2026年第1回定例会 代表質問 (質問者:木村ひでこ)

日本共産党葛飾区議会議員団の代表質問を行います。

長年の区民要求として、党議員団が強く求めてきた、帯状疱疹ワクチンの接種、がん検診の無料化、義務教育に対する無償化の拡大、来年度予算では、シルバーパスの負担軽減等の実現は区民にとって歓迎されていることです。

まず、区民生活向上のために、議員提出議案の提出、予算修正動議の提出や各委員会で旺盛に質疑を行うことを表明いたします。

そこでまず、区長の経済認識と区民生活の今後についてです。

区長の所信表明で「物価高騰が依然として続いている」と述べ、「区民生活に多大な影響を与えている」と表明しています

厚労省勤労月例調査では、12ケ月連続で実質賃金が減少しています。物価高に賃金の上昇が追いつくどころか、減少し続けています。 

年金支給は、マクロ経済スライドで物価上昇率に対して△0.4%に抑えられており、構造的に実質収入が減少する仕組みとされています。

生活保護は、最高裁で2013年から3年間の保護費の引き下げが違法と断罪したのに、どう救済するのか、方針が定まっていません。それどころか、世帯構成によって若干の違いはありますが、単身高齢者世帯では、2023年、2024年に月額わずか1000円の増、今年度1500円追加されましたが、物価高騰に全く追いつかず、日に日に深刻さを増しているのが実情です。

東京商工リサーチによる調査でも倒産件数は、2024年に続き、2025年も1万件を超す、高水準であり、物価高、円安、金利上昇による悪影響が指摘されています。

したがって、その悪影響をどう打開していくのか、その対策が、求められています。

 

政府補正予算に盛り込まれた、子育て応援手当は、児童一人当たり2万円支給は、全額国費で予算措置されるものです。世田谷区では、一人当たり3万円の支給としたのは、区の独自財源を盛り込んだものでした。

 先の定例会では、議決した政府補正予算の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金として「住民税均等割非課税世帯に対する給付」を行う議決が行われました。

この臨時交付金を活用して、特別区の多くが、区民全員にお米券を含め、現金、ギフト券の交付を行います。足立区は全区民に1万円、墨田区も全区民に1万円分のギフトカードを含めて選択制にするなどです。江戸川区では低所得者を対象にしましたが、3万円の給付をします。葛飾区は、住民税均等割非課税世帯に一万円の給付です。特別区の中で低所得世帯に1万円を給付するのは豊島区だけですが、豊島区では、年収200万円以下の低所得世帯としており、文字通り、葛飾区の給付は特別区で最低レベルの給付となりました。

なぜ最低なのか、この重点交付金は、21億円余ですが、本来、この重点交付金に使うべきではない事業で、この交付金が決定する前に決定したプレミアム商品券や中小事業者への給付の財源にしたからに他なりません。しかも、対象にすべきではない事業予算に割り当てた結果、区民に対する給付を小さくするしかなくなってしまいました。そのうえ、はなから、区民のために一般財源を投入しないからに他なりません。

「区民生活の厳しさを直視していない」これが、最低レベルの給付となった原因ではないのか。

特別区で最低の給付となったことに対し、所信で表明したことに違和感を覚えざるを得ません。区長の認識を問うものです。

さらに、今後実際に始まる国民負担増をリアルにとらえる必要があります。

総選挙では、ほとんど争点化されなかった防衛増税は、①防衛特別法人税26年4月から4%が課税②たばこ税率の引き上げの段階的実施③東日本大震災後に復興を目的とし所得税が2.1%課税されていますが、27年1月から所得税に上乗せされていた復興税を15年で終了するのではなく、復興税として1.1%、防衛増税として1%を課税、事実上の増税です。

それだけではなく、少子化対策として すべての健康保険に2026年度から子育て支援分を付加して対策の財源とされますが、そもそも、税によって財源にすべきものを保険料によって新たな負担を求めることは、多くの国民が望んでいるものではありません。しかも、保険料の値上げは、この子育て支援分の増とは別に、国保も後期高齢両保険料も平均で1万数千円の負担増が報道されており、新たな負担増となることは確実です。

この新たな負担増について、一層国民生活に犠牲を強いるものだと思いますが、区長の認識を答弁願います。

 またもや、厚生労働省が高額療養費を負担増とする方向性が打ち出されています。このことは選挙の争点にはなりませんでした。その負担増は、収入基準を細分化し、月額の上限を7~38%増に引き上げるとしています。そうなれば年収200万円以下の患者は、年間12万円の負担増、年収700万円の患者は、月額24600円もの患者負担という、恐ろしい患者負担増を伴うものです。

