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マンションに関するさまざまな情報をご提供します |
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マンション建て替え円滑化法成立 | ||||||||||||||
今秋「区分所有法」改正案提出へ 建て替え要件を 築30年以上 建て替え問題を考える どうして30年で? 分譲マンションの建て替えをスムーズにおこなううための「マンション建替え円滑化法」が、6月に成立しました。円滑化法の内容と、今秋に改正予定の「区分所有法」の「建替え問題」を考えて見ました。 「マンション建替え円滑化法」とは 建て替え組合の法人化 現在の区分所有法では、建て替え事業体の法的位置づけや意志決定のルールが明確になっていません。 円滑化法では、建て替え決議後、賛成合意者でつくる「建替組合」に法人格を与え、これによって施行業者と「建替組合」が一括契約できるようになります。また、金融機関からの資金調達もしやすくなります。 「権利変換」で権利の移行が円滑に 従来は、個々の権利者ごとに抵当権等の権利を抹消し、建て替え後に保存・移転登記をするという面倒な手続きが必要でした。「円滑化法」では、市街地再開発事業で使用されている「権利変換」の手法を導入し、従来の権利を抹消することなくスムーズに新しいマンションに移行することが可能となり、登記についても、「建替組合」が一括して申請できるようになります。 参加できな居住者や建て替え中の居住安定策 「建て替えに参加できない」、「賛成だが建て替え中の生活が大変」という居住者には、地方公共団体が支援施策を講じることが義務づけられています。 デベロッパーも建て替え組合員に 参加組合員として民間事業者も参加が可能となり居住者の主体性が守られるのか問題点も含まれています。 |
国の積極的支援策を 日本共産党 |
「マンション建て替え円滑化法」は.日本共産党も含め全会一致で可決成立しました。 日本共産党は、@高齢者等建て替えに参加できない居住者や建て替え中の居住の安定A業者が組合員として参加する場合の居住者主体の建て替えが損なわれないかB建て替え要件を30年とすることの問題C建て替え中の仮住居として公営住宅等の活用で居住の安定を図るとしているが、十倍以上の募集倍率の公営住宅への仮入居は困難と問題点を指摘しました。 日本共産党推薦の千代崎一夫参考人が「長く使うために積極的な努力をすることが、最終的に建て替えを円滑にすすめるためにも大切」と強調しました(うら面に要旨を掲載)。そのためにもマンション長寿化への国の支援施策、建て替え円滑化への支援策を強く求めていきます。 |
区分所有法改正原案の建替え要件に問題あり |
法務省は、「区分所有法」改正の要綱案原案を公表しました。現在の区分所有法の建て替え決議の要件として、「老朽化し過分の費用を要する」とありますが、この「過分とは何か」が不明確で問題になっています。 そこで改正原案として出されてきたのが「建築後30年経過したマンションは建て替え決議できる」という要件に改正するというものです。 30年の根拠は? 「30年を経過したとき」を建て替え要件とする客観的・合理性の根拠がありません。木造でも30年や40年は持つものもあるのに、鉄筋コンクリートの建物がどうして短期間で建替えなければならないのかと疑問視されるのも当然で、大きな問題となっています。 ローンの支払いが終わらないのに建て替えに 国の住宅政策に、住宅金融公庫の融資があり、最長35年返済になっています。ローンも払い終わらないうちに建て替えとは、国の住宅政策との整合性が問われることになります。 マンション維持・管理の放棄 昨年、マンション管理適正化法が施行され、長期修繕計画の策定が求められています。修繕計画は25年から30年で作成され、30年で建て替え可能となると、建物の維持・管理にお金をかけようとしなくなり、管理放棄するところも出現しかねません。ここでも「適正化法」との整合性が問われます。 丈夫なマンションはもうできない? マンションのストック時代、100年マンションをと言っても、30年で建て替えという数字が一人歩きし始めると、分譲主が100年持つような丈夫なマンションを真面目に供給しなくなるのではと心配されます。 マンションの長寿化で地球環境の保全を 地球温暖化など環境の危機が言われています。安易な建て替えは大量建設廃材の排出や資源エネルギーの浪費につながります。 |
長生きマンションへ取り組んでこそ建て替えも円滑化に |
参院国土・交通委員会 「マンション建替え円滑化法」案に対する 千代崎一夫さん(日本共産党推薦)意見陳述(要旨) 6月6日、参院国土・交通委員会で「マンション建替え円滑化法」の参考人質議がおこなわれました。居住者にとってマンションの建て替えをスムーズにおこなうために、どうしたらよいのか考えてみる視点として、日本共産党推薦の千代崎一夫さん(まちづくりコープ代表、マンションコンサルタント)の委員会での冒頭意見(要旨)を紹介いたします。 |
