2019年第四回定例会一般質問 質問者 木村ひでこ

開催日:令和元年11月28日

 日本共産党葛飾区議会議員団を代表して区政一般質問を行います。

 今年も気候変動により数々の災害にみまわれ、台風15号、19号など千葉県を始め、北関東、長野県などに甚大な被害を及ぼしました。
 これらの被害で犠牲となった皆様に心から哀悼の意を表明するとともに、被災され、今も復旧に当たられているすべての皆様にお見舞いを申しあげます。

 そこで、第一に、風水害への対策について質問します。
 本区においても、台風15号による被害、さらに、台風19号は巨大であり、本区でも、災害対策本部の設置、これまでなかった「レベル4」の避難勧告の発令、区内全小中学校や地区センター他、公共施設117ケ所の避難所に2万人近くが避難しました。
 日本共産党は、全国で被災地への募金を募り、わが党議員団としても、千葉県鋸南町にある葛飾区立保田しおさい学校や豪雨被害でがけ崩れの現場やビニールハウスの倒壊、冠水被害に見舞われた農家などへ現地調査、懇談を行ってきました。
 保田しおさい学校長は「あたりまえにある電気のない生活は、本当に大変でした。ファックスと寮のピンク電話のアナログ回線が命綱となった」など、被災地の厳しい現状を伺いました。
 千葉県の佐倉市議や酒々井町議とも懇談の機会を得ましたが、「続けざまの災害に職員は大変な努力を重ねている」と言われていました。台風15号でビニールハウスが倒壊し、10月の大雨で田畑が水没した農家の方は、「救済の手引きがようやく示されたが、弱小農家は、これを機会に廃業を余儀なくされるのでは。」と不安を表明されていました。
 そこで、改めていくつかの角度から検証するとともに今後改善すべき事柄を提案したいと思います。

 私は、下水道が完備され、80年台後半から浸水家屋が劇的に減少したことから、台風に対する危機管理の在り方が根本的に問われたと思います。

 台風19号は、その規模も極めて巨大であることから、区内の商業施設や鉄道をはじめあらゆる交通機関の計画運休決まるなど、これまでとは異なる対応が行われました。
 本区では、配備検討会議が開催され、10/11 午前11時14学校を含む区内27ケ所の避難所設置を決定しました。
 この日は、区議会第三回定例会の最終日であり、閉会のあいさつで区長は、「江東五区の広域避難の対応策を連携して進める」と述べましたが、この時点では、広域避難はもうできない段階でした。結果的に避難判断水位を超えたのは中川でした。
 避難所体制は、10/11 午後4時 区内のすべての小中学校を含め77ケ所の避難所設置を決定し、10/12 午前11時10分に77ケ所の避難所設営が完了したと伺いました。私は、この全小中学校と公共施設を避難所として開設したことは当然の判断だと思います。その直後の、11:30に災害対策本部態勢がとられました。
 災害対策本部態勢とは、職員全員参集ですが、11日の時点で、商店等の臨時休業や交通機関の計画運休が計画されていましたので、この災害対策本部態勢の設置の遅れが、結果として、10/25付広報葛飾でも公表しているように、避難所に参集した職員が、450名で想定を下回る最大の原因になったのではないかと問うものであります。
 江戸川区では12日9時45分に新中川以西に避難勧告を発令しましたが、本区の災害対策本部態勢の前でした。災害対策本部態勢をもっと早く設置することによって、問題が解決できたのではないかと思いますが、答弁を求めます。

 災害弱者への対応も職員の参集との関係でとらえなおすべきです。とりわけ、公営住宅等に在住する車椅子使用の障害者や様々な障害のある方をまず、避難していただき、健常者はそのあとが基本です。私は、これについては、公助として対応するべきだと思いますが、答弁を求めます。

 次に、中川・綾瀬川水系の避難勧告の発令に関して伺います。
 葛飾区も中川の吉川観測地点で、氾濫危険水位を超えたために、16:00に区内の亀有、白鳥、立石などに避難勧告を発令しました。これに対し、多くの区民が危険を感じ避難所へ身を寄せることとなりましたが、深夜に風雨も弱まったことから、ほとんどの区民が自宅に戻りました。
 しかし、暴風警報解除は、13日2:13、避難情報解除は、13日9:00、洪水警報解除は、14日2:37であり、避難の実態とかい離しました。区民の安全を確保するという観点にたてば、課題が残ると思いますが、答弁を求めます。