 国立がんセンターの医師から、今でも、少なくないがん患者が高負担に耐えられず、治療を断念せざるをえない患者が多いと指摘しています。OTC類似薬の負担増による受診抑制は、医療費の削減を目的とするものであり、現実に実施に移されれば、混乱が生じることは間違いありません。所得の過多によって「生命」が左右されることは国民皆保険制度に反するものであり、断じて容認するわけにはいきません。

 医療費削減のためにこうしたことが行われないように、区長は特別区長会等で区民の立場に立って主張するべきだと思いますが答弁を求めます。

 

総選挙の結果は、決して高市政権に対する白紙委任ではありません。問われるべき大問題を問わずして、新たな負担増ばかりを国民に押し付けるならば、批判の声は必ず高まることを指摘しておくものです。

次に、2026年度予算について質問します。

令和8年度予算の特徴として、税等の一般財源の総額は、97億円の増をあげ、普通建設事業費は物価高騰により125億円の増、行政需要は年々増加していることから、公共施設、街づくりについては、基金繰り入れや区債発行などの財政対応力を最大限活用するとし、当初予算は、一般会計2830億円で過去最大になったと自画自賛しています。

しかし、区民のくらし・営業を支えるためにやらなければならないことはたくさんあります。

そのためにまず、財源論から申し上げます。

活用されるべき財源として、2025年度5号補正予算では、歳入として特別区交付金が35億円計上されています。ところが、5号補正で庁舎基金5億円、財産管理経費として基金43億円が積み増しされています。これを財源として、区民要求に充てるべきではないか。

さらに、庁舎保留床取得に要する財源を不変としたまま、2026年度予算で20億円積み増しする根拠はありませんが、答弁を求めます。

また、今年度予算には、学校建設として115億円の起債をおこしました。

政府系金融機関からの20年固定金利2.7%で支払利子35億円余にのぼります。

 現段階で教育施設への基金は、450億円超であり、115億円余の起債は、不効率だと思うがどうか。

この起債には、新宿とお花茶屋の学校施設としての温水プール建設が含まれています。

 それぞれ温水プールの建設には、30億円超の建設費を見込んでおり、学校一校に匹敵するほどの建設コストを見込んでいます。

 わが党は、こうしたやりかたではなく、新規立て替え時は学校内に温水プール、また、加温式のプールにしたほうがコストも軽減できると求めてまいりました。

 学校教育施設としての温水プールの建設は、見直し、いったん凍結し、学校内に温水プール、加温式プールを設置し、コストの軽減をするべきと思うがどうか。

  

  この提案を実行すれば100億円以上の財源を生み出せることを指摘するものです。

次に、昨年の区議選では、物価高騰に苦しむ区民をどう応援する区政とするのかを問い、いくつかの提案を行いました。

第一に、現金給付の検討です。先ほども具体的に述べましたが、昨年の政府補正予算による物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用した区民に対する給付は、特別区で最低なので追加措置が必要なのではないか、答弁を求めます。

第二に、国保子どもの均等割免除を求めます。今定例会では議員提出議案として18才までの国保均等割りの半額軽減を提案しました。2027年度から実施するものですが、区として先駆けて半年繰り上げて実施する提案です。このことは、区長自身も求めてきたことを提案したものですが、いかがでしょうか。

第三に、生活保護の法外援護の実施です。

生活保護減額を違法と訴えられた被告には葛飾区も含まれています。全国の訴訟はことごとく原告勝訴で、「減額は厚生労働大臣の越権行為」などと断罪されました。その後、最高裁は、憲法25条に基づく「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を軽視し、引き下げた保護費の決定は違法であると断罪しました。

いまだに国がその違法状態を是正できていないという異常事態の中で、少なくとも区として執行している事務が違法ならば、是正措置を直ちに実行すべきだと思うがどうか。法に基づいた是正ができない現状であるなら、できることは、法外援護以外にはないのではないか。

第四に、国民健康保険料とともに来年度は後期高齢者保険料の値上げが計画されています。物価高騰でさらなる区民負担増ではなく、制度の抜本的見直しによって負担軽減こそ行うべきです。そのためには、区民の代表として区長が、その先頭に立つべきと思いますが、答弁を求めます。

第五に、義務教育の無償化への歩みを止めてはならない、負担をゼロにするための努力を継続することです。

 新宿区ではすでに、足立区でも今年から入学祝い金10万円支給が始まりました。本区でも実施すべきと思うがどうか。

第六に、かつしかプラスをいくら増やしても、学童保育クラブの待機児は減りません。このかつしかプラスにかける費用対効果はありません。それだけの設置にかける予算と人件費を含めた運営費は学童保育クラブの設置とすることが合理的だと思うがどうか。

