●第1回定例会 日本共産党代表質問 2002.2 質問者 渡辺好枝 |
【目次】 1、子育て支援推進プランについて 2、学童保育クラブの増設と土曜日開所の問題 3、保田養護学校について 4、雇用確保について 5、再質問 【区側答弁】 1、子育て支援推進プランについて 私は、日本共産党区議会議員団を代表して、先に通告した順序に従い、区政一般質問を行います。 はじめに、子育て支援推進プランについて質問します。 青木区長は、昨年11月15日付の都政新報のインタビューで「『葛飾で子育てするとプラスがある』ということを感じてもらえるようにしたい」と、子育て支援に対する決意を述べ、先日は所信表明で、子育て支援策は、「区政の最重点課題」であると、力説されました。 私自身、どのような子育て支援策が打ち出されるのか、注目していました。しかし、出されてきた「子育て支援推進プラン」の施策の体系・重点施策や、その具体化である予算案での新規・拡大事業を見まして、率直に言いまして、期待外れという気持ちをもったのであります。“子育てなら葛飾が良い”という希望がどこからも見えてこないのであります。 「待機児ゼロ」を打ち出していますが、認証保育所の設置、家庭福祉員の増員など、緊急避難型の対応が中心で、保育園や学童保育クラブでの待機児の根本的解決策となっていません。「のびのび育つ環境づくり」についても、例えば、児童遊園などの砂場の動物の糞対策として、柵をつくるとしていますが、僅かに20数ケ所の砂場に限られ、また、公園の安全性と言う点で、具体的にどう改善を図っていくのか緊急の課題なのにその方向も見られません。 「子どもの居場所」の確保も大事になっていますが、具体化されているのは、学校週5日制に対応して、小学校高学年の児童のための「学校開放児童健全育成事業」であります。これは、学校を利用しての遊びやスポーツ、学習活動などを通じて、子どもの自主性、創造性などを育むというものですが、各地で同様の事業が、効率化の名のもとで学童保育クラブにとってかわるものにしようとする動きがあり、それが目的ならば重大であり、厳に慎まなければなりません。 しかし、本当に子どもたちの放課後を豊かにしようとするならば、完全5日制が4月から実施となるのに小学校49校の中で僅か3校のみなのでしょうか。しかも、“モデル事業”だというのです。加えて、この事業は、何故か三年生以下の低年齢の子どもは対象外であります。 その一方では、子どもの居場所としては本家本元の児童館や学童保育クラブの機能や条件整備の充実はまるで具体策が示さていないのであります。何故、このような魅力ない「子育て支援推進プラン」となっているのでしょうか。 第1は、子育て支援のための理念がシッカリ座っていないことです。 即ち、子ども施策の国際的指針となっている「子どもの権利条約」の理念や精神、そのための具体化がプランに盛り込まれていないからであります。 川崎市では先駆的に、2000年12月「川崎市子どもの権利に関する条例」を制定しました。この条例の最も注目すべき内容は「子どもの参加」をシッカリと規定するとともに、「ありのままの自分でいる権利」「自分で決める権利」など、子どもの主体性を重んじていることです。 本区でも、子育て支援推進プランのなかに、子どもの権利条約の理念をとり入れるとともに、具体的施策を推進すべきであります。そして、区独自の「子どもの権利条例」の制定をすべきです。如何でしょうか。 問題点の2つ目は、区民と子どもの参画や意見聴取などが極めて不十分だと言うことです。区が一方的にプランをつくり、区民に示す、これでは、生きた魅力あるプランにはなりません。 子育てプランづくりで大事なことは、子どもの意見表明権や子どもの参画を保障したものにすべきです。区民や子ども参加の仮称「計画策定懇談会」などを設置し、検討すべきです。 3つ目の問題は、子育て施策にまで、「効率性」とか、「費用対効果」等が持ち込まれ、また、民間活力の名のもとに、公的責任の放棄や受益者負担の強化が強調され、その結果、自己矛盾に落ち入り、施策に夢も希望も示せないものとなっていることです。 区長、子育についても費用対効果で進めるのですか、効率性第一で良い施策になりますか。 この考え方は子育て支援策には、馴染まないばかりか、むしろ有害であります。見解を伺います。 さて、子育てと仕事の両立で、何がいま緊急で、具体的施策の展開が必要でしょうか。 まず、保育所の待機ゼロにするために、認可保育所の増設や新設を行うことです。認証保育所の設置や家庭福祉員の増の対策は、あくまでも緊急避難型の待機児対策でしかありません。公私立をふくめた保育所の増設計画を数値目標も明確にすべきです。 合わせて、子育てにかかる経済的負担が問題になっていますが、”子育てなら葛飾”というなら、第2子、第3子の保育料は免除にするぐらいのことを打ち出すべきではないでしょうか。 2、学童保育クラブの増設と土曜日開所の問題 二つ目に、学童保育クラブの増設と土曜日開所の問題です。 入所希望は、毎年急上昇しており、新増設がおいついていません。 そのために、40名定員であったところに、60名もつめこむという劣悪な状態が恒常化した学童保育クラブが増え続けています。 圧倒的に学童保育クラブの数が不足しているからです。 この解決のためには民間まかせではなく、区自らが数値目標も作って公設公営の増設をすべきであります。 土曜保育の再開も急務です。さきほど述べました、小学校高学年向けの「学校開放児童健全育成事業」は、土曜日も実施すると言うのにどうして低学年の学童保育クラブの土曜保育は実施しないのですか。 4月からの学校5日制にともない、土曜保育の再開をすべきです。 第三に、中小零細企業のまちに、ふさわしい子育て支援策を打ち出すべきです。