 災害の情報は、刻一刻と変化するものです。その状況を把握するのは、テレビだけでは不十分でした。テレビの報道で恐怖が募り、12日夕刻以降、風雨が強まっているのに避難所に身を寄せた方も多くいたからです。
 区民が冷静に情報を得るには、本区のホームページに河川の水位を把握できるようにすることも必要ではないでしょうか。また、FMかつしかの最大限の活用が必要です。防災無線も台風襲来では、聞こえないという指摘も多く、そこで、FMラジオ配付も改めて提案しますがいかがですか。
 そもそも、FMかつしかは災害時に地域の避難、注意、ライフライン情報などを行政・警察・消防などと連携し放送するために設立されました。このFMかつしか局は、区役所内の平屋建てに位置しています。現実に水害が発生すれば、大切な機器が壊れてしまい、その後の機能が果たせないという最悪の事態となりかねません。
 FMかつしか局の移転が必要だと思うがどうか。

 次に、各分野での対応はどうでしょうか。
 第一に、避難所についてです。
 今回117箇所の避難所を開設しましたが、その内容については教訓にすべきことがいくつもあります。この点で、災害や紛争などの現場で守るべき最低基準として「人道憲章と人道対応に関する最低基準」、いわゆるスフィア基準を実現する立場に立ち、安心、安全、健康が保たれ、プライバシーを保護し、女性や要配慮者を十分考慮した避難所となるようにすべきです。例えば、これはある避難所の様子ですが、家族ごとに専用スペースを設けられるよう備蓄すべきではないでしょうか。(パネル)
 風水害の場合は、2階以上に避難すること、学校内の雨漏り、段差などバリアフリーの問題、日常的な修繕など、あらためて緊急点検が必要ではないでしょうか。また、学校内の教室などを使用する場合学校長の許可が必要となりますが、避難所運営に当たっては、現場の判断で利用できるように必要なルールをつくるべきです。
 備蓄品である毛布、マットやペットボトル、食料など躊躇なく使用することを徹底し、ペットの受け入れについてもルールを統一しておくべきと思うがどうか。
 そして、福祉避難所での受け入れがうまくいかなかったところもありました。
 また、協定を結んでいる民間事業者の避難所開設が、実際には行われなかったところもあります。協定内容を改めて確認・見直しが必要です。
 水害の場合、垂直避難が極めて重要となる。アリオやヨーカドーとは協定が締結されているが、10月12日は、緊急に定休日としたために広大な駐車スペースが活用されませんでした。また、協定があっても活用されなかった理科大についても協定の見直し、リリオ、ビナシスの区営駐車場の垂直避難の活用を検討すべきです。以上、答弁を求めます。

 第二に、保田しおさい学校についてです。
 校長から台風15号の停電によって、貯水槽に水をくみ上げることが出来なくなり、飲料水を確保することが難しかったと伺いました。学校には3台のポータブル発電機があるとのことですが、これでは必要な電力を確保することが出来ません。非常時に電源を確保できるだけの大型の発電機を装備すべきです。
 保田しおさい学校では何よりも子どもたちを安心して受け入れられるようアピールしたいと校長が訴えていました。そのために校舎の建替え、体育館の整備をあらためて検討すべきです。校長等との面談では、10年ほど前に、高波が押し寄せたことがあるとのことでした。児童・教職員とともに日頃からお世話になっている地元住民の避難所としても利用できるようにすべきではないでしょうか。答弁を求めます。

 第三に河川敷についてです。
 江戸川及び荒川の推移が上がり、河川敷には上流からの水が押し寄せ、翌日の朝には河川敷まで水面が上がるという状況で、土砂や汚水による被害の除去などの整備が必要となりました。江戸川は11月いっぱい、荒川は年明け1月はじめごろまで河川敷は使用できないと説明されているようですが、荒川の対岸の墨田区ではすでに復旧しています。
 早く復旧することが大切です。事前に利用予約をしていた人たちが使えなくなる中で、ロードレース大会や野球・サッカー等の大会での利用など、代替え地を確保するなどの対策を講じるべきと思いますが、答弁を求めます。

