2010年第1回定例会 一般質問 質問者 おりかさ明実 |
高齢者福祉、特養ホームの増設、「小菅4丁目自転車置き場」について
【目次】 1、高齢者福祉について 2、特別養護老人ホームの増設について 3、「小菅4丁目自転車置き場」について ●再質問 |
1、高齢者支援について 日本共産党の折笠明実です。どうぞよろしくお願いします。区長、ご存知でしょうが、今から40年前、私、あなたと一年ちがいでありますが、同窓で学んでいました。卒業するとあなたは区役所に、私は民間の畑を歩いてきました。去年の選挙を経て、奇しくもこの場所に二人がいることは偶然とはいえ、何か因縁めいたものを感じます。立場は違いますが、私も区民のために力を尽くすつもりですので、どうかよろしくお願いします。 さきの質問通告にもとづき、まず高齢者支援について質問致します。 2000年に介護保険が導入されて11年目を迎えますが、制度が見直されるたびに基準がきびしくなり、「保険料だけ取られて介護なし」の状態が広がっています。 私は、選挙中に介護されている方から、切実な現状について訴えられてきました。「夫が入院しているが、病院から退院を迫られている。どこか、転院先を見つけてほしい」、「介護保険の利用限度額を超えてしまったが何とかならないものか」等々であります。 「老健の費用が高くて払いきれない。離婚をして、夫の介護費用は年金で賄い、自分は生活保護をとりたい」という相談には、さすがに同意できませんでした。しかし、反対してみたものの、何の解決策を見つけられずに途方にくれたものでした。 私は、10年前に父親を亡くしました。脳梗塞で倒れた父を2年間、同居の母と私たち夫婦で在宅介護をしてきました。夫婦共働きですから、日中は母がひとりで介護をしてきました。介護の辛さを体験してきただけに、こうした相談はとても他人事とは思えません。 現在、介護保険制度を利用している人で、4割の高齢者世帯が不満を感じているという現実があります。 昨年11月20日付け東京新聞に載った「介護殺人・心中など400件、この10年増加傾向」という記事には、大変なショックを受けました。記事は、介護保険制度が始まった2000年から09年10月までの間に、全国の高齢者介護をめぐる家族や親族間での殺人、心中などの件数を調べたものです。他の殺人事件とちがって、半数に近い41%が執行猶予になっているとのことですが、まさに介護保険が裁かれているというのが現実ではないでしょうか。 そこで、いくつかの問題で質問し、対策をもとめるものです。 はじめは、高齢者福祉を充実する問題についてうかがいます。 私は、葛飾の介護保険の問題のひとつに、せっかく認定をされても利用する人が少ないということがあると思います。 第4期計画にむけて区が08年3月に発表した「高齢者の生活に関する調査」では、介護保険を「上限いっぱい利用している」と答えた人は23.1%でした。6年前、介護保険がはじまって2年目の02年の調査の29%にくらべると6ポイントも減少しています。 理由は、高齢者世帯の収入の低さにあるのではないでしょうか。 08年調査では、介護認定を受けている人の11.2%は、5万円未満の収入しかなく、47.4%の方が15万円未満です。しかも、要介護5の43%が15万円未満と、収入の低い人ほど介護度が高くなる傾向が顕著にあらわれています。 私がよく知っている今年90歳になられたご婦人は、腰が悪い上に循環器疾患を抱えていて、酸素吸入器を使いながら独居生活をしています。この方は、「医療費を払うと、介護保険をめいっぱい使うことはできない、なるべくがまんする」といっています。まして、緊急通報システム等の保険外サービスも「有料」がネックになって、利用しておりません。 低収入であるが故に、必要なサービスを高齢者自らが抑制・自粛してしまっています。