中小企業で働く女性の多くは、育児休暇の制度もありません。 区長は、去る1月30日、石原都知事に対して、「中小企業に育児・介護休暇制度等の導入が促進されるための支援策の充実」を要望したと伺っております。 東京都に求めると同時に、区としても中小企業で働く労働者への育児支援策を行うべきですが、いかがですか。 さて、子育ての環境づくりでは何が大事でしょうか。 まず、公園・児童遊園の改善で、砂場の柵設置は、全ての公園・児童遊園で直ちに整備すべきです。 また、公園などの安全対策も重要であります。 千葉大学の中村攻教授は、「子どもはどこで犯罪にあっているか」の著書の中で、中村教授によれば、「公園は都市化と無関係につくられる事が多く、死角になる部分がうまれ、そこで、犯罪が起きる」と指摘し、4割前後の子ども達が小学校の高学年になるまで、犯罪の危険に遭遇しているというのです。この調査は、葛飾区内も対象にされて行われ、本区の公園の21事例が分析されています。 たとえば、水元のある公園は、区画整理事業によって作られた公園ですが、清掃工場との境界にあるため、死角がうまれ、「9才の女の子が塾の帰りに見知らぬ男においかけられた」、「10才の男の子は見知らぬ中学生におどされてお金をとられた」とされています。 鉄道高架下のある公園では、集合住宅と公共施設にはさまれ、死角となり「10才の男の子が、ナイフをもった男に金を出せとおどされた」というのです。現実に多々このようなことが起きているのですから、子どもたちの声も取り上げ、子どもたちのアイデアを生かした、安全な公園づくりを真剣にすすめる必要があるのではないでしょうか。 二つ目は、小中学校での少人数学級の実現です。 この計画には、この少人数教育への取り組みの記述が皆無であります。 いまや少人数学級の実施は、全国的な大きな流れで、各地の政令市、山形県、長野県、埼玉県など毎年広がっています。 23区でも墨田区では二年前から、区独自の若手指導員を採用し、少人数教育に取り組んでいます。荒川区は、全国初の習熟度別学習を区立の全小中学校で実施することによる少人数教育をすすめます。足立区でも、同趣旨の、少人数教育の実施に取り組みます。 のびのび育つ環境づくりとして、少人数教育は重要な柱として位置付け、いまこそ、区独自の少人数学級実施のとりくみにふみきるべきです。 3つ目に、子どもの居場所づくりです。 4月からの学校5日制実施となりますが、それに合わせて、無料開放は博物館だけではなく、体育館、プール、ミニSLなど積極的に拡大すべきです。 また、図書館での中高生の居場所づくりとして、ヤングアダルトコーナー設置が考えられていますが、その事業の検討段階から中高生の意見をよく聞き、子ども参加で実施していくべきです。 また、この取り組みは、図書館等に限定するのではなく、学校図書館の充実にも取り組むべきと思うがどうか。 第三は、こどもの健康支援策についても力を入れていくべきです。 今年度、ようやく就学前の子どもの医療費が全額助成されるところまで制度が前進しました。しかし、全国的にみると、この制度をさらに前進させています。例えば、愛知県笠松町や熊本県坂本村では、中学生まで医療費の全額助成にふみきっています。子育て支援というなら、中学生まで視野にいれた取り組みを行う、そのために少しづつ支給年令を引き上げていくべきです。区長、東京一の乳幼児医療費助成制度とするために、支給年令の上限をさらに引き上げるべきと思いますが、いかがでしょうか。 子どもの健康を重視すべき時に、後で述べますが、病弱の子どもたちの健康回復と学習権を保障する保田養護学校の廃校の検討は、まさに、子育て支援に逆行したものであります。 子育て支援の最後の提案は、「楽しく住まい」「安心の住まい」づくりであります。 今回の区の体系・重点施策には目新しい施策がなく、魅力に欠けたものであります。バブルが崩壊し、地価の下落の中で、住宅費の負担が若干軽減されてきたと指摘する向きもありますが、しかし、依然として大都市東京での住宅費負担は重く、ましてや、収入のまだ低い、若者世代には大変であります。 台東区では以前、新婚家庭に対する家賃助成を行い、当時、マスコミにも大きくとりあげられましたが、その後、この制度をさらに発展的に充実させて、新たに「ファミリー世帯家賃助成制度」をつくっています。 この制度は、最高額2万円を助成するもので、子育て世代の流入を目的にしたものです。いま、約700世帯が、この家賃助成をうけ、毎年新たに150世帯ほどを募集しているとのことです。 魅力あるまちづくり、魅力ある計画策定のためにも、本区でも、子育て世代への支援策のひとつとして、家賃補助を実施すべきではないでしょうか。 以上の点についての答弁を求めます。 3、保田養護学校について 次に、保田養護学校について質問します。 昨年末の、行財政改革特別委員会に、行政評価制度で保田養護学校を廃止するという結果が出され、父母や関係者からは「廃止はしないで」という声があがっています。 私は、この評価結果を保田養護学校の先生たちはどのようにとらえているのか、直接話しを伺ってみたい、また、子どもたちの学校での生活を見てみたいと思いまして1月8日に、党区議団の文教委員の皆さんと保田養護学校を視察してきました。 三学期の始業式の時でしたが、子どもたちは、寒風のなか、元気いっぱいに先生たちとサッカーをしていました。 私は、自然豊かな環境と仲間との生活の中で一人ひとりの子どもたちが、自信をつけ一つ一つ成長しているこの貴重な場をつぶしてはいけない、何としても残してやりたいと改めて痛感しました。 2月22日の文教委員会での「保田養護学校あり方検討委員会」報告では、「養護学校の必要性はなくなっている」というのと「存続させるべき」と、両論併記となっていますが、「将来にわたり、養護学校を維持していくことの必要性は少なくなってきている」との方向であります。 