はじめに
区民のくらしと営業を取り巻く状況は、かつて経験をしたことのない不況とリストラの嵐の中で、大変になっています。
政府が8月発表した「国民生活に関する世論調査」では、「生活の不安」を訴えられた方が67%と、史上空前となっています。
また、先月の民放テレビ局がおこなった世論調査では、自衛隊の「イラクへの派兵は反対」と答えた方が66%に上っております。
この二つの世論調査に見られるように、国民の三人に二人が暮らしと平和に大きな不安をもっている、これが日本の現状です。
しかしながら政府は、年内にも自衛隊の派兵を強行しようとしており、また、憲法改悪まで明らかにしています。そして、暮らしに係わる問題でも、消費税増税の動きをとるとともに、引き続く不良債権の処理の加速、年金のさらなる改悪を目論むなど、国民に激しい痛みを押し付けようとしています。
また、東京都も財政再建の名によるさらなる都民施策の切捨てと自治体破壊を押しすすめ、臨海副都心や首都高速道路などの大規模開発の負担を都民に押し付けています。
このようなときに、葛飾区が、区民のくらしと福祉を守るという地方自治体の基本的立場に立ち返り、区民要望に応えていくことが求められています。
以上の立場から、2004年度予算編成に対する緊急重点要望書を提出し、その実現を求めます。
記
1、平和と民主主義、憲法を生かす区政実現のために
◯イラクに自衛隊を派遣させないよう求めること。
◯憲法改悪に反対し、憲法を区民のくらしに生かす区政を推進すること。
◯憲法違反の有事法制を発動させないよう求めること。
◯非核平和都市宣言区として、
@葛飾区非核平和条例を制定すること。
A被爆60周年の2005年を核廃絶の転機とするために、区民と共に運動の裾野を大いに広げ、運動を積み上げ、区民の代表を核不拡散検討会議に参加させること。
B広島の平和祈念式典への青少年派遣事業の復活、博物館での展示を常設化すること。
C葛友会の節目の事業などに、支援を強めること。
◯オンブズマン制度をつくり、区民の苦情や提案を受け入れること。
◯公正な監査業務の遂行と監査委員制度の独立性のために、常勤監査委員の選出において は、区退職幹部の登用は行わないこと。
◯パブリックコメント制度は、意見に対する回答を行うなど改善し、条例化すること。
2、区民のくらし、福祉、健康のために
◯消費税増税に反対すること。
◯来年度からの区の施設使用料などの公共料金の値上げや新たな有料化を撤回すること。
◯国民健康保険料を値下げするとともに、減免制度を拡充すること。
◯子どもの医療費無料化を小学1年まで広げること。
◯介護保険料は、低所得者への負担軽減をはかるとともに、利用料の軽減策も拡大すること。
◯特別養護老人ホーム、老人保健施設を増設すること。
◯老人福祉手当にかわる介護支援のための手当を創設すること。
◯敬老館の風呂を復活すること。
◯福祉作業所、水元そよかぜ園の民間委託を中止するとともに、福祉館の民間への移管もやめること。
◯障害者グループホームの増設や高齢の障害者対策を実施すること。
◯受注センターを設置し、福祉作業所、福祉館などの仕事確保に全力をあげること。
◯民間障害者施設への区の独自加算を復元すること。
◯民間福祉施設サービス推進費を削減しないよう東京都に働きかけること。
◯高次脳機能障害対策として、既存サービスを最大限活用できるように改善すること。
◯公立保育園の民間委託を行わないこと。待機児を解消するために認可保育園を増設し、今後の利用増の見通しをたて増設計画をつくること。
◯学童保育クラブの民営化を中止すること。単独学童保育クラブも土曜開所するとともに、40名を基本とする児童定数に改めること。また、待機児を解消するため、
分室開 所や新増設を行うこと。