 第四に、農業についてです。
 新聞報道では、本区でも作業小屋が鉄の骨組みごと吹き飛んだ、ビニールハウスの一部が切れた、野菜が水に浸かったなど被害もありました。現状では、大きな被害があれば、JAが対応するそうですが、区には何ら支援策がありません。先ほども紹介した佐倉市の農家の話にもあるように、「大型台風が多発するのでは」と不安を表していました。野菜などの供給、地震などの災害の際の避難場所にもなり、環境にも重要な役割をはたす都市農業に対して、区独自の支援策を創設すべきではないでしょうか。答弁を求めます。

 次に、収納対策について伺います。
 我が党区議団は、今年10月16日滋賀県野洲市の視察を行いました。野洲市では、「野洲市債権管理条例」を定め、「ようこそ滞納いただきました」、「滞納は生活状況のシグナル」としてとらえ、滞納をきっかけとした市民生活の支援につなげています。
 「野洲市債権管理条例」制定の背景には、長期にわたる不良債権の整理をすることが、回収の効率化になり、市の正確な財政状況の把握につながること。債権を一元管理することで、回収の効率化と同時に、生活困窮者の発見と生活再建の支援へとつなげることができると考えたことです。それを実行するために、「市民生活相談課」がつくられました。具体的には、生活困窮者や税、公共料金を滞納している市民は、まず市民生活相談課で相談を受け、各担当課や弁護士などにつなげます。逆に担当課から市民生活相談課に相談がフィードバックされる場合もあるそうです。また、生活困窮者のところへ職員が出向くアウトリーチでの相談も行っています。死亡届を出しに来て滞納の相談につながった事例もあったそうです。市営住宅家賃、上下水道料、国保料、後期医療保険料、介護保険料、保育料、学童保育料、学校の給食費、固定資産税、自動車税等々、様々な債務を一元で管理して整理すると同時に、様々な制度を活用し、就労支援も含め、生活の再建へつなげていくこともこの課が担当しています。まさに相談者は、ワンストップで滞納整理と生活再建への支援が受けられます。市民生活相談課の相談窓口は、市役所の正面玄関を入るとすぐ右側の奥にあります。来場者に一番わかりやすいところに相談窓口を置くというところに、野洲市の市民生活支援に対する決意が現れているのだと思いました。
 特に注目すべきは、「野洲市債権管理条例」に基づき、時効期間が経過したものについては、時効の援用の支援をし、債権の清算に導いていることです。さらには、弁済能力がないと認められるものについては、時効に至らないものでも市が債務放棄をし、生活再建のための足かせとならないようにしています。
 地方税は5年、国民健康保険料、介護保険料や保育料は2年経つと援用手続きをしなくても、自動的に時効になります。しかし、本区では、時効を強制的に中断するため、期限ぎりぎりに差し押さえを行っています。そうした中、20年前の債権を取り立てる事例もありました。
 区民の生活はお構いなしで、何が何でも取り立てようとする姿勢は、区民のために仕事を行う自治体とは到底言えません。
 野洲市の取り組みでは、今払えなくても生活再建支援という回り道を経て払える市民が増えています。一方過酷な差し押さえなどで生活を破壊してしまえば、生活保護などになって逆に行政コストがかさむということになります。結果、野洲市の方がトラブルも少なく、ト
 そこでうかがいます。
1、収納対策は、生活再建支援と合わせた滞納整理を行うことが必要である。野洲市に学び、「債権管理条例」を制定し、「区民生活相談課」のような滞納整理と生活支援をワンストップの窓口を作るべきだと思うがどうか。
2、時効を中断させるための差し押さえはやめるべきと思う、がどうか。

 次に精神障害者施策について質問します。
 さる5月14日、保健福祉委員会での視察で、NPO法人十勝障害者支援センター理事長、門屋充郎氏の「精神障害を持っても地域で暮らすをあたりまえに」の講義を聞き、大変勉強になりました。
 本区では、この5年間で障害者手帳所持者数のうち、身体障害者、知的障害者は横ばい、減少ですが、精神障害者は1.51倍に増えています。
 こうした現状に対応していくためにも、わが党議員団としても精神障害に携わっている事業者や職員の方々と一緒に、門屋充郎氏を招いて改めて学習会を行ったところです。

 門屋氏の問題提起の中心は3つありました。1つは「入院から地域へ」、2つは住まいの確保、3つは地域の支援体制です。
 精神障害への対応については、世界では「脱施設化」で地域で支援することがあたりまえです。我が国においても2004年9月「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本的な方策が進められ、72000人の退院と病床削減、地域支援体制の確保を10年で進めていくことが示されましたが、15年経った今なお措置入院2倍、医療保護入院も倍となっています。
 まず「入院から地域へ」という政策転換について、現状をどのように認識しているか伺います。