この「検討委員会」で問題なのは、「養護学校での教育のあり方」や、「虚弱児、肥満児、喘息児に対する教育とはどうあるべきか」という側面が十分検討がされてないことです。「廃止先にありき」の議論で、廃止するための理由さがしをしているのが特徴です。 さらに重大なことは、「検討委員会」のメンバーは、保田養護学校の関係者は校長一人だけとなっており、父母や教職員、子どもの参加が全く保障されていないことです。 憲法26条には「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」とし、教育基本法では「あらゆる機会に、あらゆる場所において実現されなければならない」とし、また「子どもの権利条約」においても「すべての児童に対し、教育および職業に関する情報及び指導が利用可能であり、かつ、これらを利用する機会が与えられるものとする」と明記されています。 障害者教育、病弱児教育においても基本的にはこの理念を積極的にいかさなければならないと考えます。 そもそも病虚弱児教育というのは、夏期休暇などを利用して一定期間林間、海浜、高原など自然環境豊かな場所に転地するもので休暇聚落とも呼ばれています。 1952年に住吉小学校保田教室として保田養護学園が開設されました。この学園が保田養護学校の前身であります。 この学園が1965年に保田養護学校へと発展していくわけですが、なぜ「学園」から「学校」になったのか、ここが重要です。 1979年から実施された養護学校の義務制は、これまで教育の対象とされなかった障害の重い子どもたちもすべて主権者として教育を受ける権利を有し、親および国、地方自治体は、その保障義務と養護学校の設置義務を負うものとなりました。 「学園」から「学校」への昇格は、先程紹介した憲法26条の「すべて国民は、ひとしく教育を受ける」権利の規定を完全に実現させるという日本の民主教育の夜明けとも言えるものです。 こうした憲法、教育基本法、子どもの権利条約に照らしても、また全員就学という面からも保田養護学校を廃止に導く論議は成り立ちません。 保田養護学校に入校し、健康を取り戻し、学習意欲を増す子どもたちはたくさんいます。ここでは2人の例を紹介します。1998年1月に入校した喘息児童の例ですが、一人は、3歳ごろ喘息を発症し、5年生までの間に発作のために16回も入退院をくり返していましたが、入校の1月は発作9回、2月は7回、その後4月に1回、5月以降は発作はなくなり、発作止めの薬は飲まず、予防薬だけになりました。 発作が出なくなるにつれて、表情がとても明るくなり、笑顔も増えてきたそうです。 この児童は「発作が出なくなって一番うれしかったことは、友だちと鬼ごっこや追いかけっこをしても苦しくならないから、友だちがとても増えたことです。」と言っていたそうです。 もう一人は、身長145.1p、体重61.2s、GPT128と高く脂肪肝と診断された児童です。不登校傾向もあって外で遊ぶ事はあまり経験がなかったようですが、入校して自分の病気の事を理解したために外遊びにも積極的に加わりました。 その結果、わずか三ヶ月で体重が7s減り、GPTが31と正常値になり、脂肪肝は完治しました。保田に1年間いたことによって体重は13sも減らすことができただけでなく、色々な事への頑張りが認められるようになったことで、精神的にも落ち着きを取り戻すことができたそうです。 まさに健康回復が人間回復、何よりも「自分に自信がもてた」「友だちが増えた」こういう子どもたちの声がでることこそ真の教育といえるものであります。 案内パンフレットにもあるように「児童ひとりひとりがめぐまれた自然環境の中で自分に適した指導を受け、規則正しい生活を送ることによって、健康の回復をはかりながら勉強すること」とし、「区内の小学校と同じ学習をし、全寮制の規則正しい生活を経験するなかで、みずから進んで学習し、健康回復につとめる意欲をもつ子どもたちを育てる事を目指している」という目的を持っています。こうした伝統、すぐれた教育実践例をもつ保田養護学校だからこそ、自信をもって存続すべきではありませんか。 「あり方検討委員会」ではこうした保田養護学校の今後のあり方について検討するのではなく「廃止先にありき」で、結論を急いでいることに、区政にたずさわる者として、なさけなく思うのです。 「検討委員会」は廃止の理由に次の4つをあげています。1つは、在籍児童が減少している、2つは、症状が軽くなっている、3つは、費用対効果で非効率であること、4つに教育効果の問題です。 しかし、どの理由も保田養護学校の廃止にはつながらない理由ばかりです。そこでいくつかの質問をします。 1つは在籍児童数の問題ですが、確かに開校当初からの児童数を見ると減少しています。むしろ、児童数が減少していることについて何故なのか。 平成12年度の調査では、肥満と診断された3年生から6年生までの児童は782人、喘息と診断された児童は360人、虚弱と診断された児童は5人という調査結果がでています。この数字は、保田養護学校の必要性を潜在的に示しています。 この点で、教育委員会は、養護学校に対する偏見・誤解を払拭する啓蒙活動を十分行ってきたのでしょうか。保護者や教師に保田養護学校の教育実践例を正しく浸透させることが、教育委員会の大きな仕事だと思うのであります。また、養護学校や健康学園を設置していない他区からの受け入れや中学生も対象にした学校にするなど、児 童数を増やす努力をすべきではないでしょうか。 喘息、肥満というのは単なる個人差という非科学的な認識で解決できるものではありません。