2023年葛飾区議会第三回定例会を終えて (団声明)

2023年葛飾区議会第三回定例会を終えて

1、今定例会に先立ち8月25日に、党区議団は、今定例会にあたり物価高騰等から区民のくらし・営業を守るための対策を求め青木区長に申し入れを行いました。しかし、今定例会の補正予算は、物価高騰等に苦しむ区民への独自の対策はないばかりか、物価高騰等緊急融資を9月末で予定通り中止するというものです。決算余剰金の118億円も活用されず、基金残高は1460億円へと今年度当初予算編成時の予定額を超え、史上最高の規模となりました。区民のくらし・営業に背を向けているといわなければなりません。

1、10月1日から児童相談所が開設されました。その開設に合わせて「子どもの権利条例」の制定しようとしたことも禍根を残しました。前回定例会では、この条例の「素案」が提案され、パブリックコメントで200以上の意見、提言があったにもかかわらず、一字一句訂正しない「条例案」が提案されました。党区議団は、早急に議決するのではなく「区の役割の明確化」「子どもの権利が侵害された場合の救済策」「施行日の延期」などの「修正案」を提案しました。「修正案」は否決されましたが、今後、よりよい条例にしていく意見を表明し、原案に賛成しました。

1、学校プール水泳指導の民営化は、新たな矛盾を広げています。今定例会では2つの請願が提出されました。セントラルフィットネスクラブ青砥店のモーニングプランの会員は平日午前4日利用していましたが、学校の水泳指導のため週3日しか利用できなくなりました。こうした問題は、区内どこでも起こりうるものです。今一つは、夏休みの水泳指導充実してほしいという請願でした。水泳指導を民営化した学校は、おしなべて夏休みの水泳指導をしていないからです。水泳指導の業務委託している会社が業務委託していることが発覚しました。この業務は仕様書で再委託を禁じているので「違反」しているのは明らかです。「一部委託」だから問題ないとする教育委員会の言い訳は、成り立ちません。10月8日、「子どもたちに学校プールを、葛飾連絡会」が和光大学制野俊弘教授を招いて、学習会を行い65名参加しましたが、これらの問題を掘り下げ、運動を広げる機会となりました。

1、区長が友好都市親善を目的としてウイーン市フロリズドルフ区を訪問しましたが、その出張費用が170万円であったことがマスコミで報道され問題となりました。友好都市との交流は必要な事業です。しかし、航空券だけでビジネスクラス140万円、大手旅行企業3社の入札で決定したといいますが、業者丸投げで過大な費用を支出した典型的なものであり、容認できません。税金での渡航であり区民感覚とかけ離れています。

1、立石駅南口西地区の都市計画決定にもとづく、地区計画案を決定しました。立石駅北口は、同意していない地権者が18名おり、まだ営業している店舗もあるのに、区道を廃止し、バリケードで封鎖しました。この街壊しの暴挙は、立石駅南口の人流も変えてしまい有名店の撤退、客の激減という状況となりました。立石駅南口東地区の本組合結成を急いでいますが、北口との工事が並行することになれば、街壊しに拍車をかけることは間違いありません。

 さらに、立石駅周辺のエリアマネジメント事業の参入に地方自治体として逸脱した「脱法行為」ともいうべき事態となっていたことが明るみになりました。こうした業務に実績のない業者を2020年に参入を促す指導に区幹部がかかわり、2021年には、新会社を設立させさらに実績のないのに別会社に「特命随意契約」をしていたことが決算追加資料で明らかになりました。こうした不透明な経緯を反省し、エリアマネジメント事業そのものの見直しが必要です。

1、私立保育園パート保育士補助金の誤支給問題で、「返還を求める」という区の法規担当の弁護士判断を認めず、区長が「返還不要」としたことを合理化するために他の弁護士に「意見書作成」の目的で110万円の支出は違法という「住民監査」が請求されました。この件で監査委員は、2名が「違法かつ不当」と判断、2名が合法とわかれました。監査委員の判断が一致しなかったこと自体、区政史上初のことであり異例なことです。当事者は、訴訟で判断を求めるとしていますが、区長は110万円を返還すべきです。

1、社会福祉法人葛飾会の不正流用は、介護施設も含めると4.1億円に及ぶことが明らかになったのに、区は議会に説明しないことが問題です。請願の審議や党議員団からの説明に応えるだけです。区長はこの葛飾会の理事長や区事業を受注している企業の代表からも多額の献金を受け取っていることは道義的な問題があります。しかし、区長は、献金する側に憲法上の権利があると開き直りました。

葛飾区は、30年前に区長選をめぐるヤミ献金事件が発生し、区議会に地方自治法100条委員会を設置し事態の解明にのりだしました。その教訓を生かし「葛飾区政をただす会」が葛飾会の不正流用問題と区長の政治献金の解明を求め、100条委員会の設置を求める請願を提出しました。党議員団は、当然設置を求めましたが、自民、公明、区民が反対し設置には至りませんでした。

度重なる不祥事、自治体として逸脱した行為や不当な事件の連続は、青木区政の末期症状だといっても過言ではありません。党区議団は、どの問題でも真相解明と区民のくらし・営業を守るために引き続き、全力をあげて頑張ります。

                                           2023年10月12日

                                   日本共産党葛飾区議会議員団

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