◯生活保護ケースワーク業務を充実するために、ケースワーカーを増員すること。
◯各種健康診査の有料化は行わないこと。
◯インフルエンザ予防接種の対象者を拡大すること。
◯精神障害者地域生活支援センターの設置を来年度実施すること。
3、中小企業振興と雇用拡大のために
◯不況対策本部を設置して、仕事確保、融資の改善など、緊急総合対策を講じるとともに、商工予算を大幅に増額、人員増により執行体制を確立すること。
◯地域産業活性化プランの策定にあたっては、産業活性化会議を設置して、研究者や専門 家、広範な中小業者の参加も保障し、時間をかけて実施すること。
◯特別不況対策資金融資を引き続き実施し、返済猶予の延長を実施すること。
◯不況対策緊急資金融資の本人負担利率を引き下げること。
◯一般融資の借換え制度は、元金を6ケ月以上返済していれば対象にするよう改善するこ と。
◯1億5千万円以下の予定価格の工事は、区内業者による入札方式に改めること。また、 5千万円以下の公共工事については、地元小規模建設業者へ優先発注すること。
◯小規模工事登録制度を実施し、中小業者の受注機会を確保すること。
◯区内建設業者の仕事拡大と区民の住宅リフォーム支援のために、区が工事費用の消費 税相当分5%を助成する事業を実施すること。
◯歳末に向けて区独自の「元気を出せ商店街事業」を実施すること。
◯商店街のカラー舗装、装飾灯の設置など、近代化対策は全額公費負担とすること。
◯中小商店・中小企業の日除け・雨除け・袖看板等の道路占用料を全額免除すること。
◯大型店、安売り量販店等から区内商業をまもるために、商店街と連携し、無秩序な進出 をおさえること。実効ある指導要綱に改善すること。また、日本板紙跡地のイトーヨー カドーの出店計画にあたっては、周辺の地元商店街の影響調査を実施し、計画の見直し を求めるとともに、その対策を講じること。
◯「葛飾産野菜」定着化支援事業を引き続き継続し充実するとともに、直売事業と商店街 の活性化連携事業を拡大すること。
また、生産緑地の条件に満たない農地の維持・保全のために緑地補助や農業体験農園の 設置の促進など、区としての対策を確立すること。
◯就労斡旋・雇用と失業対策の「労働相談室」を開設し、青年の雇用対策を強化し、区主 催の就職斡旋説明会などを開催すること。
◯高齢者の就労確保のため、シルバー人材センターへの支援を強化すること。
4、安全で住みよいまちづくりのために
◯民間建築物の耐震診断助成事業の対象件数を大幅に増やすとともに、耐震補強工事への 助成も実施すること。
◯在来橋梁の耐震化や幹線道路の沿道不燃化促進事業、細街路拡幅整備事業などの目標を 引き上げるとともに、災害時における防災活動拠点を当面30箇所を早期に整備するこ と。
◯南水元土地区画整理事業は、住民の意志のもとに、直ちに中止すること。
◯高齢者、障害者、ひとり親家庭、ファミリー世帯及び若者に家賃助成を行うこと。
◯マンションの大規模改修における区独自の補助制度をつくること。
◯工場跡地の開発や大規模マンションの建設にあたっては、地域に調和したまちづくりと するために、規模の適正化や必要な福祉施設の整備、公共施設の負担金を制度化する条 例等の制定をすすめること。
◯京成四つ木・青砥駅間の立体交差化事業は、早期に実現すること。
◯高砂の「開かずの踏切」を解消する対策をすすめること。当面、歩行者の対策として、歩道橋にエレベーターなどを設置すること。
◯排ガス対策として、自動車排ガスの測定局に、浮遊粒子状物質の調査が行えるよう測定 機を設置するとともに、まだ常時監視測定局のない主要幹線道路に自動車排ガスの監視 測定局を増設すること。また、大気汚染被害者の実態調査を実施すること。