なぜなら、そうした場合、その原因を親や家庭の問題に狭くしたり、あるいはあきらめにもつながっていき、教育の手立てが講じられないからであります。 喘息や肥満の原因は、大人社会に対する不満、つめこみ・管理教育などによるイライラやストレス、自然環境の破壊、長時間・過密労働によって家族が一緒に過ごす時間も奪われるなど、こうした社会状況にこそ、その最大の原因があります。 次に、症状が軽くなっているため保田養護学校ではなく自宅療養ができるのではないかという問題であります。確かに医療の進歩により改善・回復がみられることは喜ばしいことだと思います。しかし喘息、肥満などの慢性疾患というのは、家庭環境や習慣を大きくかえないと改善しにくいものです。ですから冒頭紹介したように病虚弱児教育というのは、休暇聚落とも呼ばれ自然環境豊かな転地で療養することが望ましいのです。 完治しなければ入院あるいは通院をくり返すことになり、その間学校へいけなくなるという状態になります。しかし、保田養護学校では自然環境豊かな場所で治療をしながら区内小学校と同じ教育を受けることができます。 区は、費用対効果をさかんに強調していますが、バツグンの健康回復という教育効果をどうして見ようとしないのでしょうか。 喘息や肥満など軽症であっても完治させ、健康を回復し、自分に自信をもたせることが真の教育だと思いますが、教育長はどのようにお考えでしょうか。肥満克服に欠かせないのは、規則正しい生活と運動です。これも保田養護学校ならではの寄宿舎生活があります。朝6時30分に起床し、乾布まさつ、学校での授業、朝食・昼食・おやつ・夕食以外は間食はありません。夜9時には就寝です。 保田養護学校のある関係者は、「肥満の児童が富士山の裾野を降りるように体重が減っていくのがわかります」と、語っています。 投薬による対策ではなく、規則正しい生活習慣を通じて改善をしていく保田養護学校の寄宿舎生活の意義をどのように考えているのか。明確な答弁を求めます。 そもそも障害児または病弱児に対する教育というのは、医学や機能訓練、保育など他の領域の成果や実践に深く学ぶ必要があり、大変な人的エネルギーが必要なのです。 たとえば、喘息の子どもには、喘息という呼吸器障害の病理の学習をしたり、喘息がおきないように体力をつけたり、予防策を体得できるような訓練をしたり、ストレスに打ち勝てるように心のケアーをしたりなどです。 さらに、建物や設備などの物的エネルギーも必要です。人も物も建物も障害児、病弱児の立場にたった工夫がなされ、十分に生かされる事が必要です。したがって普通学校と養護学校を費用の面で比較する事自体に無理があります。保田養護学校の職員も「教育をお金でしか見る事ができないというのは、本当にかなしいですね」と、語っています。 その通りだと思います。 保田養護学校の近くにはきれいな海が広がっています。夏休みの期間は、区内小学校の臨海学校として有効活用すべきではないでしょうか。 かつて、保田養護学校を活用して臨海学校を実施してきたではありませんか。施設面で充実を行い、施設の有効利用こそ推進すべきです。 すべての子どもたちに教育を保障するために何が大事なのかを真剣に考え、「廃止先にありき」でなく、父母や教師、子どもの参加のもと、存続のために何が必要なのか時間をかけて検討することを強く要求するものです。 4、雇用確保について 最後に、雇用確保についてであります。 いま未曾有の不況と小泉内閣による「構造改革」によって、大量失業・大量倒産など、住民のくらしと営業はかつてなく深刻な事態となっています。 大手書店に勤めていた50代の男性は、「誇りをもって働いてきましたが、昨年末、倒産してしまいました。六割の失業保険での生活を余儀無くされていますが、この先どうなるのか全く先が見えなく不安でいっぱいです」と、いま必死に再就職先をさがしています。また、区内の工場で働いてるYさんは、「昨年11月に賃金二割カットされ、さらに、今年からあと半分にすると会社が言って来ています。それがいやならやめろ」と言われていると言うのです。まさに、去るも地獄、残るも地獄という実態であります。 すでに完全失業率は5・6%にまで悪化しています。 しかし、国民の雇用不安をよそに、際限のない大企業のリストラ計画が目白押しです。 報道されたリストラ計画だけでも、NTT11万人、富士通2万2千人、松下電器1万人以上、東芝8千人、日商岩井5千人など、一月末までの大企業の人減らし計画は197社、約55万人の削減計画であります。こうした働く人々を粗末にする社会が野放しに されて良いのでしょうか。 私は、国民一人ひとりが大切にされ、安心して明日のくらしに希望がもてる社会のルールをつくることが、強くもとめられていると考えます。 いま急ぐべきことは、雇用や地域経済を守るために、工場閉鎖やリストラを規制する立法措置、サービス残業を根絶し、労働時間の短縮、雇用の創出などの、法的整備です。そして、大量の失業者に対して、臨時・応急の公的な就労の場を保障するとともに、改悪された雇用保険を元に戻し、充実を図ることなど、国に求める必要があり ます。 区長の所見を伺います。 いま、区政でも、雇用確保のために何ができるのか真剣な探究と、あらゆる手立てが必要であります。 区の統計書を見ますと、産業大分類別事業所数は、’91年度から’96年度で1、426もの事業所が減少しています。 区内では、三菱製紙や日本板紙などの大手の工場閉鎖をはじめ、石毛染工など、中小町工場の閉鎖が相次いでおります。本区の雇用状況もかつてない危機に直面しております。 いま、全国の地方自治体では、地域に新しい雇用を生み出そうという実践例が始っています。鳥取県では、団塊の世代が今後退職を迎える中で、今から、その補充に必要となる職員を先行採用しようと言うのです。本区も、参考にして良いのではないでしょうか。 