●2007年第3回定例会 発言者 中江秀夫 |
2006年度決算に対する反対討論
私は、日本共産党区議団を代表して、06年度一般会計、国保特別会計、介護保険特別会計、並びに駐車場特別会計決算についての反対討論をおこないます。 はじめに一般会計についてです。 第一は、地方自治の精神に真っ向からそむいていることです。 06年度は、自民・公明連立政権による定率減税の半減、老年者控除の廃止などの重税路線によって区民生活に著しい負担増が押し付けられた年でした。 一方、株取引をする資産家には減税をするといった不公平もすすめられました。 わが党は、17億円にのぼる増収分は、区民に還元するようもとめてきました。 とくに、収入が増えもしないのに増税だけが押し付けられた低所得者への減税、課税世帯となったために紙おむつ助成が受けられなくなった家庭への助成をもとめましたが、ことごとく拒否をし、使わずに残した財源140億円を基金積立にまわしてしまいました。 地方自治の目的は、住民福祉の向上であります。区民の苦しみに冷たく背をむけ、区民のための施策を拒絶してきたことは許されません。 第二は、国いいなりですすめた民営化路線が、自治採破壊に拍車をかけていることが明らかになったことです。 監査委員の意見書で、「区とNECが総合窓口システムの開発を共同でおこない、NECが受注するというスケジュールができていたのではないか」と指摘されました。 06年1月に共同開発の覚書を締結し、9月に予算額を明示した職員派遣の依頼書を出し、11月の議会で補正予算を提出したとなっています。 補正予算の前に、NECの受注が決まっていたというのは、明らかに密約であり、そのことを隠しての補正予算提出は、議会をあざむくものです。 また、指定管理者制度がこの年から本格化しましたが、シンフォニーヒルズ、テクノプラザで、それぞれ7千万円前後の追加事業が行われました。しかし、その決算内容を企業会計という理由で明らかにしませんでした。このことは、指定管理者制度がいかに自治制度を破壊するか、如実に示すものです。 第三は、住民無視のまちづくりを推進していることです。 半数以上の住民が反対しているにもかかわらず、立石駅前再開発準備組合設立を促すことは、正常なまちづくりを阻害するものです。 わが党は、立石再開発を連続立体工事に抱合せて押し進めることは、必ず無理が生じることを指摘してきましたが、まさに、それが適中したというべきものです。 ボタンの掛け違いは、もとに戻す以外に解決の道はありません。従来路線に固執することなく、まちづくり手法を含め住民とじっくり話しあうことを求めるものです。 また京都議定書の達成のために自転車利用が叫ばれているとき、自転車置場の縮小方針は、時代逆行としか言いようがありません。 第四は、福祉・医療施策についてのきわめて重大な後退です。 病後時保育の実施計画を反故にしたり、保健所建替えにともなう各保健センターからの母子保健事業撤退、子ども家庭支援センター縮小の計画化はとても認められません。また、介護保険制度改悪にともなう特殊ベッドとりあげ問題も、東京都が実施するまで手をこまねいていました。 決算審議を通じて区長は、青戸慈恵医大の建て替えに際して、放射線ガン治療の継続や小児救急医療の充実を求めると表明しましたが、その立場を貫くよう求めるものです。 第五は、教育行政を大きく変質させようとしていることです。 未来を見据えた学校づくりと称して、学校統廃合計画をいっそう促進しようとしています。そのために、「いい学校と悪い学校」の差別化をはかる学力テストの公表をしていますが、管理と競争を強化する以外のなにものでもありません。 いま急ぐべきことは、30人学級の実施を一日もはやくおこない、ゆきとどいた教育を実現することです。 西小菅と東柴又幼稚園の廃止は、幼児教育からの区の撤退であり、区の責務の放棄です。 第六は、新たな差別を増長する必要のない同和行政をつづけていることです。 次は、国保特別会計です。 この年、均等割の値上げをおこない低所得者の負担を強化しました。増税路線が猛威をふるっているとき、区の姿勢が問われるものです。 介護保険の基金を大幅に残しながら値上げしたことも認められません。 最後に駐車場会計ですが、この年、ついに公費負担導入をおこないました。 わが党は、一貫して建設費をイトーヨーカドー、住都公団に応分の負担を求めるよう主張してきましたが、区は受け入れませんでした。区の反省を求めるものです。 以上で、報告第2号、平成18年度葛飾区一般会計、報告第3号、同じく国民健康保険事業特別会計、報告第5号、同じく介護保険事業特別会計、報告第7号、同じく駐車場事業特別会計歳入歳出決算の反対討論をおわります。 なお、報告第4号、老人医療事業特別会計、ならびに報告第6号、用地特別会計歳入歳出決算は、これを「了」とします。 |