 門屋氏は、生活支援の基本は、「命」「暮らし」「生きがい」が大事で、3つの居場所づくりが重要だと述べられていました。1つは、安心して暮らせる「住居」、2つは「就労」、3つは、「余暇を過ごす」です。
 特に、住まいは人権であり、安心できる住まいが確保されてこそ、次の就労や余暇につながります。
 本区における精神障害者グループホームは現在9ヶ所、定員は55人となっています。2023年度までの障害者施策推進計画では、6か所整備するとなっていますが、知的、身体、精神それぞれ何カ所にするのかの記載はなく、後期実施計画では、精神障害者グループホームの整備計画はありません。
 先に述べたように、精神障害者が増え続けている現状から言っても精神障害者グループホームの整備計画がないことは極めて後ろ向きだと言わなければなりません。
 精神障害者グループホームの整備計画を明確にすべきではありませんか。答弁を求めます。
 地域の支援体制はどうでしょうか。
 「推進計画」では、精神障害者に対応した地域包括ケアシステムの構築が掲げられ、「地域で精神障害のある方やその家族が安心して生活するためには、緊急時にすぐに相談でき、必要に応じて緊急的な対応が図られる体制の整備が必要」となっていますが、2022年度まで「検討」となっています。
 ここまで言うのであれば、なぜ保健センター2カ所を廃止したのかと率直に指摘しなければなりません。
 地域包括ケアシステムの構築のためにも、高砂、小菅両地域での保健センターの復活が必要です。また総合庁舎内にも保健師を配置した相談窓口が必要と思うがどうか。答弁を求めます。
 精神障害の場合、ひきこもり、貧困、介護といった家庭内の複数の問題を抱えていることが多いのが実情です。それを把握するには、家庭内に入っていくことが求められます。
 そこで保健センターの保健師が精神保健福祉士などの専門家、あるいは医師と連携し、アウトリーチができる体制を作り、地域での生活支援を強めてはどうでしょうか。答弁を求めます。
 東京都の2018年度障害者生活実態調査によると、3障害の内、生活保護利用者の割合は身体、知的は6%ですが、精神は20%を超えています。また収入なしは、身体5.8%、知的7.4%に対して、精神は18%と経済的な困難さが調査結果でもはっきり出ています。
 ところが、精神障害は、心身障害者福祉手当の対象になっておりません。3障害が一元化となり、障害者差別解消法も制定されました。精神だけ除く対応は正しくありません。少なくとも本区独自の心身障害者福祉手当の対象とすべきです。答弁を求めます。

 最後に、先の参議院選挙後、2人の重度障害の方が国会議員として活動されています。当事者の声が直接国政に反映され施策が前進することが期待されます。
 そこで、本区でも障害者当事者の声を直接聞くために、障害者区議会を開催してはどうでしょうか。区長の答弁を求めます。

 次に子どもの権利条例について質問します。
 厚生労働省のまとめによると、全国の児童相談所での2018年度の虐待相談対応件数は、15万9,850件と過去最高となりました。
 今月7日には、広島県福山市で生後7カ月後の赤ちゃんを自宅の洗濯機の中に閉じ込め監禁の疑いで逮捕、8日には、福岡県田川市で1歳児にエアガンを発射し怪我をさせたとして両親が逮捕されました。
 このような痛ましい事件・事故がなぜ続くのか。私は、子どもを産み育てる母親として胸が締め付けられる思いです。
 わが党議員団は、10月17日、子どもの権利条例を制定した長野県松本市を視察してきました。
 松本市では、子ども施策を子育て支援プラス子ども支援という位置づけにし、2013年4月に「子どもの権利条例」を制定しました。
 「条例」を推進するために「子どもにやさしいまちづくり委員会」「同推進計画」がありますが、「まちづくり委員会」は市民・有識者15人で、条例にもとづく施策の実施状況と検証を行い、2018年度は4回の委員会で、虐待、貧困、いじめ、性的マイノリティ―をテーマに議論がされています。
 この「推進計画」の具体化として、第1に、子どもの権利の普及と学習への支援のために子ども達が考えた学習パンフレットを市内小中学校に配布、生徒手帳への記載、児童館での子どもの権利学習会開催を進めています。
 第2に、子どもの相談・救済のための「こころの鈴」を開設し、相談だけでなく、他機関と連携し救済しています。これまで是正勧告を2件だしたとの事でした。相談対応は、相談員4人、弁護士などの権利擁護委員3人、月曜日から土曜日まで対応し、面談、電話、メール、ファックスなどで、子どもが一番相談しやすい方法、子どもの意志を尊重して行っています。利用件数は、695件、前年比1.76倍でした。
 第3に、子どもの意見表明・参加の促進として「子ども未来委員会」を設置しています。委員は小学5年生〜高校3年生で30〜40人、年15回程度で、市内視察、議員との意見交換、市長への提言・活動発表、子どもの権利を推進している他自治体との交流などです。
 第4に、条例16条に「子どもが安心して過ごし、遊び、学び、活動したり文化にふれたりしていくために必要な居場所づくりの推進に努める」とし、放課後児童、中高生、不登校、外国籍児童生徒の居場所の充実に取り組んでいます。
 こうした取り組みが、各課が連携し、全庁的にも子どもの意見を聞くという姿勢を作り出し、何よりも子どもの自己肯定感を伸ばすことができているとのことでした。