答弁を求めます。 また、H13度から16年度末まで「緊急地域雇用創出特別交付金事業」を積極的に活用して、計画的に雇用の創出を行なうべきで、事業に係る補助額は4年間で4億1千500万円です。これまで、この事業は、委託が原則で、自治体が直接おこなえる事業は学校教育分野などにかぎられていました。 そのため、13年度は、ごみ白書作成、不法投棄対策夜間パトロール、防災街路地整備図面作成など、民間企業への委託事業が多く、地元の高齢者、失業者に雇用・就労 の場の確保として、十分な活用がされてこなかったのが現状です。しかし、今度の新しい緊急地域雇用創出特別交付金事業は、新規雇用する労働者の雇用・就業期間は、6ヶ月未満としている問題点がありますが、事業計画全体としての要件等は、「事業費に占める割合を概ね8割以上人件費に回すこと」「事業に従事する全労働者数に占める割合を概ね4分の3以上、失業者に仕事が回るようにすること」を明示したことや、併せて、区自らの財源により、事業の上積みに努めることや、担当窓口を明確にして、対応するものとしています。 ところが、14年度の事業案では、全部委託事業だけで、ひとつも区の 直接実施事業がありません。これでは、緊急雇用 創出には十分対応できないではありませんか。 新たに追加された事業実施の条件等を生かして、区の直接実施事業を増やし、従来の枠にとらわれず新規雇用の拡大、併せて、事業の上積みを行い、教員補助者による児童・生徒への教科指導、文化芸術活動、自然活動等の教育活動の充実や、地域の保育士、教職経験者、子育て経験者等の活用による保育所のおける児童の子育て支援サービスや幼稚園における園児の預かり保育の提供を図る事業などに、広げるべきと思うのであります。 答弁を求めます。 さて、区としての雇用対策が求められているときに、今定例議会には、授産場・共同作業所の廃止条例が示されております。 就労が厳しいときに、区が授産場を廃止するということは大問題であります。元来の授産場の設置目的は、@老人及び低所得階層に属する者にその能力に適した技能を授け、設備を提供して仕事を与えることにより、その生活の安定及び福祉の向上を図るためA景気の低迷により低所得者が増えており、そうした区民がすこしでも早く自立した生活を営めるようにするために設置されたものです。この目的が達成したというのでしょうか。ますます重要になっているではありませんか。 区は、第二次の経営改革宣言で、「自らの生き方や暮らし方は、一人ひとりが、自らの責任でそれを実現していく」ことを強調して、自助・自立を叫んでいます。区長、自らの努力では自立できないから、授産場で高齢者も低所得者の方も、その能力に適した技術を授け、仕事をする中で生活の安定などを図ろうとしているではありませんか。その区の支えをとりはずしたら、高齢者たちはどうなるでしょうか。まさに、命綱を区が切るようなものです。高齢者にとって、授産場で働くことは、生活のリズムがつくられ、生きる喜びであり、励ましとなっています。そして、高齢者にとっての健康増進にもつながったわけです。 しかも、これら授産場・共同作業所の移管先は、シルバー人材センターであり、全く目的の異なる事業を統合するのは無理があります。 授産場・共同作業所の廃止は撤回すべきです。これまで以上に、仕事確保の努力を行い、高齢者が安心して働き続けられるようにすべきであります。答弁を求めるものであります。 以上で、私の質問は終わりますが、答弁いかんによっては、再答弁をさせていただきます。 5、再質問 二点につて再質問させていただきます。 一つは、子育て支援についてです。 区長は、子育てするなら、「葛飾が一番といわれるように」と、子育て支援を目玉にしています。 しかし、子育てと仕事を両立させるには、文字どおり「待機ゼロ」にすることは言うまでもありませんが、子育てに、整合性、公平性、費用対効果等の観点で、保育所をつくらず、民間まかせでは、待機児は解消できないのではないでうか。 待機児ゼロのカギは、認可保育所を増設すべきではないですか。答弁を求めます。 二つは、授産所・共同作業所を廃止して、シルバー人材センターに移管する問題です。 区の実施計画では、景気の低迷などにより、生活に困窮する低所得者が増大し、そうした区民が少しでも早く自立した生活を営めるように、各種の援助施策を実施します。と方向づけています。その施設が、共同作業所の運営、就労の機会として授産所があるわけです。シルバー人材センターというのは、働く意欲のある高齢者に活動の場を提供し、生きがいづくりに結びつけるもので、根本的に性格が違うものです。 違う性格を一緒にすることはもんだいであり、共同作業所の本来の目的をなくしてしまうことになります。 答弁を求めます。 |
渡辺好枝議員に対する区側答弁 |
【区長】 渡辺議員の雇用確保についての御質問にお答えいたします。 本議会の冒頭の所信表明において申し上げましたけれども、最近バブルの崩壊によって世界の経済が大きく減速して依然として不透明な状況が続いております。我が国の経済も不況はさらに深刻化をしてまいるなど大手企業の経営破綻が相次ぎ完全失業率は5.6%にも達して、雇用環境は一段と厳しさを増しているところでございます。このため、国におきまして昨年発表いたしました今後の経済財政運営、及び経済社会の構造改革に関する基本方針に基づいて改革先行プログラムを取りまとめ雇用対策として職業訓練つきの失業給付延長制度などを抜本的に拡充をするなど様々な対策を打ち出しております。その成果は日々期待されるところでございます。このように雇用の確保というのは、まさに、国の経済で左右される国政上の問題であり、国家的規模で解決していかなければならない問題でないかと考えております。