◯交通不便地域を解消するために、各バス事業者に対して、新たなバス路線の開設と、既存路線の延伸化を働きかけ実現するとともに、区独自のバス路線の設置を行うこと。
◯お花茶屋・立石・堀切菖蒲園駅にエスカレーター・エレベーターを設置すること。
◯JR東日本千葉支社に働きかけ新小岩駅南北自由通路を実現すること。
◯四ツ木駅北側の駅前広場の整備をただちにおこなうとともに、高架下の自転車駐車場も 整備すること。
◯都市計画道路計画は、路線ごとに必要性を吟味し見直すとともに、生活道路の整備を促進すること。
◯自然破壊となる水元小合溜でのレガッタ計画の撤回を要求すること。
◯自転車置場は存続すること。
5、教育の充実のために
◯子どもや区民の声をよく聴き、現状もよく分析し、実効性のある「教育振興ビジョン」 にするために、素案は白紙撤回すること。
○ひとり一人にゆきとどいた教育を行うために、30人学級を実現すること。当面、小学 校1、2年生、中学校1年生での少人数学級や、独自にTT加配などを行うこと。
○生徒指導の困難校だけでなく、学校運営上で必要とする学校、いじめ・不登校対策など にも、学校支援指導員を派遣するとともに、全ての小学校にスクールカウンセラーを配 置すること。
○学校校舎の耐震補強工事を早急に行うこと。小中学校の大規模改修及びトイレ改修、普通教室・会議室・図書室などへのエアコンを年次計画化して整備すること。また、校舎等改修費や修繕費を大幅に増やし、各学校からの修繕要望に直ちに応えること。
○学校の校具・教材・物品等の購入費は大幅に増額すること。また、パソコン関連予算は 別枠で措置すること。
○父母の教育費の負担軽減のために、小・中学校の就学援助は、生活保護基準1.5倍に戻すとともに、費目認定の項目を拡充すること。
◯保田養護学校に在籍する児童を増やすために、体験教室を増やし、積極的なPRをすること。
◯通常学級に在籍するLD、ADHD、高機能自閉症等の特別な配慮を必要とする子どもについて関係者の意見等にもとづいて充実させること。
○葛飾図書館を存続し、東金町、小菅・堀切、奥戸地域に、地域図書館を建設すること。
◯立石図書館の耐震補強工事を早急に行うこと。
◯各地域図書館にエレベーター設置などバリアフリー化を進めること。
○渋江公園プールの廃止は取り止め、施設改修を進めること。
○「水元青年の家」の施設存続のために、引き続きあらゆる努力を行うこと。
○教育基本法の改悪に反対すること。
6、区民の目線から財源を確保し、区財政を確立するために−ムダと浪費をなくす
◯莫大な財政支出をともなう金町駅南口再開発は採算上問題があり、立石駅周辺地区再開 発は、住民合意も得られておらず、ともに根本的に見直すこと。
◯都市計画や建設部門の部課長をスリム化すること。また、その他の部長や課長級の管理 職のポストも他との統合により思いきった見直しを行なうこと。
◯区議会議員の報酬カット、期末手当の特別加算を廃止するとともに、費用弁償や各種審 議会報酬を廃止すること。
◯区長の退職金を廃止すること。
◯区幹部職員の公社等への天下りを根本的に見直すこと。
◯職員の退職時の一律名誉昇級は改めること。
◯不公正な同和行政は直ちにやめること。
◯議員待遇者会の補助金は廃止すること。
◯亀有パーキングリリオの自動車駐車場の利用料は、イトーヨーカ堂に応分の負担を求めること。
◯東京電力・NTTの電柱などの道路占用料を政令基準どおり徴収すること。
国や都に対して
◯国が先行的に進めようとしている義務教育経費や保育所運営費の一般財源化に反対し、 税源移譲を求めること。
◯都の「第2次財政再建推進プラン」の撤回を求めること。
◯特別区交付金の調整率の引き上げを求めること。 |
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