2023年葛飾区議会第二回定例会を終えて

2023年葛飾区議会第二回定例会を終えて

1、今定例会に先立ち、深刻な物価高騰対策等について区長に対し、5月19日に緊急要望を提出し、昨年度末まで中小企業等に対して実施した給付事業の第二弾として、規模を拡充して実施することや努力義務となった自転車ヘルメットへの助成事業の実施などを求めました。今定例会の補正予算が29日に公表されましたが、これまで党区議団が求めてきた対策や緊急要望の要求も実現したことは、一歩前進と言えます。医療機関や福祉事業所に対し、30万円、10万円の給付や、高圧電力を使用する事業所への電気代助成、LPガス利用者への助成、銭湯への燃料費助成の上乗せなどが実現しました。しかし、提案した低所得者への物価高騰給付金の対象拡大などは見送られました。今も物価高騰はとどまらず、今後さらなる支援が必要です。

1、葛飾区は学校給食無償化を23区でいち早く実施を表明しましたが、今や、18区が今年度中に実施することになり一気に広がりました。しかし、各区は、アレルギー、宗教上給食を食べられない子どもには、給食費相当分を助成、また、都立特別支援学校に通学する児童も対象にする自治体も増えています。葛飾区でもこうした改善はもちろん、年度当初、混乱のもとになった私費会計での取り扱いから公費会計にするなど教職員の負担軽減にも取り組まなくてはなりません。

 こうした取り組みを要望する「ただす会」の請願に、理事者が検討中である旨の答弁をしているのに不採択を主張した自・公・区民連の責任は重大だといわなければなりません。

1、学童保育クラブの待機児は、21年259名、22年281名、23年386名と年々増え続けています。区は、学校内の設置しか認めない態度をとってきましたが、明らか破たんしています。党区議団は、繰り返し、学校以外にも施設を増やすことを求めてきましたが、ついに、9年ぶりに学校外の施設の設置に踏み切り、年度内に設置されることになりました。

1、今定例会中に通常国会では、マイナンバーカード法の採決が強行されました。審議が進めば進むほど、次々に致命的欠陥が明らかになりました。葛飾区でも29万人、65%がカードを取得し、申請中をあわせると39万人、85%となりました。しかし、この間、申請をしたのにカードを取りに来ない他、申請中に死亡した区民は、17000人余りにも上ります。保険証を廃止するというこの愚策を止める運動はこれからの課題です。

1、閉会中の保健福祉委員会で社会福祉法人葛飾会が運営する認可保育園の特別監査の結果が報告されました。5年間で実態のない職員の人件費を計上するほか保育とは関係のない支出が多数指摘され、補助金という名の税金を私物化していた実態が明るみになり総額6200万円、利息1000万円返済されました。しかし、この法人は、特養ホーム2カ所のほか、介護施設も運営しています。この法人に対する違法な会計の徹底解明が求められています。

1、立石駅北口再開発組合が「権利変換計画」の認定手続きを3月、都に申請し、6月19日に認可を公告しました。認定手続きの際、同じく再開発で区役所を移転した豊島区は100%であったのに、立石駅北口では、8%の地権者の26人の同意がなく、区は、100%を目指すといいながら申請以来、4名の同意のどういが増えただけ手で27名が同意していません。ここには地方自治の砦としての区役所を移転させようという計画であり地方自治の在り方に係る大問題です。しかも、まだ30年は使用可能な区役所を700億円以上税金投入で新しくして破たんした再開発を救済する計画です。「権利変換計画」自体、区民の財産である区有地を正当に評価せず、狭い床を割り当てたことを党区議団は指摘しました。この「計画」を認可した東京都にも問題があります。(仮称)住民監査請求を進める会がこの権利変換計画が、区民の財産を不当に処分したものとして住民監査請求と住民訴訟の準備に着手しています。同意していない権利者を擁護し、ともに闘うならば大きなエネルギーとなり区政を変化させなければなりません。

立石駅南口西地区の都市計画決定が6月12日の都市計画審議会でわが党議員の反対を押し切って議決しました。都計審では、学識経験者の一人が、昨年からこの開発の事業協力者となっている企業に所属していることから、諮問の議決には加わらないという規則の改定が行われました。都市基盤特別委員会の審議では、再開発の事業協力者に所属したままで都計審の委員にとどまることが問題ではないか、議決の時だけ除斥するだけで済む問題ではないと提起しました。このように区民から疑念を抱かされる問題はあいまいにしてはならないと主張しましたが、区は、問題ないの一点張りで、問題解決に背を向ける態度を変えないことが問題です。

 気候変動による季節外れの大雨による災害も多発し、台風2号による中川の上流で氾濫が起きました。水害だけではなく、5月以降、全国各地で震度6強の石川県能登地方の地震をはじめ、関東地方でも地震が多発しています。今年は、関東大震災から100周年にあたる年であり、災害に対し必要な備えも区に求めました。区民の安全・安心の実現とともにくらし、営業を守る区政の前進のために引き続き全力をあげてまいります。

                            2023年6月22日

                         日本共産党葛飾区議会議員団

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