2024年葛飾区議会第二回定例会を終えて(団声明)
1、今定例会に先立ち、能登半島地震による被災地の現状、復興の遅れ、現地でのボランティア活動に参加し、被災者への必要な支援を学んできました。また、東京における防災対策にとって必要なことは何であるのか、調査活動に基づいて、今定例会でもスフィア基準にてらして避難所の整備・改善、復興支援の迅速化、生活再建策など具体的に提案しました。
区は、スフィア基準で避難所の改善に取り組むとしていますが、必要な物資、食料確保の年次計画を求めました。また、今定例会では、熱中症の防止のためエアコン設置の際、生活保護世帯以外も、償還払いではなく、申請の際相談に応じて、設置事業者への支払いもできると表明しました。バス運転手不足の2024年問題に対し、事業者に対して、免許取得支援の他、運転手の家賃補助に取り組むなど区民の願いと党区議団の要求が実りました。
1、物価高騰が止まらないばかりか、国は、電気・ガス代の支援を5月末で中止しました。これによりあらゆる産業と家計に重大な悪影響を及ぼすことは明白です。厚生労働省の毎月勤労統計調査は、史上最長の25ケ月連続で実質賃金が減少するという深刻な事態となりました。ところが区の一般会計補正予算では、即効性のある施策は一切なく、秋から来年にかけて商品券、また、デジタル決済を可能にすることを目玉としました。しかも、児童手当を18才まて拡充し、支給を年3回から6回にすることは当然の改善策ですが、その財源は、子育て世代も含めた、全世代から保険料としてその財源を求めるものです。社会保障の財源をこのような手法で財源とすること自体誤りであり、党区議団は、この補正予算に反対しました。
1、政府は、保険証を是が非でも廃止し、12月2日からマイナ保険証に切り替えるとしています。しかし、いまだに区内の医療機関では4パーセント台の利用率であることが判明しました。ところが、国から、マイナ保険証の利用を奨励するために声かけどころか診療の障害が持ち込まれている事例が発生しています。今定例会では、そのマイナンバーをあらためて確認するための特別会計補正予算が提案されました。党区議団は、保険証を廃止するための予算であり、執行の必要なしと判断し、反対しました。
1、学童保育不足が深刻です。学童保育の待機児がこの間、急増しています。本会議では、教育長が、昨年よりも56名増の442名と答弁しました。しかし、前定例会では、待機児対策にはならない「かつしかプラス」という制度を4月から実施しますが、「かつしかプラス」に入所した児童は「待機児としてカウントする」と答弁しました。ところが、「かつしかプラス」に入所した児童66名を待機児としてカウントしていないことが判明し、待機児は、508名、前年比122名の増となっていました。議会への虚偽答弁であったことも重大です。
今必要なことは、基本計画・実施計画を上回る増設が必要です。また、利用者の声として子ども総合センター、金町こどもセンター及び児童館の休日開館の提案を提案しました。
1、学校プールの民営化にかかる住民から今定例会でも新たに5つの請願が提案され、文教、総務、議会運営委員会で審議されました。原則禁止の再委託が横行している事、子どもたちに移動の負担や給食時間に支障をきたし、民営化した学校では夏休みの水泳指導行われない等、多角的な観点からの提案ですが、教育委員会は真剣な自己検討をしていません。それどころか、2024年問題というバス運転手の不足が、この問題にも直結しています。小学校27校にまで拡大した水泳指導の民営化によってバスが確保できない問題に直面しています。入札不調が続き、その結果、高額の「随意契約」によるものまで出現し、昨年度比、1.6倍となっています。
今後、新宿とお花茶屋に新たな区営温水プールを建設しようとしていますが、その輸送の安定化の見通しが立たない状況です。抜本的な見直しをしなければなりません。
1、立石駅北口再開発の「権利変換計画に意義あり」と240名もの住民監査請求が提出されましたが、監査委員は却下しました。法に則り、弁護団と238名の原告団が集団住民訴訟として4月11日、東京地裁に区を相手に集団住民訴訟を提訴しました。集団住民訴訟であることから弁護団と東京地裁の協議で最大の第103号法廷で審理されることとなり、第一回公判が7月19日と決定しました。
前定例会では、8月を目途に、事業費と区役所の保留床を含めた建設費を公表するとしていましたが、事業協力者から再開発組合に事業費の再提案が行われたことが明らかになりました。その事業費及び庁舎建設に必要となる金額の公表を求めましたが明らかにしてないことは、区民に必要な情報を目隠しすることにほかならず容認できません。物価高騰と工事の延長、補償費の再算定により事業費が膨らんでいることは容易に想像がつきます。240億円で新庁舎の建設できるとして議会に説明し、区民に公表したのは、ほかならず葛飾区であり、情報を操作することは認められません。
巨大開発に税金をつぎ込み、物価高騰に苦しむ区民に心を寄せない区政の転換のために引き続き全力を尽くしてまいります。
2024年6月21日
日本共産党葛飾区議会議員団