2010年第4回葛飾区議会定例会一般質問 質問者 おりかさ明実 |
23区最低の老人福祉の一方で 区民の意見も聞かず区役所の建替え 【目次】 1、老人福祉費23区最低のままでいいのか 2、区役所の「建替え先にありき」は問題。先に区民の意見を聞くべき 3、国民健康保険の値上げにつながる制度改定はやめるべき 4、競争をあおるのではなくひとりひとりに目の行き届く教育を 5、年末に向けて区が実施すべき緊急経済対策を提案 ●再質問 |
1、老人福祉費23区最低のままでいいのか 日本共産党を代表して一般質問を行います。 青木克徳区政になって1年が経過しました。区長は、第1回臨時議会で「私は選挙期間中、区民のみな様の区政に寄せる期待や要望を数多くお聞きし、責任の大きさを改めて痛感した」と述べられました。本当にそうであるならば、前区政から転換しなければならない多くの課題があったのではないでしょうか。 毎回の区政調査で「区に力を入れてほしいもの」のトップは高齢者福祉です。 しかし、前区政によって高齢者福祉費は23区最低となっています。区政の転換が強く求められていますが、区長が、前区政の考え方を継承するのであれは、重大な問題です。 先の第3回定例会では、一人あたりの高齢者福祉費が23区最低であることを認めながら、高齢者施策は最低でないという、開き直りの態度でした。 最低だが最低でないというのは、何を根拠にして主張されるのか明確な答弁を求めます。 例えば、介護保険制度において保険料の減額を実施しているといいますが、その対象は所得第1段階で、生活保護者を除く老齢福祉年金受給者のうち区民税非課税の方です。人数は、たった18人、減額は月わずか76円で、年間の総額でも16,416円に過ぎません。これでも減免制度を実施していると胸を張るのですか。 23区の中で、同じように第1段階のみ減免制度を実施しているのは台東区ですが、減額は半額としています。他の21区は、各段階に応じた減免制度を実施しています。このように、当区の介護保険料の減免制度は、23区最低だと断言できるのです。 区は介護保険料を23区の中でも低く抑えていると自慢しています。しかし、保険料が余っていれば、還元するのは当たり前のことです。保険料が毎年余ってしまうということこそが、問題なのです。必要な介護が行われていないから保険料が余ってしまうのです。利用料の負担が重い、あるいは認定が他区より厳しいということで、サービスが受けられない人が多いということではないのですか。 利用料の軽減をしている区は、3%が9区、4%が1区、5%は5区です。7割近くの区が独自の利用料の軽減を行っているのです。しかし本区では、利用料の軽減制度はありません。 抜きんでて23区最低となっているのが、高齢者への紙おむつ支給です。第3回定例会で、「本区も非課税世帯は無料にしている」と答弁しましたが、江戸川区、北区、大田区、目黒区、品川区は、非課税世帯でなくても無料にしています。本区と同じように要介護4以上に限定している荒川区は、認知症であれば要介護1以上に、豊島区では85歳以上を要介護2以上に緩和しています。新宿区では、所得制限がありません。 紙おむつが必要であるかどうかの基準は、介護度によるのではなく、寝たきりで常時失禁かどうかであるべきです。本区が要介護4以上に限定していることは、まさに高齢者の人間としての尊厳を、踏みにじる姿勢だといわなければなりません。 特別養護老人ホームの整備について、足立区は待機者3000人の解消のため、毎年1か所建設という計画をつくりました。2300人を超える待機者がいる本区は、23年度まで2施設開設という計画がありますが、民間任せで実施は困難になっています。待機者に見合う計画をたて、区の責任で実行しなければなりません。 また、堀切・西亀有地域や柴又・高砂地域には、1か所も施設がありません。地域偏在をいつまでも放置する区の姿勢は、地域の住民に背を向けていることになりませんか。 高齢者福祉費23区最低は、3年間の決算だけではなく、09年、10年度の当初予算においても同様です。自治体の仕事とは、住民福祉の向上です。今こそ老人福祉23区最低の汚名を、返上する取り組みをすべきではないでしょうか。 そこで区長に質問します。 1.介護保険料・利用料の独自の減免制度を実施すること。 2.介護保険サービスを補完する区独自のサービスを実施すること。 3.高齢者の紙おむつ支給事業は、要介護度や所得制限を設けず、常時失禁状態を対象にすること。 4.非課税世帯の福祉サービスの利用料は、低額か無料にすすること。 5.特養ホームの待機者解消に見合う、増設計画を持つこと。 6.特養ホームの地域偏在を解消すすること。