私は、住宅コンサルタント事務所を開いており、マンション管理士でございます。私は、建物を診断して長期営繕計画をつくり、必要なら工事企画、監理、その他、管理組合の立ち上げとか、規約(管理組合)の整備、ペット問題、管理会社への不満等、様々な相談に乗っており、直接マンション住民と接している実務を仕事にしております。 長生きマンションへの検討と助成を そのような立場で「マンションの建て替えの円滑化に関するる法律案」を見ますと、幾つか心配な点があります。中でも一番感じているのは、建て替えの前に長く使えるかということの検討がどれだけ積極的に行われたか、行われるかという問題です。長く使うことに対して助成や税制などの工夫をして、むしろ長く使うということはいいことだという風潮を育てていただきたい。当然、いつかは建て替えをしなければならないというのはもちろんです。そのときに、マンションを長く使うということをよく検討し実行した上ならば、反対者も少なくなります。 木造でも三十年以上も長生き 長生きマンションと私は呼んでおりますけれども、それの積極的検討をということで、川崎のある団地で、築二十年を過ぎて二度目の大規模修繕を企画していたときです。次の十年目、つまり三十年(築)のときのことを考えて今回の工事企画をしましょうという私の提案に対して、役員は「千代崎さん、次はもう建て替えだよ」と言いました。だから、役員会の感じとしてはそういうふうになっています。ただ、私の方は「木造の建物だて三十年、四十年もっていますよ、コンクリートの建物で三十年、次には建て替えという話はないですよ」とお話をしました。その場が終わった後に役員でない人が寄ってきて「千代崎さん、いいことを言っていただいた、三十年で建て替えの話が出るならば、二十年のときの大規模修繕にお金を払う気はない、それを聞いて安心してお金が払える」と言っていました。 ここの団地は修繕積立金も、計画を含めて集めておりましたので、改めてお金を集めるということではありませんけれども、やはり年限を決めたらその十年前には修繕にはお金をかけなくなってしまうということです。 コンクリートの劣化に対応した修繕 別な件では(建て替えの)、かなり傷んだマンションに調査に行くこともあります。「うちのマンションはどのぐらいもちますかね」とよく質問を受けます。そのときに「現在のコンクリートの老朽化も含めた度合いを調べて、これに合った修繕をして、その後、そこについて十年後ぐらいに傷み具合の経過を見ましょう」と。かなり傷んでいますと、二十年でこんな状態になつているというときに「百年はもたせましょうよ」と私が言っても、それは信用されないと思います。ただ「二十年から三十年、三十年から四十年、こういった間にどのぐらいどこが傷むのかというのをちゃんとと管理組合で握って、その上で五十年を迎える、あともうワンサイクル、つまり百年というのがもつかどうかと、こういう判断をしましょう」とお話をしております。 現実には、私どもも三十年近くなつたマンションを幾つも見させていただいていますが、建て替えようという話はなかなか出ておりません。 バリアフリー化への対応 社会資産としてマンションを見れば、近隣での地域的な移動とか、年齢層のミックス、こういうことも含めて、当然エレべーターを付けられる可能性のあるところは付けていただくとしても、エレべーターのないマンションも有効に生きてくるのではないかなと思います。 人間の高齢化にも対応したマンションが望まれていますが、段差を解消したり、手すりを付けたりしているマンションも増えてきました。共用部分全体をバリアフリーにするために、住民のところでの意識と、それにプラスする助成制度というのもあればマンションのバリアフリー化はかなり進むと思います。私の住んでる東京・板橋区では、助成制度があって、区民としても大変うれしく思っております。 バリアフリー化を喜ぶのは高齢者だけではありません。障害をお持ちの方はもちろんですが、けがをした場合など、健常者でも大変喜ばれます。 設備の陳腐化・狭小住宅は全体の見直しで克服 設備の陳腐化という言葉があります。だから修繕では駄目なんだと言われております。そのことも全体を見直すとかなり対応できます。専有部分も全部必要なところの床をはがしてステンレス管(給水管)に取り替える、これを考えれば、設備の陳腐化ということも実際には直していけます。 建て替えの大きな理由に狭小住宅であるということもあげられております。これに対しては、狭い住居を縦につなげたり横につなげたり、これを二戸一といっておりますが、こういう形で直接住宅の広さを加減する、共用部分で大浴場を持っている団地や宿泊できる集会室、こんな手当てをしているところもあります。そういうことで狭小への対応も可能ではないかと思います。 そのほか、IT対策とか、それから省エネルギーとか屋上緑化とか太陽光発電と様々なことをすべて可能性として考えて、既存マンションでも行おうと思っております。これらのことをやれば建て替えの理由というのはかなりなくなり、建て替えそのものをかなり先に延ばせます。マンションを長く使ぅということを十分に検討していただきたい。そのためには、助成もし、税金その他の優遇する措置もぜひつくっていただきたい。その上で「マンション建替えの円滑化等に関する法律案」が生きていくのではないかなと思っております。 |
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