 本区は、今年度から5年間の「子ども・若者計画」を策定しました。
 その基本目標は、「すべての子ども・若者が夢や希望をもって、健やかに成長し、社会的に自立できるよう地域全体で支えるまち『かつしか』」を目指すとしています。
 その推進体制は、葛飾区子ども・若者支援地域協議会ですが、松本市のように子ども自身が考え意見表明をする場、子ども自身が計画作りに参加する場、悩んでいる時、納得できない時など、子どもの意見を聞き、相談に乗り、必要な時には解決を図っていく仕組みがありません。本区でも松本市のような仕組みをつくるべきと思うがどうか。答弁を求めます。

 子ども・若者に夢や希望を持ってもらうためには、自分たちの意見が尊重され、受け止められる環境整備がどうしても欠かせません。その保障となるのが「子どもの権利条例」です。
 区は、これまで「時期尚早」と言ってきましたが、「子ども・若者計画」を推進するためにも、今後、児童相談所の開設・運営のためにも子どもを中心にした考え方が必要です。そういう姿勢を内外に示すためにも「子どもの権利条例」を制定すべきと思うがどうか。区長の答弁を求めます。

 児童相談所の開設ですが、2023年度予定で準備がされています。その契約は、事業用定期借地契約で契約期間は35年となっています。事業用定期借地契約とは、契約の更新を伴わず契約終了時には建物買取請求権が発生しない特約が生じます。契約期間30年以上50年未満の場合、この特約は任意とされていますので、貸主が更新しないとなれば、更地にして返し、新たな場所も見つけなければならなりません。賃料も35年間で9億円を超えます。
 定期借地権の土地では膨大な無駄使いとなりかねません。別の土地の取得を検討すべきです。答弁を求めます。

 最後に、公共交通網の充実について質問します。
 本区では、昨年、「葛飾区公共交通網整備方針」を策定し、高齢者や来訪者などの移動の利便性向上を図るため、バス事業者と協働し、循環バス路線の導入をはじめ、既存バス路線網をもとに、公共施設や医療施設へのアクセス拡充などを目的に区の財政負担の在り方も含めて検討すると今年度予算の策定の際にも表明しました。
 しかし、ウェルピア・金町間のバス路線が減便に次ぐ減便により一層の客離れを起こすという悪循環に陥っています。
 まず、この路線が交通不便地域を解消する重要な路線であることの認識について伺います。

 新たな公共施設開設へのアクセスが不十分という問題点があります。そこで先ほど示した整備方針案の具体化で認識を発展させたのだとすれば、どう具体化するのかが問われてくると思います。

 ウェルピア、お花茶屋、亀有経由金町駅間のバス路線は、区内公共施設をつなぐ重要な路線として再認識し、大幅な増便を求めてはどうですか。そのさいウェルピアからまず区役所をつなぎ、葛飾区保健所をつなぎ、2021年に新宿で開業する日本赤十字産院も経由してはどうでしょうか。こうした公共施設や地域の核となる施設をつなぐ路線こそ、地域コミュニティバスとしてふさわしいといえるのではないでしょうか。

 以上で終わりますが、答弁いかんによっては再質問することを表明して質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。