区として、これら国の施策とあいまって取るべき対策として、やはり第一義的には区内の中小企業の経営の支援策であると考えます。たとえば、先程おこなった二次に渡る特別不況対策融資によって資金繰りを応援すること。あるいはまた、異業種の交流会の開催や常設展示場、見本市展示場に対する支援などによって販路拡大を支援等をおこなうことが、ひいては区民の雇用を確保することに繋がるものと考えているわけでございます。鳥取県の対応とうとうを新聞でも承知しております。それは、その県としてのアイデアでございましょうが本区としては申し上げましたような方法をとていることを考えているわけでございます。その他、御提案のありました国への要望等につきましては今後の改革先行プログラムの効果など雇用情勢を見極めながら対処をしてまいりたいと考えております。 なお、その他の御質問については所管の担当部長から答弁をいたさせます。 【児童部長】 先づ、はじめに子育て支援推進プランの策定についての御質問にお答えいたします。 今回の計画は少子化の急速な進展によってもたらされる社会の活力低下が危惧されるなか、少子化への歯止めとなることをめざした「子育て支援策」にできる限り早急に対応していくことを念頭において、重要かつ緊急的な過大などを整理し、区議会の「子育て支援特別委員会」のご意見もふまえながら、その骨子をお示ししたところでございます。これにより、他にさきがけた取り組みに、ただちに着手できるものと強く自負しております。今後、プランの実施に当たりましては、区民の参加が必要であることを計画の中の重要な視点として位置付けておりますので、個別の事業を展開していく中で、住民参加を促進していくことに努めたいと考えております。 次に「子育て支援推進プラン」の中の費用対効果等の観点からの見直しの視点についてお答えいたします。子育て支援策の充実は、区の最重要課題のひとつであり、緊急かつ重点的に取り組んでいかなければならない施策も多いことは異論のないところであると思います。しかしながら、ご案内のとおり、区の財政状況は非常に厳しく、財源が無尽蔵にあるわけではございません。新たな取り組みや事業の拡大には、それにともなう財源の確保が必要になることは当然のことであり、そのためのあらゆる視点から創意工夫がなされなければなりません。せっかくの計画を絵に書いた餅にしないためにも、事業の見直しをし、真に必要な施策に財源を振り向けていくことが求められると考えます。 今後、計画の実現に伴い、子育て支援のためのメニュー充実や拡大が進むことになりますが、見直しの結果による利用者の負担等につきましては、サービスにみあった応分の負担を原則とし、いたずらに子育て世帯への負担増加には、けっしてなるものではございません。 また、民間活力の導入につきましては、多様なサービスを供給するという視点から国や都において規制緩和が進んでおり、その流れをふまえた展開が必要であると認識しております。民間事業者の参入は競争原理によるサービスの向上や費用の縮減も期待できるので、区民にとりましても、歓迎されるべきことであるものと考えております。その場合、サービスの質を確保するために、区が事業者に対するチェック体制を整え、また、第三者評価システムを構築していくなど、十分に責任を果たしていく体制をはかっていく所存でございます。したがいまして、民間活力の導入が公的責任の放棄に繋がるとは考えておりません。 子どもの権利条例の制定についての御質問にお答えいたします。児童の権利に関する条約、いわゆる子どもの権利条約は、世界的な視点から児童の人権尊重の促進をめざしたものでございます。区といたしましても基本的人権の尊重を基調とした行政をすすめておりますので、各分野におきまして子どもの人権には十分配慮しているところでございます。 特に、子どもの生活にかかわりが深く、人権教育のはじまりの場である保育園におきましては子どもの人権に充分留意し、たがいに尊重する心を育てる、という保育指針に基づき保育の実施につとめているところでございます。 また、教育委員会におきましては、区独自の教育目標の基本方針の第1の柱に「人権尊重の精神の育成」をかかげ、人権尊重教育を推進しているところでございます。 今後とも、児童の権利に関する条約を遵守し、子どもの人権を視野にいれて行政を進めていきたいと考えておりますので、現時点では子どもの権利条例を制定する考えはございません。 子育てと仕事の両立についてのご質問にお答えします。 子育てと仕事を両立させるための基本的かつ重要な課題として保育園入所待機児の解消、すなわち「待機児ゼロ」の実現があげられます。 今後こうした待機児の解消を図っていくためには葛飾区の待機児発生の最大要因である地域的ミスマッチへのきめ細かな対応が達成のカギであると考えています。したがいまして今後の取り組み手法といたしましては、地域ごとの待機児の発生状況を充分に把握するなか、分園制度や認証保育所制度の活用、私立保育園の設置支援、家庭福祉員の増員、複数化などあらゆる保育資源を適切に活用していくことが大切であると考えております。本区は近隣区にくらべても待機児がかなり少ないことからも、公私立認可園の増設を基本として待機児の解消をはかることは非効率的であるとともに、財政面からも非現実的であると考えます。 次に保育料についてでありますが、本区の保育料は国基準の4割相当と全国的に見てかなり利用しやすく負担も少ないものとなっております。第2子、第3子の保育料減免についてもこの負担の少ない保育料を基準として、さらに3?5割の減額となっておりますことから。第2子、第3子の保育料免除を実施する考えはございません。 