答弁を求めます。 2、区役所の「建替え先にありき」は問題。先に区民の意見を聞くべき 福祉に背を向ける一方で、区長が総合庁舎建替えを突出してやろうとしていることは、問題です。 昨年の区長選前には、議会に対して区は、建替えか改修かの検討をするとしていました。選挙後に突然、建替え計画に変更したのは、区長、あなたですね。 総合庁舎建替え検討委員会は、先ず建替えか改修かの調査・検討をすべきです。 しかし、区のホームページ上で公開されている検討委員会の議事録概要を見ると、第1回目は、顔見世程度で、2回目は、庁舎内の見学を行った後、「感想を伺いたい」と促し、多数の委員から「非常に古い」、「危険」、「不安」などの感想をひき出した後、学識経験者に「次回以降の委員会では、建替えが前提で議論」と言わせて結んでいます。第3回は、新しい千代田区役所と文京区役所を視察しました。検討委員たちにピカピカの庁舎を見せ、建て替えを推進する方へ誘導しようとする、区の思惑が見え見えです。 第4回では、いきなり「中間とりまとめ素案」なる文書が提案され、「目次をつけたほうがいい」とか「『を』ではなく『と』ではないのか」などと、「てにをは」の修正だけを議論しているのです。この「中間とりまとめ素案」は、経過からみても、「検討委員会」を隠れ蓑にして、区の筋書き通りにまとめられたものです。改修も視野に入れた真剣な議論は一切なく、とにかく建替えを行うという結論を導き、今定例会に「取りまとめ案」として報告されることになっています。区長が冒頭のあいさつので、このことに一言もふれないのも異常なことあります。 さらに、建替え先に、賛否が拮抗している立石駅前再開発ビルを想定していることも重大です。住民合意のない立石駅前再開発を強引にすすめるため、起爆剤にしようとするやり方は認められません。 区役所は、いうまでもなく主人公である区民のためのものです。その区民の意見に耳を傾けることもせず、昨年の区長選挙でもまったくふれず、今年5月に実施した区世論調査の質問項目にも入れていません。全く区民の意見を無視して、進めようとしているのです。 一方で、23区最低の高齢者福祉には開き直り、他方では、数百億円を要する区民合意のない庁舎建替えを進めようとする、区民不在の区政は、批判されてしかるべきものであります。 区長、建替え先にありきの議論は、中止すべきです。庁舎整備については、区民合意の形成のために区民アンケートや公聴会などを実施し、区民の意見を聞く場を設けることを優先すべきではありませんか。答弁を求めます。 3、国民健康保険の値上げにつながる制度改定はやめるべき 次に国民健康保険について質問します。 特別区長会は、来年度から国民健康保険料の算定方式を、これまでの住民税方式から「旧ただし書き」方式に変更する方針を固めています。 均等割りのみの世帯、または低額の保険料だった世帯は、この制度改定のために配偶者控除や寡婦控除、障害者控除などの人的控除が受けられなくなり、大幅に保険料が跳ね上がります。区長会の資料でも、23区全体で保険料の負担増となるのは18.5%で低所得者や障害者、母子家庭などの弱者です。 わが党は、区長会に対して再三制度改定後の試算を求めましたが、いまだに公表されていません。そこで我々は、現在使われている後期高齢者医療制度の所得割料率、均等割り額を用い、新制度になった場合どうなるか、独自に試算しました。例えば、母子家庭で子ども一人扶養、年収180万円の世帯は、現行の保険料は、均等割のみで年間保険料は、79,800円です。それが新制度では、129,450円となり、62%もの値上げとなります。区長会では、2年間激変緩和措置をとるとしていますが、それだけ負担増が深刻だからです。 11月16日、特別区長会は、来年度の23区国保料の暫定案を了承したと伝えられています。しかし、この保険料の値上げは、対象となる区民の所得が増えたわけでもなく、法律改正があったわけでもなく、まさに区側の都合で、大幅な値上げを押し付けるものであります。区民生活にかかわるこれだけ重大な問題について、区長あいさつで一言も触れないというのは、自治体の長としての見識を疑うものであります。 まず、この暫定案の内容を明らかにしていただきたい。 また、経過措置については、激変緩和措置としての2年間だけではなく、恒久的な制度設計や特別の配慮が必要だと思うがどうか。 私は、区長が、勇気をもってこの制度変更をやめるべきであると、区長会で表明することを提言します。 区長会資料では、23区国保を「旧ただし書き方式」に変更するのは、広域化が見込まれるからだとあけすけに書かれています。