こうした事態を起こさないためには、 所得にかかわりなく1割という介護保険の応益負担を改めさせることはもちろんですが、わが区が、高齢者福祉を介護保険制度の枠内に限定し、経済的給付の廃止など極端な抑制策をすすめてきたことにも大きな要因があり、改善する必要があるのではないでしょうか。 江戸川区は月2万5千円の「熟年者激励手当」、足立区では「生きがい奨励金」4000円の現金給付事業をつづけています。千代田区では、「区独自のホームヘルプの上乗せサービス」や「訪問リハビリの拡充」などのサービスをしています。22年度の予算では渋谷区が、日中独居の介護サービス、土日の外出介護などの実施を決めています。このように、それぞれの自治体が、在宅福祉の充実に努力をしています。 葛飾区がこのまま無策のままで本当に良いのでしょうか。わが党は今定例会で、75歳以上の高齢者の医療費の無料化やショートスティ床の確保など、予算組替えを提案しております。区は今年度の予算で、8億円かけて新宿6丁目の大学予定地に盛土をしようとしていますが、想定している水位の下に避難地が沈んでしまうというまったく理解のできないものです。そうしたことにお金をかけるよりも、区内の高齢者救済に振り向けることこそ、有効な税金の使い方ではないでしょうか。廃止をした高齢者への「経済的給付事業」を復活するつもりはありませんか。答弁を求めます。 2、特別養護老人ホームの増設について ふたつめは、特別養護老人ホームについてうかがいます。 12月22日の厚生労働省発表では、東京の待機者は4万3千7百人を超え、全国で第1位、全国待機者の1割を超えています。厚労省は「増加は高齢化が進んだことや、施設整備が計画通り進まないなどが要因で、深刻な状況」とコメントしています。わが区の今年1月現在の特別養護老人ホームは、14施設で定員は1345人となっております。待機者は2009年度で1516人です。わが区においても 計画を見直して、待機者にみあったものとすることが、早急にもとめらているのではないでしょうか。 また、わが区の特養ホームの配置を地図上で見てみると、明らかに空白地域が存在しているのがわかります。14の施設のある地域は常磐線以北の水元方面に6施設、亀有、青戸、白鳥方面には4施設、新宿と四つ木には各1施設、奥戸、新小岩が2施設です。堀切・柴又・高砂方面には特別養護老人ホームが全くないという事が一目瞭然であります。 例えば老夫婦で夫または妻が入院した時に電車・バスを使う距離では、会いに行く負担は大変です。特養老人ホームでは、病院ほど切迫して会いに行く機会が薄れてしまい、家族を切り離す結果になってしまうこともあります。老老介護が社会問題化しているときに、身近な所に施設があることが求められます。特別養護老人ホームの地域遍在を解決することが必要だと思いますがいかがですか。お答えください。 特別養護老人ホームの増設は、一刻も早く実施しなければならない課題だと考えますが、建設を民間だけに、かせていたのでは一向にすすみません。 今予算で、区が水元地域に土地をもとめ、社会福祉法人に貸与して保育園を建設する方式を実施します。このようなことができるなら、特養老人ホーム建設にも適用していいのではないですか答弁を求めます。 都政新報の報道によりますと、今年、品川区で移転した八潮南中学跡地の校舎を利用して特養ホームを建設するとか、荒川区では町屋7丁目に特養の用地取得の予算を組んだことが報道されております。 こうした事例にまなんで、葛飾でもあらたな補助制度をつくることが必要と思いますが、いかがでしょうか。お答えください。 3、「小管4丁目自転車置き場」について 次に「小管4丁目自転車置き場」について質問をいたします。 昨年9月、足立区は「袋橋無料自転車駐車場」を有料化して整備する計画を発表しました。しかし、利用者の意見も聞かずに一方的に有料化や廃止をすることは問題であり、わが党区議団は、「袋橋自転車駐車場」及び「小菅四丁目自転車置き場」の利用者に緊急のアンケートを実施いたしました。その結果、150名近い方から回答が寄せられましたが、そのおよそ70%が葛飾区民でした。 