次に公設公営の学童保育クラブの増設計画についてでありますが御承知のとおり学童保育クラブにたいする需要は、地域的短期的な変動がおおきく計画的な対応が困難であることや、一時的な需要に対して直ちに施設整備を行うことは費用対効果の面から好ましいことでないと考えております。 したがいまして、今後とも需要の増減を見極めつつ真に必要性の高い地域には、私立学童保育クラブの活用をふくめ多様な運営主体により対応していきたいと考えております。 また、土曜保育再開については、過去における土曜日の利用状況や、現在、 土曜保育を実施している私立学童保育クラブの土曜日の利用状況の低さから引き続き児童館の活用により対応して参りたいと考えております。 次に育児休業等を定着させるための区独自の施策についてお答えいたします。 前回の議会におきましてもお答えいたしましたように、厚生労働省の外郭団体である21世紀職業財団におきまして、企業にたいする支援として育児休業取得の促進を目的とした代替職員確保に要する費用の助成や、育児・介護休業を取得した従業員が職場復帰するための講習への助成などを実施しております。そのほか、事業所内の託児施設の設置や運営にも補助をおこなっております。 今後とも、それらの施策が充分に活用さえるように、周知をはかりたいと考えております。又区といたしましては、去る1月30日、東京都にあてて中小企業に育児・介護休暇制度等の導入が促進されるための支援策を充実してほしい旨の要望をおこなったところでございます。 最後に乳幼児医療費助成制度の支給年齢の上限引き上げについてお答えいたします。 乳幼児医療費助成制度につきましては、制度の創設以降、これまでも、都制度に加え区独自の制度を設け、所得制限を撤廃し、全額助成の対象年齢を徐々に引き上げるなど充実をはかってまいりました。 昨年10月からは、厳しい財政事情にかかわらず全額助成の対象年齢を就学前までに引き上げ、いっそうの拡充につとめてきたところですので、これ以上支給年齢を引き上げることは考えておりません。以上でございます。 【生涯学習部長】 区施設の無料開放を拡大すべきとのご質問にお答えいたします。 本区の体育施設におきましては、の開放におきましては児童生徒が利用する少年野球場や球技場は無料となっております。又、プールや体育館の小、中学生の利用については低額な料金に設定しております。 ミニSLにつきましては、これまでも就学前の児童については無料としておりましたが平成14年4月からは心身障害児やその介護者にたいしましても無料とするなどの拡大策をこうじたところでございます。したがいましてご質問にあります体育館等の施設で新たに小中学生の利用を無料にする考えは現在のところございません。 なお、郷土と天文の博物館は小中学生の学習施設としての位置付けがございますので、無料開放を拡大することとしたものでございます。 つぎに、中高生の居場所づくりとしてのヤングアダルトコーナー設置についての質問にお答えします。 図書館におけるヤングアダルトコーナーは児童にも成人にも位置付けのむずかしい10代利用者への図書館サービスとして、各図書館に設置されているものでございます。このコーナーにおける図書の選定にあたりましては、現在10代の利用者のリクエストなどを参考としておりますが、今後はアンケート調査なども実施し、さらに多くの利用者からのご意見を伺うなど内容の充実をはかってまいりたいと考えております。 また、中学校の学校図書館におきましては、現在生徒たちから希望図書のリクエストをアンケート用紙などで聞くことが多くの学校で実施されており、引き続き生徒達が読書に親しむ機会として大切にして参りたいと考えております。 以上でございます。 【建設部長】 まず、砂場柵の実施を短期間にすべての公園、児童遊園に設置すべきとのご質問にお答えいたします。 区内の公園、児童遊園の砂場については犬、猫の糞等により子ども達が安全に利用できないなどの意見を頂戴し、これまで28ケ所に砂場柵を設置してまいりました。 平成14年度には砂場柵を保育園、児童館等子どもが多く集まる施設の近隣にある公園等を優先的に20箇所程度設置することにしております。今後ひきつづき設置をに努めてまいりたいと考えております。 次に、子ども達の意見を取り入れた公園の安全を高めるべきとのご質問についてお答えいたします。 公園は区民に憩いと潤いをもたらす施設として、多くの樹木を植栽しており、この樹木により子ども達が近隣や通行する方から見えなくなる部分が存在することもあります。これらの問題に対応するため、すでに、新設公園では、中木の植栽を極力さけ、既設の公園等は中高木の下枝の伐採や大規模な剪定を行うなど、見通しのよい公園づくりをすすめるなど安全性を高めてきたところです。今後も同様の対策を講じてまいります。また、こうした点につきましては、子ども達の視点に立ち、利用者の意見を取り入れるなどして安全性の高い公園づくりを目指して参りたいと考えております。 【学校教育部長】 少人数学級についてお答えいたします。 30人学級など学級の人数を少人数にすることについては、義務教育標準法の改正にともない、学級編成基準の弾力的運用が可能となりましたが、弾力的な運用をおこなったとしても教員給与は都道府県の負担とされており、国からあらたな財源措置はございません。また、区独自の教員採用につきましても財政上の問題に加え、任用上および身分上の法的位置付けの問題等があり、そのような理由から現時点では、独自の少人数学級はむづかしいと考えております。 一方、学習集団を少人数にしておこなう、少人数授業については、習熟度に応じた指導など「個に応じた指導」の充実が図られるため、大変大きな意義があると考えております。現在、本区では少人数指導の教員配置を、小学校4校、中学校2校で行っており、来年度は新たに小学校7校、中学校6校の13校が認められ、合計で19校になる予定であります。