しかし、11月18日付、毎日新聞での国保運営のアンケートによれば、国保を現行の区市町村単位から都道府県が運営とし広域化することに賛成しているのは、わずか4府県だけであります。東京都も含めた、圧倒的多数の29都道県は反対しているのです。 広域化した場合、高額療養費負担分を保険料に組み入れると、際限なく保険料が上がってしまいます。また、多くの都道県が反対を表明するのには、国が、制度改定の度に国庫負担を減らし、そのツケを都道府県と末端の自治体に押し付けてきたことが背景にあります。過半数の都道県が反対している国保の広域化の法案が、衆参でねじれている国会で通ると考えられるでしょうか。いま、国保の制度変更を急ぐ理由は何一つありません。 区長は、11月18日付、毎日新聞の国保アンケート結果についてどのような認識を持っているのか。また、区民の代表として、「旧ただし書き方式」への変更を撤回するよう区長会で表明すべきと思うがどうか。答弁を求めます。 リストラなどによって収入減になり、生活に困窮している世帯が益々増えています。保険料を払えない世帯が増えると保険財政が悪化し、そのことが保険料に跳ね返るという悪循環を断つことが求められています。 いまやるべきは、高すぎる保険料の軽減です。区の判断で軽減は可能です。 国民健康保険料の区独自の減免制度をつくること、また、資格証の発行を中止すべきと思うがどうか。答弁を求めます。 4、競争をあおるのではなくひとりひとりに目の行き届く教育を 次に、教育について質問します。 先月、我が党議員団は、秋田市の小中学校の学習指導を視察してきました。秋田県は、学力テストで全国1位であることは有名です。私たちは、学力テストの成績だけが良ければいいという考えではありません。一人ひとりの子どもたちの状況にあった援助をすることが大切だと考えています。しかし、秋田市教育委員会の学力向上の取り組みを聞いて、本区と大きな違いがあることが分かりました。 本区では、「教育振興ビジョン」によって、学力テストの結果を公表し、学校選択制によって学校を選ばせています。できる学校できない学校を意図的に作り出し、競争をあおってきたのです。子どもたちも現場の教職員も過度な競争、ストレスにさらされ、「子どもの人格を全面的に成長させる」という教育本来のあり方から学校が、離れてしまいます。また学校選択制により、地域の親同士の交流、自治町会と学校行事の結びつきなど、これまで培われた関係が壊され続けています。 秋田市の教育委員会は、授業の充実のために17年前から市独自にテストを実施してきましたが、本区のような業者委託ではなく、教育委員会と現場の教員が独自の問題を作り、採点も自ら実施しているそうです。結果を分析し、授業の参考になる資料をつくっていますが、その資料は、教員が授業を改善するために具体的に役立つ資料です。しかし、教育委員会は学校に対しては、資料の提供や助言にとどめているそうです。それは、現場の教員の主体性を尊重しているからだということです。 テストついて、市教委がまとまった調査結果をホームページで公表していますが、その内容は、正当率の低かった問題点をどう改善すべきかという、具体的な指導内容が中心です。教科ごとに「ペーパーテストで測れない学力の状況」として、課題を分析し評価していることは、教育に対する思慮の深さを感じさせるものでした。秋田市では、学校ごとの点数はいっさい公表していません。点数を過大に評価しないという姿勢が貫かれています。 一方、本区の学力定着度調査の結果は、学校ごとのホームページ上で科目ごとの点数が発表されています。そしてその書式は、ほとんどの学校が同じものを使っています。評価も、点数がいいとか悪いとかがのべられているだけで、結果をどう授業に生かしていくか、個々の課題分析には乏しいものとなっています。これでは、テストの点を学校間の競争をあおる道具にしているといわれても仕方ありません。 区は、学力テスト・学力定着度調査の結果、点数の公表を中止して、公表の内容を再検討すべきと思うがどうか。答弁を求めます。 秋田市でも小中一貫教育が行われています。しかし、地域ごとにタイプを分けてきめ細かな対応を考えています。例えば、一つの小学校から一つの中学校へ進学するタイプ、複数の小学校から一つの中学校へ進学するタイプ、またいずれも大規模校と小規模校のタイプと4つのタイプに分類し、タイプごとのメリット、デメリットを明らかにして、対応策を具体化しています。市内全部の小中学校の、一貫性と発展性のある学習指導をめざして、一貫教育を支える連携体制を実施しているのです。 本区において来年度、新小岩学園という小中一貫教育校がスタートします。たまたま隣り合わせている学校を一つにして、お試しをするやり方です。