2026年第二回定例会一般質問(質問者:片岡ちとせ)

ナフサショックに対応した物価高騰対策について質問します。

まずは事業者支援です。

今年2月に始まったアメリカとイスラエルによるイラン攻撃は、多数のイランの小学生を犠牲にしました。ここで使われたトマホーク巡航ミサイルは横須賀米軍基地から出港したものと報道されています。イランの体制転覆を目的とした先制攻撃は明らかに国連憲章・国際法違反であり全く正当性がありません。この両国が中東地域をターゲットとして行う侵略行為に、平和国家日本は強く抗議し、即時停止を求めるべきです。

しかし政府はアメリカ大統領に何も言わず、愛想笑いまでして付き従う仕草が、世界諸国の平和を願う国民を失望させています。さらに必要な石油調達のための外交は遅れに遅れ、国内の石油原料不足の実態から目をそらした態度により、特に製造・建築分野や医療・介護の現場が深刻な影響を受けています。

高市総理は「ナフサは国内に必要量あり、流通に目詰まりが起きている」と言いましたが、大手企業などでは石油原料が入ってこないことで商品の仕様を変更して凌いでいます。ここで我が党区議団が区内の商業・建築業関連の団体から聞き取った、事業者の深刻な状況の一部を紹介します。

・クリーニング店では、ボイラーの燃料費、石油系洗濯溶剤、ハンガー、衣類にかけるビニール袋の値上がりで、在庫を使い終えた後が予測できない。

・自動車修理では、シンナーが無く、板金した後に塗装のカラー調合ができないため、仕事が取れない。

・電気工事店では、塩ビ管が欠乏しているためにエアコン取り付けの仕事が受けられない。

・建築塗装業では、シンナー類や養生資材が入ってこない。職人十人を抱えているが仕事がなく給料が出せない。

など、物資不足に苦しむ現実に重ねて、資材についても断熱材をはじめ・塩ビ管・ボンド・シーリング材・シンナーや溶剤塗料など30%から100%以上の急激な値上げで資金的問題にも瀕しています。現場があっても、先の見えない資材不足と値上げの影響で、『見積もりができず、仕事が受けられない』という回答が多数ありました。今般のナフサ不足は、1973年のオイルショックを超える災害級の深刻な事態だと、事業者からはコロナ禍以上に公的支援を求める声が上がっています。

区が過去4回行ってきた物価高騰対策支援金事業ですが、2024年度の実績をもとに、仮に支援金額を個人事業主20万円、法人50万円に引き上げた場合で試算すると、給付額はおよそ49億7000万円となります。昨年度末の財政調整基金残高は212億9940万円ですから、十分に拠出可能です。

4月、党区議団はナフサショックを受け緊急支援を要望しました。今こそ役所と区議会が一丸となって営業支援に取り組む時です。そこで質問します。

  • 区内事業者に対し、ナフサショックの影響の実態調査を行い、公表すべきと思うがどうか。
  • コロナ禍において実施された支援制度、雇用調整助成金や持続化給付金制度と同様な営業支援策を国に求めること、また東京都に対しては家賃等支援給付金等の復活を求めるべきと思うがどうか。
  • 「葛飾区人材確保・人材定着支援事業費助成金」は対象となる備品の品目や、消耗品の購入頻度を増やし、より現実的に改善してはどうか。
  • 物価高騰緊急対策支援金事業について、本年度は支給金額を引き上げ、早期に実施してはどうか。
  • 中小事業者に行っている融資事業は、返済猶予を延長させる等してはどうか。
  • 医療・福祉に対して計上された物価高騰対応の補正予算の規模が昨年と同じで戦争の影響が全く反映されていない。これでは不十分であり、増やす必要があるはずだがどうか。

次に区民への生活支援です。

今般の石油危機が物価高騰に拍車をかけ、それが影響し、実質賃金や実質年金の低下が止まりません。

今年3月の総務省による消費者物価総合指数は前年同月比で1.5%ですが、

同時期に公表された日本銀行の「生活意識に関するアンケート調査」では、物価高騰の実感による回答の平均値は17.3%でした。総務省の総合指数1.5%と比べ、物価上昇の実感は指数の11.5倍にもなっていることがわかります。庶民はこれほどまでに物価上昇の痛みを感じています。

 2020年4月から毎週土曜日に都庁下で行われているNPO団体の食糧支援は、5月23日に過去最多の1003人の利用者を記録しました。配布に並ぶ人たちからは生活苦を訴える声が絶えません。

また同月にお花茶屋公園で行われた区内の民主団体によるフードバンクは250人分の整理券をあっという間に配り終え、食料を受け取れなかった人も多数いました。民間の「善意」が困窮者の暮らしを支えるのは限界です。

高市総理悲願の消費税減税は一向に進まない中、物価が上がれば上がるほど払う消費税は増えるのですから、暮らしに余裕がないという区民の悲痛な声に対し、憲法第25条に基づき、単に命を維持するだけでなく、人間らしい文化的な水準を満たす尊厳を持った生活ができるよう、区が主体となって応えるべきです。

品川区では財政調整基金から約12億円を確保し、6月から9月の4ヶ月分の電気・ガス代助成として所得制限なし、全世帯対象に4000円を区独自に支援することを決めました。品川区は昨年度の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金でも全区民ひとり5000円の商品券の支給を行っています。

それに比べて本区はどうでしょうか、交付された21億円について、給付対象を低所得者世帯に限定し、しかも純粋に給付金に充てたのはたったの5億。残り16億円は過去に行った事業に充当していました。働いて納税している労働者でも強く生活苦を感じているのに区民全員への給付にならなかったことに対し、「葛飾区に失望した」との声が届いています。今こそ47万区民への給付金事業を行うべきで、今後、国から住民支援の交付金が支給された時には、過去の事業費に充当することがないよう、厳格に求めます。