お話にありました、区独自の少人数授業の実施のための教員配置につきましては現段階では考えておりませんが、今後とも東京都に対し、教員の加配を要望してまいりたいと考えております。 次に、保田養護学校に関するご質問にお答えいたします。 はじめに、保田養護学校のPRに関わるご質問ですが、保田養護学校では、年二回の体験学習を実施し、その都度、「広報かつしか」や「かつしかの教育」で募集案内を掲載するとともに、2年生から6年生までの全児童に案内ちらしを配付して学校紹介をおこなってきたところであります。また、紹介ビデオを作成しており、学校や保護者に貸し出し、教育実践を見ることができるようにしております。 次に、他区からの受け入れや中学生の受け入れについてでございますが、他区からの申し入れがあれば受け入れの対象にはなりますが、本区の方から他区にPRすることは、区立学校としては適切でないと思われます。また、中学生の受け入れについては、新たな学校設立と同様の手続きが必要であり、?教育委員会への協議が必要となりますが、東京都の病弱養護学校では、中学生の対象者が減少したため、中学部を統合すると聞いており、本区において、その必要性があるか疑問があります。 次に、費用対効果でございますが、教育といえどもこれを全く度外視することは適切ではないと考えております。 子どもの健康を守ることは当然のことながら重要なことであり、そのため、葛飾区では、肥満に代表される小児生活習慣病にたいし葛飾区方式といわれる主治医、医師会、学校、保護者が連携して、その予防や治療にあたる検診するなど、学校保険の充実に努めているところであります。 次に、保田養護学校の寄宿生活の意義については、規則正しい生活を厳格におこない、心身のリズムをとりもどすといった大きな効果があることは事実でございます。しかしながら、本来、規則正しい生活や自己管理は、家庭教育の中でもつくらなければならないものであり、また、通常の学校生活の中でも、集団の決りを身につかせ、社会性を養っていくことが重要なことだと考えております。 次に、施設の臨海学校としての活用でございますが、現状での活用には、利用形態や期間など制約が多く困難であると考えております。 最後になりますが保田養護学校あ、在籍児童が減少し続け、ここ数年20?30人の在籍数で定員を大幅に下回る状況となっております。このため教育委員会事務局や学校長で構成する検討委員会を設置し、必要性や需要などを含め、そのあり方について検討を加え、先の文教委員会にご報告したところであります。 今後、議会のご意見を伺い、その方向性を決めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 【都市計画部長】 子育て世代の支援策のひとつとして家賃補助を実施すべきとのご質問にお答えいたします。 現在、本区におきましては、ファミリー世代の二世代、三世代住宅の取得や工場、商店等を併設した住宅の建て替え、?改築に際し資金助成等の制度を実施するなど、住宅確保等の対応策に努めており、このような取り組みが、子育て世代への支援策の一つとして活用されるものと考えております。 今後さらに生活利便性に富む駅周辺のエリアなどを「ゆとり居住推進地区」として位置づけ、子育て世帯にも考慮したバリアフリー化や都心共同住宅制度を活用するなど、優良住宅の供給を誘導したり、一定規模以上の共同住宅の建設において、二世代、三世代住宅に適した面積の住宅を確保できるよう指導要項の見直しを行うなどの支援策を検討し、良質な住宅の確保や住環境の改善をはかってまいりたいと考えております。したがいまして、家賃補助を実施する考えはございません。以上です。 【政策経営部長】 次に「緊急地域雇用創出特別補助事業」についてのご質問にお答えいたします。 この事業は、現下のきわめてきびしい雇用情勢をふまえ、すでに実施されている「緊急地域雇用創出特別交付金事業」に引き続いて、臨時応急の措置として、国において平成13年度から平成16年度まで緊急かつ臨時的な雇用,就業機会の創出を図ることを目的に実施されるものでございます。 現在、本区におきましては、本事業の趣旨を最大限活かすべく雇用,就業機会のより効果の高い事業を庁内で検討を進めておりますが、いまだ東京都からは交付要綱等詳細が正式に示されてはおりません。しかしながら、非公式に人口割合などを根拠とした4億1千5百万円の補助金を交付する旨の連絡がございましたので、さらに検討を進め、12事業を東京都に示し準備を進めているところでございます。 事業例といたしましては、違法駐車防止等巡回指導事業や子育て支援相談充実事業とう、鋭意協議をいたしており、平成13年度につきましても、昨今の雇用情勢にかんがみ、?の承認のもとに事業の前倒し実施に積極的に取り組み、今般、補正予算を御提案いたしております。 なお、区の直接実施事業につきましては、本事業が民間への委託実施を基本とし、特定の分野に限られた事業や事業の特殊性により、区が直接失業者などを雇用し、または、就業させて自ら行うのでなければ実施が困難な事業に限られております。このため、事業の上積みとともに、今後、事業の実施状況や内容を見極めてまいりたいと考えております。以上でございます。 【保健福祉部長】 授産所および共同作業所についてお答えいたします。 授産所および共同作業所につきましては、これまでのように限られた高齢者が保護的な形態のなかで就労するものから、よりおおくの高齢者が就労の機会を得ることができるよう施設を廃止し、転用を図るものでございます。 今後は、シルバー人材センターの作業場として移行することで広く高齢者の仕事確保や就労支援の充実が図られるものと考えております。 以上でございます。 |