2013年葛飾区議会第二回定例会を終えて 1、前定例会前から取り組んできた区議団独自の区民アンケートは1850通以上に達しました。今定例会では、このアンケートなど区民から寄せられた具体的な要求、介護や医療、くらしの問題など、切実な願いを実現するために論戦に挑みました。特に、青木克徳区政の4年間を総括し、区民の切実な声には冷たく、庁舎建て替えや駅前再開発の大型事業には大盤振る舞いという姿勢を厳しく追及しました。しかし、区長の姿勢は、区民の痛みに寄り添うものではなく、反省がないというのが最大の問題点です。 1、現「基本計画」の策定過程で、区自身が掲げた「病院の誘致」は、最終的には記述が見送られてしまいました。日本共産党区議団は、「病院誘致」を掲げるべきだと一貫して追及しましたが、他党は「基本計画」を認める立場から削除を容認してしまいました。慈恵医大青戸病院が、放射線がん治療から撤退することを明らかにして以来、区民とともに存続の運動を進めてきました。東京都が第二次医療圏の病床数の見直しを行い、葛飾区をふくむ23区東北部では、642床が不足しているとし、急きょ旧松上小学校跡地の10000㎡に300床の病院を誘致すると発表しました。この決断は、わが党がかねてから要求してきたことを実施するという方向に転換したものであり、歓迎すべきことといえます。この表明があった翌日にさっそく、区議団は和泉なおみ都政対策委員長とともに、都庁へ交渉に行き担当課長から「できることは何でもやる」との回答を引き出しました。しかし区の誘致の方針は、「超高齢化社会に対応、急性期から回復期のリハビリ」とあり、議会質疑の中でも、救急搬送や高度医療への対応についてはどうなるのかが明らかにされていません。今後の運動と論戦が重要になります。 1、区は学校トイレの改修予算を削り先送りにしてきましたが、今定例会の補正予算で、当初の計画の2倍の学校で計20校分の設計費等が計上されました。計画の先送りを厳しく批判してきたのは、党区議団だけでした。この措置は、関係者から歓迎されるものです。 1、各地で認可保育所に入所できなかった保護者が集団で不服審査請求を行い、各地の自治体が対応に追われています。葛飾区も例外ではありません。区長は、待機児が38名まで減ったと自慢しましたが、認可保育所に入所を希望して、入所できなかった子どもは320名であることがわかりました。38名というのは、認証保育所などに入所した子どもを除いた数字です。認可保育所を希望していながら入所できない方々の実態に合わせて増設計画をたてるべきです。ところが、区営施設をおしなべて民営化、児童館の廃止など事実上、区の子育て支援策を放棄するに等しい「子育て支援施設整備方針」の具体化を進めようとしています。この間、パブリックコメントで寄せられた批判的な意見、運動や議会論戦で追い込まれ、具体化が遅れ先送りとなりました。今後もたたかいを広げる必要があります。 1、区役所の建替えに反対する市民グループによる区長への陳情署名運動が始まりました。日本共産党区議団は今定例会でも、この区役所建替えには道理がなく、積立金も事実上、教育施設整備基金を削って積み立てられたもので認められないと、区の姿勢を質しました。区役所建て替えのためには教育施設も保育所も、また保健センターの建替えもやろうとしないのは、まったく逆さまです。 1、今定例会では、日本共産党区議団が提案した「憲法96条の改定に反対する意見書」が自民・公明・民主などの反対で葬られるという結果となりました。改憲の策動が強まる今、民主主義の土台である憲法の改悪を阻止するために、現在行われている政治戦でも来月の参院選でも前進を勝ち取る決意です。引き続き区民要求の実現のために奮闘する決意です。 2013年6月19日 日本共産党葛飾区議会議員団
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