2023年葛飾区議会第四回定例会を終えて

2023年葛飾区議会第四回定例会を終えて(団声明)

1、今定例会に先立ち、党区議団は11月6日に補正予算に関する要望書をまとめ区長に提出しました。物価高騰が止まらず、区民生活を支えるための緊急の対策が必要と考えたからです。ところが、今定例会に提案された補正予算は、これまでの計画事業の具体化などばかりで、緊急対策と言えるものは皆無でした。しかし、この間、党区議団が要求し続けてきた区民の住宅へのエアコン設置の助成制度を今後、実施することになりました。今定例会では、区基本計画の中期実施計画素案が提案され、中学校の不登校生徒への取り組みとして、3年間ですべての中学校に受け入れ態勢のため「教室」を設置することになりました。

 さらに、本会議最終日には、追加の区補正予算が提案され、国の補正予算で確定した住民税非課税世帯への「給付金7万円」とともに区独自対策として中小企業に対し、法人15万円、個人事業者に3万円の給付を行う補正予算が計上するなど区政を動かしてきました。

1、区長は、11月30日から12月4日までアラブ首長国連邦のドバイへCOP28に参加をすると表明しました。しかし、区長は11月14日に区議会開催を議長に要請しました。会期は11月28日から12月14日までであり、その間は、議員も説明員である区長も管理職も要請があればいつでも出席が求められ、会期中の外遊はあり得ず、その責任放棄は認められません。区長が成果として自慢しているのは、特別区と三多摩との間でCO2の取引を行い、メガバンクと協力することです。そのメガバンクは石炭火力発電所の新設を財界とともにすすめ、我が国は4回連続で化石賞を受賞しました。時代遅れの石炭火力発電建設の後押しをするメガバンクを免罪しようとするものです。これを環境対策だというのもおこがましい限りです。当然ドバイへの外遊の中止を求めましたが民主主義制度の欠如への反省がないことが問題です。

1、水泳授業の民営化は、あらゆる分野で矛盾を広げています。これに対する区民運動は広がり、文教委員会では五つの請願が提出され、その質疑で、自民、公明議員からも教育委員会に対する苦言が目立ちました。移動に時間がかかり、水泳指導が決められた時間に達していない問題、事故が起きた場合の責任の所在が欠如していることも露呈しました。水泳指導の委託先が再委託されている実態もあり契約の実態の解明も必要です。しかし、区は、水泳指導の民営化を加速するために、お花茶屋の都有地を購入し、そこに温水プールを設置して拡大していく予定としています。温水プールの設置は、校舎を新しく建替える学校にこそ設置することが最優先されるべきことです。

1、「学校校舎の次期候補校と今後の進め方について」の報告が行われました。その最大の特徴は、学校統廃合を容認すれば、その地元の校舎を次期候補校とすることです。区教委は、東四つ木地区では、渋江小と木根川小を統廃合するだけではなく、中川中も同時に建替える提案を行い、「この条件に同意しなければ、改築はない」と説明をしました。また、柴又小と東柴又小の統合を打ち出し、それが地元の桜道中の建て替えの条件になる旨の説明を行っていることも同質の「脅し」にほかなりません。子どもの権利条約・条例の「子どもたちに最善の利益のために行動」という原則にも背き、経済効率最優先の教育条件の整備は根本的に間違っています。

1、新小岩駅南口再開発は、権利変換計画を申請する前に一年前の事業費試算を見直し事業費が20%余り増えました。立石駅北口再開発は、三年前の事業費の試算を建築費や人件費などの見直しを行うことなく権利変換計画を申請したことは、事業費を少なく見積もるためだったのではという疑義が生じます。しかも、立石駅北口再開発の工期が1年5ケ月延期され、完成は2030年3月となりました。アスベスト除去や、支障杭撤去、鉄道近接施工によるものとされています。物価高騰などで、大阪万博の工事費が増大していることが問題になっていますが、立石駅北口再開発も見通しが甘かったといわざるを得ません。区は、広報を使いくりかえし264億と宣伝しましたが、その根底がくずれ、どれだけの税金投入が行われるのか、区民に説明する責任があります。

また、「立石駅周辺の賑わい創出事業」の住民監査請求を監査委員は「棄却」しましたが、今後の裁判の動向により「職員に対する損害賠償請求及び懲戒処分を勧告する」と述べました。また、付帯意見として、「品質保持のため最低価格を設けること」「特命随意契約は不適切」「再委託する場合は、再委託先の内容等を明確にすること」などの意見を付しました。この住民監査請求は、不適切なものは不適切と指摘したことに意義があったといえます。

1、党区議団は、地区党・党居住支部と共にトイレ調査を行いました。トイレには、女性は男性と比較し2.5倍の時間を必要とするのに女性トイレが圧倒的に少ないことは、ジェンダー平等に反します。災害時は、女性トイレを3倍にすることが国際基準とされています。山口県萩市では女性トイレを男性用の2倍にすることとし、各地の自治体で新たに基準をつくりこの問題に取り組んでいます。区内の公共施設等の調査の結果、男性トイレの方が多いことや衛生上の問題など多くのことが判明しました。この結果をまとめ11月24日に区長申し入れを行いました。

引き続き、区民要求実現のために調査・研究、住民訴訟もふくめた区民運動と連携し全力を尽くしてまいります。

                                2023年12月14日

日本共産党葛飾区議会議員団

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