わが党は、一部の地域だけの子どもたちに実施するこのお試しでは、中1プロブレムを解消するどころか、拡大する危険があることを警告してきました。なぜなら、学区域外からも途中入学があり、子どもたちを始めから違うスタートラインにたたせておきながら、一貫教育校だと強弁しているからです。そこに道理は見当たりません。見切り発車でおこなう小中一貫教育校は、中止すべきではないでしょうか。 学習指導要領が来年度から大幅に改定されますが、どうしてここまで対応が異なるのでしょうか。 秋田市で、来年度からは平日の授業時数が増える見通しについて聞きましたが、土曜日の授業については、考えていないと言いきっていました。 区教委が今年度試行として始めた土曜授業は、父母や現場の教員から多くの問題が出されています。問題点を直視せず、メリットばかりを強調して、来年度から実施することを強引に決めてしまいました。こういう現場無視の姿勢は区民からの批判を免れないでしょう。 区教育委員会のやってきたことは、世間から目を引こうとするパフォーマンスばかりで、本当に一人ひとりの子どもの成長を考えているとは思えません。 今、必要なのは、これまで以上に子どもたち一人ひとりに、目が届く体制をつくることではありませんか。 東京都は、今年度から39人学級が出来るように教員の加配を行い、本区でも2校で少人数学級が実施されています。来年度からは、38人学級が実現します。 すでに、中央教育審議会が、学級編成基準は35人、小学校1、2年生については30人学級が望ましいとする答申を出しました。区は、これまで国言いなりの姿勢でずっと40人学級に固執してきました。しかし、時代の流れは少人数学級へと大きく変化しています。 秋田県では、県独自で33人学級制を実施しています。秋田市では、少子化、過疎化が進行していますが、小中学校の統廃合をなるべく避けているため、小人数学級が多いということです。これのことが、子どもたち一人ひとりに教員の目が届き、一人ひとりの状況に合わせた授業を行う確かな保障になっています。 中央教育審議会が学級規模を35人とすべき、小学校低学年は30人とすることを提言した答申についての見解を求めます。そして、少人数学級を区独自で推進すべきであると思うがどうか、答弁を求めます。 日本政策金融公庫が、今年度も国の教育ローンを利用した世帯に、アンンケートを実施しています。その結果によると、世帯の年収に対する小学生以上の在学費用の割合は、平均37.6%となり、前年度より3.9ポイントも増えました。また、年収が200万円以上400万円未満の世帯は、在学費用が166.7万円で、教育費の負担割合が56.5%にのぼり、収入の少ない世帯ほど、教育費が家計に重くのしかかっていることがわかります。 低所得によって、教育の機会均等が侵されている事態は深刻であり、行政として是正する立場に立たなければなりません。本区の就学援助の支給基準は、生保基準の1.1倍であり、この基準は、これまた23区で最低水準です。それにもかかわらず受給率は、3割を超えるという高い水準です。しかも上昇傾向にあることは、区民生活の深刻さを物語っています。 区民の生活が悪化する中で、経済的な原因で進路をためらったり、好きな部活に参加できないことで、肩身の狭い思いをしている子どもたちいるのです。 区の就学援助の基準を緩和すること、費目については部活動の費用なども認定すべきと思うがどうか。 先の定例会、決算審議特別委員会では、学校給食を無償としている自治体の例を上げ、学校給食費の無償化を求める質疑もありました。独自性のある施策で、子育てするなら葛飾と言われるような環境を広げていきたいものです。 給食費無償化のために、区独自の助成制度を検討すべきと思うがどうか、答弁を求めます。 5、年末に向けて区が実施すべき緊急経済対策について 次に、青年などの雇用の問題と、年末に向けて区が実施すべき緊急経済対策について伺います。 今定例会に提案される補正予算案の6割にあたる約25億円は、生活保護費となっており、区民生活の深刻さを物語っています。 なかでも青年の雇用問題は深刻です。今年10月1日現在、来春卒業予定の大学生の内定率は57.6%と「就職氷河期」と言われた03年を下回る最悪の就職戦線です。同様に高校生の内定率は40.6%です。09年度の区内高校卒業生の就職率は、20.9%という状況です。 学校を卒業して社会人としての第一歩が、失業者という社会で本当に良いのかと、心が痛みます。 足立区では、06年度からの「あだち若者サポートステーション」とともに、今年度からは「雇用・生活総合相談窓口」を常設化しました。仕事を探す若者や働く人に大きな安心となり、「とにかく区役所に行けばなんとかなる」と話題にもなって、視察も増えているそうです。 