アンケートには、「収入が減っている上に、これ以上家計の負担は困ります。徒歩だと、仕事の帰りに買い物をした重い荷物を抱えて15分以上も歩かなければなりません。」、「大学の薬学部に通っているが、定期代等もかさむ。有料化されてしまうと、学費が払えなくなってしまう。」など、切実な声がたくさん寄せられました。 私は、この結果を受け昨年の10月8日、無料化の存続を求めて区に陳情をいたしました。それに対して12月15日、青木前区長から「足立区の調査で『小菅四丁目自転車置き場』がなくても駅周辺の自転車利用者の対応は可能だ」という足立区いいなりの驚くべき回答がありました。 そして、区はこの回答とほとんど同時に「小菅四丁目自転車置き場」の廃止を区報に発表してしまったのです。 足立区の調査をもとに「小管4丁目自転車置き場」の廃止を決めたのはもってのほかです。葛飾区の責任で区民と話し合い、調査もし、対策をとるべきではありませんか。そのうえで足立区と話し合いをもう一度やるべきではないでしょうか。答弁を求めます。 区は、足立区が代替の自転車置き場を確保するとしていますが、足立区が示している資料によっても、袋橋駐輪場のある綾瀬駅南側、いわゆる葛飾区側には確保されていません。このまま強行すれば、多くの区民の自転車の置き場がなくなり、通勤・通学の足が奪われることになってしまいます。また、大量の放置自転車が近隣にあふれることも予想されます。 「現場第一」「区民第一」と言うならば、現に多くの葛飾区民が利用している「小菅4丁目自転車置き場」は、無料で存続させるべきと思いますが、いかがでしょうか。 そもそも、自転車駐輪場の整備を、亀有駅は葛飾区、綾瀬駅は足立区という役割分担は、お互い他区のことは目に入りにくく、無理があります。改める必要があるのではないでしょうか。区長の答弁を求めます。 さて、綾瀬駅は、亀有、金町、新小岩などと並び乗降客も多い駅で、足立区との境界に位置していますが、小菅、堀切、西亀有などを中心に、葛飾の多くの区民が通勤・通学などに利用しています。私も去年の区議選では、この綾瀬駅で宣伝をしましたが、多くの葛飾区民のみなさんに励まされたものでした。 綾瀬駅は区民にとっては非常に重要な位置をしめている駅となっています。しかし、「基本構想」でも「基本計画」でも、ふさわしい位置付けがされていません。区民である利用者の多さにも関わらず、広域生活拠点とはされておらず、優先整備地区とはされていないのが実情です。 区長、綾瀬駅周辺を区民の通勤・通学の拠点として見直し、自転車や歩行者などの利便性と、住民の居住性をかねた地域として位置付けることが重要だと思いますがいかがでしょうか。 答弁によっては再質問することを表明いたしまして質問を終えます。ご清聴ありがとうございました。 ●おりかさ議員再質問 小菅4丁目自転車置き場の件で再質問をいたします。 昨年12月に報告された総合庁舎整備手法検討調査業務報告書には、総合庁舎は区内の鉄道網の地理的な位置や、鉄道駅の乗降客数の状況からみて、区民ができるだけ公平に来庁できる位置に立地することが必要と示されていますが、その鉄道駅の中に綾瀬駅が入っていないんです。 また、昨日の筒井議員の亀有駅についての質問の中でも、区長の答弁でJRの駅を数えていましたが、中に綾瀬駅は入っていませんでした。 このように区の施策が、綾瀬駅がずっぽりと抜けてしまって取り残されているのが大きな問題だと思います。 みなさんご存知のように綾瀬駅の入り口は北口がメインになっていて、葛飾と接している南口は、北口と比べて明らかにさびれています。 また、区の公共施設も区の中心部と比べて大変希薄であり、ふさわしい位置づけがされていないがために、葛飾区としてのまちづくりの施策が後景に追いやられているのではないでしょうか。 自転車対策が足立区に丸投げになっているのは、こうした背景があるのだと思います。綾瀬周辺のまちづくりや、駐輪場に対する区の態度を考え直すつもりはありませんか。 |