学童保育クラブの保育料とおやつ代を無償にすれば、かつしかプラス利用者との不公平感の解消につながると思うがどうか。

第七に、平和教育の推進についてです。

「 非核三原則の見直し」を公然と唱える国会議員党派が増えていることは、憂慮すべき事態です。本区は1983年に「非核平和都市宣言区」として全会一致で区議会が議決して以来、平和行政に取り組んでいます。その土台が掘り崩されるようなことがあってはなりません。そのためには、時代を担う青少年に核兵器がいかに人類と共存することが不可能な残虐な兵器であることを学んでいくことが重要です。

そのために、中学生の広島・長崎への式典派遣、修学旅行での平和学習の推進を求めるものです。答弁を求めます。

第八に、防災対策、なかでも、防災資機材に対する備えを指摘しておきます。

プライバシー確保のためのテントの購入が始まっていますが、防災計画で想定している規模の災害が現実のものになれば、全く不十分な規模にとどまっています。年次計画を策定し、テント、トイレトレーラー、キッチンカー等の装備も計画すべきと思うがどうか。

次に、住民本位のまちづくりについてです。

第一に、立石駅北口再開発と庁舎保留床についてです。

再開発組合の総工事費は、2025年2月・1280億円から同年8月に1307億円に増となりました。2022年12月は総工事費932億円でしたから、三年で1.4倍になったということです。

完成予定とされる2029年度までには、一体いくらになると予測しているのか、まず答弁を求めます。

庁舎保留床価格を352億円とし、今年10月に再開発組合は特定業務代行者との間で契約し、同時に再開発組合と葛飾区との間で、庁舎保留床にかかる費用を全額支払う「協定」を締結しました。

すでに、昨年、12月に総事業費は、1.4倍にもなっているというのに庁舎保留床価格はなぜ、推定でも公表することができないのか。

単純に総工事費並みに、1.4倍となれば493億円に跳ね上がります。ましてや、庁舎の東棟は、西棟のタワマンよりも、区役所部分の特注品が多く、価格への跳ね返りが高いとなれば、もっと跳ね上がる可能性が高いといわなければなりません。

さらに、異常な円安で物価高騰は続き、これにとどまるものではないことを直視する必要があるのではないでしょうか。

全く異なる数字が明らかになっている以上、区として、広報、ホームページできちんと報告する義務があると思うがどうか。

また、先の定例会で新しくできた「新庁舎整備・現庁舎跡地活用特別委員」で、なんの検証した資料もなく、「新館を含めた現総合庁舎はすべて解体することの優位性が高い」との庶務報告が行われました。

これまでも、選挙直後に候補地を立石駅北口に選び、議会に位置条例を提案するなどアクセルを吹かせてきました。そして今回は、なんの説明もなく、新館も含めて解体の優位性が高いのか。

いまでも、立石駅北口再開発の東棟に入る職員数が限られているのに現状の事務事業が拡大し、「本当に大丈夫なのか」という議論も行われています。

また、新館がなくし、新たな庁舎が必要になればその財源はどうなるのか、という声も聞かれます。

「新館を含めて解体することの優位性」とはいかなる根拠によるものなのか、答弁を求めます。

なお、「権利変換計画に異議あり」集団訴訟は、東京高裁で、2月19日に東京高裁で結審し、原告敗訴となりましたが、一審に続き権利変換計画の総会議決が財務会計行為であるという判断を維持しました、その点についての区の見解を求めるものです。

その後、原告団は、最高裁に上告を予定していることも申し添えておきます。

 

第二に、懸案の課題として、東新小岩運動場にスタジアム構想にも区民の不安が大きくなっています。

都市計画公園への都市計画決定は年度内に行われる予定ですが、都計審に提出された意見書は反対意見しかありませんでした。

スタジアム建設となれば、様々なリスクが伴います。巨額の建設費に加え、維持していくためのコスト、興行による会計バランスなど一歩間違えば、巨額の浪費となる可能性があるからです。

 今後の東新小岩運動場は、どう活用していくべきなのか、「スタジアムありき」ではなくゼロベースで「懇談会」等をたちあげるなどの検討を行うべきと思うがどうか。

この他、金町、新小岩、立石駅南口再開発、四ツ木・青戸駅間の連続立体事業、さらに、新金線構想など大型プロジェクトの連続によって、本来責任を負うべき学校を始めとする公共施設の維持が困難となるようなことは、絶対に避けなければなりません。 そのために区民の意見に真摯に耳を傾けて、勇気をもって軌道修正することを求めて、代表質問を終わります。

よかったらシェアしてね!
目次