすべきと思いますが、いかがですか。
 第二は、生きがいをもって、ホームヘルパーが仕事をできるようにすることです。
 いま、ヘルパーをめぐる状況は大変な危機にさらされていると思います。
 原因は、新予防給付で、ヘルパーの利用回数が減らされたからです。
 旧要介護1だった人のおよそ六割が、要支援になりました。利用限度額も、要介護
1より6万円ほど低い額とされ、しかも、それまでのように、限度額以内なら自由にヘルパーに来てもらうのではなく、週一回か週二回程度に区分され、利用方法・料金も月単位・定額制となりました。
 一回の利用時間も、生活介護なら一時間半までと制限され、身体介護も時間制限はありませんが、一時間半を超えると事業所が赤字になる仕組みにもなりました。
 また、午前30分、午後30分など物切れで利用する人も多くなり、その結果、ヘルパーの待機時間が大幅に増えてしまいました。
 待機時間の金銭的保障はいっさいありません。
 そればかりか、移動時間や利用者の都合で、キャンセルが出た場合の保障もありません。直行直帰は、当り前の状態になり、孤立感をふかめるばかりになっています。
 あるヘルパーは、「以前は、月15万円くらいの収入があったが、今は3万円ぐらいがせいぜい。」と言っていました。
 そのことを、サービス提供責任者にお聞きしますと、ヘルパーで生計をたてている登録ヘルパーは、一人もいないということです。
 これでは、生活が成り立ちませんから、多くのヘルパーが、転職を余儀なくされています。
 まともにヘルパーの仕事をつづけると、ワーキングプアになりかねないとは皮肉なことです。
 介護保険がはじまる以前は、介護現場は、資格制度にかかわらず安定し、労働者は定着していました。それが介護保険になると、流動化が激しくなり、新予防介護はさらに加速させました。
 ヘルパー制度は、国が資格として構築し、推奨してきたものです。区も、これからの介護をささえる要になるとして、また、あらたな雇用創出の機会として、二級ヘルパー教室への援助に力を入れてきました。それに福祉に夢をもった多くの人が応えてつくりあげてきたものです。
 それが今、やめる人が続出しているのです。
 その最大の理由は、介護報酬の低さにあります。ヘルパーの生活をなりたたせることが最大の急務です。
 訪問介護事業所への人件費補助など、対策をすすめるべきときにきていると思うのですが、どうでしょうか。
 第3は、いわゆる「ケアプラン難民」を生み出さないための方策です。
 新制介護保険は、要支援などの軽度者の予防給付のケアプランは、包括支援センターが受け持つことにしました。そこで出来ない場合は、居宅介護支援者に委託することも可能としました。
 しかし、その介護報酬は、これまでの八千円から四千円に大幅にダウンさせられました。
 区は、昨年の第二回定例会で「事業者の利用者宅への訪問が、従来、最低月1回義務づけられていたものが、3カ月に1回に変更されるなど、給付管理業務の簡素化を図った結果として設定されたもの」で支障はないとしましたが、事業所によっては、最初から軽度者の介護予防サービス計画の作成を断るところも出ています。
 ケアマネージャーの委託件数も八件で、しかもその半分は、運営基準の件数制限に組み込まれます。要介護者の受け持ち件数は35件が上限とされ、それを超えると大変厳しい減算となりましす。
 認定は、その時々によって変わります。要介護1の人が、次は要支援に変わるなどは、日常的なことです。介護度が変わって1件増えれば、全利用者の介護報酬が四割も削られ事業がなりたちませんから、ケアマネージャーはいつもピリピリしている状態になっています。
 利用者から見ると、退院をせまられ、切羽詰まって相談をしても、定員オーバーで受け付けてもらえないということになります。ケアプラン難民が生み出される土壌が、ますますひろがってきています。
 今年二月の介護保険事業審議会にだされた資料の「地域包括支援センターの介護予防プラン作成数」をみますと、プラン作成数は、1437件で、うちセンターでの作成は、606件、委託が831件となっています。おそらく、居宅介護支援事業所への委託は限界にきているのではないでしょうか。
 また、相談件数は、地域によってアンバランスが出てきています。高齢者人口によるものでしょうか、高砂、堀切、東四つ木は、他の4センターの倍になっています
 地域包括支援センターの業務は、予防プランの作成だけにあるのではありません。
 ケアプラン難民を生み出さないためには、軽度者のケアプラン作成費の区独自の助成制度をつくること、また、地域包括支援センターの増設をはかるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第四に、施設建設についてお伺いします。
 在宅ケアが貧弱であることから、施設サービスへの要望が高くなるのは当然で、年々、特養ホームの待機者が増えつづけております。
 これに対し区長は、「わが区の特養老人ホームは 、23区でも高い整備率となっている」とした上で、「入所申込者が全員入所できるような特養ホームの建設ということは考えていない」という答弁をしました。
 申し込んでも入所できず、長い間、待機されている方への冷たい返事と言わなければなりません。
 わが党は、定員100人〜200人という大規模な特養ホーム建設だけでなく、20〜30人といった小規模の特養ホームの建設も提案してきました。
 新制介護保険では、「地域密着型サービス」として六種類が新設され、その中で小規模特養を「地域密着介護老人施設」として認めるようになっています。
 しかし、区の第3期介護保険事業計画の介護保険サービス基盤の整備では、他の5つのサービスは計画されているのですが、「地域密着介護老人施設」は、計画化されていません。そのつもりは、まったくないのでしょうか。計画化し、推進することを求めます。
 また、計画化されていても、「小規模多機能型居宅介護」は、18年度3カ所の計画に対し、前倒しをして5箇所になりましたが、名乗りをあげた事業者がすべて辞退してしまいました。
 「認知症対応型共同生活介護」、いわゆるグループホームは、4カ所のうち3カ所で具体化しましたが、うち一カ所は辞退されてしまいました。
 理由は、事業予定地の確保が困難ということであります。
 地域密着形型サービスは、住み慣れた自宅や地域での生活が継続できるようにするため、地域に開かれた良質なサービス提供を確保するということから、事業者の指定、監督は区市町村が行うというものです。
 少なくとも、この分野は、営利を目的とする企業ではなく、社会福祉法人など非営利で運営されることが、良質なサービスを確保する上で欠かすことができないのではないでしょうか。
 誘導するためには、政策的援助が必要です。非営利団体が建設する場合には、土地代等の補助をすべきと思いますが、いかがですか。

 最後は、保険料・利用料の減免です。
 保険料の減免を実施していないのは、23区でいよいよ3区のみとなりました。区長は、最後の一区になろうとも、保険料減免をしないという固い決意をもっているのでしょうか。
 昨年の第一回定例会では、千代田、荒川の例をあげて利用料の減免を求めました。
 その他、通所介護・通所リハビリの食費補助をしている新宿、文京区、訪問介護などのサービスの利用料を3%に押さえる港区、渋谷区、墨田区、中央区、江戸川区、5%の世田谷区、7%の目黒区などなど、それぞれが工夫をし、介護の負担をいくらかでも軽くするための努力をしているところです。
 これは、「住民の福祉の増進を図ることを基本」とする自治体のとるべき当然の姿であります。
 葛飾区においても、保険料の減免、訪問介護はもちろんディサービス、ショートステイの食費、グループホーム、小規模多機能型居宅介護等の居住費、食費等、利用料の減免をすべきと思いますが、いかがでしょうか。

 以上ですが、答弁いかんによっては再質問をおこなうことを表明し、質問を終わります。