2024年6月5日 立石駅再開発について(一般質問より) 

立石駅周辺の再開発と庁舎移転計画について伺います。

さる2月29日に立石駅北口再開発の権利変換計画に係る240名余の住民監査請求が提出されました。その内容は、区が取得する東棟3階部分の権利床があまりにも高く、区民に損害を与えているというものです。

 再開発の床価格は、上階が安価になります。西棟では、1階の商業床より2階商業床や3階の区が取得するバンケットホールが安くなっています。

一方、東棟では、区が取得する3階部分の権利床は、1㎡あたり988,215円、同東棟の2階は、1㎡452,234円でした。さらに、1階の警視庁の権利変換価格よりも高いという矛盾したものです。区の権利床部分はスケルトンではなく、建設費込との答弁ですが、そうだとしたら、その部分に対する予算執行の手続きがないことは不合理です。

住民監査請求では、2階の権利変換計画との差額分の約7億円の弁済を求める請求でしたが、監査委員は、3月21日に監査しないと棄却しました。

棄却理由の一つに、今後、資金計画の見直しが予定されていることから「損害金額が明らかでない」としていますが、すでに工期の1年5カ月の延長による補償費の増加、資材や人件費の高騰によって資金計画が膨らむことを区も認識しており、損害ははるかに膨らんでいくことは確実です。

住民監査請求とは、そうした損害を未然に防止するための地方自治制度であるのに、その責任を放棄しているといわなければなりません。

 

住民監査請求をすすめてきた市民団体は、名称を「新庁舎問題/住民訴訟を進める会」とし、東京地裁に238名を原告とする集団住民訴訟を提訴しました。同日、記者クラブで記者会見が行われ、その報道が注目されています。今後の審理は、東京地裁で最も大きな第103号法廷で行われることになりました。

 先の定例会では、大阪万博でも、江戸川区役所でも建設費が2倍近くに跳ね上がっている例を示し、再開発組合の試算の公表を求めたところ、8月頃と答弁しましたが、これは極めて不誠実です。

東京北区では、公共施設の「北とぴあ」の大規模改修も100億円を予定していましたが、工事費が2倍近くの190億円になることが明らかになり、その事業費を抑えるために、改修工事の大幅な見直しが検討されています。

本区の場合、広報を使い区庁舎が240億円程度で駅前に移転できると繰り返し宣伝しただけに、この費用問題は、裁判闘争でも避けて通れません。それだけに、区民にいちはやく、今後の見通しがどうなるのかを知らせる責任があります。すでに、再開発組合には、工事の見積もりが提示されているのですから、それをただちに公表すべきと思うがどうか。

権利変換した地権者を放置することはできません。なぜなら立石駅北口再開発は、もはや破たんした計画でありながら、区庁舎を移転することで葛飾区が多額の税金投入によって地権者を誘導し、借家人を追い出し、強引に計画を進めてきたことに道義的責任があるからです。このまま今の計画に手を付けることなく、漫然と税金投入することとなれば、全区民に被害を及ぼすことになります。

それを避けるためには、都市計画決定と庁舎のあり方を含めた計画を抜本的に見直し、その新たな計画を全地権者で合意を取り付ける責任があると思うがどうか。

 

人工的に街壊しを進めたことを反省し、賑わいを取り戻すために必要な事業展開がいまこそ必要です。

わが党区議団は、4月23日、立石駅北口再開発によって南口にどんな影響がでているか、また南口の再開発について南口商店街の聞き取り調査を行いました。

 「立石では人の流れが変わり、完全に全体数の減少が著しい、もちろん客も激減した」「数年前に北口から南口で商売を始めた。絶対反対」「生活再建のための補償が受けられるまで商売が続けられるかどうかが心配」などと悲痛な叫びがありました。

 立石のまちの賑わいはすでに深刻ですが、駅南口東地区の権利変換計画、その後、北口と同様に解体工事のためのバリケード囲いをすることになれば、今以上、深刻な状態になることは、だれの目から見ても明らかです。

それなのに区長は、先ほどのあいさつで漫然と南口の再開発について述べていますが、駅南口再開発計画は、まず、凍結すべきと思うがどうか。

 いま直ちに行うべきは、立石駅周辺の街の賑わいを再興するために区が積極的なイニシアチブを発揮するための事業に取り組むことです。

たとえば北口の計画道路エリアや奥戸街道の空き店舗を活用するなどして、街の賑わいを取り戻す努力をすべきと思うがどうか。答弁を求めます。

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