このような相談窓口を我が区でも開設することは、青年の雇用対策に有効だと思うがどうか、答弁を求めます。 正規雇用を増やす取り組みでは、トライアル雇用事業がありますが、北区は8000万円の予算をつけ、正規雇用を増やそうとしています。しかし、本区の今年度予算は、わずか240万円にとどまっています。 予算を増額して、取り組みを強めるべきと思うがどうか。 本区の「雇用・就業マッチング支援事業」は、以前は若年者を対象としていましたが、いまは年齢層を拡大しています。その結果、09年度は求人1,379人に対して求職者登録848人、採用決定は329人で38.8%という成果をあげ、評価することができます。 予算を増額し、取り組みを強めるべきと考えるがどうか、答弁を求めます。 雇用対策では、区自らが襟を正すべきです。都議会では、臨時職員を同じ職場で20年間も働かせている事態が発覚し問題になりましたが、正規職員を減らし、際限なく非正規職員を増やしてきた結果です。本区でも同様のことがおきているのではありませんか。 区が正規職員を削減する一方で、非正規雇用を拡大し、不安定な身分と低い賃金で働かせ、官製ワーキングプアをつくりだしている事は問題です。 この考え方を改め、一定期間非正規で働いてきた職員に正規職員になれるよう援助すること、非正規職員の時給を引き上げて待遇改善を図るべきと思うがどうか。 資金繰りに苦しむ中小零細企業が、この年末を乗り越えていくための支援も重要です。大田区では、銀行・保証協会に断られたものを対象に、「経営支援資金」を実施しています。 融資限度額300万円ですが、こうした融資制度も検討するとともに、区として直貸し制度を実施することを求めます。答弁ください。 公共事業の前倒し発注なども、引き続きすすめるべきです。 また、商店街振興策としては、いままでも提案してきたプレミアム商品券の実施に踏み出すべきことをあらためて提案します。 最後に、セーフティネット対策について伺います。 厚生労働省は、住居・生活支援と就労支援のために、地方自治体と連携し、ワンストップ・サービスデー等140地域、就職面接会・就職支援セミナー等172地域で実施する、「住居・生活困窮者支援プロジェクト」を示しています。その具体的な取り組みがハローワークを中心に実施されています。例えば新宿・中野・杉並地域では、区役所で「出張相談」、池袋地域では「住居・生活・就労支援セミナー」など行なわれています。 23区の中で墨田・葛飾地域だけがハローワークのみでの実施であり、いっそう連携し具体化するべきと思いますが、どうですか。 また厚労省は、今後のとりくみとして、相談者に対して適格なアドバイスができるパーソナルサポーターを導入するとしています。ハローワーク職員・ケースワーカー・民生委員や民間相談機関が担ってきた領域を、制度化するというものです。 本区においてもパーソナルサポーターとの連携強化を図るとともに、ハローワークと生活課との連携を強め、ワンストップサービスを構築すべきと思うが、どうか。 こうした新しい取り組みが始まる中、11月5日、石原都知事は、住まいをなくし、生活のすべを失った人たちを敵視するように「昨年のような公設派遣村はおこなわない」と発表しました。石原知事は、「気の毒な人がいますが、甘ったれているやつもいる」と言い放ち、12月28日以降行政窓口は閉めてしまうというのです。 寒空の下、路頭に迷っている人たちを見過ごすことは人道上許されません。 昨年同様、年末年始切れ目なく対応するよう、東京都に要請すべきと思うがどうか。 同時に区としても年末年始の独自の相談体制を構築すべきです。区長の答弁を求めます。 以上で質問を終わりますが、答弁いかんによっては、再質問をおこなうことを表明しておきます。 ●再質問 一点だけ再質問をしたいと思います。健康保険についてですけれども、国保についてですけれども、東京都も反対しているということだし、広域化ということで今やる必要がないわけですよ。それをやるということは、やはりきちんとまず区民になぜ今やるのかという説明をしなければならない。そういうことならば、本議会できちんと区長が説明をする必要があるというのが一点。 それから、やはり激変緩和ということではなくて、この制度というのは、対象となる人の収入が増えたわけではないんです。そしてまた、法改正があったわけでもない。まさに上がる人については責任がないわけですよ。それを値上げを押し付けるわけですから、2年の激変緩和だけではなくて、きちんと、それを区の責任で保障するという、そういう制度をつくる必要があると思うのですが、ご答弁願いたい |