物価高騰により全国の再開発工事が中断している状況が見られますが、この際本区の再開発事業の在り方を見直し、社会経済が安定化した時に改めて計画を進めるとして、その予算を「区民全体」に行き渡たるような暮らしを支える支援に活用してはどうでしょうか。そこで質問します。

  • 前年度にやらなかった全区民への給付事業を行うために、大胆に補正予算を組むべきと思うがどうか。
  • 物価高対策と熱中症対策を兼ねて、全世帯対象に電気代助成を行ってはどうか。
  • 石油危機に際し、仕事が激減した、また失業した勤労区民に対し、緊急小口資金や住居確保給付金などの公的支援が十分に行き渡るよう、コロナ禍の時以上に広報と窓口対応を強化すべきと思うがどうか。

次に外国籍区民の暮らしについてです。

本区にはおよそ3万4千人の外国籍区民が暮らしています。

外国籍区民の皆さん、それぞれに様々な背景があり、ここで暮らしていることを一期一会として歓迎し、地域をあげて受け入れていくことで開かれた新しい葛飾区が構築されていくのではないでしょうか。その点で、先日、西新小岩リバーハイツで行われた防災イベントは幼児からシニアまで、年齢も国籍も多様な住民が参加し、自治会の努力と結んで、ご近所さんの交流のきっかけになったものとして評価したいと思います。

さて政府は入管法を改定し、永住許可や在留資格の更新・変更手数料を急激かつ大幅に引き上げようとしています。日本人向けの行政手続きにかかる費用が1年で何十倍にも引き上がれば大騒ぎになりますが、参政権がなく政治に物が言えない人たちを狙い撃ちにした制度改悪はゆるせません。日本人配偶者と離婚し日本で子どもを育てる外国籍シングルマザーなど、低所得家庭はどうなるのでしょうか。

さらに「経営・管理」許可基準についても資本金500万円から6倍の3000万円に引き上げるせいで、地域で長年営業を続けてきたエスニックレストランが廃業の危機に瀕しており、日本生まれ日本育ちの子どもが全く知らない国に帰らなければならない事態になっています。東四つ木地域には全国でも有名な希少なアフリカ料理のレストランがありますが、特色のある店がなくなれば街の賑わいに影響し、空き店舗が増えれば町が寂れてしまいます。

在留資格は外国籍住民にとって、日本で働き生活していくために不可欠なものです。彼らはすでに日本人と同じ税金を払い保険料を負担しているのに、政府が共生社会実現の費用を受益者負担として外国人にさらに負担させようとするのは不当です。

また難民申請中の人たちは就労が規制されており、申請期間中に困窮状態に陥っている人が少なくありません。主要な欧米諸国では、難民申請手続きそのものや、審査を待つ間の滞在許可手続きに手数料を課さないのが一般的です。審査が長引くほど何度も高額な更新料を請求する日本の難民に対する行政手続きは世界的に見ても極めて異例です。

わたしたちは世界人権宣言3条・6条・7条・22条にあるように、人類社会のすべての構成員の固有の尊厳と平等、また権利を承認することが、世界における自由、正義及び平和の基礎であることを確認したうえで質問します。

  • 外国人は社会を支える働き手であり納税者です。彼らが高額な手数料を払うことになれば、その家族に新しい経済的困窮が生じることになる。多文化共生を謳う東京都の自治体として、区長の認識を問う。また区長会として政府に対し、手数料の異常な値上げをやめるよう訴えるべきと思うがどうか。
  • 外国籍住民が多く住む地域での交流イベントを発展させ、全区域で相互理解の場面を作っていくことが重要であると思うが、今後の取り組みについてお示しください。
  • 外国籍店主が営業する飲食店に対し状況の聞き取りを行い、営業継続支策を講じてはどうか。
  • 働くことが制限されている難民申請中の外国人に対し、困窮状態に陥らないよう住民票のあるなしに関わらず、人道的観点から生活支援、また支援団体への活動支援を行うべきと思うがどうか。
  • 生きる権利は国籍に関係なく保障されるものであり、特に政治的影響を受けやすい外国籍区民の働く権利・学ぶ権利を本区としてどのように擁護していくのか。

以上、答弁如何により再質問を行うことを申し述べまして質問を終ります。

 2点、再質問させていただきます。まず1点目、事業者支援に係る質問の4、物価高騰緊急対策支援金事業について、支給金額を引き上げ、早期に実施しては、についてです。事業者の方に今一番、何をやって欲しいですか?と聞きましたら、まず最初に『戦争を止めて欲しい』とおっしゃっていました。それほど戦争の影響が大きい。そもそもこの物価高騰はコロナ禍明けにロシアがウクライナを攻撃したことから始まっています。そこにアメリカとイスラエルのイラン攻撃が、物不足と価格高騰に拍車をかけている状況です。なにより区内の事業者がつぶれないよう、廃業しないように区が支援すること。重要なのは中小事業者を失業者にしないことです。区は廃業・失業、お構いなしなんですか?

つぎ2点目、区民の生活支援に係る質問の1、前年度にやらなかった全区民への給付事業を行うために、大胆に補正予算を組むべきと思うがどうか。ですが、今回の答弁もがっかりしました。補正予算にプレミアム商品券の増刷分の費用を計上していますが、そもそも商品券を買う元手がある人だけしか恩恵がない。これは、物価高における消費者支援さえも、使える人と使えない人の格差を、こともあろうか葛飾区が生じさせているのですよ。だから全区民が対象になる、給付金事業を行うべきです。どうですか区長。

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